2022年12月16日 第18回医療介護総合確保促進会議 議事録

日時

2022年12月16日(金) 16時00分~18時00分

場所

オンライン開催

議題

  1. 1.総合確保方針の改定に向けた検討について
  2. 2.地域医療介護総合確保基金の令和4年度内示状況について(報告)

議事

議事内容
○田中座長 構成員の皆さん、こんにちは。定刻になりましたので、ただいまから、「第18回 医療介護総合確保促進会議」を開催いたします。
 本日は、大変お忙しい中、御参集いただき、誠にありがとうございます。
 本日は新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催となっています。もう皆さん慣れていらっしゃいますが、会議中、御発言の際は「手を挙げる」ボタンを押し、私の指名を受けてからミュートを解除し、御発言をお願いいたします。発言終了後は、再度ミュートにしてください。
 会議に先立って、本日の出欠状況について、事務局から報告をお願いします。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。
 構成員の皆様の出欠状況を御報告させていただきます。
 本日は、大西秀人構成員、菊池馨実構成員から御欠席の連絡をいただいております。
 また、川勝平太構成員の代理として紅野聖二参考人、東憲太郎構成員の代理として田中志子参考人、平石明構成員の代理として田中雅英参考人にそれぞれ御参加いただいてございます。
 次に、議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。
 資料は全部で5つでございます。
 資料1 総合確保方針の見直しについて(素案)
 資料2 総合確保方針の改定案(素案)
 資料3 ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿(素案)
 資料4 令和4年度内示状況について(報告)
 参考資料1 総合確保方針の改定に向けた論点及び主な意見について
 以上5つを御用意いたしておりますので、御確認をお願いいたします。
 以上でございます。
○田中座長 早速議事に入ります。カメラはここで御退室ください。
 議題1の「総合確保方針の改定に向けた検討について」を取り上げます。資料1~3の説明をお願いします。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。
 資料1から資料3まで、そして、併せて、参考資料1についても触れさせていただきながら、御報告をさせていただきます。
 資料1「総合確保方針の見直しについて(素案)」でございます。
 これまで、総合確保方針の見直しにつきまして、事務局から5つの論点を提示させていただきまして、構成員の皆様に2回にわたり御議論をいただいてまいりました。そのときにいただいた御意見の内容は、参考資料1として、論点に沿った形でどのような御意見をいただいたか、前回もお示しをさせていただいておりますが、さらに、前回いただいた御指摘も踏まえて、加筆をしたものを参考資料1としてお示しをさせていただいてございます。
 その上で、今回は、これまでの御意見を踏まえまして、総合確保方針の見直し案の素案ということで、具体的には資料2に新旧対照表形式でお示しをしてございますが、そのポイントとなる部分を資料1に抜き出してございますので、これから、資料1に沿って御説明を申し上げます。
 2ページでございます。
 全体の構成、左側が現行、右側が見直し案となってございますが、まず、「意義」のところ。現行の総合確保方針、2025年に向けてとなってございましたが、今回の総合確保方針、これは見直し後の総合確保方針に基づいて策定される医療計画、介護保険事業計画、これは2025年をまたぐものとなりますので、2025年、その後の生産年齢人口の加速等を見据え、そうした形で射程を明確にしてございます。
 「基本的方向性」これまで5つ示されてございます。これにつきまして、少し組み替えを行ってはどうかということで、ここに案をお示ししてございます。
 (1)効率的で質の高い医療提供体制の構築と地域包括ケアシステムの構築。これは(1)「地域完結型」の医療・介護提供体制の構築としてはどうか。
 それから、(2)地域の創意工夫を活かせる仕組み。これにつきましては、柱立てとはせずに、新しい(1)と(5)の中に内容として溶け込ませる形としてはどうか。
