2024年1月17日 第20回医療介護総合確保促進会議 議事録

日時

2024年1月17日(水) 16時00分~18時00分

場所

【会場】全国都市会館 大ホールB 2階 千代田区平河町2-4-2

議題

  1. 1.地域医療介護総合確保基金の執行状況、令和4年度交付状況等及び令和5年度内示状況について(報告)
  2. 2.令和5年の地方からの提案等に関する対応について

議事

議事内容
○田中座長 定刻となりましたので、ただいまから第20回「医療介護総合確保促進会議」を開催いたします。
 本日は、大変お忙しい中を御参集いただき、誠にありがとうございます。
 本日は対面とオンラインの併用での開催となっております。
 会議に先立って、構成員の交代及び本日の出席状況について、事務局から報告をお願いします。
 また、前回の会議以降、事務局に人事異動がありましたので、併せて紹介をお願いします。
○竹内課長 昨年8月1日に保険局医療介護連携政策課長に着任いたしました竹内でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私のほうから御報告をさせていただきます。
 まず、構成員の交代がございましたので、御紹介をさせていただきます。
 安藤伸樹構成員が御退任されまして、新たに全国健康保険協会理事長、北川博康構成員が就任されております。
 次に、齋藤訓子構成員が御退任されまして、新たに日本看護協会副会長、山本則子構成員が就任されております。
 次に、佐藤保構成員が御退任されまして、新たに日本歯科医師会副会長、蓮池芳浩構成員が就任されております。
 次に、杉浦裕之構成員が御退任されまして、新たに茨城県美浦村長、中島栄構成員が就任されております。
 次に、平石朗構成員が御退任されまして、新たに全国老人福祉施設協議会会長、大山知子構成員が就任されております。
 続きまして、構成員の皆様の出欠状況を御報告させていただきます。
 本日は、菊池馨実構成員、中島栄構成員、山口育子構成員から御欠席の連絡をいただいております。
 また、大西秀人構成員の代理として川野祥靖参考人、加納繁照構成員の代理として馬場武彦参考人、川勝平太構成員の代理として赤堀健之参考人、山本則子構成員の代理として田母神裕美参考人に御参加いただいております。
 次に、事務局の人事異動でございますけれども、お配りしております座席表を御覧いただきまして、これに代えさせていただきます。
 なお、他の公務のため、欠席や途中参加、ウェブによる参加となる者がおりますが、御了承いただきたいと思います。
 以上となります。
 次に、議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。
 資料は2つでございます。資料1「地域医療介護総合確保基金の執行状況、令和4年度交付状況等及び令和5年度内示状況について(報告)」。資料2「令和5年の地方からの提案等に関する対応」。
 この2つを御用意しておりますので、御確認をお願いいたします。
○田中座長 ここから議事に入ります。
 カメラはここで御退室ください。
 議題1の「地域医療介護総合確保基金の執行状況、令和4年度交付状況等及び令和5年度内示状況について」、資料1の説明をお願いします。
○竹内課長 保険局医療介護連携政策課長でございます。
 資料1、地域医療介護総合確保基金の執行状況等について御報告を申し上げます。
 資料1の2ページを御覧いただきたいと思います。まず、目次でございますが、冒頭に基金の概要、その後、前半が医療の関係、後半が介護の関係でございます。
 4ページは地域医療介護総合確保基金の概要の資料になります。病床の機能分化・連携、在宅医療・介護の推進、医療・介護従事者の確保・勤務環境の改善等を進めるため、平成26年度から消費税増収分等を活用し、基金を創設し、各都道府県に設置をしております。各都道府県は、都道府県計画を作成し、当該計画に基づき事業を実施しているところでございます。
 対象事業といたしましては、資料の右下の枠のとおり、区分I-1から区分Ⅵまでの7区分ございますが、そのうち区分I-1、I-2、Ⅱ、Ⅳ及びⅥの5つが医療分の事業でありまして、区分Ⅲと区分Vの2つが介護分の事業となっております。
 5ページは基金の令和6年度当初予算案についてでございます。上の箱の2つ目の〇にございますように、都道府県負担分を含めました公費ベースで1553億円。内訳は医療分1029億円、うち国費733億円。介護分については524億円、うち国費349億円となってございます。
 8ページを御覧いただきたいと思います、平成26年度の基金創設から令和3年度までの医療分の執行状況について御報告いたします。予算総額については7954億円、うち国費5364億円。交付総額については7020億円、うち国費が4700億円。執行総額については5167億円、うち国費が3461億円となっております。
 9ページは医療分全体の執行状況になっております。表の右下の合計欄を御覧いただきたいと思いますけれども、全体の執行率は73.6%となってございます。
 10ページから14ページにかけまして、医療分の事業区分ごとの執行状況をお示ししてございます。
 まず、10ページ、区分I-1、地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設又は設備の整備に関する事業について。右下の合計欄のところでございますが、執行率は48.6%で、少し低調になってございます。
 地域医療構想に係る地域の関係者との協議などに一定の時間を要するといったことのほか、コロナによって協議が困難だったということが理由として考えられるところでございます。
 なお、都道府県に対しまして、今年度末を期限として、より具体的な執行予定額や執行スケジュールの調査を行っているところでございまして、調査結果を踏まえながら、引き続き担当部局において執行に努めてまいりたいと考えております。
 11ページは区分I-2、地域医療構想の達成に向けた病床の機能又は病床数の変更に関する事業についてお示ししております。右下に記載の執行率を御覧いただきますと、84.8%となってございます。
 12ページは区分Ⅱ、居宅等における医療の提供に関する事業でございますが、右下に記載のとおり、執行率は83.0%となっております。
 13ページは区分Ⅳ、医療従事者の確保に関する事業でございますが、こちらの執行率は95.4%となっております。
 14ページは区分Ⅵ、勤務医の労働時間短縮に向けた体制の整備に関する事業について、右下に記載の執行率を御覧いただきますと、49.2%となっております。こちらの事業につきましては、令和2年度に新設された事業でございますが、本年4月からの医師の時間外労働の上限規制の適用に向けまして、事業の適切な執行を引き続き働きかけてまいりたいと考えております。
