第16回 匿名医療情報等の提供に関する専門委員会 議事録

保険局医療介護連携政策課保険データ企画室

日 時

2023年6月7日(水) 13:00~15:10

場 所

Web

出席者

【専門委員】
・宇佐美 伸治(日本歯科医師会 常務理事)
・齋藤 俊哉(国民健康保険中央会 理事)
・鹿野 真弓(東京理科大学薬学部 教授)
・嵩 さやか(東北大学大学院法学研究科 教授)
・田尻 泰典(日本薬剤師会 副会長)
・東宮 秀夫(一般財団法人 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団 理事)
・長島 公之(日本医師会 常任理事)
・中野 壮陛(公益財団法人医療機器センター 専務理事)
・中野 惠(健康保険組合連合会 参与)
・野口 晴子(早稲田大学政治経済学術院 教授)
・堀 真奈美(東海大学 健康学部健康マネジメント学科 教授)
・宮島 香澄(日本テレビ報道局 解説委員)
・山本 隆一(一般財団法人医療情報システム開発センター 理事長)

議 題

  1. 1. NDBサンプルデータ(データ見本)について
  2. 2. 匿名レセプト情報等の第三者提供の現状について(報告)
  3. 3. 匿名診療等関連情報の第三者提供の現状について(報告)
  4. 4. 第8回NDBオープンデータの公表について(報告)
  5. 5. 個別審査(非公開)

議 事

 
 