 (3)質の高い医療・介護人材の確保と多職種連携の推進。これは(2)サービス提供人材の確保と働き方改革へ。そして、(4)限りある資源の効率的かつ効果的な活用。これはそのまま(3)へ。そして、(5)ICTの活用のところは(4)デジタル化・データヘルスの推進へ。そして、新たに(5)として、地域共生社会づくりという柱を新たに設けてはどうかと考えてございます。
 その上で、これまで御議論いただいてきた中で、2040年を見据えまして、構成員の皆様から様々な御指摘を頂戴いたしました。そうした少し長期的なものも見据えた部分につきましては、(別紙)ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿という形で、そうした御意見を反映させてはどうか。そうした構成にしてございます。
 以下、それぞれについて御説明申し上げます。
 3ページでございます。「意義」でございます。1つ目のポツは、これまでも申し上げてきている人口構成の変化、2つ目のポツも、前段は同じような人口構成でございます。「一方で、」という後ですが、都道府県や二次医療圏単位で見れば、65歳以上人口が増加する地域と減少する地域がございます。入院・外来・在宅それぞれの医療需要も、ピークを迎える見込みの年が地域ごとに異なる。こうした中で3つ目のポツでございますが、人口構成の変化、医療・介護需要の動向は地域ごとに異なる中で、地域の実情に応じた医療・介護提供体制の確保を図っていくことが重要。その際、中山間地域や離島では、地理的要因によって、医療・介護の資源が非常に脆弱な地域も存在する。そうしたことに留意が必要としてございます。「また、」以下のところでございますが、高齢単身世帯が増える、あるいは医療・介護の複合ニーズを有する患者・利用者が増加するなど、医療・介護の連携の必要性が高まっている。
 4つ目のポツで、認知症への対応に触れた上で、5つ目のポツでございます。2025年(令和7年)その後の生産年齢人口の減少の加速等を見据え、患者・利用者・国民の視点に立った医療・介護の提供体制を構築し、自立と尊厳を支えるケアを将来にわたって持続的に実現していく、こうしたことを医療・介護の総合的な確保の意義としてございます。
 4ページでございます。1つ目、「地域完結型」の医療・介護提供体制の構築。1つ目のポツでは、今般の新型コロナウイルス感染症対応で様々な課題が浮き彫りになったということ、2つ目のポツでは、平時から機能分化・連携を進める。その上で、新興感染症等が発生した際にも、提供体制を迅速かつ柔軟に切り替えることができるような体制、3つ目のポツでございますが、医療の関係、入院医療につきましては地域医療構想の推進、さらに機能分化・連携を進めていく。それから、外来・在宅につきましては、紹介受診重点医療機関の明確化、かかりつけ医機能が発揮される制度整備、こうしたことに言及した上で、地域医療構想をさらに推進する中で対応を進めるとともに、医療従事者の確保と働き方改革と一体的に進めていくことが重要。また、医薬品の安定供給や提供体制の確保を図っていくことが必要としてございます。
 4つ目のポツ、地域包括ケアシステムにつきましては、介護サービス提供体制の整備、住まいと生活の一体的な支援、医療と介護の連携強化、認知症施策の推進、総合事業、介護予防、地域の支え合い活動の充実等を含めた地域づくり、こうしたことを通じて、さらなる深化・推進を図っていくとしてございます。
 5つ目のポツは、冒頭にも申し上げました、地域の創意工夫を活かせる柔軟な仕組み、こちらで言及してございます。
 最後のポツでございますが、患者・利用者・国民の視点に立った医療・介護提供体制の整備ということで、国民の行動変容を促す情報発信、人生の最終段階の医療やケアの普及啓発等を掲げてございます。
 5ページにお進みいただきまして、「サービス提供人材の確保と働き方改革」。サービスの質を確保しつつ、従事者の負担軽減が図られた医療・介護の現場を実現するということで、2つ目のポツでございます。医療従事者について、働き方改革、勤務環境の整備、タスク・シフト/シェア、チーム医療、復職支援、あるいは介護従事者について、処遇改善、ICTや介護ロボット等の活用、それから、専門性を生かしながら働き続けられる環境づくり、復職支援、介護のしごとの魅力発信、介護助手の導入等の多様な人材の活用、こうしたことを掲げてございます。
 3つ目のポツでは、先ほどと逆側から、医療・介護サービス提供人材の確保と働き方改革を地域医療構想と一体的に進めることが重要としてございます。