 16ページからは令和4年度、直近の単年度の医療分の交付状況についてでございます。
 まず、16ページ、各都道府県が令和4年度計画で実施する事業ということで、公費の額といたしましては、I-1の事業区分で約159億円、I-2の事業区分で約50億円、Ⅱの事業区分で約38億円、Ⅳの事業区分で約426億円、Ⅵの事業区分で約46億円となっております。なお、括弧内の数字については、国費ベースの数字でございます。
 また、公民の割合を見ますと、公的機関が33.6%、民間機関が57%、交付先未定が9.4%となってございます。
 17ページから22ページにかけては、今、申し上げました交付額の全体分と事業区分ごとの都道府県の数値をお示ししたものとなっております。
 23ページは、今、申し上げました事業区分ごとの交付額を円グラフにしたものと都道府県別に見たもの。24ページにつきましては、公民の割合を円グラフにしたものと都道府県別に見たもの。25ページにつきましては、公民の割合を事業区分別にお示ししたものとなっております。
 27ページを御覧いただきたいと思います。基金事業につきましてはPDCAサイクルを回していくということになっております。まずは都道府県の計画の中で報告いただいている令和4年度基金事業の中から一部の例を主な取組例として報告をさせていただきます。
 27ページの区分I-1でございますけれども、上の段については、病床の機能分化・連携を推進するための施設・設備整備の支援等に係る事業。下の段は病院再編統合に係る施設設備整備に対する補助事業になっております。
 28ページ、区分I-2でございますが、上の段については、過剰とされる病床機能の削減を行う医療機関の支援等に係る事業。下の段は、病床機能再編の実施に伴い、減少する病床数に応じた給付金の支給に係る事業になっております。
 29ページの区分Ⅱでございますが、上の段は、医療職種や地域住民に対して薬剤師による在宅訪問業務のPRを実施し、薬剤師業務の普及を図る事業。下の段については、在宅医療を提供する機関が連携拠点として在宅医療を推進するための取組や、在宅歯科診療を行う医療機関の施設整備を支援する事業になっております。
 30ページは区分Ⅳでございますけれども、上の段は、看護師等養成所におきまして専任教員の配置や実習経費など養成所の運営に対する支援事業。下の段は、理学療法士に係る臨床実習指導者講習会の県内実習について助成することで受講環境を整え、臨床実習に支障をきたすことがないよう臨床実習指導者の確保を図る事業になっております。
 31ページは区分Ⅵでございますが、主な取組事例といたしまして、上の段は、医師の労働時間短縮に向けた取組を総合的に実施する事業に必要な経費を支援する事業。下の段につきましては、医療機関が作成する「勤務医の負担軽減及び処遇の改善に資する計画」に基づく取組を総合的に実施する事業になっております。
 33ページ以降は、医療分の令和3年度基金事業につきまして主な取組事例の事後評価をお示ししております。先ほど申し上げましたPDCAサイクルの一環といたしまして、こうした基金事業について、それぞれの都道府県において事後評価を実施していただいているところでございます。
 ここでは一つ一つ説明は申し上げませんけれども、例えば整備をする病床数でありますとか、あるいは実際そうした事業を運営している機関数、こうしたものにつきましてある程度数値目標を置いて、それが実際どうであったのか、こうしたことを赤字に書いてあるような数値でもって事後評価をしていただいているという状況でございます。
 42ページを御覧いただきたいと思います。令和5年度分について、現時点までに都道府県に医療分として内示している状況をお示しした資料になっております。表の右下を御覧いただきたいと思いますが、全体で763.3億円、国費で530億円となっております。
 43ページから47ページにかけては事業区分ごとの内示状況をお示ししております。ところどころにバー、ハイフンが見てとれますけれども、これは過年度に交付された基金の執行残を活用するため、現時点で令和5年度の内示を行っていないもの、あるいは事業によっては地域の医療機関との調整に一定の時間を要しているため、現時点では内示を行っていないもの等があるということでございます。
 以上が医療分となっております。
 続きまして、介護分でございます。50ページにお進みいただきたいと思います。介護分の執行状況等についてでございますが、介護につきましては基金が創設されたのが平成27年度でございますので、平成27年度から令和3年度までの執行状況をお示ししております。予算総額は6930億円、うち国費が4620億円。交付総額は5935億円、うち国費が3957億円。執行総額については4027億円、うち国費が2685億円となっております。
 51ページは介護分全体の執行状況をお示ししております。表の右下に記載のとおり、執行率については67.9%となっております。
 52ページ、53ページは、事業区分ごとの数値をお示ししております。介護の事業区分については、冒頭申し上げましたとおり2つございまして、52ページは区分Ⅲ、介護施設等の整備に関する事業の執行状況をお示ししております。右下に記載のとおり、執行率は63.3%となってございます。
 53ページ、区分Ⅴ、介護従事者の確保に関する事業についてでございますが、右下の執行率を御覧いただきますと、85.6%となっております。
 55ページは、令和4年度、直近の単年度の介護分の交付状況についてでございます。上から2つ目の〇でございますが、各都道府県が令和4年度計画で実施する事業ということで、公費の額といたしましては、区分Ⅲ、介護施設等の整備に関する事業で、約548億円。区分Ⅴ、介護従事者の確保に関する事業で、約1068億円となっております。なお、括弧内の数字は国費ベースの数字となります。
 公民の割合については、下の〇でございますが、公的機関14.4%、民間機関79.6%、交付先未定が6.0%となっております。
 56ページから58ページにかけまして、今、申し上げました交付額の全体分と事業区分ごとの都道府県別の数字をお示ししたものとなっております。
 59ページは、今、申し上げました事業区分ごとの交付額を円グラフでお示しするとともに、下のグラフは都道府県別の割合をお示ししたものとなっております。
 60ページについては、公民の割合を円グラフでお示しするとともに、都道府県別の割合をお示ししたもの。
 61ページについては、公民の割合を事業区分別にお示ししたものとなっております。
 63ページから66ページにかけまして、令和4年度基金事業の主な取組例をお示ししております。それぞれ事業区分別にまとめてございますが、まず63ページの区分Ⅲ、介護施設等の整備に関する事業でございますが、こちらは介護ニーズの支援を図り、地域で安心して生活できる体制を整備する事業になっております。
