2023年2月16日 第19回医療介護総合確保促進会議 議事録

日時

2023年2月16日(木) 14時00分~16時00分

場所

オンライン開催

議題

  1. 1.総合確保方針の改定に向けた検討について
  2. 2.全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案について(報告)

議事

議事内容
○田中座長 定刻になりましたので、ただいまから第19回「医療介護総合確保促進会議」を開催いたします。
 本日は、大変お忙しい中、御参集いただき、誠にありがとうございます。
 本日も新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。会議中、御発言の際は「手を挙げる」ボタンを押し、私の指名を受けてからミュートを解除後に御発言ください。発言終了後は、再度ミュートに戻すようお願いいたします。
 会議に先立ちまして、本日の出欠状況について、事務局から報告をお願いします。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。
 私から構成員の皆様の出欠状況につきまして御報告させていただきます。
 本日は、大西秀人構成員、河本滋史構成員、永井良三構成員から御欠席の連絡をいただいております。
 また、川勝平太構成員の代理として紅野聖二参考人、齋藤訓子構成員の代理として田母神裕美参考人、佐保昌一構成員の代理として鈴鹿麻菜参考人、平石朗構成員の代理として田中雅英参考人に御参加いただいております。
 次に、議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。
 資料は全部で6つでございます。
 資料1 総合確保方針の見直しについて(案)
 資料2 総合確保方針の改定案
 資料3 ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿(案)
 資料4 全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案の概要
 参考資料1 総合確保方針の改定に向けた論点及び主な意見について
 参考資料2 令和4年度内示状況について(報告)
 以上の6つでございます。参考資料2でございますが、これまで令和4年度の医療介護総合確保基金の内示状況について御報告をさせていただいてございましたが、医療分、介護分ともに2回目の内示を行いましたので、直近までの状況を参考として提示させていただいてございます。
 私のほうからは以上でございます。
○田中座長 ありがとうございました。
 では、ここから議事に入ります。カメラはここまでで退室をお願いします。
 まず、議題1の「総合確保方針の改定に向けた検討について」、資料1から3の説明をお願いします。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。
 総合確保方針の見直しについては、これまで御議論を重ねていただいてまいりまして、前回、12月16日のこの総合確保促進会議におきまして、総合確保方針の見直しの素案を提示させていただいて、御議論をいただきました。そこでいただいた御意見等を踏まえて、今回、総合確保方針の改定案をお示ししてございます。
 資料1は、総合確保方針の見直しについて全体を概要で整理した資料でございますが、構成員の皆様からは、実際の文言レベルでの様々な御意見を頂戴しております。そうした意味におきまして、これから資料2、資料3に沿って具体の文言について御説明をさしあげます。
 まず、資料2、総合確保方針の見直しの改定案でございます。新旧対照表形式になってございまして、左側が改定案、右が現行でございます。前回のこの会議における御指摘等を踏まえて改定した部分を赤字にしておりますので、そこを中心に御説明を申し上げます。
 1ページ目でございますが、ここの(1)から(5)に書いてある5つの柱で整理をするということ、前回こうしたことを御提示させていただきました。(5)地域共生社会づくりと書いてございましたが、実はこれは私どもで改めて点検をいたしまして、地域共生社会づくりという言葉、あるいは地域共生社会の構築という言葉等々が混在している状況でございました。改めて私どものほうで整理をいたしまして「地域共生社会の実現」という言葉で統一してはどうかということでお示しをさせていただいてございます。
 お進みいただきまして、2ページでございます。前回の会議におきまして、森構成員のほうから、今後の患者数の見込みといったことについて、特に在宅の患者に対する対応が重要になってくるといったことも含めて記述をすべきではないか。そういった御趣旨の御発言を頂戴したと認識してございます。
 「はじめに」というところの全体の最初の情勢を記述しているくだりの中に、「外来患者数は令和7年(2025年)頃、入院患者数は令和22年(2040年)頃、在宅患者数は令和22年(2040年)以降に最も多くなる」といった記述を追加してございます。
 続きまして、3ページから4ページにかけてでございます。3ページの一番下から4ページにかけてのところで、「患者・利用者」の後に原案で「・国民」ということで、「患者・利用者・国民」ということを並列にした表現をさせていただいてございましたが、これは「患者・利用者など国民」とするほうがより適切かと考えまして、ここに限らず全体につきまして、そうした修正を加えてございます。
 それから、5ページでございます。前回、渡辺構成員のほうから、人生の最終段階のことにつきまして、人生会議(アドバンス・ケア・プランニング)についてもう少しきちんと記述をすべきではないか、そうした御趣旨の御発言を頂戴いたしました。「人生の最終段階において本人が望む医療やケアについて家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合う人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)の普及啓発等、患者・利用者など国民の視点に立った」といった形で修正をしてございます。
 続きまして、6ページにお進みいただけますでしょうか。前回の会議におきまして、山際構成員のほうから、介護の仕事の魅力発信ということにつきまして、教育現場と連携した取組の重要性について御指摘を頂戴いたしました。「学校等と連携した介護の仕事の魅力発信に取り組むとともに」としてございます。その後は、同じく「患者・利用者など国民」というところです。
 それから、真ん中辺りでございます。このくだりにおきまして、「介護サービスの質の向上、介護サービス事業者の経営の協働化・大規模化」といった言葉を追加してございます。ここにつきましては、前回、特に経営の協働化・大規模化ということにつきまして、様々な御指摘を頂戴したところでございますが、ここにつきましては、趣旨を明確化するということで、この後御説明申し上げます資料3におきまして、そうした趣旨を補いながら書くことにしたいと考えてございます。
 それから、その後、「また」以下のところでございます。前回、森委員のほうから、医療法ですとか介護保険法の規定の趣旨を踏まえて、国民自ら予防に取り組むことの重要性も書き込むべきではないかといった御指摘でございました。現行におきましては右を御覧いただきまして、こうしたくだりがございますので、改めまして、左のほうでございます。国民自らも医療法、介護保険法の規定の趣旨を踏まえ、医療及び介護の在り方に関心を持ち、疾病予防及び介護予防にも積極的に取り組んでいくことが望まれるとしてございます。
 それから、6ページの下の「デジタル化・データヘルスの推進」のところでは、前回、安藤構成員のほうから、介護DXについて少し記述が足りないのではないか、そうした御趣旨の御指摘を頂戴いたしました。「介護についても、地域包括ケアシステムを深化・推進するため、介護情報を集約し、医療情報とも一体的に運用する情報基盤の全国一元的な整備を進めることとしている」といったパラグラフを追加してございます。その後は文章のつながりの関係で少し言葉を補ってございます。
 (5)では冒頭御説明したとおり「地域共生社会の実現」という言葉で統一をしてございます。
 9ページにお進みいただけますでしょうか。これは赤字にはなってございませんが、少し技術的な部分でございますが、上のほうの「また」というパラグラフのところですとか、あるいは「2 計画の作成区域の整合性の確保」というパラグラフにおきまして、平成30年度からの計画期間を前提としたような表現がございましたので、これは今回、新しい計画期間を念頭に置いたものですから、所要の文言上の修正を行ってございます。
 その上で、「1 計画の一体的な作成体制の整備」というところですが、前回、安藤構成員のほうから、医療計画、介護保険事業計画、一体的な計画策定のスケジュールといった趣旨の御指摘を頂戴いたしました。「一体的な計画が策定できるスケジュール調整も含めより緊密な連携が図られるような体制整備」としてございます。
