第29回 匿名医療情報等の提供に関する専門委員会 議事録

保険局医療介護連携政策課保険データ企画室

日 時

2025年6月11日(水) 13:00~17:00

場 所

Web 

出席者

【専門委員】
・小野寺 哲夫(日本歯科医師会 常務理事)
・鹿野 真弓 (東京理科大学薬学部 教授)
・東宮 秀夫 (一般財団法人 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団 参事)
・長島 公之 (日本医師会 常任理事)
・中野 壮陛 (公益財団法人医療機器センター 専務理事)
・中野 惠  (健康保険組合連合会 参与)
・野口 晴子 (早稲田大学政治経済学術院 教授)
・原口 亨  (日本薬剤師会 副会長)
・村松 圭司 (千葉大学医学部附属病院 次世代医療構想センター 特任教授
・山本 隆一 (一般社団法人医療情報システム開発センター 理事長)

議 題

  1. 二次利用ポータルに及びHICを用いたNDBデータ提供の現状について(報告)
  2. 匿名医療保険等関連情報の第三者提供の現状について(報告)
  3. 匿名診療等関連情報の第三者提供の現状について(報告)
  4. 個別審査(非公開)

議 事

 
 
 
村松委員長 そうしましたら、お時間になりましたので、ただいまより第29回の「匿名医療情報等の提供に関する専門委員会」を開催いたします。
 委員の皆様方、御多忙の折、御参加いただいてありがとうございます。
 それでは、事務局からまず委員の出欠状況について御報告いただければと思います。
小西室長補佐 医療介護連携政策課の小西です。
 本日は、御参加いただき、誠にありがとうございます。
 今回は、専門委員の皆様全てがウェブ参加となります。川又委員、齋藤委員、口羽委員、嵩委員、田中委員、宮島委員は欠席となります。
 なお、ウェブ開催の都合上、ネット回線が不安定になった場合は、会場を投影しておりますカメラをオフとさせていただくことがありますことを御承知おきください。
 以上です。
村松委員長 ありがとうございました。
 それでは、早速ですが、本日の議事に入らせていただきたいと思います。
 会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
  (冒頭カメラ撮り終了)
村松委員長 それでは、議題の1「二次利用ポータル及びHICを用いたNDBデータ提供の現状について」、資料1の御説明をお願いいたします。
小西室長補佐 資料1を御覧ください。
 表紙をおめくりいただきまして、まず、背景についてです。
 令和5年度規制改革実施計画を踏まえ、二次利用ポータル及びHIC上における原則7日でのNDBデータ提供を昨年秋から開始いたしました。その際に、一定期間後に審査等の状況を振り返る方針とされておりましたので、この資料で御報告いたします。
 二次利用ポータルの利用状況についてです。令和6年11月から令和7年4月までの間にアカウントを38名の方が取得され、1月当たり平均4,098件のアクセスがございました。メッセージ機能を用いて、利用環境等に関する照会等が計106件行われました。また、掲示板機能を用いて、格納情報に関する照会等が9件行われました。
 次に提供申出の振り返りです。通年パネルデータセット4件とNDBデータ3件の審査を実施していただきました。審査において申出内容に対する特段の御指摘はなく、6件が無条件承諾となり、1件が事務局からの指摘によって記載事項の修正を求める条件付承諾となりました。いずれの申出でも申出受理から7日でNDBデータが利用開始可能となりました。
 今後の方針です。まず、二次利用ポータルにおける照会内容等を踏まえて、オンライン申請機能の改善やアドバイザリープラットフォームにおける基礎資料等の拡充を行う方針です。また、厚労科研等においてHIC上のNDBデータの利便性等を調査し、その結果も踏まえ、HICやオンサイトリサーチセンター等におけるデータ提供の在り方を検討してまいります。
 次のページは参考資料となっております。現在提供しておりますデータセットとその審査や提供までの流れ、アドバイザリープラットフォームによる支援等を一枚にまとめたものをお示ししております。
 御説明は以上です。
村松委員長
ありがとうございました。
 それでは、議題1について議論を行いたいと思います。
 御発言がおありの委員の方はリアクションの挙手ボタン等でお知らせいただければと思います。
 野口先生、どうぞよろしくお願いします。
野口委員 野口です。
 二次利用ポータルにおけるHIC利用というものがこれからもどんどん広がってくると思うのですけれども、自分の研究室からサーバーにアクセスして使えるという環境を整えていただいたということで、これは研究者としては非常に感謝申し上げるわけですけれども、それに応じていわゆるオンサイト利用というのが恐らく減ってくると思うのです。というのは、やはり研究者は皆さんお忙しいので、なかなか自分の研究室から外に出ていってオンサイトでいろいろ分析をするということがこれから難しくなってくる。難しくなってくるというか、難しいと思うのです。それで、これから先、自分の研究室からアクセスできる便利な手法ができたということで、オンサイト用の使用の仕方というのを今後縮小していく。いろいろ経費削減等のこともあると思いますので、削減していってはいかがかという私からの提案です。どうもありがとうございます。
村松委員長 野口委員、ありがとうございました。
 御意見ということだと思いますが、事務局、何か現時点でお答えになるようなことはありますか。
小西室長補佐
事務局でございます。