 64ページから66ページにかけまして、区分Ⅴ、介護従事者の確保に関する事業の主な取組事例をお示ししております。64ページの上の段でございますが、高校生や地域住民を対象に、介護施設・事業所における5日間程度の職場体験、いわゆるインターンシップを実施する事業。下の段については、介護に関する資格のない方に、介護施設で働きながら実務を経験しつつ介護職員初任者研修を受講する機会を提供して人材育成を図り、介護施設等への直接雇用に向けて支援する事業になっております。
 65ページ、上の段は、福祉人材センターに介護助手等普及推進員を配置し、介護助手制度の導入を支援する事業。下の段は、外国人留学生に対し、介護事業所等が学費や生活費などを奨学金として貸与又は給付する事業になっております。
 66ページ、上の段については、介護業務の負担軽減や効率化に資する介護ロボットについて導入支援の補助を行う事業。下の段は、介護業務の負担軽減や効率化に資するICTについて導入支援の補助を行う事業となっております。
 68ページから70ページにかけましては、令和3年度基金事業の事後評価となっております。それぞれ事業区分別にまとめてございますが、ここでは一つ一つの説明は省略をさせていただきます。
 72ページは、令和5年度分について、現時点までに都道府県に介護分として内示している状況をお示しした資料になります。表の右下の合計欄にございますように、全体で687億円、国費で458億円となっております。
 73ページ、74ページについては、事業区分ごとの内示状況でございます。
 資料1の説明については以上でございます。
○田中座長 説明ありがとうございました。
 地域医療介護総合確保基金の執行状況、令和4年度交付状況等及び令和5年度内示状況について説明していただきました。
 ここからは、意見のある方は御発言ください。会場の参加者は挙手をお願いします。皆さん慣れていらっしゃるでしょうが、オンラインから御参加の方は手挙げボタンを使ってください。私が指名いたしますので、ミュートを解除後、発言してください。発言終了後は再度ミュートにするようお願いいたします。
 では、どなたからでも。渕野委員、どうぞ。
○渕野構成員 ありがとうございます。精神科病院協会の渕野でございます。2点ほど質問させてください。
 1点目は医療の分です。先ほど26年から令和3年度分の交付について執行率が出ておりましたけれども、僕は100%近いのかなと思ったら、コロナとかいろんな影響で執行率が大変低いのがあったように思います。そういうときには、今後事業を継続してそのお金を使えるのか。あるいはそのお金は返すべきなのか。あるいは事業の内容を変えて、その県がそのまま使っていくのかということが分からないので、また教えていただきたい。
 もう一点は介護の件です。介護のいわゆる外国人就労。いろんな施設で多く受け入れていると思うのですけれども、我々医療も受け入れていますが、いわゆる監理団体等への支払いが非常に高額になってきております。今、介護の中のお金というのは、研修と資格取得とか、そういうものへの学習支援もあるようですが、そういう監理団体等への支援をしていただければ助かると思うのですけれども、御回答、よろしくお願いいたします。
○田中座長 2点御質問がございました。お答えください。
○佐々木地域医療計画課長 では、医療のところにつきまして、地域医療計画課長、佐々木のほうからお答え申し上げます。結論から申し上げますと、もし不用が出る場合には返還という手続になりますけれども、基本的に現時点で執行残額のうち具体的な計画がない金額というのは、その次年度要望額から差し引いて配分しているという形を取らせていただいております。そういう形で2025年度に向けて引き続き進めてまいりたいと考えております。
 以上です。
○渕野構成員 すみません。事業の内容はどうなのでしょうか。いわゆる最初に出した事業の内容でなければいけませんよね。
○佐々木地域医療計画課長 同じく佐々木でございます。
 基本的には当初計画として出していただいたその事業に基づいて、その計画の進捗を見ながら今、申し上げたような形の差配をさせていただいているということであります。当然途中で計画変更がございましたら、それについても要望として上げていただいて、勘案していくと。そういう格好になります。
○渕野構成員 はい。
○吉田福祉人材確保対策室長 社会局の人材室長でございます。
 外国人介護の関係、御質問をいただきました。御案内だと思いますが、監理団体の費用につきましては、法令に基づき実施者からお支払いいただくということになっています。職業紹介費でありますとか講習費、監査指導費等の実費を徴収するということが想定されています。
 一般的なお話ですけれども、介護分野においては、技能実習の受入れをやっているほかの分野よりも対人のコミュニケーションということがありますので、基本的には日本語学習支援等手厚い支援が監理団体から提供されている状況にあるかなと思っております。そういう観点もあって御指摘をいただいているというところだと思いますが、先生のほうからも少し御指摘をいただきましたが、厚労省としては事業所に対して支援をさせていただいております。具体的にはコミュニケーションの支援でありますとか資格取得の支援、また、メンタルヘルスケア等の生活支援等、様々なメニューを用意させていただいているところです。まずはこれらの事業の効果的な推進が重要かなと思っておりまして、介護現場に外国人の人材が円滑に定着いただくという観点から、これらの事業の活用をまずはお願いしたいなと思っております。
○渕野構成員 そうしますと、そういう事業を計画して申請をすればよろしいということになりますか。
○吉田福祉人材確保対策室長 はい。基金の仕組みでございますので、都道府県を通じて支援をさせていただくという形になりますので、必要な協議をしていただきながら活用いただくという形かなと思います。
○渕野構成員 ありがとうございました。
○田中座長 続きまして、佐保委員、どうぞ。
○佐保構成員 ありがとうございます。
 私からは3点申し上げたいと思います。
 1点目ですが、医療、介護の双方に言えることですが、区分ごと、都道府県ごとを見ると執行率に差が見られます。地域によって必要な取組が違うと思いますが、地域医療構想の達成や医療・介護従事者の確保など、それぞれの取組が全体で進むよう、基金の使い勝手も含め、国として必要な支援をお願いいたします。とりわけ人材確保が重要な課題ですから、官民を問わず、基金の有効活用で前進を図っていただきたいと考えております。
 2点目です。医療についてですが、本年4月からは医師の時間外労働の上限規制が始まりますので、勤務医の労働時間短縮に向けた体制の整備に関する事業を積極的に実施し、法令遵守はもとより、医師をはじめ、医療従事者が安心して働き続ける環境整備を進めていただきたいと考えております。