 以上が資料2、医療介護総合確保方針の改定案でございますが、この別紙、ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿につきまして、資料3に沿って御説明を申し上げます。
 まず、資料3の真ん中辺りでございます。前回、美原構成員のほうから、バックキャストという言葉について、少し分かりにくいのではないかといった御指摘を頂戴いたしました。「実現が期待される医療・介護提供体制の姿を関係者が共有した上で、そこから振り返って現在すべきことを考える形(バックキャスト)で具体的に改革を進めていく」という形で言葉を補ってございます。
 その後でございますが、前回、平田構成員のほうから、限りある資源で増大する医療・介護ニーズを支えていくというだけではなくて、やはりその必要な資源を創出していく、そうしたことが重要ではないかということで御指摘を頂戴いたしました。さらにこの資源という言葉につきまして、少し全体の並びの中で整理できていないところがございましたので、「必要なサービスを創出していく取組を続ける一方で、限りある人材等で増大する医療・介護ニーズを支えていくため」としてございます。
 その後のところにつきましては、前回、河本構成員のほうから、最適化だけでなく効率化ということも加えるべきだという御指摘でした。「医療・介護提供体制の最適化や効率化を図っていく」としてございます。
 一番下の行は、先ほどと同じ、「患者・利用者など国民の目線」としてございます。
 2ページにお進みいただきます。ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿の3つの柱のところでございます。その1つ目の○の柱書きのところでございます。「患者・利用者など国民」の後に、前回お示しした案では「の目線から見て」と書いてございました。こうした国民の目線から見てということにつきまして、前回、山口構成員のほうから御指摘を頂戴いたしました。趣旨を明確化する意味も込めまして、「患者・利用者など国民が必要な情報に基づいて適切な選択を行い」としてございます。
 それから、柱のマル2のところでございます。前回は「気軽に相談できる専門職」と書いてございましたが、七種構成員のほうから御指摘を頂戴いたしました。「健康・医療・介護等に関して必要なときに相談できる専門職」としてございます。
 それから、2ページの一番下の○のところでございます。前回、東構成員の代理の田中参考人のほうからいただいた御指摘なども踏まえまして、「入院医療で『治す』ことに特化した機能だけでなく、在宅医療や外来医療を含め『治し、支える』医療が」の後でございますが、「在宅復帰・在宅療養支援等を含む介護サービスや住まい、生活面での支援とともに地域で完結して提供される、地域包括ケアシステム」と、こうした言葉にしてございます。
 3ページにお進みいただきます。2つ目の○でございます。かかりつけ医機能につきましては、この後少し御説明を申し上げますが、健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、先週の金曜日に閣議決定がなされてございますが、そこにかかりつけ医機能について規定が、医療法で整備をするような形が盛り込まれてございます。そこの文言と平仄を取る形で、「身近な地域における日常的な診療、疾病の予防のための措置その他の医療の提供を行うかかりつけ医機能」と修正をしてございます。
 その次の○でございますが、これも前回の東構成員の代理、田中参考人の意見も踏まえながら、入院医療の中で云々ということだけではなくて、「外来医療や在宅医療、介護保険施設における医療を含め、限りある医療資源が連携して最適化・効率化されていて、これが住民に分かりやすく共有されることで」といった形で続けてございます。
 そして、「こうした観点も含め、地域医療構想をアップデートし、これに基づき、さらに医療機能の分化・連携を進めていく必要がある」としてございます。
 一番下の○は新しく追加をしている○ということでございます。武久構成員のほうから、介護ニーズのある方が特に急性期医療に入院をされているという実情、それに対する対応についての御指摘を頂戴いたしました。「医療・介護の複合的ニーズを有する高齢者が増加する中、要介護になっても、在宅を中心に生活を継続しながら、必要に応じて入退院を繰り返すこと、即ち『ときどき入院、ほぼ在宅』にも対応できるよう、こうした高齢者の入退院における対応について介護保険施設との協力や役割分担も含め検討していくことが必要」としてございます。
 そして、ここの部分、今申し上げたとおり介護ニーズのある方の入院ということでございますが、お進みいただきまして、4ページ、4つ目の○でございます。これは介護施設における医療ニーズへの対応ということでございます。前回、平田構成員のほうから、特にコロナ禍の中でそうした問題が浮き彫りになったのではないか、そうした趣旨の御指摘を頂戴いたしました。「高齢者施設における適切な医療・介護サービスを確保していく観点からは、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院といった施設サービスのそれぞれの特性を踏まえつつ、その機能や施設入所者への医療提供のあり方等を検討していくことが必要」としてございます。
 4ページの一番下の○でございます。ここは認知症の方への対応ということでございまして、認知症の方への対応、いろいろな施策をここに書いてございますが、最後、「認知症の方本人を中心に、家族や介護者、医療機関・薬局・介護施設等が協力して対応していける体制を構築することが必要」としてございます。
 それから、6ページまでお進みいただきます。6ページの一番上の○のところは、介護人材確保について書いているくだりでございます。まず、前回の会議におきまして多数の構成員の方から、介護人材不足というものの深刻さがもう少しきちんと伝わるような形にすべきではないかといった趣旨の御意見を頂戴いたしました。「深刻な介護人材不足に向き合っていくためにも」としてございます。
 その後、いわゆる介護助手の活用の取組につきまして、その趣旨といたしまして、「高齢者をはじめとする幅広い層の参画を通じた、いわゆる介護助手の活用の取組などタスクシェア・タスクシフトの促進」としてございます。
 その下のところでございますが、前回、永井構成員のほうから、相談支援、この後特に3のパラグラフのところでいっぱい出てまいりますが、それにつきまして、介護職員に対する相談支援みたいなことも重要であるという御指摘を頂戴いたしました。「介護職員に対する相談支援等の環境整備を含めた働く環境の改善」等としてございます。
 その後、前回、渕野構成員のほうから、外国人の介護人材の処遇について御指摘を頂戴いたしました。「外国人の介護人材が円滑に就労・定着できる環境整備等を含め」としてございます。
 この○の一番最後の3行のところ、これが先ほど資料2でも申し上げました介護サービス事業者の経営の協働化・大規模化というところでございまして、前回、加納構成員、渕野構成員等々から様々御指摘を頂戴いたしました。改めて趣旨を明確にする意味も込めまして、「サービスの質を確保しつつ、人材や資源を有効に活用するため、介護サービスの質の向上、介護サービス事業者の経営の協働化・大規模化も有効である」としてございます。
 6ページの真ん中、3の見出しのところは、先ほどと同じように、「必要なときに相談できる」としてございます。
 それから、下から2つ目の○のところ、これも先ほどと同様に、かかりつけ医機能の説明の文言について平仄を取った修正をしてございます。
 7ページにお進みいただきます。7ページの2つ目の○でございます。前回、武久構成員のほうから、ケアマネジメントといったときに、医療・介護を含めた全般にわたるケアマネジメントということがこれから特に重要になっていくといった御指摘を頂戴いたしました。「入退院から介護サービスの利用までを含めた総合的なケアマネジメントの推進」としてございます。
 それから、7ページの下の見出し「相談支援体制の整備」でございます。前回ここにつきまして「家族を含めた相談支援体制の整備」としておりまして、家族を含めた相談支援体制の整備の重要性、何ら変わるところではございませんが、前回、井上構成員、山口構成員のほうから、家族がいる、そうした家庭を前提に置いているかのような印象を全般的に受けるといった趣旨の御指摘を頂戴したと受け止めてございます。これから高齢者の単独世帯も増加してまいりますので、見出しからは落とす形にいたしまして、一番下の○のところ、「高齢者の単独世帯の増加」ということを明記した上で、「こうした相談窓口が適切に活用されるよう、その周知等を通じて、相談支援の仕組みが浸透していくようにすることが重要」としてございます。
 8ページにお進みいただきまして、地域共生社会につきましては、「実現」という言葉で統一をしてございます。
 それから、前回、平田構成員、齋藤構成員のほうから、医療・介護以外の様々な支援を要する分野について、具体的に例示をすべきということでございます。「障害福祉や子育てなど様々な必要な支援」としてございます。