 3つ目の方向性。「限りある資源の効率的かつ効果的な活用」。人口減少に対応した全世代型の社会保障制度を構築するということで、限りある地域の社会資源を効率的かつ効果的に活用していく必要があるとしてございます。
 6ページにお進みいただきまして、「デジタル化・データヘルスの推進」ということでございます。1つ目のポツでは、オンライン資格確認等システムについて、2つ目のポツでは、全国医療情報プラットフォームを創設する方向性について記述をした上で、3つ目のポツでございます。患者・利用者自身の医療・介護情報の標準化を進め、デジタル基盤を活用して医療機関や薬局・介護事業所等の間で必要なときに必要な情報を共有・活用していくことが重要。
 また、4つ目のポツでは、いわゆるビッグデータの活用でございますが、NDBや公的データベース等や、これらの連結解析等を通じ、EBPMの取組が重要としてございます。
 7ページ、「(5)地域共生社会づくり」でございますが、孤独・孤立、生活困窮、こうした様々な問題がある中で、地域の包括的な支援体制の構築、いわゆる「社会的処方」の活用など「地域共生社会」づくりに取り組む必要。
 2つ目のポツでは、住居や居住に係る施策との連携も踏まえつつ、まちづくりの一環として位置付けていく。3つ目のポツでございますが、医療・介護提供体制の確保についても、こうした地域住民、地域の多様な主体の参画や連携を通じて、地域共生社会を目指していく、そうした文脈の中に位置付けていくことが重要としてございます。
 それから、7ページの一番下のところに、このほか、市町村計画の共同策定の明確化など所要の見直しとしてございます。具体的には、資料2に書いてございますが、政府全体で、自治体が定める計画について地方分権改革の推進に取り組んでございます。そうした中で、医療介護総合確保法に基づく市町村計画につきましても、市町村による共同計画の策定が可能である。そうしたことをこの際、総合確保方針の見直しでも、明確にしたいと考えてございます。
 そして、「(別紙)ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿」でございますが、こちら、資料3、縦置きの紙に沿って御説明をさしあげたいと存じます。
 資料3の1ページ目でございますが、まず一番下のパラグラフを御覧いただけますでしょうか。この「ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿」。高齢者人口がピークを迎える中で、医療・介護の複合的ニーズを有する高齢者数が高止まりする一方、生産年齢人口の急減に直面する。こうした局面を定義いたしまして、全国的には、こういったものは2040年頃に迎えることになるわけですが、こうした局面において、実現が期待される医療・介護提供体制の姿として、現時点で想起し得るもの、これを患者・利用者・国民の目線で描いたもの、そうした整理をしてございます。
 その上で、その1つ上のパラグラフでございますが、そのパラグラフの4行目あたりですけれど、実現が期待される医療・介護提供体制の姿を関係者が共有した上で、そこからバックキャストする形で改革を進めていくことが求められるとしてございます。
 先ほど、私、全国的には2040年頃と申し上げました。実際、こうした変化のスピード、これは地域単位で見れば、その度合い、スピードは様々でございます。地域ごとに適切な対応ができるような形で改革を進めていく必要があるということ。また、限りある資源で増大する医療・介護ニーズを支えていくため、医療・介護提供体制の最適化を図っていく。そうした視点も重要としてございます。
 2ページにお進みいただきます。ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿、これは以下の3つの柱を同時に実現することを通じて、患者・利用者・国民の目線から見て安心感が確保されるものでなければならないとしてございます。
 1つ目。医療・介護を提供する主体の連携により、必要なときに「治し、支える」医療、個別ニーズに寄り添った柔軟かつ多様な介護、こうしたものが地域で完結して受けられるということ。
 2つ目でございますが、地域に健康・医療・介護等に関して気軽に相談できる専門職やその連携が確保され、さらに自らそれを選ぶことができるということ。