 3点目ですが、介護についても介護報酬改定を今やっておりますが、一部で人員配置基準の緩和について議論が出ておりますので、長時間労働を助長することにならないよう、働き方の改善について注視していく必要があると思いますので、申し述べておきます。
 私からは以上です。
○田中座長 いずれも御意見ですね。ありがとうございました。
 猪口委員、お願いいたします。
○猪口構成員 私から1点だけ申し上げたいと思います。14ページにあります医療分の区分のⅥ、勤務医の労働時間短縮に向けた体制整備に関する事業についてです。これは5割以下と執行率が低い状態であります。区分Ⅵができてからはこのような状態が続いています。ここに出ている事例として勤怠管理を行うためのICT導入などが出ていますが、いよいよ来年度4月からは医師の働き方改革が始まります。様々な面で医師の働き方をケアしていかなければいけないと思いますので、このような事にも使えるのだということをぜひ厚労省のほうからお示しいただいて、より広く区分Ⅵが使えるようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○田中座長 お答えください。
○林医事課長 医事課長の林でございます。
 これの使途についてでございますが、医療機関において勤務医の労働時間の削減に資するような様々なことについてお使いいただくこと。ICT機器だけではなくて、新規雇用の人材確保に関する経費、勤怠管理の関係経費、あるいは研修を行うといったことも含めて、いろんなものに使えることになっておりますし、そうした事例について私どもも周知に努めているつもりではございますけれども、なお一層努力をしていきたいと思っております。
 執行率が低いことに関しましては、来年まさに新たな制度が始まります。今は診療報酬との一定の役割分担に基づいてやっているという中で、こういう執行率になっておりますが、来年度におきましては、この補助の基準額についてでありますとか利用できる病院について一定の見直しを検討しておりますので、そういったことも含めて働き方改革がしっかり進むように基金の活用を図っていきたいと考えております。
○猪口構成員 どうぞよろしくお願いいたします。
○田中座長 続きまして、河本委員、お願いします。
○河本構成員 ありがとうございます。
 御報告いただいた内容については特段の意見はございませんけれども、これまでも申し上げてきておりますが、この基金事業については効果の検証が極めて重要だと考えております。この事業に特段の期限がないということはもちろん承知しておりますけれども、もともとは団塊の世代が全て75歳以上になる2025年を見据えて、地域の医療・介護の体制を整備するために開始されたと理解しております。今後もポスト2025年ということで事業を継続されることになると思いますが、2025年というのは一つの節目の年かなと思います。これまでも個別の事業ごと、あるいは都道府県ごとにPDCAを回して、本日の資料でも代表的な取組について事例の御報告をいただいておりますけれども、2025年という節目のタイミングで事業の全体について、その執行額だけではなくて、取組の実績とか効果を体系的に整理して、総括的に検証する必要があるのではないかなと考えております。そうした総括的な検証を行うことでより効果的な基金の活用につながるということが期待できるのではないかと思います。
 要望になりますけれども、事務局におかれては、そういった総括的な検証について、少し時間をかけていただいて結構なので、具体的な方法を含めてぜひ御検討いただければと思います。要望でございます。
 以上です。
○田中座長 御要望ですね。ありがとうございました。
 井上委員、お願いします。
○井上(隆)構成員 ありがとうございます。
 これは昨年も申し上げたのですが、金額面であるとか都道府県別の執行状況というのはよく分かるのですけれども、この基金というのは、単年度の診療報酬等々では対応できないような中長期の課題の解決について促進していこうというので、特に病床数の転換であるとか、従事者の確保であるとか、労働時間短縮、こういったものに対して、その変化がどうだったのかということももう少し資料の上で分かるような形にしていただくとありがたいなと思います。
 過去の事後評価のところがございますけれども、34ページでいきますと、機能分化のところで、例えば一番上の高度急性期は目標が3,944床から2,989床という指標だったのが、事業報告では4,464ということになってしまっているということがございますので、これは事業としてはどのようになっているのだと。介護の中でも事後評価の中では「実績なし」という評価も随分あるように資料の中では見受けられますので、ぜひこの辺りを原因も含めて事後評価をしていただきたいと思います。
 以上でございます。
○田中座長 同じく評価をきちんとせよとの御意見でした。ありがとうございます。
 山際委員、お願いします。
○山際構成員 ありがとうございます。民間介護事業推進委員会の山際です。私からは質問3点と意見を2点述べさせていただきます。
 資料1の5ページです。かなり単純な質問になりますが、この間、医療介護の確保基金の予算額が年々減少してきている状況がありますが、それらの理由について教えていただければと思います。これが1点です。
 介護の部分ですが、50ページから52ページにかけて介護分の執行状況。ここ数年間の執行状況について記載があります。特に52ページの区分Ⅲの介護施設等の整備に関する事業で、執行率が63.3%と非常に低い状況だと見ています。これが後年度計画の部分が一体幾らぐらいあって、実際の未執行がどうなのかということについて数値を把握されているようであれば、教えていただければありがたいです。これが2点目です。
 資料の68ページ、令和3年度の事後評価の部分ですが、青森県の事例が載っていますが、ここの表の見方がちょっと分かりにくいので、この見方についてお教えいただけないでしょうか。赤字では「実績なし」ということが非常にたくさん載っているのですが、ここの見方について教えていただけると助かります。
 以上、質問が3点です。
 意見が2点ありまして、1点目は、利用者の自立支援と重度化防止、それから限られた介護人材で介護サービスをきちんと回していくために、包括報酬型の地域密着型サービスの拡充が必要だと考えていますが、先ほど見たとおり、施設整備基金の活用が十分とは言えないのではないかと考えています。ぜひ積極的な基金の活用を進めていただければと思っております。
 2つ目ですが、人材確保策など、事業者がより活用できるよう、基金の存在であるとか事業メニューについてさらなる周知徹底を図っていただけるとありがたいです。
 以上、意見2点でした。
○田中座長 質問3点、お答えください。どうぞ。