 利便性の高いNDBデータの御提供ともに、必要なデータ提供の方法を整理してまいるというのが重要であると認識しております。
 現状、野口委員から御指摘がありましたように、真ん中にありますリモート用全量NDBについては、HICとオンサイト環境の両方から使えるようにはなっております。ただ、このHIC上で使うリモート用全量NDBの利便性というのは提供を開始したばかりで、評価がまだできていない状況であるとも認識しておりますので、1ページお戻りいただきまして、一番最後のポツをごらんください。今後、厚労科研等においてその利便性を評価した上で、整理、検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
村松委員長 事務局、ありがとうございました。
 そのほか、御発言がある委員の方がいらっしゃいましたらお願いいたします。
 よろしゅうございますか。
 そうしましたら、議題1については以上とさせていただきたいと思います。
 続きまして、議題2でございます。「匿名医療保険等関連情報の第三者提供の現状について」ということで、NDB側ですね。資料2の説明をお願いいたします。
吉村室長補佐 資料2「匿名医療保険等関連情報の第三者提供の現状について」を御覧ください。
 例年6月に報告しているものです。
 2枚目にデータ件数をお示ししております。累積でレセプト約290億件、特定健診等情報約4億4500万件がNDBに格納されております。今年から死亡情報も示しております。2023年度分の約115万件となっております。
 次のページにお進みください。
 承諾件数の推移と申出者の区分を示しております。2020年の法制化以降、省内案件を含まない年間50件程度の新規申出が承諾されております。棒グラフにおいて赤で示しました連結案件が増えておりますのと、下のほうの円グラフにおいて紫で示した民間事業者による提供申出が増えております。
 次のページにお進みください。
 成果物の集計を示しております。昨年度末までに533研究に対するデータ提供が承諾されておりまして、2024年に発表された成果物は88件となっております。
 次のページにお進みください。
 不適切利用をまとめております。2024年度に発生した不適切利用について更新しておりまして、これまで同様、ホームページに掲示する予定でおります。
 次のページにお進みください。
 不適切利用の事例をより分かりやすく示して注意喚起することが必要ではないかという委員からの御指摘を受けまして、この資料を作成いたしました。既に利用者には御連絡している内容ですが、こちらもホームページに掲載する予定でおります。
 次の6ページ目以降は、承諾案件や成果物の一覧表を参考資料として載せておりまして、最後には不適切利用発生時の対応をまとめております。
 御説明は以上になります。
村松委員長 ありがとうございました。
 そうしましたら、今のは毎年の資料でございますが、議題2について御議論いただければと思います。発言がある方がいらっしゃいましたらよろしくお願いいたします。
 中野委員、お願いいたします。
中野(惠)委員 確認だけなのですけれども、今ちょうど出ているページです。格納数で、死亡情報については2023年提出分ということで、まだ2024年のデータが入らないというのは、物理的な理由で死亡情報については遅れているといいましょうか、時期的なものがあってこういう状況だということでしょうか。教えてください。
 以上です。
村松委員長 ありがとうございます。
 データベースと格納時期の御質問だと思います。事務局、現時点でお答え可能でしょうか。
吉村室長補佐 事務局でございます。
 おっしゃるとおりでございます。2024年分の格納は12月頃になりますので、物理的に今の時点ではお示しできない、格納されていないということになります。
中野(惠)委員 ありがとうございました。
村松委員長 そのほか、御質問、御意見がおありの委員はいらっしゃいますでしょうか。
 よろしゅうございますか。ありがとうございます。
 不適切利用のところは、利用者が増えるにつれてやはり不慣れな方も出てくると思いますので、かつガイドラインも変わってきているというところで、徐々に利便性と安全性とのバランスを取っていかなければならないフェーズに来ていると思いますので、そうは言ってもルールを守っていただくというのも必要でございますので、その辺りは分かりやすく周知をしていただくということかと思います。
 中野委員はよろしゅうございますか。
中野(惠)委員 もう一点よろしいでしょうか。
 最後のページです。この不適切利用の発生に応じて注意喚起のためにペーパーができたわけですけれども、このお願いについてのこれはどこを見たらという。見られるのでしょうか。これはホームページからですかね。せっかくの注意喚起なので、皆さんの目に触れなくてはいけないと思いますけれども、申請者に対しては直接行くと思うのですけれども、最後のページについてです。
村松委員長 御質問ありがとうございます。
 第三者提供についてのホームページに載っているかどうかとか、国民への周知はどうなっているかという御質問だと思いますが、事務局、お答えいただけますか。
小西室長補佐 事務局でございます。
 今御質問いただいたものというのは、一番最後の39ページの資料ですか。
中野(惠)委員 そうです。
小西室長補佐 こちらにつきましては、研究者の方にデータをお送りする際に注意点として同封している資料になりますので、それによって研究者のお手元に届くというようなものになっております。
中野(惠)委員 分かりました。ありがとうございます。