山本委員長 それでは、ただいまより第16回「匿名医療情報等の提供に関する専門委員会」を開催いたします。
 委員の皆様には、御多忙の折、御参加いただきありがとうございます。
 まず最初に、委員の出欠状況について、事務局から報告をお願いいたします。
鈴木室長補佐 医療介護連携政策課の鈴木でございます。
 本日は、お忙しい中、御参加いただき、誠にありがとうございます。
 今回は、専門委員の皆様全てがウェブ参加となります。
 中島委員、松田委員は御欠席となります。
 また、田中委員が15時から御入室になります。
 以上です。
山本委員長 ありがとうございました。
 それでは、早速本日の議事に入りたいと思います。
 会議冒頭のカメラの頭撮りは、ここまでとさせていただきます。
  (冒頭カメラ撮り終了)
山本委員長 それでは、議題1「NDBサンプルデータ(データ見本)について」ということで、資料1の説明をお願いいたします。
鈴木室長補佐 資料1「NDBサンプルデータ(データ見本)について」を御覧ください。
 2枚目に参ります。
 こちらは、先日4月19日の臨時の専門委員会で御説明させていただいた、NDBデータ提供の抜本的見直しの図になります。
 現在、NDBの提供には、申請からデータ提供まで平均390日と非常に長い時間がかかっておりまして、研究者の方の利便性を考え、こちらを最短7日で処理するということで、来年の秋にはクラウド上でNDBの安全性を高めたようなデータに触っていただく環境を整備することを目標としています。
 こちらのシステム等については今後の専門委員会でまた御議論いただくところでございますが、まず近々で取り組める課題として、左側の赤枠で示してございます。本年6月にNDBサンプルデータを作成し、ホームページに公表するものとしておりました。
 次のページをお願いいたします。
 こちらは主に初学者の方を対象としておりまして、NDBサンプルデータというのは全く新しく作成するのではなく、現在第三者提供しておりますサンプリングデータセットから、さらに抽出割合を下げまして100から200レセプト程度、これは100から200というレセプト数が問題というよりかは、ホームページ上でダウンロードいただける数メガバイト程度のサイズにすることを目標にしております。こちらまで抽出割合を下げて抽出し、さらに個人特定につながるようなコードが含まれていないように加工した上で、厚生労働省のホームページ上に公開するものでございます。
 ここまででサンプリングデータセット、また、昨年御議論いただきましたトライアルデータセット、そして、今回のサンプルデータと名称の似通ったものが幾つか出てきてまいりましたので、その違いを下に表でまとめております。
 まず、一番左のサンプリングデータセットですが、こちらは本日も御議論いただきますように既に第三者提供している形態でございます。1年のうち、1月、4月、7月、10月の4か月分について、それぞれ1か月分の匿名レセプトデータから、入院診療10%、外来診療1%の割合で抽出し、次のページにお示しするような高額レセプトの削除等を行うことで、個人特定のリスクがなくなるように処理を行ったデータセットでございます。こちらは審議会の承諾が必要ですが、プリセットでデータができておりますので、現在承諾後50日程度で提供しております。
 真ん中のトライアルデータセットは、昨年、2022年12月の専門委員会で御議論いただいた内容ですけれども、サンプリングデータセットからさらに低頻度のコードが含まれるレセプト自体を削除したようなプリセットデータでございまして、サンプリングデータセットより安全性を高めたものになっています。こちらはまだ審査形態、提供形態等は定まっておりませんので、資料に明示はしておりませんが、今後整備するHIC上で触れていただくことを目標としております。
 最後に、名称は似ているのですけれども、今回御紹介しましたサンプルデータにつきましては、あくまで(データ見本)と書いてございますとおり、本格利用前のデータ構造の理解を目的としておりまして、サンプリングデータセットの抽出割合を非常に低くすることで、データの容量を抑えてホームページ上から自由にダウンロードしていただくものでございます。当然、審査会の承諾は不要でして、初学者の方にデータ構造を理解していただくということを目的にしております。
 最後のページについては、参考としてサンプリングデータセットの加工の仕様について御説明してあります。
 主な操作としましては、高額レセプトの除去、また、診療内容が分かるような傷病名コード、医薬品コード、診療行為コード、診断群分類については、出現回数の少ないコードが9999999などの意味のないコードに変換されております。また、患者の住所地、都道府県、保険者や医療機関別係数、公費レコードの負担者番号といった機微なコードについては全て空欄としておりますので、今回ホームページ上で公開するサンプルデータについても同じような処理をする予定でございます。
 事務局から資料1の説明は以上になります。
山本委員長 ありがとうございました。
 ただいま御説明のありました議題1に関しまして、御質問、御意見がありましたらよろしくお願いいたします。
 よろしゅうございますか。一応前回御検討いただいた内容ですし、これで進めていただくということにさせていただきたいと思います。
 それでは、続きまして議題2「第8回NDBオープンデータの公表について」、これは御報告ですけれども、資料2の説明をお願いいたします。