○佐々木地域医療計画課長 1点目の御質問、基金の予算の医療分について、減っている理由についてのお尋ねでございました。これにつきましては、内訳で言いますと、区分はI-1の事業について減ってきていると。これにつきましては、I-1は病床機能転換等のハード整備でございますので、最初に積み上がってきた分がだんだん解消されているということでございます。
 以上でございます。
○峰村高齢者支援課長 老健局でございます。
 介護分の予算が減っている理由でございますが、まず令和5年度予算が少し減ってございます。これにつきましては、予算に対して要望が少ない分、査定によって減っているという部分がございます。また、令和6年度につきましては、介護報酬改定の議論の中で財源について減らせるのではないかということで、こういうふうな結果になってございます。
 2点目の御質問、執行率が63.3%だけれども、今年度の執行状況はどうかということですけれども、これについては、県のほうから集計しなければ分からないところでございまして、資料にお示ししているように、3年度分までしかこちらでは把握できておりません。
 青森県の事後評価の事例の見方ということでございまして、これは目標として各施設の整備について計画したところ、赤字で「実績なし」とありますが、これはコロナなどで当初計画したとおりに施設整備が進まなかったので、補助の実績がなかったということでございまして、記載のとおり、3年度につきましては実績がなかったということでございます。
○田中座長 山際委員、よろしいですか。
○山際構成員 ありがとうございます。
 質問の2点目の施設整備の63.3%については、後年度計画の部分と実際の未執行の部分というところの区分けが分かるかどうかという質問でした。この場でお答えするのがなかなか難しければ、後で結構ですので、お示しいただけると助かります。
 どうもありがとうございました。
○田中座長 では、森委員、お願いします。
○森構成員 私のほうから3点お願いしたいと思います。
 まずは基金事業を始めて今年で12年になります。今回も主な取組事例ということで、これまでになかったような事例を御紹介いただきました。各都道府県が地域の実情に合わせて事業を行い、これまで全国でかなりの事業が行われているのではないかと思っています。その中で他の県に参考になるような事業については、ぜひ情報を共有して横展開できるようにしていただければと思います。これが1点目です。
 2点目が薬剤師関係ですけれども、令和3年に事業内容の取扱いについて整理をしていただいて、地域包括ケアシステムの拠点となる病院・薬局における薬剤師の確保支援として、薬剤師修学資金貸与事例を標準事業としてお示しいただいているのですが、なかなかこの基金の利用が進んでいないように思います。現在も特に病院薬剤師の不足について、医療現場や厚労省の検討会の中でもたびたび声が上がっております。もし使いにくいところがあるようであれば見直すなど、基金の活用が進むようにお願いしたいと思います。
 最後に質問です。先ほど勤務医の労働時間短縮に向けた体制の整備についてということで、広く使えるようにというお話がありました。今回の事例の中で、山口県のほうでICTの機器の導入の事例ということが報告されていましたけれども、今、医療機関の薬剤師は病棟業務等に取組を進めていて、医療安全の確保とともに、医師の負担軽減につながるような業務を行っています。そうした中、医療機関の中に例えば調剤機器を導入することによって対物業務を効率的にし、病棟業務等を推進することにより、医師の負担軽減、タスクシェアの推進に結びつくのではないかと考えております。こうした医師の労働時間短縮につながるようなものに関しては対象となるのかということを事務局にお伺いしたいと思います。
 以上です。
○田中座長 最後の質問にお答えください。
○林医事課長 医事課長でございます。
 勤務医の労働時間短縮に向けた体制の整備の補助対象経費の内容についての御質問でございました。ICT機器であって、勤務医の労働時間短縮に資するようなものは広く認める趣旨でございますけれども、具体的にどのようなものであればいいかということについては、都道府県と御相談いただくといったような具体的な運用になると思います。
○田中座長 森委員、どうぞ。
○森構成員 ありがとうございます。
 そうしますと、医師の負担軽減につながるようなものであれば対象になる可能性はあるという理解でよろしいですか。
○林医事課長 はい。基本的にはそういう考えでございます。もちろん、建前だけで、あまり資することにならないようなものであれば、また県のほうでいろいろな御意見もあるかもわかりませんけれども、私どもからの周知といたしましては、様々な方法に活用できるということをお示ししておりますので、実際に医師の負担軽減に資するようなものとしてしっかりやっていただけるものであれば、よく御相談いただければと思います。
○森構成員 ありがとうございました。
○田中座長 武久委員、どうぞ。
○武久構成員 ありがとうございます。質問を1つと要望を1つ、関連してお願いしたいと思います。
 基金が12年持って、非常に地方は助かっているわけですけれども、各地方の県で状況が違うのです。地方は人口がどんどん減っておりますが、そのニーズは結構ですし、また介護職員が地方のほうはなかなか集まらないという厳しい状況がございます。これは各年、各年にやっている状況で、前年度と同様な金額が各都道府県で大体割り振られるのだとなっているのでしょうか。それとも、都会のほうが施設も職員の状況もいろんな補助金もありますし、まだ少し環境がいいと思うのですが、地方によって非常に厳しいところがあるので、少し軽重を考えながら担当していただけると非常にありがたいのですけれども。担当の各部署の方は非常に苦労すると思うのですが、私のように地方におる人間にとってみると、やはり地方のほうが厳しいので、少し加減をしてくれないかなというお願いもしたいと思っております。
 以上でございます。
○田中座長 質問ではなく要望でよろしいですか。
○武久構成員 いや、都道府県における軽重をどの程度判断していただいているか。それからまた、毎年、前年度に応じて今年度も決めるというふうにしておるのでしょう。そのような決め方についてちょっと御質問をさせていただきたいと思います。
○田中座長 了解しました。
 お答えください。
○峰村高齢者支援課長 老健局の高齢者支援課長でございます。
 まず、介護の施設の整備の関係についてお答えします。先ほども申し上げましたけれども、令和4年度までは予算に対して要望が少ないという面もありましたので、県等から要望があったものについてはしっかり配分ができているという状況でございますが、令和5年度、今年度につきましては予算を上回る要望をいただいておりました。つきましては、配分が全てに行き渡るという形ではないのですけれども、先ほど未執行率が県によってばらつきがあるという話がありましたが、今年度からは執行の状況を鑑みて少し配分を工夫するということをしております。ですので、都会と地方で差があるということについては特に認識してございません。