 4の情報基盤のところでは、基本的考え方の○のところ、前回、七種構成員のほうから、情報というものはフレッシュなものでなければならないといった趣旨の御指摘を頂戴いたしました。「健康・医療・介護情報が最新の状況が反映された質の高い形で個人が電子的に一元的に管理できるようになっている」としてございます。
 一番下の○のところ、森構成員の御指摘で、失礼いたしました。「薬局」という言葉を追記した上で、前回、猪口構成員のほうから、医療DX、介護DX、こうしたものの趣旨をきちんと明記すべきという御指摘を頂戴いたしましたので、事務コストを削減しつつ、より質の高い医療・介護の促進のために活用していけることは極めて重要としてございます。
 9ページ、最後でございます。「終わりに」のところでございます。1つ目の○のところでは、ICT技術を活用して時間と場所を超えてサービスを提供することを可能にする形態につきまして、前回、河本構成員のほうから、オンライン診療を念頭に置いているのであれば、そうしたことを明記したほうが分かりやすいのではないかという御指摘でしたので、それを明記しております。
 その後、「戦略的に再編を図ることも意識しながら」ということについて、前回、杉浦構成員のほうから御指摘を頂戴いたしました。必要な医療・介護サービスを確保することが大前提でございますので、そうしたことを文章上も明確にする形で追加をしてございます。
 一番最後の○のところでございます。前回、美原構成員のほうから伴走支援ということについて少し分かりにくい、具体の内容を書くべきではないかといった趣旨の御指摘を頂戴いたしました。国や広域的な支援を行う地方自治体は、課題解決に向けた効果的・効率的な取組方法の提供など伴走支援を行うとしてございます。
 その後につきましては、先ほどと同様、平田構成員、齋藤構成員の御指摘を踏まえて、医療・介護以外の障害福祉、子ども・子育て、生活困窮者支援などの政策と連携と加えてございます。
 一番最後のところ、前回、井上由起子構成員のほうから、分野横断的な連携の先に教育という言葉を明記すべきだということでしたので、「教育」ということを加えてございます。
 駆け足でございますが、これが前回の御指摘を踏まえた修正でございます。
 参考資料1には、これまでのいただいた御指摘を整理したものをお示ししてございますが、これは前回お出しした資料と全く同じでございまして、5つの論点に沿って御議論いただいた際にいただいた御意見を整理したものでございます。
 駆け足でございますが、説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○田中座長 ありがとうございました。総合確保方針の改定に向けた検討について説明いただきました。
 では、議題1について、御意見、御質問がおありの方はどうぞ。なお、時間の関係もあり、発言は端的にお願いいたします。
 田中参考人、どうぞ。
○田中参考人 全国老人福祉施設協議会の田中でございます。
 今御説明いただいた資料3の6ページの最初の○についての質問でございます。ここまでは、私からは、前回の会議でも発言させていただいたとおり、いずれも重要な項目であり、ぜひともスピード感を持って実行していただきたいと思いますが、ここは1点の質問でございます。「ICT・介護ロボット等の活用、手続のデジタル化等により介護現場の生産性向上の取組を推進し」と書いてございます。しかしながら、介護現場におけるICT・介護ロボット等の導入は十分には進んでおらない状況でございます。現時点では道半ばといったところです。介護労働安定センターの調査によりますと、介護老人福祉施設で最も導入率が高い見守り・コミュニケーション機器でも導入率は約17%にとどまっております。ところが、地域医療介護総合確保基金の介護従事者確保分で実施されている介護ロボット導入支援事業とICT導入支援事業については、令和2年度以降の拡充分、拡充分というのは補助上限額のかさ上げとかWi-Fi等の周辺機器、運用経費の補助対象化等についてですが、これは令和5年度までの実施と示されているところでございます。令和6年度以降もさらなる拡充が必要だと考えておりますが、令和6年度以降、果たしてこれがどうなっていくのか、厚生労働省の御見解をお聞かせください。よろしくお願いします。
○田中座長 質問にお答えください。どなたが答えますか。どうぞ。
○占部企画官 老健局の介護業務効率化・生産性向上推進室長でございます。
 今ほど田中参考人から御質問いただいた件でございますけれども、地域医療介護総合確保基金を活用した介護ロボット・ICTの導入支援事業につきまして、こちらは財政当局との調整過程の中で、効果的な予算執行等の観点から、令和2年度以降の予算措置により拡充を行った内容については、第8期の介護保険事業計画期間を踏まえまして、令和5年度までの措置と整理をしたものでございます。
 この介護ロボット導入支援事業につきましては、導入件数の増加傾向が続いてございまして、ICT導入支援事業についても令和3年度から全都道府県で実施するなど、活用に広がりを見せているものと考えてございます。
 今後も将来にわたって介護サービスの提供体制を確保するという観点から、介護現場の生産性向上の取組を一層推進する必要があると私どもは考えてございまして、この事業につきましても、令和6年度予算要求に向けて、引き続き、必要な対応を検討してまいりたいと考えてございます。
○田中参考人 ありがとうございます。
○田中座長 次に、渡辺構成員、お願いいたします。
○渡辺構成員 高齢社会をよくする女性の会の渡辺敏恵でございます。
 今回の見直し案で全体として各方面からの考察が反映されたと感じております。
 さて、私が発言してまいりました人生会議については、今回の見直し案で、資料1の4ページの最後の3行目からの項で人生会議という言葉を入れていただきました。ここでは「人生の最終段階において」と書かれておりますが、ここは、「人生の最終段階に至る前から」と書き換えをぜひお願いしたいと思います。といいますのも、前回、18回会議で、人生会議を行うには、自分の意思が表明できる頃から行うことが大切だと述べさせていただきました。現実問題として、「人生の最終段階において」と書いてしまうと、最終段階とは、いつからを指すかは感じ方には個人差もあり、判断は難しい問題で、人により拒否反応を示す方もいらっしゃいます。また、開始するときに既に理解力が低下し、御自分の意思が表現できないなど、難しい事態にも直面いたします。ここで、「人生の最終段階に至る前から」と書き換えることによって、大変取り組みやすくなると存じます。理解力のある頃から考え、相談し、意思を表明することを可能にし、開始の時期の幅を広げることもでき、本人にとってもハードルが下がり、医療・介護などで相談する際にも、より具体的に応ずることができます。住み慣れた地域で、かかりつけ医に受診している頃からや、介護保険を使い始めた頃からなど、開始の機会は様々でも、療養の中で話し合う回数を増やすことで本人、家族の理解も深まり、人生のどの段階でも、どのように医療や介護を受けて生きていきたいかを考え、相談し続けるのが人生会議の継続的な記録となります。
 急性期病院で入院という事態になって、急に人生会議を開始するなどということは、スタッフが多忙な中、現状では非常に難しいことも多いです。また、働き方改革によって、急性期病院の主治医制もチーム医療に変わっていく中で、スタッフ全体がその患者さんの人生会議の内容を把握することが重要になってまいりますので、地域で日頃から作成して、共有していくということが可能になれば、病院、介護施設、在宅療養など、各現場での負担軽減にもつながります。
 地域完結型の医療・介護を実現するためには、個々の人生を尊重する基本方針として、人生会議を継続するという現場の指標を明確にして、それが実行できるような現場の状況となるよう、体制づくりが必要と思っております。また、努力しているところには、インセンティブと配慮をお願いしたいと考えております。
 以上です。ありがとうございました。
○田中座長 ありがとうございました。
○武久構成員 いいでしょうか。
○田中座長 武久構成員、関連してですか。
○武久構成員 関連してではありません。すみません。新しい指摘です。
○田中座長 今、手挙げボタンを押してある順番にと思っていたのですが。
○武久構成員 分かりました。よろしく。
○田中座長 では、後ほど。
 ただいまの渡辺構成員の御発言については、事務局としても検討するということでよろしいですか。お願いします。
○谷口室長 地域医療計画課でございます。
 御指摘を踏まえまして、表現ぶりについて調整させていただければと存じます。
○田中座長 ありがとうございます。
 加納構成員、お願いします。
○加納構成員 今回、多くの先生方の御意見が取り入れられ、いろいろな面で改正されていることは評価しているわけなのですが、資料2と3の6ページに関して、資料3のほうの6ページの上段の○の最下段に大規模化という言葉があり、これが削除されていないというのが非常に気になります。前も申しましたように、やはり資本力を中心とした大規模化によるチェーン化も含めた言葉につながるわけで、この大規模化という言葉がどうして今回まだ残っているのかというのは非常に疑問だと思っております。また、表現の仕方も、資料2のほうでは「が重要である」とまで明言してあるのに対して、一方の資料3には「も有効である」と、どちらが言葉として強いのかどうか分かりませんが、この表現も少し違うというのが非常に気になるところであります。