村松委員長 そうすると、事前にもガイドラインに書かれていることを再掲しているだけではあるのですが、申請の時点とか事前相談の時点でこういった情報提供は事務局側というか窓口からされていらっしゃいますか。
小西室長補佐 事務局でございます。
 まず一点、事前の御連絡については、公表イメージの作成の際にそういったことに御注意いただくようにということは御連絡さしあげております。
 もう一点につきまして、こちらの資料については、昨年の秋のガイドライン改正において利用場所において掲示してくださいということをお願いするようなものになっておりますので、ガイドラインの内容を繰り返しこれでお伝えするとともに、実際の利用中にもこの注意喚起を御覧になりながら利用していただけるものと考えております。
村松委員長 ありがとうございます。
 皆さん申請されるときは研究したい一心で、成果物イメージはそれほど、最小集計単位ですとかはあまり気にされていないというか、意識が十分に行っていない方もいらっしゃると思いますので、ぜひ窓口対応、事前の相談から繰り返し御周知いただければと思いました。
 そのほか、御発言がある委員はいらっしゃいますでしょうか。
 ありがとうございます。
 そうしましたら、こちらについては以上とさせていただきたいと思います。
 続きまして、議題3でございます。「匿名診療と関連情報の第三者提供の現状について」ということで、資料3の説明を医療課のほうからよろしくお願いいたします。
保険局医療課 ありがとうございます。医療課の吉田でございます。
 資料3を御覧ください。
 こちらもNDB同様、毎年御報告している資料でございます。
 今、画面に投影されておりますが、第三者提供の承諾件数の推移並びに申出者の区分ということでございまして、左側の棒グラフでこれまでに承諾いただいた案件の一覧を2017年度から2024年度の推移にしてグラフにしてお示ししてございます。2024年度は連結の申出が開始されたこともございまして、11件の承諾をいただいたというところでございます。
 また、右側の円グラフで提供依頼申出者の区分について、2020年9月審査分までと12月審査分からで分けてお示ししてございます。先ほど申しましたとおり、2024年度から連結の申出が開始されたこともございまして、これまで民間事業者からの申出というのはなかったのですけれども、こちらが新たに増えてきているところでございます。
 では、次のページを御覧ください。
 成果物の集計についてお示しをしてございます。2019年度から2024年度までに報告のあった成果物の推移についてお示ししてございます。2024年度は3件の成果物について報告があったところでございます。
 次のページ以降で、参考資料になりますが、4ページ目から6ページ目にかけてこれまでに承諾いただいた案件の一覧をお示ししてございます。
 また、7ページ目以降は成果物集計一覧ということで、これまでに報告のあった成果物の一覧をお示ししてございます。
 こちらの資料の御説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
村松委員長 ありがとうございました。
 それでは、議題3について御議論いただければと思います。御意見がある委員がいらっしゃいましたらお知らせいただければと思います。
 委員の皆様から御意見は特段ないようでございますが、よろしゅうございますか。
 ありがとうございます。
 連結の申出をスタートしたというところで、2024年度は初めて10件以上第三者提供があったというところで、今後、さらに安全な範囲で利活用が促進されていけばいいなと思います。御説明ありがとうございました。
 そうしましたら、公開議事で予定されている議題は以上でございますが、このほか、何か事務局から報告事項等があればお願いいたします。
國津主査 事務局でございます。
 2点報告があります。
 1点目が、第26回の専門委員会でお諮りしておりましたNDB基礎資料でございますが、御審議いただいた内容に基づきまして作成し、4月8日に二次利用ポータル上において公開いたしましたので、御報告いたします。
 2点目が、第24回の専門委員会で作成方針についてお諮りしておりました第10回NDBオープンデータでございますが、こちらも5月30日に公開いたしましたので御報告いたします。
 以上になります。
村松委員長 御報告ありがとうございました。
 そのほか、特段この時点で何か御発言がある委員はいらっしゃいますでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、この後は個別審査となります。個別審査は非公開でございますので、代理人と随行者の皆様、傍聴者の皆様はこれにて退出をお願いいたしたいと思います。
  (非公開)
村松委員長 ありがとうございます。
 そうしましたら、この後は書面の御説明をいただくのですかね。何か事務局側から御説明いただく内容はありますでしょうか。
國津主査 そうしましたら、次回の日程について連絡させていただきます。
 本日は長時間にわたり御審査いただき、ありがとうございました。
 御指摘のあった部分につきましては確認を取りまして、提供に向けた手続を進めさせていただきたいと思います。
 次回の会議日程につきましては、既に連絡しておりますが、9月3日の予定になっております。詳細につきましては追って御連絡さしあげます。
 どうもありがとうございました。
村松委員長 委員の皆様、長丁場お疲れさまでした。ありがとうございました。
 これをもちまして第29回の「匿名医療情報等の提供に関する専門委員会」は終了としたいと思います。ありがとうございました。