○田中座長 よろしいですか。
○武久構成員 ありがとうございました。
○田中座長 お待たせしました。七種委員、お願いします。
○七種構成員 ありがとうございます。
 私のほうからは意見を1つお伝えさせていただければと思います。介護支援専門員の人材確保の問題ですけれども、この基金のおかげで、実際に法定研修の補助という形で動いている県と動いていない都道府県がございます。今、介護支援専門員の確保については、介護支援専門員、主任介護支援専門員、ともに確保がかなり難しい状況になってきておりまして、その中で法定研修に関する経費的な負担が各個人にかかってきているという状況でございます。
 そういった中で、厚生労働省のほうからもかなりアナウンスをしていただいて周知を図っていただいているところですが、それが都道府県のほうの担当課には伝わっているのですけれども、財政のほうとかから同じ項目で毎年出すことはできないとか、1つの資格に対してお金を出すことはできないとかということで、かなりハードルをつくられてしまってうまく進まないというところがございます。
 そういった意味で、介護支援専門員、特に地方に至っては、限界集落の中でそれぞれの町で高齢者を支えていく大事な人材だと思いますので、そういった介護支援専門員の経済的負担、人材確保の面から考えて、より一層都道府県のほうに御理解いただくように働きかけをしていただければと思います。
 以上でございます。
○田中座長 御要望ありがとうございました。
 田母神参考人、お願いします。
○田母神参考人 ありがとうございます。
 もう既に御意見としてあったところでございますが、1点意見でございます。本日基金に基づく主な取組例ということで事業をお示しいただいております。医療・介護の人材確保といったところは多くの都道府県で課題となっておりますので、実際には非常に幅広い事業が行われていると思います。その中から得られる示唆もあるかと思いますが、これらを網羅的に捉えるというのが非常に難しい状況かと思いますので、ぜひ厚生労働省におかれましても地域性なども加味しながら効果的な情報発信を図っていただければと思っております。
 以上でございます。
○田中座長 ありがとうございました。
 仙賀委員、お願いします。
○仙賀構成員 日本病院会の仙賀と言います。
 以前ももしかしたら質問したかもしれませんけれども、医療区分のⅣとⅥ、介護では区分のⅤになると思うのですが、人材確保ということですけれども、民間の派遣会社に人を頼まなければやっていけないという場合に、それで依頼するとすごい割高になりますね。結構高いお金を払って、手数料を取られて来てもらうということがあるのですが、そういうことを事業という形にして、うまく民間の派遣会社と話をつけて1つの事業に持っていって、派遣会社にこの基金が流れていくということはないのでしょうか。そういうことに使っていいのでしょうか。それを教えてください。別に派遣会社が悪いとかそういうことを言っているわけではなくて、本当に派遣会社がなければ成り立たない施設もあると思うので、その辺りを教えてください。
 以上です。
○田中座長 お分かりになりますか。お願いします。
○佐々木地域医療計画課長 地域医療計画課でございます。
 今、御質問いただきました派遣会社にこの基金のお金を流してその確保ということでございますが、それが直接的な医療機関における人材確保につながっているかどうかというところはやや疑問でございますので、具体的なところは確認する必要があると思いますけれども、基本的にそのような事業というのは、我々としては認めていないところでございます。
○田中座長 どうぞ。
○和田認知症施策・地域介護推進課長 続きまして、介護分、認知症施策・地域介護推進課長でございます。
 人材、Ⅴの事業につきましても現在メニュー化させていただいて、その中でお使いただいておりますが、現状そのような派遣業者の事業というものは、メニューの中にはないという状況でございます。また、介護の分野における人材派遣等については、厚生労働省の職業安定局になりますけれども、優良事業者の認定等々の制度を設けまして、業界の適正化と併せて行っているという状況でございます。
 以上でございます。
○仙賀構成員 認めていないという発言を得られましたので、私は満足しています。ぜひともその辺りのことをきちんとやっていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○田中座長 では、東委員、お願いいたします。
○東構成員 ありがとうございます。全国老人保健施設協会の会長の東でございます。私からは質問を1点と意見を1点申し上げたいと思います。
 まず質問です。資料1の5ページに地域医療介護総合確保基金の予算額が出ておりますが、令和4年度についての介護分の予算額は824億円でございます。同資料の55ページを見ますと、令和4年度計画で実施する事業ということで、介護施設の整備が548億円、介護従事者の確保が1068億円ということで、約1600億を上回る額となっています。令和4年度の予算は824億であったものが倍増しています。コロナのかかり増し経費等が基金から払われているとも伺っておりますので、この予算の倍増は、そのコロナのかかりまし経費で膨らんだのかどうかということを1点質問したいと思います。
 次に意見です。今、申し上げましたとおり、令和4年度計画における施設整備分が548億円、従事者確保分が1068億円となっておりますが、10年ぐらい前は施設整備が9割、従事者が1割でございました。私はその頃から人手が足りないので、施設を整備するのではなく、介護従事者の確保に予算を振り分けていただきたいと言い続けてきました。その甲斐あってか、徐々に変わってきまして、令和4年度については、施設整備が34%、介護従事者が66%ということで、かなり介護従事者の確保に予算が使われており、大変喜ばしいことと思っております。今後介護DXを推進するに当たり、介護従事者の確保の部分の予算がICTやロボットに使われることになると思います。ICT・ロボットを導入するにはかなりの額、老健1施設で言いますと4000万円、5000万円が導入に必要となってきますので、基金を使わなければ、とても自前で手当できないのが、ICT・介護DXでございます。
 今後は介護従事者の確保の予算にさらなる上乗せをしていただいて、施設整備にあまりお金を使うのではなく、介護従事者の確保、ICT・ロボット、介護DX、そちらのほうに多くの予算を振り分けていただきたいということを、さらにお願いしたいと思います。
 以上です。
○田中座長 御意見ありがとうございました。
 質問にお答えください。