 これはもしどうしてもこの大規模化を入れたいのであれば、まだ資料3のほうの「も有効である」という言葉であれば、資料2のほうも「重要である」という言葉ではなくて、「有効である」という言葉に換えることはできないのでしょうか。質問です。
○田中座長 お答えいただけますか。どうぞ。
○林課長 介護サービスの質の向上を図るために、やはり我々としては、できるだけ特に人材の確保といった側面において協働化・大規模化を図るということは有効な手立てというふうに考えております。ということで、前回の御指摘も踏まえて、この記述は残させていただいているところでございます。
 資料2の表現と資料3の表現が違うというところについては、少し検討させていただきたいと思います。
○田中座長 加納構成員、いかがでしょうか。
○加納構成員 ぜひとも検討していただきたいことだと思っております。よろしくお願いします。
○田中座長 ありがとうございます。
 続きまして、森構成員、お願いいたします。
○森構成員 ありがとうございます。日本薬剤師会の森でございます。
 前回の意見を幾つか反映していただき、ありがとうございました。資料3のポスト2025年の医療・介護提供体制の姿に関して2点ほどコメントをしたいと思っています。
 まず1点は、全体を通して見て、今後、医療や介護においても精神疾患を抱える患者さんへの対応というのはますます重要になってくるのではないかと思っております。資料の8ページの○の1つ目の3行目にも「孤独・孤立や生活困窮といった複合的な問題を抱えていても」というくだりがありますけれども、自殺防止などの観点を含めて、精神疾患への対応というのは非常に重要なことになると思っています。特定の疾患を明記するというのはあまりなじまないのかもしれませんけれども、そのようなことが分かるようなことが入れ込めればと思っております。
 もう一点は4ページ目を御覧いただければと思います。4ページ目の○の4つ目、今回新しく書き加えられたところですけれども、現在、多様な施設で生活する高齢者が増加しており、施設入所者の服薬管理の取組も増加していますが、入所者のみならず、施設の機能や特性に合わせた対応が求められています。また、施設入所者への医療用麻薬が投与されることや、高額な医薬品の投与が必要なケースも増加しており、そうした施設入所者への医薬品提供の在り方、施設での薬剤管理等を検討していくことが必要だと考えます。したがいまして、医療提供の在り方等を検討していくという文章ですが、医療提供、医薬品提供、薬剤管理の在り方を検討していくという文章に修文していただければと思います。
 私のほうからは以上です。
○田中座長 ありがとうございました。
 お答えになりますか。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。
 今の御指摘の趣旨を踏まえて、修正について検討したいと思います。
○田中座長 検討いたします。
 安藤構成員、お願いいたします。
○安藤構成員 ありがとうございます。前回の会議で私ども協会けんぽのほうからも何点か御提示いただいた資料について意見を述べさせていただきました。そして、本日の資料2の6ページと9ページに反映いただき、誠にありがとうございます。6ページでは、医療・介護分野双方でのデジタル化の重要性が明確になったと考えております。また、9ページでは、都道府県と市町村の緊密な連携がより図られやすくなったと認識しております。
 また、高齢化の進行状況が地域によって異なる中、医療と介護のきめ細かい連携は、今後ますます重要となってくるものと考えております。今回の総合確保方針が医療と介護の連携強化を進め、地域共生社会を実現していく上で、実効性のある指針として機能するよう、国として今後とも指針に掲げられた取組のフォローアップを図っていただくとともに、その方針に基づいた取組を実現していくべき、我々医療保険者をはじめとした関係者への御指導もしっかりと行っていただきますよう、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○田中座長 支援いただいた発言でした。ありがとうございます。
 七種構成員、お願いします。
○七種構成員 ありがとうございます。前回の会議の意見を御反映いただき、本当にありがとうございました。
 資料2の6ページ目なのですけれども、人材確保の部分で「学校等と連携した介護の仕事の魅力発信」という言葉がございます。魅力発信は本当に大事なことなのですけれども、やはり魅力を押しつけることはよくないかなと思います。我々が魅力と思っても、受ける側が魅力と思えなければどうしようもないのかなと。その意味では、やはり世代によっても魅力は違いますし、新たな介護の形というのも変わってきています。
 ですから、魅力も全部変わっていくというところがありますので、まず魅力づくりという言葉を入れたほうがいいのかなと思います。単なる発信するだけではなくて、やはり介護の魅力をつくり上げていく、そういったことが非常に大事なのかなと思いますので、現代の若者とかにも選ばれるような介護の新しい魅力をつくり上げていく。そういう意味では、魅力発信と魅力の創出という言葉をつけたほうがよろしいのではないかと考えます。
 以上でございます。
○田中座長 ありがとうございます。御提案を検討するようにいたします。
 次は、田母神参考人、お願いします。
○田母神参考人 ありがとうございます。取りまとめいただきまして、ありがとうございます。前回の会議で本会から申し上げました意見については、ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿におきまして、医療・介護だけでなく、障害福祉や子育てなど様々な必要な支援が受けられる体制の整備が重要であるということを明記いただきまして、ありがとうございます。
 このポスト2025年の姿の記載内容をダイレクトに確保方針に反映するということは、少し難しいところがあるかもしれませんけれども、確保方針の(5)の地域共生社会の実現につきましては、記載が少しほかの項目と比べますと間接的、抽象的な印象がございますので、確保方針におきましても、ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿の表現と同じく、もう少し明確に記載をいただけると、より分かりやすいのではないかと考えております。
 現在、地域共生社会を目指した文脈の中に位置づけていくというような表現でございますけれども、地域共生社会の実現に向けたサービスの在り方の検討や取組の推進ということを明確に記載していただけるとよいのではないかと思っております。
 以上、意見でございます。
○田中座長 ありがとうございます。それぞれ前向きな意見ですので、事務局とともに検討いたします。
 鈴鹿参考人、お願いします。
○鈴鹿参考人 ありがとうございます。構成員の佐保に代わりまして、意見申し上げます。
 まず、総合確保方針の見直し案につきましては、この間の議論を踏まえた内容であると考えておりまして、異論はございません。その上で、資料3について2点です。
 まず1点目、5ページのところで「治し、支える」医療や介護の担い手についてという部分がございます。人材不足、特に介護人材の不足は深刻な状況にあります。6ページにも記載していただいておりますが、やりがいだけでなく、その働きに見合った処遇が確保されるということが非常に重要だと考えております。医療・介護の現場で働く労働者に継続的な、そして、さらなる処遇改善が行われることが必要であることを申し上げたいと思います。
 2点目です。今回、資料3でまとめられた内容につきましては、関係者で広く共有し、着実に取組を進めていくことが重要だと考えております。
 以上です。
○田中座長 このせっかくの報告の使い方について言及いただきました。
 井上構成員、お願いいたします。
○井上(隆)構成員 ありがとうございます。資料2の総合確保方針の見直し案及び資料3の別紙案の方向性につきましては、異論はございません。賛同いたします。
 この後、これを基に次期の医療計画でありますとか介護事業計画にも反映されていくと思いますけれども、やはりデジタル化・データヘルスの推進というところについてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。国民の安心・安全、あるいは医療・介護の持続性の確保、また、国民とか患者がより納得性の高いサービスを受けられること、全体を見渡しながら議論のベースにもなるという意味でも、デジタル化・データヘルス化というのが非常に重要な基盤になってくると思います。今後の議論をますます加速化させていくためにも、デジタル化・データヘルス化を強力に推進していただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○田中座長 今後の方向について発言いただきました。ありがとうございます。
 山際構成員、お願いいたします。
○山際構成員 ありがとうございます。民間介護委員会の山際です。