 そして、3つ目でございますが、健康・医療・介護情報に関する安全・安心の情報基盤が整備されることにより、自らの情報を基に、適切な医療・介護を効果的・効率的に受けることができるということ。
 こうしたことを3つの柱としてはどうかと考えてございます。
 以下、それぞれの柱について、もう少しブレークダウンした形で記述をしてございます。
 1つ目の柱の基本的な考え方でございます。自分が住み慣れた地域において、「治し、支える」医療、個別ニーズに寄り添った多様な介護サービス、それぞれの機関が役割分担、そして、有機的に連携をしながら、ニーズに応じて柔軟に提供される。こうした形で、地域が医療・介護の連携体制によってカバーされ、いざというときにも支えてくれる基盤が整っている、こうしたことが目に見える形で、分かりやすく明らかになっているということではないかということでございます。
 2ページの一番下の○では、これは主に医療の面から見たところでございます。入院医療で「治す」ことに特化した、そうした機能だけでなく、在宅医療・外来医療を含め「治し、支える」医療が、介護サービス、住まい、生活面での支援とともに、地域で完結して提供される、そうしたことが必要であるとしてございます。
 そうしたことが実現しますれば、3ページでございますが、例えば要介護状態になって、在宅を中心に入退院を繰り返し、最後を看取り、そうしたことが生活の質を重視しながら、きちんと必要な医療・介護を受けることができる。そうしたことにつながっていくのではないかということでございます。
 次の2つの○のところでは、これを医療機能という観点から見てございます。1つ目の○は、先ほど申し上げました現行の取組でございます。その上で、2つ目の○でございますが、こうしたことを敷衍しますれば、入院医療だけでなく、外来医療や在宅医療を含め、限りある医療資源が連携して最適化されていて、これが住民に分かりやすく共有されること、そうしたことが重要ではないかと。こうした観点から、地域医療構想についてアップデートしていくことが重要であり、これに基づき、さらに医療機能の分化・連携を進めていく必要がある。そうしてございます。
 その次からは、地域包括ケアシステムの深化・推進でございます。一番下の○を御覧いただきまして、利用者の暮らし方、利用者の状態の変化、それを支える周囲の状況等に応じて、柔軟に介護サービスが利用できるようにしていくという視点が重要としてございます。
 このため、従来の施設と在宅という体系論を所与の前提とせず、各種サービスが持つ機能に応じて、それが発揮できる制度の在り方を検討していくことが求められる。例えばということで、在宅の場合であっても、通所・訪問・泊まり・看護などのサービスを一体として利用できるような選択肢を増やしていく。そうしたことが考えられるとしてございます。
 その次の○では、認知症の問題につきまして、認知症とうまく付き合いながら地域で生活していける環境の整備について、その次の○では、介護保険の介護サービスだけでなく、住まいや生きがいを持った生活への支援も含め、様々な社会資源、こうしたものについて、ケアマネジャー等が主体となって調整を行うことの重要性について書いてございます。
 その次の○でございますが、さらに、介護予防、地域支援事業、地域の支え合い活動を含めた地域づくりの取組を充実させることが、「支える側」と「支えられる側」という画一的な関係性に陥ることなく、高齢者の社会参加等を進めることで、世代を超えて地域住民が共に支え合う地域が形作られていくことが期待されるとしてございます。
 4ページの下からは、担い手の問題でございます。専門職としての知識や技能の基盤の上に、互いに連携しながら、生き生きと働いている姿、そうしたものが国民の目から見て、目の当たりにできるようなことが重要としてございます。
 5ページにお進みいただきまして、限りある人的資源、必要なサービスへの再配置や再分配を含めた効率的な利用の実現を通じて、地域で必要な担い手の安定的な確保に資する。その際、サービスの質を確保することは当然でございますが、テクノロジーも活用し、従事者の負担軽減が図られた現場を実現していくことが必要と。
 その次の○では医療についてでございます。医師の働き方改革、勤務環境の整備、タスク・シフト/シェア、医療従事者がチームとして医療現場を支える仕組み、ICTの活用、医師の地域偏在・診療科偏在の是正、こうしたことについて言及してございます。