○和田認知症施策・地域介護推進課長 御質問の点につきまして認知症施策・地域介護推進課長からお答えさせていただきます。実績のところの特に介護分が大きくなっている理由については、御指摘のとおり、コロナのかかり増し費用が入っているということによるものでございます。令和5年度の補正予算におきまして、コロナのかかり増し費用分については、補正予算のほうで別途手当てをさせていただいているという状況でございます。
 以上です。
○東構成員 ありがとうございます。
 今、お答え頂いたように、増えているのはICT・ロボットで使われたというよりは、コロナのかかり増し経費で増えているだけでございますので、ぜひ介護DXに係る予算というものを、国としてもしっかりと取っていただきたいと思います。先ほどの山際委員からの御質問にもありましたけれども、介護分の予算というのは、令和4年度、令和5年度、令和6年度でだんだん減っているわけでございます。介護事業者における介護DXを進めるにはどれぐらい財源が必要かということを国も試算して、ここをもう少し予算化していただかないと、介護DXを進めると言っている割に、それに使う基金の予算が減っているというのは、私はちょっとおかしいかなと思っております。
 以上です。
○田中座長 ありがとうございました。
 赤堀参考人、お願いします。
○赤堀参考人 静岡県でございます。
 まずは地域医療介護総合確保基金につきましては、日々財源の確保について御尽力いただきまして、御礼を申し上げたいと思っております。この基金の活用によりまして、県単独ではその都度財源確保が困難である事業を計画的、安定的に実施することができるということで、評価しております。
 また、国による基金活用のメニューの提示につきましては、県が抱える課題の解決となる事業のスキームづくりの参考とさせていただいているところでございます。
 そういう中で、事業の執行に当たり、3つほどお願いを申し上げたいと思います。1つは、国による基金を活用できるメニューが提示されているわけですが、その内容がある程度制限されているため、各県がそれぞれ地域課題を解決するための事業を実施できるよう、地域医療介護総合確保基金管理運営要領の各対象事業に定められました目的を達成するための事業につきましては、広く基金活用を認めるなど、弾力的な基金の活用をぜひ認めていただけるようお願いしたいと思っております。
 1つの例としましては、大規模修繕を助成するに当たりまして、ほかの施設を創設することを条件となっているものがございます。静岡県としましても、2040年の高齢者人口のピークに向けまして、新設よりも施設の長寿命化による現状の定員確保を重視しております。創設を条件としない、大規模修繕を対象とする事業などのメニューづくりもぜひお願いしたいというところでございます。
 もう一つ、例年内示時期が遅いことにより事業執行に支障が出ているというのが実情としてございます。それぞれ国のほうでも御尽力いただいているところでございますが、特に最近のICT関係のいろいろな事業につきましては、発注から納品に時間を要するケースがあるということで、ぜひ早期の内示をお願いしたいなと思っております。
 最後にもう一つです。都道府県から疑問点につきましていろいろなことを照会させていただいていると思いますけれども、それらの事例につきまして、ぜひ共通のQAの情報共有を図っていただきたいと考えております。最近では令和3年度が最後であると事務方から聞いておりますので、ぜひ毎年度こちらのQA等につきましては情報共有を図っていただけたらありがたいと思っております。
 私からは以上でございます。
○田中座長 御要望を3点伺いました。ありがとうございます。
 今村委員、お願いします。
○今村構成員 ありがとうございます。日本介護福祉士会の今村でございます。
 意見を述べさせていただきます。近年、医療・介護従事者の確保に関する事業の割合というものが増えてきているということにつきまして、2040年やその先を見据えますと、都道府県としても人材確保に関して大きな課題意識を持っていると認識をしているところでございます。当然サービスを提供する事業者、現場の当事者の方々はさらに強い危機感を持っているわけでございますけれども、お示しいただいております主な取組事例等を拝見する上では、都道府県民等への周知広報とか取組結果の公表などをさらに充実していくべきではないかと考えるところです。
 今後大きく人口構造が変わっていくことが想定される中におきまして、都道府県計画等を通して地域住民への理解促進をより深めるということについては、地域包括ケアのさらなる推進・進化を図る上では重要ではないかと思うところです。
 その上で、介護分野についてですけれども、深刻な人材不足対策については、様々な事業を都道府県で実施していただいておりますが、外国人介護人材に対する取組の充実については、大きな課題の一つではないかと考えているところです。外国人介護人材につきましては、関する制度の見直しがなされている中におきまして、長期就労・定着支援を目指していく上で、例えば国家資格である介護福祉士を取得してもらうということについては、サービスの質を担保する上でも極めて有用であると思います。併せて、外国人介護人材の方々にとっても、資格取得による将来のキャリアパスを描くことにもつながるのではないかと思うところです。
 今般、厚生労働省の事業におきまして外国人介護人材に対する支援として、介護福祉士国家試験対策向けの講座の開催というものが新たに追加されております。このことについては、日本語の学習支援をはじめ、在留資格別に適切なタイミングで計画的な学習の支援体制が構築できるのであれば、我が国への入国促進にもつながるものではないかというふうにも考えます。
 今後ますます重要になってきます介護現場における生産性の向上とか、外国人介護人材に対する受入支援というものをそれぞれの地域において効果的に実施するためには、都道府県単位でも活動している施設団体とか、我々職能団体との連携等というものについてさらに強化していくという観点からも、国からの都道府県への働きかけを強くお願いをさせていただいて、意見とさせていただきます。
 以上です。
○田中座長 御意見ありがとうございました。
 美原委員、お願いします。
○美原構成員 全日病の美原です。ありがとうございます。
 それぞれの地域で地域差があって執行率とかが変わっているというのは十分理解できるのですが、これは国が各都道府県に計画を下ろしてということで、各都道府県の役割がとても大きいように思うのです。何が言いたいのかというと、最終的にこの基金がうまくいっているかということを実感するのは、現場の事業者、医療機関や介護サービス事業者等がちゃんとこれがうまく効いているかということ、納得感があるかどうかということではないかなと思うのです。