 前回までの委員の意見を踏まえて修文をいただいて、感謝申し上げたいと思います。その上で、補強する立場から4点ほど発言をさせていただきたいと思います。資料1と2の見直し案についてですが、1点目の資料2の4ページで御説明いただきました医療・介護提供体制のところですが、やはり介護サービスの提供体制の整備については、地域の実情が違いますので、それぞれの状況に応じた整備の仕方ということと同時に、圧倒的に人材が不足している状況を踏まえて、やはり包括ケアサービスの拡充を進めるべきだと考えております。
 2点目ですが、6ページ、サービスの提供体制です。介護従事者について、今回、学校等との連携という記述を盛り込んでいただいたことに感謝を申し上げます。教育現場との連携で、介護職の持つ専門性や魅力を伝えていく必要があろうかと思っています。先日、民間で行われた「高校生のなりたい職業ランキング」が公表されましたが、1位が看護師で、5位に保育士が入っているということですが、こうした中に介護士も選ばれるように、専門性であるとか魅力を正しく伝えていくということが必要だろうと考えております。
 3点目ですが、同じく6ページ、限りある資源の活用ということですが、定年の延長、シニア層の就業率が極めて高くなっている。あるいは共働き世帯が圧倒的に多いという現状を踏まえると、地域の支え合い、ボランティア活動にも限界があると考えております。したがって、地域で生活支援サービスを提供する介護以外の優良な事業者、こうした方々との連携、活用が欠かせないと考えております。何でも公費で活用するということではなくて、民間サービスにつなげる、そういう仕組みづくりについても必要だろうと思っております。
 最後に4点目ですが、共生社会の実現に向けて、医療・介護をきちんと位置づけるということについては極めて重要だと思っております。なお、利用者、患者は市場社会の中で生活をしているわけで、そうした中で各制度の位置づけを明確にし、その役割であるとか機能、そして限界を踏まえるということが必要だろうと思っています。
 その上で、例えば住宅政策など、他の分野、他省庁との連携を重視しながら施策を進めていくということが重要だろうと考えております。
 以上です。
○田中座長 この報告の後の政策の進め方について御指摘いただきました。ありがとうございます。
 菊池構成員、お願いいたします。
○菊池構成員 ありがとうございます。私は言葉の使い方の問題なのですが、幾つか事前にお伝えをし、例えば地域共生社会づくりとか、あるいは資源といった言葉について、今回改めていただいてよかったと思っています。
 ただ、あと1点申し上げたいのですが、介護助手という表現は私はやはり適切ではないと考えています。介護保険部会でも申し上げたのですけれども、結局取りまとめに至るまで、いわゆるという表現はつきましたが、表現ぶりは変わりませんでした。もちろん別の表現ぶりをすることが簡単でないことは承知しています。ゆえに、この表記をここで改めてくださいということではございません。これはこれで結構だと思いますが、しかし、今後に向けて、やはり人権感覚に鋭敏であるべき法学研究者として何も語らないというわけにはいきませんので、議事録にとどめておきたいと思います。
 ひょっとして私の感覚がずれているのか確認しておく必要があると思いまして、私が評議員を務めております社会福祉法人で日頃から大変信頼申し上げている副理事長とちょっとやり取りを昨日しました。すると、その法人では、介護助手の名称の代わりとして、介護サポートスタッフと呼んでいるという答えでした。職員の間で考え出した名称だそうです。直接介護以外の間接業務を担う職員の職名であると。ただ、その副理事長の認識としては、残念ながら、この名称も片仮名にしてイメージを和らげているのにすぎないので、介護職員、介護職を補助するという意味に変わりはなくて悩ましいと、さらに見直しが必要と考えているということでした。
 ネーミングを難しくしているのは、介護職の業務が非常に多岐にわたっていることにあるということです。運転、清掃、リハビリ補助といったことまで含まれ得ると。ただ、こうした業務の専門性を明確にしようとすると、運転手、あるいは清掃員といった形で介護という職場をイメージできないものになってしまう。介護を必要とする方の生活を支えるという意味では、生活支援員とか生活援助員といった名称が思い浮かぶのだけれども、これは老健や特養で用いられている相談員の名称と似てきてしまう。非常に悩ましいと。
 ただ、岩﨑さんとおっしゃいますけれども、副理事長さんは、介護助手の名称はやはり見直さなければいけないということはぜひ多くの方に理解していただきたいとおっしゃっていました。私も現場の感覚とずれていないんだなと思ってほっとしたのですけれども、私からは、サポートスタッフというのはよく考えられた名称ですねとお伝えしました。助手というのはアシスタントで主従関係、手足になって働く人が想起されるのに対して、サポートというのは、ベテランが経験の浅い人を助けるといった意味合いもありますので、必ずしも主従関係や上下関係を想起させるものではないと思います。片仮名言葉ですけれども、デイサービスと大して変わらない認知度ではないかとお伝えしました。
 医療分野であれば、医師法、あるいは保助看法による明確な業務独占、業務指示の関係がある中で、助手という呼び方はまだ許容され得るものであったようにも思います。いわゆる無資格者の医療行為を一定の範囲で認めるのが裁判所の立場ですが、その論理はいわゆる手足論、つまり、医師の手足と同様に医師の指示の下で行うということで違法性が阻却されるという理解です。しかし、介護分野はそういう関係にはないと思います。ましてやジェンダー、LGBTQ、ダイバーシティといった言葉、様々な個人の属性への配慮が広がっている今、介護助手という言葉を依然として使い続けることは、単にセンスの問題というだけではなく、今後、主な担い手として期待されるであろう高齢者の方などに対する尊敬の念を欠き、人権感覚的に首をひねらざるを得ないような表現とさえ言えるのではないかと、そう副理事長さんにお返ししました。
 それに対して、その方からは、他者からどのように呼んでもらえるかということは、全ての人々にとって誇り、尊厳につながる大切なことであるとの認識をより強く持ちましたと、職員ともこの気持ちを共有しますというお返事をいただいたところです。
 以上です。
○田中座長 ありがとうございます。助手は確かに好ましくないと座長としても考えており、いろいろなところで講演などではそう言っています。ただ、今、菊池構成員がおっしゃったように、代わりの言葉がすぐできないので、今回のところは「いわゆる」でとどめさせていただくことになると思います。発言にとどめればよいと言っていただいたので、今後、皆で検討してまいりましょう。大変貴重な御指摘をありがとうございました。
 渕野構成員、お願いいたします。
○渕野構成員 ありがとうございました。渕野です。
 前回、資料3の6のところです。外国人のことについて踏み込んで記載していただきまして、ありがとうございました。それともう一つ、先ほども出ましたけれども、大規模化という言葉がどうも私も気になっております。これは質問ですけれども、この大規模化というのが有効であるという理由について述べていただきたいのですが。
○田中座長 お答えください。
○林課長 老健局総務課長です。
 現状、介護サービス事業者は小規模な事業者も多くなっております。特にここで課題になっております、今後も課題になります介護人材の確保ということについては、ある程度規模が大きくないと、新しい人材の確保、あるいはそういった人材もできるだけ様々な経験を踏んでキャリアアップをしていくというような経験も必要です。そういう意味では、人材の配置といったことについても、できるだけ業務規模が広く、幅広いところが経験できる、経営主体も大きいということが、より可能であればそういった方向に志向していくほうが適切ではないかと考えております。
 ただ、協働化ということを前回と比べて強調させていただいておりますように、必ずしもそれは法人の合併を意味するものではなく、我々の施策ツールとしても社会福祉連携推進法人、あるいは地域医療連携推進法人など、複数の法人がそういった人材の確保とか教育、育成といったものを協働してやっていただくというような政策手段も用意してございますので、そういったものも活用していただきながら、介護人材が困難な時代を対応していただきたいというような考え方で、こういった記述をさせていただいているという趣旨でございます。
 以上です。
○渕野構成員 渕野ですけれども、分かりました。内容は分かったのですけれども、やはり地域包括ケア、あるいは地域で支えるということが今の目標になっているかと思います。こうやってぱっと見たときに、介護サービス等の経営の協働化というのは非常に皆さん分かることだと思うのですけれども、大規模にしますと、大手の株式会社が参入して地域に入ってくるというような形に受け取れる人もいるかもしれないと思います。できれば、どうしても残すといえばしようがありませんけれども、もしできるのであれば、資料2と資料3に大規模化が2つ出ておりますけれども、これを削除しても文言としては理解できるのではないかなと思っております。もう一度御検討いただければと思います。