 その次は介護でございますが、処遇の確保、介護助手の活用などタスク・シフト、タスク・シェア、ICT・介護ロボット等の活用、働く環境の改善、復職支援、外国人の介護人材等の多様な人材を適切に活用、こうしたことも含めて、資格と職務経験に応じた富士山型の人材活用を目指す。こうしたことも書いてございます。また、こうした取組をより効果的に推進する観点から、経営の大規模化・協働化も有効としてございます。
 5ページの下からは、2つ目の柱でございます。
 基本的考え方。自分が住み慣れた地域に気軽に相談できる専門職やその連携が確保ということでございまして、6ページにお進みいただきまして、こうした相談をすれば、自ら適切なサービスを提供、その時々の状況に適した専門職を紹介し、適切なサービスに繋げてくれる。こうしたことかと考えます。
 そして、6ページ、その次の○でございますけれども、こうした医療機関を選択するということ、これは「治し、支える」医療や、これと連携した介護、そうしたものを提供してくれる地域包括ケアシステムへの起点を持つということになるのではないかということでございます。
 その次の○では、こうした機能を担う医療機関、日常的な医療の提供、地域の介護サービスや通いの場などの社会資源につなぐ専門的な医療機関等へ紹介する、さらには退院した患者を地域で継続的に支援する、そうした機能を担うことになろうかと思います。
 一方、介護サービスの利用という場面を想起しますと、本人の自立を支援する適切なケアマネジメント、こうしたものが行われることが重要でございます。
 その次の○でございますが、適切なケアマネジメント手法の普及・定着、ケアマネジメントの質の向上、こうしたこと、そして、それがかかりつけ医機能を担う医療機関との連携を目指して行われる、そうしたことが重要としてございます。
 6ページの下からは、家族を含めた相談支援体制の整備ということで、地域包括支援センターなどの身近な拠点で、そうした伴走型支援を行うということでございます。7ページにお進みいただきまして、地域包括支援センター。ニーズの増大、課題の複雑化・多様化等に適切に対応するための体制・環境整備を図っていく。あるいは障害福祉・児童福祉など他分野との連携促進、そうしたことも必要としてございます。
 その次、さらに大きな視点に立てばということでございまして、8050問題、孤独・孤立、生活困窮、こうした様々な複合的ニーズを抱える方を支えていくために、地域共生社会の構築に向けて取組を進めていくことが求められるとしてございます。
 7ページの下からは3つ目の柱でございます、基本的考え方。自分の健康・医療・介護情報を個人が電子的に一元的に管理できるようになっていると。そして、マイナンバーカード1枚で受診でき、自ら同意した上で、こうした情報を医療機関・薬局・介護事業者、さらには保険者、民間事業者も含めた多様な主体が共有することで、より適切なサービスを受けることができるということかと考えてございます。
 7ページの一番下の○は、全国医療情報プラットフォーム創設の方向性について記述をしてございます。
 8ページにお進みいただきまして、これを1つ目の柱の文脈で考えますれば、かかりつけ医機能を担う医療機関や、その連携する医療機関・介護施設等が健康・医療・介護情報を本人の同意の下に一元的に把握し、活用していけるようにする。そうしたことが極めて重要としてございます。
 2つ目の○では、本人がこうした情報を、マイナポータルを通じて個人の情報を確認できるわけでございますが、マイナポータル上の情報は、一定のルールの下で、民間のPHR事業者もAPI連携により活用できる仕組みとなってございます。民間の創意工夫により、予防・健康づくりに資する様々なサービスの創出も期待されるとしてございます。
 3つ目の○でございますが、まさに国民自らが、自分の健康・医療・介護情報にオーナーシップの意識を高めていただく中で、多様な主体が、こうした情報を御本人の同意の下に適切に活用することで、個人の予防を推進する、良質な医療やケアを受けられるようにする。そのために必要な情報の標準化・情報基盤の構築を着実に進めていく必要があるとしてございます。
 そして、「終わりに」というところでございますが、冒頭にも少し言及した点、人口構成の変化やこれに伴う医療・介護需要の動向は、地域によって大きく異なる。これは東京のような大都市圏、中山間地域や離島の状況を想起すれば明らかとした上で、医療・介護の確保については、地域を包括的にカバーする提供主体の活用とか、ICT技術を活用して時間と場所を超えてサービスを提供することを可能にする形態の活用も図りつつ、戦略的に再編を図ることも意識をしながら、地域ごとの取組を進めていく必要があるとしてございます。