鈴木室長補佐 よろしくお願いいたします。
 資料2「第8回NDBオープンデータの公表について」を御覧ください。
 次のページをお願いします。
 こちらは、毎年公開しておりますNDBオープンデータの公開に関する御報告でございます。今年2023年に公表する内容としましては、昨年2022年度に作成したものになりますので、①~⑥のレセプト情報については2021年度、また、特定健診については1年度遅れて格納になりますので、2020年度実施分が格納されることになります。この中から、集計表に関しましては、第8回オープンデータは昨年の第7回オープンデータと内容としてはあまり変えておりません。ほとんど同一の内容となっておりますので、1ページから順番に御覧ください。
 次のページをお願いいたします。
 こちらに関しても、ほとんどの集計表は同じ内容となっております。
 次もお願いいたします。
 こちらも全く同じで、最後に4ページ目です。集計表①、医科診療行為の集計表のうち、血液学的検査等、赤字で示しております、nの多い項目についてクロス集計表が一部追加となっております。その他は第7回から全く同じです。
 次のページをお願いいたします。NDBオープンデータ分析サイトといいまして、オープンデータをビジュアライズするBIツールを用いて、このようにホームページ上でグラフをクリックする、または地図をクリックする等によって、数字が可視化されるようなサイトを分析サイトとして御準備しております。こちらも、エクセル表としての集計表の公表後に例年どおり準備する予定でございます。
 次のページをお願いします。
 最後の2ページにつきましては、第1回のオープンデータから今回第8回のオープンデータまで徐々に集計表の内容を拡充してきたところでございますので、前回との差分を赤字で示してまとめております。
 次のページをお願いいたします。
 今回、7回と8回につきましては、一部のクロス表の集計追加のみということで、全体の内容としてはほとんど同じ内容となっております。
 以上、第8回で公表予定のオープンデータの御報告とさせていただきます。以上です。
山本委員長 ありがとうございました。
 ただいま御説明いただきました議題2に関しまして、御意見、御質問がありましたらよろしくお願いいたします。
 これは第7回まではオープンデータ公表の後、御意見を聴取していて、その御意見の下に対応できるものを追加するというのを繰り返してきて、第7回以降は意見聴取を一旦中止するということにしたと思うのです。特段それでも何か意見があるというようなことはなかったでしょうか。
鈴木室長補佐 特別な意見聴取ではないのですが、ホームページ上で御要望フォームというものを引き続き設置してございまして、これは一般の御覧になった方から入れていただくものでございます。非常に多く投稿される御要望というのはないのですけれども、一部、例えば薬効分類の上位100位までしか見られないこと等については何度か不便だと御指摘をいただいているところでございまして、今後、ご要望に基づいた仕様変更を考える際には、また委員会で御議論いただけるように用意しようと思っております。
山本委員長 分かりました。ありがとうございます。
 ほか、御質問、御意見はございませんでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、引き続いて議題3「匿名レセプト情報等の第三者等提供の現状について」の御報告を資料3の説明でお願いいたします。
鈴木室長補佐 それでは、資料3「匿名レセプト情報等の第三者提供の現状について」という資料を御覧ください。
 次をお願いいたします。
 まず、NDB全体のデータ量について御報告いたします。2022年度については、レセプトデータが約18億2000万件、全体としては250億件に迫る248億1200万件のレセプトデータが格納されております。特定健診については例年約3000万件程度、特定保健指導についても例年どおり140万件程度のデータが追加となってございます。非常に悉皆性の高いデータベースとなっております。
 次をお願いいたします。
 第三者提供の推移でございますけれども、左側の棒グラフが年度ごとの新規申出の承諾件数の推移をまとめたものになっております。法制化前の2019年度が最高の74件で、2020年度以降50件弱のペースで推移しているところです。
 法制化後の提供申出者の区分について、右下の円グラフを御覧ください。主に提供申出をされた研究者の方を集計しておりますけれども、3分の2がやはり大学及びその他の研究機関からの申出となっております。残る3分の1のうち、過半数を民間事業者の方が占めておりまして、徐々にこうした方の利活用も進んできているところです。
 次ページ以降、承諾案件の一覧を御参考としてつけております。こちらは非常に長いリストとなっておりますので、御参考としてお使いいただければと思います。
 それでは、飛んでいただきまして、21ページになりますでしょうか、案件の一覧が終わったところまでおめくりください。成果物、つまり公表されたものを年に1回まとめてさらに御報告をいただいておりますので、そちらの御報告をいたします。
 次をお願いします。
 2011年度より医療費適正化計画以外の第三者提供というところが開始されたところでございまして、2023年3月末までで453研究についてデータ提供が承諾されています。2023年3月までの間に今年度新たに151件の成果物の御報告がありました。