 以上です。
○田中座長 ありがとうございます。大規模化せよとは書いていないですからね。大規模化も使ったらどうかという文章だと理解しましたが、検討いたします。
 平田構成員、お願いします。
○平田構成員 ありがとうございます。前回、経営協から意見を述べさせていただきましたが、随分加筆修正していただきまして、感謝申し上げます。
 先程、加納構成員や渕野構成員からも大規模化についてご意見がありました。前回、私からも大規模化に関する意見を出しています。今、林総務課長から御説明を受けましたけれども、まだまだこの大規模化の理解というのは、誤解を生じる部分も結構あるのだろうと思いますので、さらに詳細な説明を加えられるようお願いいたします。経営協としても大規模化に関しては疑義を出していますので、田中先生がおっしゃられましたように、再度検証していただければと思います。
 6ページの最初の介護職員の処遇改善に関してですけれども、この文章の1行目、「それに見合った処遇が確保され」という文言の意味するところをさらに強調できないかという事です。我々経営協も、老施協もさらなる処遇改善が必要だと主張しています。ただし、このさらなる処遇改善という文言をこの会議の文章の中に書き込むのは事務局としても難しいところだという御意見もあるようですので、さらなる処遇改善の推進が意図できるような表現を、事務局として御検討いただければと思います。
 以上です。
○田中座長 ありがとうございました。いろいろな宿題をいただいていますが、ただいまの御発言も検討いたします。
 東構成員、お願いいたします。
○東構成員 ありがとうございます。まず意見と質問を申し上げる前に、先ほど菊池委員から介護助手についての大変詳しいいろいろな御持論がございました。介護保険部会でも申し上げておりますが、介護助手という言葉を使い出した者として申し上げます。
 私は、介護保険部会でも発言しておりますが、介護助手という文言に全くこだわりはございません。ただ、理解していただきたいのは、今、介護現場におきまして、介護サポートスタッフであれ、介護アシスタントであれ、介護助手であれ、非常に人材不足に陥っている介護職員の方の周辺業務を担って、介護職員を助けるお仕事をされている方の存在は必要不可欠でございます。私の施設でも、名前はどうでもいいのですが、介護助手という存在がなければ、今の介護職員の人数で現場は回りません。要するに、介護現場の仕事のタスクシフトをきちんとやっていく上で、介護助手または介護サポートスタッフ、名称は何であれ、そういう存在が必要であることは非常に重要であり、確かであると思っております。また、今、我が国の多くの高齢者施設におきまして、そういうものが静かに広がろうとしていることも事実でございます。
 さらに、介護助手に関しましては、様々な和文、英文の論文も出ているところでございます。このような名称をもてあそぶのではなく、その存在について必要であるということだけは認めていただきたいと思います。
 私から意見と質問をしたいと思います。資料3の3ページの5つ目の○でございます。「医療・介護の複合的ニーズを有した高齢者が増加する中」というところで書いてございますが、武久先生から御提案のありました「ときどき入院、ほぼ在宅」という言葉の意味するところは、これから在宅における要介護高齢者が非常に増えていく我が国の未来におきまして、在宅の要介護高齢者をどのように支えるかということが、医療の面でも介護の面でも非常に重要であるということだと考えます。
 そういう意味で、老健施設の存在というのは、医療と介護を複合的に提供している者として非常に重要ではないかと考えております。このような「ときどき入院、ほぼ在宅」、要介護高齢者が御自宅で生活を少しでも長く続けていくために必要な医療、必要な介護を適時適切に提供できるように、老健施設も頑張っていくべきだと思っておりますし、そのように導いていきたいと思っております。
 質問でございます。資料3の6ページ、最初の○でございます。先ほど井上委員から、今後、我が国の介護においてもデジタル化・データヘルス化の推進が非常に重要であるという御意見がありました。また、老施協の田中参考人からもICT・介護ロボット導入支援等の基金からのサポートを令和6年度以降も続けてほしいという要望がございました。私どもも介護現場におけるデジタル化・データヘルス化というのは、井上委員と同じように重要だと考えております。特に介護職員の少ない現場であるからこそ、このデジタル化・データヘルス化、ICT化というのは非常に重要なことです。そこで、1点質問がございます。現在、基金では、ICT・介護ロボット導入支援の補助率は下限4分の3となっております。ほとんどの都道府県で4分の3でございまして、私がおります三重県だけが5分の4となっております。このデジタル化・データヘルス化を進める上で、老健施設や特養の規模になりますと約3000万や4000万のお金が必要になってまいります。そのような金額になったときに4分の3の補助ということは、1施設当たり1000万の支出が必要になってくるわけです。このような経営状況の中で1000万円の支出というのは非常に厳しいものがございます。ぜひこの補助率をさらに4分の3から5分の4、6分の5というように上げていくおつもりはないか、これを御質問したいと思います。
○田中座長 御質問がございました。どうぞお答えください。
○占部企画官 老健局の生産性向上推進室長でございます。
 今ほどの御質問でございますけれども、先ほどもお答えいたしましたとおり、この事業について非常に重要だと私どもも思っております。今ほどの御指摘も含めまして、補助率等も令和6年度予算要求に向けて、必要な対応については、引き続き検討させていただきたいと考えてございます。
○東構成員 ぜひ補助率を上げていただきますように、よろしくお願い申し上げます。
○田中座長 介護サポートスタッフについても説明をありがとうございました。
 続きまして、今村構成員、お願いいたします。
○今村構成員 ありがとうございます。日本介護福祉士会の今村でございます。
 私のほうからは資料3について意見を述べさせていただきたいと思います。まずは前回会議からより具体的になってきたと思っておりまして、異論はございません。その上で、最初のほうのページにありますように、医療介護提供体制の改革を進めていくに当たっては、こうした局面を視野に入れて、実現が期待される、医療・介護提供体制の姿を関係者が共有した上で、そこから振り返って現在すべきことを考える形で具体的に改革を進めていくことが求められるとありますけれども、提供体制の改革に当たっては、現状のままではサービスの質を担保することが難しくなっていくということはやはり広く知っていただく必要性があるのではないかと思います。
 特に新型コロナウイルス感染症によりまして、それぞれの地域におけます医療・介護提供体制等の課題が浮き彫りになったことは、既に広く周知されていると思っておりますけれども、やはり2040年に向けて人口構造が変わっていく中において、前回会議でも発言させていただきましたけれども、改革をさらに押し進めるのであれば、ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿の3つの柱については、都道府県計画等を通して地域住民等への理解促進をより深めていくことも改革を進める上で重要な要素となり得るのではないかと思うところです。
 その上で、5ページ、6ページにかけてになりますけれども、この改革を進めるためには、「治し、支える」医療や介護の担い手に対する様々な取組がますます重要になってくると思っています。医療・介護それぞれの現場における有資格者は、チームの中の中核的人材でもありますし、その専門性を遺憾なく発揮できる環境等の整備を都道府県単位で実施できるよう、国からのさらなる後押しをお願いしたいと思います。
 あわせて、深刻な人材不足が今後も続いていく中においても、やはり地域包括ケアシステムの深化・推進の一翼を担う介護現場に携わる者としましては、デジタルテクノロジーの導入をはじめとする生産性向上の取組等のほか、外国人介護人材や多様な人材の受入れなどの取組を効果的に推進した上で、利用者が安心できる質の高いサービスの提供を担保するためには、やはり介護福祉士がその中心としてマネジメント及び専門性を発揮すべきでありまして、そのための取組をそれぞれの地域の実情に合わせた形で実施できるよう、都道府県の働きかけをお願い申し上げて、意見とさせていただきます。
 以上です。
○田中座長 御意見ありがとうございました。
 山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 ありがとうございます。先ほどから話題に出ている、いわゆる介護助手のことについて、先ほど菊池構成員の御発言を非常に大事なことだなと思いながら私も伺っておりました。そのことについて、さっき東構成員が言葉をもてあそぶという表現をされましたので、ちょっとそのことが気になりまして、発言したいと思いました。