 僕が思うのは、ある県はとてもいいよ、うちの県はあまりよくないよ、あちらの県はととてもいいよということが様々あるのだろうと思うのです。それはなぜ起こってくるのかというと、地域差だけではなくて、これを取りまとめている都道府県の役割が結構大きいのではないのかなと思っているわけです。
 これがうまくいくためには、それぞれの都道府県がある程度、あちらの県がこういうふうにやっていることは、うちの県でもまねしようかねとか、標準化というか、そんなことができればいいのではないかなと感じています。
 何が言いたいのかというと、この総合確保基金がうまくいっているかどうかというのは、最終的なアウトカムとしてそれぞれの事業者がそのことにすごく満足しているかどうか。満足するかどうかというのは、その上にいる市町村や都道府県の役割が大きいと思うのです。ただ、その役割というのは、地域差だけではなくて、その都道府県の持っている能力みたいなものがあるのではないかなと思っているのですが、そういうことを国としては評価するのだろうか。評価されれば、きっとそれぞれの県は頑張ってくれるのではないかなと思っているのです。ちょっと乱暴な意見かもしれないですが、すごく差があるのではないかなと思っています。
 以上です。
○田中座長 御意見でした。ありがとうございます。
 馬場参考人、お願いします。
○馬場参考人 ありがとうございます。日本医療法人協会、加納会長の代理の馬場でございます。
 先ほど森委員だったと思うのですけれども、病院薬剤師確保に関する奨学金のお話が出たと思うのですが、病院としては、各病院、病院薬剤師の確保が本当に困っています。これは比較的新しい事業なので、今年度は事例として提示困難だったということは承知しておりますけれども、都道府県によって取組の温度差があるにように思いますので、ぜひ事例として紹介していただくとか、あるいは何らかの周知にさらに努めていただくとか、そういった形で取組をお願いしたいと思っています。
○田中座長 御意見ありがとうございました。
 一わたりよろしゅうございますか。
 委員の方々から様々な御意見を頂戴しました。ありがとうございます。
 続いて、議題2に移ります。「令和5年の地方からの提案等に関する対応」について、資料2の説明をお願いします。
○竹内医療介護連携政策課長 保険局医療介護連携政策課長でございます。
 それでは、資料2「令和5年の地方からの提案等に関する対応」について御説明をさせていただきます。内閣府におきましては、毎年、地方公共団体への事務・権限の移譲、及び地方に対する規制緩和に係る提案を募集しております。その中で地域医療介護総合確保基金に関する地方からの提案がございました。
 2ページを御覧いただければと思いますが、現在、基金におきましては、下に参考でお示ししておりますとおり、年度ごとに決定された交付額の範囲内で各基金事業に充当することとされておりまして、積立残などを翌年度以降に執行しようする場合には、当該年度の都道府県計画を見直すこととされております。この点につきまして、今般、地方からは、造成年度ごとに基金を管理する方法を改め、計画も事業の実施年度ベースのみでの策定とし、過年度分の計画変更を不要とすることを提案いただいたところでございます。
 具体的な支障事例といたしましては、赤枠で囲っておりますとおり、現行の取扱いの下では、基金を造成年度ごとに管理しているため、令和4年度末現在で平成26年度造成分から計9年度分の基金を管理している。また、過年度の積立残を活用するために修正が必要となる計画は今後も毎年度増えていくため、事務が複雑化し、業務負担が大きくなるといった地方からの声も寄せられたところでございます。
 3ページを御覧いただきたいと思います。こうした指摘を踏まえまして、昨年12月22日には「令和5年の地方からの提案等に関する対応方針」が閣議決定されております。資料にお示ししておりますとおり、過年度に造成した基金の残余額について、直近の都道府県計画における各基金事業に充当できることとし、その場合は過年度の都道府県計画の変更は不要とする方向で検討を行い、令和6年中に結論を得る。その結果に基づいて必要な措置を講ずるとされたところでございます。
 これを踏まえまして、矢印の下、対応案でございます。令和6年度都道府県計画以降、地域医療介護総合確保基金は年度ごとに造成するものではなく、当該年度ごとに決定された交付額及び運用益に加えまして、過年度の事業に生じた残額を一体的なものとして基金事業を実施するものとしてはどうか。こうすることで、過年度に造成した基金の残余額を活用する場合に、過年度の都道府県計画を変更することを不要としてはどうかとしてございます。
 本日御議論いただきまして、差し支えなければ、今後関係通知について必要な改正を行ってまいりたいと考えております。
 資料2の説明は以上でございます。
○田中座長 説明ありがとうございました。
 令和5年の地方からの提案等に関する対応について説明いただきました。
 意見がおありの方はお願いいたします。佐保委員、どうぞ。
○佐保構成員 ありがとうございます。
 取組推進に向けた効率化として自治体の事務負担を削減するという方向性に異論はございませんが、PDCAをきちんとチェックすることは重要でございますので、引き続き検証していただき、効果的な取組が進むようフォローをお願いしたいと考えております。
 私からは以上です。
○田中座長 ありがとうございました。
 赤堀参考人、どうぞ。
○赤堀参考人 静岡県でございます。
 今回の過年度造成した基金の残余額の利用時の都道府県計画の変更を不要とする検討は、本当に感謝申し上げたいと思います。ぜひ認めていただくとともに、今後も都道府県の事務負担の軽減に配慮いただければと思います。
 以上でございます。
○田中座長 賛同の意見を頂戴しました。
 ほかによろしゅうございますか。
 では、特段の反対もなかったように感じます。ありがとうございました。
 ほかに意見がなければ、本日はここまでといたします。
 議題1では、地域医療介護総合確保基金の平成26年から令和3年度の執行状況、令和4年度の交付状況及び令和5年度の内示状況について説明を伺いました。
 都道府県において引き続き効果的な執行に努めていただくとともに、国は執行が遅れている都道府県をしっかりサポートしていただくようお願いします。
 議題2では、令和5年度の地方からの提案等に対する対応について説明を伺いました。厚生労働省におかれては、本日頂戴した意見を踏まえて、過年度分の基金の残余額を利用する際の運用改善について対応してください。
 では、次回の日程について、事務局から連絡をお願いします。
○竹内医療介護連携政策課長 次回の会議の日程など、詳細につきましては、追って御連絡させていただきます。
 本日は、どうもありがとうございました。
○田中座長 では、以上をもちまして、第20回「医療介護総合確保促進会議」を終了いたします。議論ありがとうございました。