 公表物確認はその都度都度でおこなっているのですけれども、それとは別に年に1回、発表内容の概要もまとめて提出いただいております。このときに、公表物確認はおこなったが成果物としては報告し忘れたので過去年度分を報告します、という件があるため、下の棒グラフと151件という数字が厳密に合わなくなっているのはそのためでございます。
 第三者提供の件数の伸びとともに公表物も増えておりまして、2022年、1年間では100件を超える123件の公表物の御報告をしていただいています。こちらも次のページからどのようなタイトルでどの媒体で御報告されたかということを一覧にしてまとめてありますので、御参考に使っていただければと思います。
 それでは、最後から2ページ目までお進みください。
 年次報告として不適切利用の一覧を示しております。
 次をお願いいたします。
 NDBの不適切利用が発生した場合、厚生労働省はガイドラインや利用規約等に基づき、利用停止等の措置を行っております。ここにお示ししている措置を行った案件については、その都度ごとに専門委員会で措置の内容を御議論いただいているところでございますけれども、改めて一覧にしてまとめたものがこちらでございます。内容の大きさに応じまして、申出禁止利用停止の期間を1か月から、悪質なものですと無期限としたものもございました。こちらは定例報告としておまとめいたします。
 以上が第三者提供に関わる現状の御報告でございます。
山本委員長 ありがとうございました。
 それでは、議題3について御質問、御意見がありましたらよろしくお願いいたします。
 いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
 順調と見るか、まだ少ないと見るかはいろいろ考えがあると思いますけれども、まあまあ数は伸びてきているということですよね。
 よろしゅうございますか。
 それでは、引き続きまして議題4「匿名診療関連情報の第三者提供の現状について」の説明をお願いいたします。
荒川主査
厚生労働省保険局医療課でございます。
 それでは、資料4「匿名診療と関連情報の第三者提供の現状について」を御覧いただければと思います。
 先ほどのNDBの資料3と同様の構成と考えてございます。
 まず、資料の番号1ページ目でございますが、第三者提供の承諾件数の推移並びに提供申出者の区分といたしまして、左側の棒グラフでは、第三者提供の承諾件数の推移を、2017年度から2022年度までお示ししてございます。
 また、右側の円グラフですが、NDBの際と同様でございますが、提供申出者の区分を2020年9月審査分までと12月審査分からということで分けてお示ししているところでございます。
 資料2ページ目以降でございますが、参考として2023年4月現在の第三者提供承諾案件一覧というところで掲載してございますので、御確認いただければと考えてございます。
 続いて、資料5ページ目からでございます。
 こちらは成果物の集計となってございます。匿名診療等関連情報の提供を受けた研究者において、その成果を学会やジャーナルなどに公表した件数ということで集計をしてございます。棒グラフは経時的な変化ということでお示ししてございます。
 また、資料7ページ目では、具体的な成果の内容というところで、演題名あるいは発表形式というところで一覧化させていただいてお示ししているところでございます。
 以上、匿名診療等関連情報の第三者提供の現状についてということで、資料の説明は以上になります。
山本委員長 ありがとうございました。
 ただいま御説明いただいた議題4に関しまして、御質問あるいは御意見がありましたらよろしくお願いいたします。
 いかがでしょうか。DPCデータは、今までいろいろなところで出ている研究論文の割には、厚生労働省のDPCデータの請求がちょっと少ないかなという気はしないでもないですけれども、これは、要するにここで要求する以外にも、全くないではないですが、入手する方法があるということにもよるのだろうと思いますけれども、よろしゅうございますか。
 それでは、公開の議論はここまでになります。これから先は個別審査で非公開になりますので、代理人及び代随行者の皆様、傍聴者の皆さんは退出をお願いいたします。
 個別審査に移る前に10分間の休憩を取りたいと思います。それでは、11分になりますけれども、1時30分からということで個別審査を始めますので、お戻りいただくようにお願いいたします。
 それでは、休憩に入ります。
  (休憩)
山本委員長 それでは、会議を再開いたします。
 個別審査を行います。
 事務局から個別審査についての説明をお願いいたします。
  (非公開)
山本委員長 それでは、本日御審議いただく案件は以上でございます。
 そのほか、事務局から連絡事項をお願いいたします。
鈴木室長補佐 そうしましたら、本日は長時間にわたり御審査いただき、ありがとうございました。
 一部条件つき等御指摘をいただいた部分については確認を取らせていただき、提供に向けた手続を進めさせていただきたいと思います。
 9月以降の会議日程につきましては追って御連絡させていただきます。
 どうもありがとうございました。
山本委員長 それでは、以上をもちまして、第16回「匿名医療情報等の提供に関する専門委員会」を終了いたします。
 どうも本日はありがとうございました。