 恐らく菊池構成員は、重要な役割だからこそ適切な表現が必要だという御趣旨でおっしゃったのだと思います。私もネーミングというのはとても大事なことだと思っていまして、今、成り手が少ない中で、やはり助手と言われると、なりたいと思う人が増えてこないという問題もあると思います。ですので、やはり成り手が、こういう職業についてみたいと思えるような職業の名前にするのはとても大事なことだなと思っておりましたが、ちょっとやはり言葉をもてあそぶというような表現をされますと、もともとの菊池構成員の御発表の御趣旨が誤った形で伝わってしまうのではないかなと思いました。重要なことをおっしゃったと思いましたので、その辺りのことを少し気になったところで発言をさせていただきました。
 以上です。
○田中座長 菊池構成員、どうぞ。
○菊池構成員 山口構成員、どうもありがとうございます。私は、東構成員が、私が言葉をもてあそんでいるという意味でおっしゃったのではないと思っていましたので、気にしてはいなかったのですが、ただ、山口構成員がおっしゃるように客観的に議事録を読まれると、おおせのような読まれ方をされてしまうと私も本意ではございませんので、広く介護の仕事に尊厳を持ってというか、この道に入ってきていただくという意味合いでも、やはりネーミングというのも重要ではないか。そういう思いがあって発言させていただいたところでございました。どうもありがとうございます。
○田中座長 ここにいた人は全員理解できたと思いますので、ありがとうございます。
 先ほど手を挙げていらした武久構成員、いかがでしょうか。
○武久構成員 ありがとうございます。資料3の中で、介護保険が始まったのは2000年ですから、もう22年たっているわけですけれども、あの当時は医療を受ける方と介護を受ける方はかなり分割されてしましたが、今は医療・介護は相互の連携政策課というものができたように、一人の人が同時に医療保険と介護保険とを利用しているという現状になっておりますので、資料3の3ページ、私も最後のほうに書きましたように、医療・介護の複合的ニーズを有することが多くなってきたと。
 それからまた、4ページにも書いてありますように、同じ人があちこち行って、同時に医療も行っているし、介護も受けている。ところが、残念ながら医療でも特に急性期医療における介護のウエートが非常に少ないのですが、利用者は高齢者が8割近くに急性期医療もなっております。そういうことで、急性期医療で介護の要素が少ないことによって、介護の必要な人が増えるという状況下に今現在なっているところがございます。同じ人が医療と介護を両方行ったり来たりしているということは、いわゆるケアマネジャーは、ケアというのは介護ですが、介護のマネジャー、メディカルケアマネジャー的な医療介護のケアマネジャー、メディカルケアマネジャー的な方が1人その人について、医療のサービス、また介護のサービスというものを適切に選んでやっていかないと、医療側の人と介護側の人が別々の立場でいると、なかなかスムーズにいかなくなるような気がしておりますので、できれば今現在、ケアマネジャーが頑張っていただいているので、その方々に医療のことを少し勉強していただいて、医療のほうも介護のほうも一人のメディカルケアマネジャーがコーディネートすることによってスムーズに利用者に対してのサービスが行き届くようにしてさしあげる必要があるのではないかと思いまして、一言発言させていただきました。
 ありがとうございました。
○田中座長 ありがとうございます。未来に対する御意見ですね。
 連携政策課長、今まで伺った意見に対して何かお答えになることはありますか。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。
 様々な御指摘を頂戴いたしまして、ありがとうございます。途中でお答えさせていただいた部分もございます。いわゆる文言の修正という形で対応できないか検討させていただくもの、あるいはこの総合確保方針というもの、これは医療計画、介護保険事業計画の基本方針、基本指針の上位に位置するものでございます。さらには、今回新しくつくりましたポスト2025年の医療・介護提供体制の姿というのは、ある意味、あるべき姿を描いているものでございますので、これを実現していく手段というのは、もちろん医療計画、介護保険事業計画もございますし、医療介護総合確保基金、あるいは診療報酬、介護報酬、様々な手段があるわけでございます。
 そうした意味におきまして、この基本方針、あるいは別紙のポスト2025年の姿に記載すべきこと。それは記載した上で、あと実現していくに当たってこういう観点を重視すべきだ、そうしたある意味御指摘として受け止めるべきところ、いろいろあろうかと思いますので、私どもとして座長とも相談しながら整理をしてまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○田中座長 ありがとうございました。この扱いについて説明いただきました。
 ほかによろしゅうございますか。
 様々な御意見をありがとうございました。修文に関わる意見が幾つかございました。取りまとめに向けて、その取扱いについては座長に御一任いただく扱いでよろしゅうございますか。
○仙賀構成員 仙賀ですけれども、発言していないので、いいですか。
○田中座長 どうぞ、仙賀構成員。
○仙賀構成員 今までの発言は、武久先生を除いてほとんど介護関係からの発言だったと思うのです。恐らくこの後、猪口構成員も発言されると思うのですけれども、今回、ポスト2025年医療・介護提供体制の姿で、前回に比べたら介護の内容が本当にたくさん追加が多くて、本当に医療と介護は、個人は今医療が必要だ、介護が必要だという年齢にあるでしょうけれども、全体として本当に医療と介護は同等なんだよという形の記載になってきたのではないかなという印象を持ちました。
 それで、病院の立場からですけれども、診療所は別として、地域の基幹病院や急性期病院、できれば全ての病院で介護のことがよく分かっている医師、ドクターは、少なくとも自分自身が現役のときには、急性期病院にいたのですけれども、皆無でしたね。ほとんどほかに任せるという形でした。
 今は、少しは変わってきているかもしれませんけれども、そのためにはやはり介護の知識を持ったドクターが診療所だけではなくて、今、武久先生が言われたように、入院して治療したために逆に介護が必要になってしまうような患者さんもおられるわけですから、そういう意味で、介護の知識をたくさん持っていて、介護施設との連携とかそういうものを医療の面からうまくサポートできるドクターが必要だと思います。
 そのために、日本病院会とか、それから猪口構成員の全日本病院協会とか、そういう会では医師のセカンドキャリアとして病院総合医というものを今、育てています。それなりの人数が病院の中で総合医として活躍していますが、大多数はもともとは外科のドクターだったとか、第一線のばりばりの手術ばかりやっていたとか、検査ばかりやっていたドクターが、ある年齢になったらそういう形で、セカンドキャリアで介護のことの知識も持ってもらって、病院の中で活躍していただきたいというふうに僕は思いますし、恐らく病院の中で、本当に困ったときにドクターに聞けば介護のことも医療のことも両方分かる、そのようなドクターが患者さんからも必要だというふうに僕は言われたことがあります。
 そういう意味で、ぜひとも、こういう文面はいいのですけれども、実際に動く人をどのようにやっていくか。介護人材が足りないというのは確かなのですけれども、病院の中にも介護の知識を持った医療提供者、これは急性期病院にいる看護師も、知識がある人もいるでしょうけれども、やはりまだまだ育成が足りないと思いますので、その辺りを、これはこの文章の中には入れませんけれども、ぜひともあってほしいなと思いました。あくまで僕の印象です。ありがとうございました。
○田中座長 大切な点を御指摘いただきました。ありがとうございます。
 よろしいですか。では、議題1については、先ほど言いましたように、事務局と座長とで皆さん方の御意見をどう踏まえるかを検討いたします。御議論ありがとうございました。
 続いて、議題2に移ります。議題2の「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」について、資料4の説明をお願いします。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。
 資料4「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案の概要」でございます。
 今回、御報告をさせていただく趣旨は、この中で医療介護確保法につきまして改正をしている部分がございますので、そこについて御報告をさせていただきたいと思ってございます。
 1ページ目、改正の趣旨、これは全体像でございます。全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するため、出産育児一時金に係る後期高齢者医療制度からの支援金の導入、後期高齢者医療制度における後期高齢者負担率の見直し、前期財政調整制度における報酬調整の導入、医療費適正化計画の実効性の確保のための見直し、かかりつけ医機能が発揮される制度整備、介護保険者による介護情報の収集・提供等に係る事業の創設等の措置を講ずるものでございます。
 この中の「4.医療・介護の連携機能及び提供体制等の基盤強化」のマル1でございます。かかりつけ医機能について、国民への情報提供の強化や、かかりつけ医機能の報告に基づく地域での協議の仕組みを構築し、協議を踏まえて医療・介護の各種計画に反映するとしてございます。
 2ページにお進みいただきますと、今のくだりにつきまして、地域完結型の医療・介護提供体制の構築ということで全体を整理したポンチ絵がございます。左下のところを御覧いただきまして、赤で囲ってございます、かかりつけ医機能が発揮される制度整備といたしまして、国民・患者への情報提供の充実・強化、医療機能情報提供制度の刷新、そして、かかりつけ医機能を報告し、地域でのかかりつけ医機能の確保のための具体的方策の検討・公表ということで、その下に地域の協議の場でそうしたことを御議論いただくということを新しく規定する案となってございます。
 そうしたことにつきまして、下の真ん中辺りでございます。様々な計画につきまして、こうした地域の協議の場での協議の結果、そうしたものについて考慮・留意をするということが定められておりまして、右のほうに、医療介護総合確保計画、医療計画、介護保険事業計画、医療費適正化計画、こうした医療・介護の各種計画におきまして、こうしたものを反映するということが書かれているわけでございます。
 3ページでございますが、医療介護総合確保法の改正の規定案でございます。現行の5条が右にございますが、改正案におきまして、市町村の地域における医療及び介護の総合的な確保のための事業の実施に関する計画、この市町村計画につきまして、第3項でございますが、「市町村は、市町村計画を作成するに当たっては」というところで、医療法第30条の18の5第1項の規定による協議の結果、これが今、私が申し上げた協議の結果でございますが、そうしたものを考慮するものとする改正規定が置かれているわけでございます。
 簡単ではございますが、説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○田中座長 ありがとうございました。長い名前の法律案について報告をお聞きしました。
 ただいまの報告について、御意見、御質問がおありの方は、どうぞ。
 加納構成員、お願いいたします。
○加納構成員 ありがとうございます。このポンチ絵がまた気になっております。2ページ目のポンチ絵でございますが、これはどう理解したらいいのでしょうか。前もこういったときに出てきた、これから医療・介護を地域密着のいろいろな形で展開する時、高齢者救急は非常に大きな役割を担うと思うのです。これをこういうふうに書かれていますと、例えば二次救急病院というのは200床以下の二次救急病院もたくさんあるわけです。それらで守っているわけなのですが、その病院はどこに位置するのかなというところになると、救急車の位置が左の高度急性期のところにぽんと描かれているだけですから、これだとここだけになってしまい、ここに二次救急が行ってしまうのかなと。かかりつけ医と紹介受診重点医療機関を対比して見るのにはこれがいいのかもしれませんけれども、これだけですと、本来、今回地域完結型で大きな役割を担う高齢者救急の二次救急病院、地域密着型病院に関しまして、何かここに記載されていないようなところもあるような感じのポンチ絵になっているのではないかなと思うのですが、この点はどういうふうに理解したらいいのか、ちょっと御説明いただけたらと思います。
○田中座長 お願いします。
○鷲見課長 地域医療計画課長でございます。
 加納構成員、御指摘ありがとうございます。こちらのポンチ絵は、先生がおっしゃるように、今回のかかりつけ医機能を有する医療機関等の関係の中で記載したものでありまして、全てを必ずしも網羅するものではないというものではございます。一方、高齢者の救急患者をどうやって地域で支えるのかというのは大切な問題だと考えているため、今回のポンチ絵の左上のところには、重症の救急患者等の受入れという形で、高齢者の救急とは異なる記載をしているところですが、今後、説明する際には、先生の御指摘も踏まえながら、丁寧に対応してまいりたいと思います。
 以上でございます。
○田中座長 加納構成員、いかがでしょうか。
○加納構成員 ありがとうございます。例えば病院とその下に描いてあるところにも救急車を並べておくとか、どこか居場所を分かるようにしていただく必要があるのではないかなということで、また御考慮いただければと思います。よろしくお願いします。
○田中座長 ありがとうございました。
○武久構成員 いいですか。
○田中座長 では、猪口構成員、武久構成員の順でよろしいですか。
 猪口構成員、どうぞ。
○猪口構成員 今の加納構成員からの指摘はもっともで、この特定機能病院、地域医療支援病院、紹介受診重点医療機関と、これからできてくるのはこの3番目にあるわけで、やはり現在の二次救急を受け持っている病院とか、そういうものをここに列記していかないと現状と合わないというふうに私も思います。
 それから、もう一つは、身近な地域における医療・介護の連携体制という中で、地域包括支援センターというのは入っているのですけれども、この中で非常に重要なのは、在宅の医療・介護連携拠点事業ですね。これも事業化されておりますし、そこを伸ばすということは、多分、今、介護保険の中でも議論されているところだと思いますので、やはり医療と介護をつなぐというのには、その連携拠点をきっちりとこの中に位置づける必要があると思います。そのような図の構成にしていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○田中座長 ありがとうございます。
 武久構成員、お待たせいたしました。
○武久構成員 今、加納先生がおっしゃったように、まさに救急は高度救急ばかりではないのですね。2022年の改定で、慢性期病院でも救急を取れば5点のマイナスが助かるというような、厚労省側としては慢性期の患者さんが急変する場合、要するに高齢者で慢性期の状態の方が悪くなったときに、その県のトップの救急医療センターへ行かなくても、そこの近くの二次救急で地域多機能病院的なところが診ればいいというような要素で分割して、救急を2つに分けて対応していこうというような流れがあるように感じるのですけれども、これに関して、これを見ると、加納先生がおっしゃったように、特定機能病院のところしか救急が行かないような感じになっていますから、一般的に非常に重症、中等度、軽症はともかくとして、高齢者が急変する場合が非常に多くなっておりますので、その辺りを皆様に御理解賜りますようなイラストにしていただければということが、多分加納先生の御意思だと思います。私もそれに同感でございますので、付け加えさせていただきました。ありがとうございました。
○田中座長 ありがとうございます。
 どうぞ。
○鷲見課長 ありがとうございます。ご指摘の点につきましては、先ほども一部お答えさせていただきましたが、新しい第8次医療計画の中の救急分野の医療計画の方針が昨年末に一定程度の取りまとめを行われ、その中に今後増えるであろう高齢者救急の重要性についてはしっかり記載されております。一方、今後、こうしたポンチ絵を作る際には、先生方の御指摘を踏まえて、適切な記載になるよう検討させていただければと思います。
 以上でございます。
○田中座長 ポンチ絵を進化させてもらいましょうね。ありがとうございます。
 よろしゅうございますか。様々な御意見をありがとうございました。
 議題1では、総合確保方針の改定案について説明を伺いました。事務局は、本日議論を行った方針改定案について、私が確認した上で、速やかに告示改正等の事務手続に進めるよう準備をお願いいたします。
 議題2では、全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案について報告を伺いました。ポンチ絵についてはいろいろな意見が出ました。
 特になければ、本日はここまでとなりますが、よろしゅうございますか。
 では、次回の日程について、事務局から連絡をお願いします。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。
 総合確保方針の見直しにつきまして、本日様々な御指摘を頂戴いたしました。そこを踏まえまして、修正について、私どものほうで座長と御相談させていただくということで、座長に御一任いただきました。本当にどうもありがとうございます。
 構成員の皆様方におかれましては、これまで多岐にわたる論点につきまして、大変精力的に御議論をいただきまして、心より御礼を申し上げます。私どもとして、座長と御相談をした上で、総合確保方針の改定案を確定させまして、告示改正ということになりますので、そうした事務手続を進めてまいりたいと考えてございます。引き続き、構成員の皆様方の御指導のほど、よろしくお願いいたします。
 次回の会議の日程につきましては、追って御連絡させていただきたいと存じます。
 以上でございます。
○田中座長 以上をもちまして、第19回「医療介護総合確保促進会議」を終了いたします。
 皆様、活発な御議論をありがとうございました。