 こうした取組を進めていくためには、自治体ごとに状況分析と課題の洗い出し、優先課題の設定と対策、地域の関係者で御議論いただく必要がございます。国や広域的な支援を行う地方公共団体は、こうしたことについて必要に応じて伴走支援を行う必要があるということ。
 そして、9ページにお進みいただきまして、まちづくりの一環として進める必要があり、商業、金融、交通、労働、農業など分野横断的な連携を進める必要としてございます。
 そして、最後の○でございますが、今後の技術的な進歩を視野に入れますれば、患者・利用者のサービス利用の状況、あるいは医療・介護サービスの提供体制の状況、そうしたことに至るまで、適時に把握することができるような基盤、こうしたものを構築していくことを志向しつつ、データに基づき、限りある資源で増大する医療・介護ニーズを支えていくための最適なエコシステムを構築していくことが重要であるとしてございます。
 大変駆け足でございますが、説明は以上でございます。
 よろしくお願いいたします。
○田中座長 ありがとうございました。総合確保方針の改定に向けた検討について説明いただきました。
 では、議題1について、構成員の皆様の御意見を伺います。
 なお、井上隆構成員と齋藤構成員は、会議終了前に退席予定とお聞きしています。先に御発言があれば、お願いします。
 井上隆構成員、どうぞ。
○井上(隆)構成員 ありがとうございます。
 まず、今回、取りまとめとして、方向性を出していただいたものにつきましては、総論としては大変よくまとまっていますし、何より、ポスト2025の医療・介護提供体制の姿を示して、バックキャスト型で成すべきことを達成するという手法は非常によろしくて、ぜひ、この将来像を社会全体で共有をしていくことが重要だと思います。
 その上で、2点ほど意見になりますけれども、まず資料1について、基本的方向性のまとめ方の中で、限りある資源の効率的かつ効果的な活用という項目が前回と同様に一つの柱となっています。これは柱立てとしては非常に重要だと思うのですけれども、「意義」のところに書かれている部分やそのほかの部分とかなりダブっているような感じがいたしますので、整理の工夫が必要ではないかなと思いました。
 2点目は、ポスト2025年の姿でございますけれども、ぜひ、この姿を広く共有するとともに、次期改定では2040年を最終的なターゲットとすることが必要だと思いますので、次期の将来人口推計が分かった段階で、より具体的に医療・介護の給付の見通しとか、地域の動向などの具体的な推計につなげて、議論を深めていただきたいと思います。
 かなり長い期間になりますので、中期的な方向性を示す際には、その見通しを基に、中間目標も設定することが重要ではないかと思いました。
 以上でございます。
○田中座長 御意見ありがとうございました。
 先ほど言いました、時間の都合のある齋藤構成員、先に御発言ください。
○齋藤構成員 ありがとうございます。
 私も、ポスト2025年の姿が出たのは、将来の姿がより明確になって、非常によかったなと思っております。そういう中で意見が2つと質問が1点でございます。
 まず、今回の確保方針の柱立ての中に、地域共生社会づくりが新たに項目に挙げられていて、これは非常に大事な柱になりますので、賛同しているわけですが、その記述内容は医療と介護に関する記載にとどまっているような印象がございます。
 実際の地域では、支援を必要とする住民の多様化、あるいはニーズの複雑化はもう既に進んでおります。その一方で、支え手を含めた人口減少が進んでいくという中では、効果的な支援体制の構築は課題となっております。その拠点となっている地域包括支援センターなどでお話を伺いますと、もう既に医療や介護にとどまらず、障害、福祉あるいは育児、子育て、こういったものの相談対応を幅広くワンストップで行っているという実情があります。確かに、確保方針は医療介護総合確保法に基づき策定されているものかと思いますので、目的は総合的な医療と介護の確保ということになるのですが、今後その範囲を超えていくような状況になるであろうということは想定できますので、例えば、ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿の中に、行く行くはこの法律の適用範囲の拡大について検討が必要になってくるのではないかと思います。可能な限りで結構ですが、そういった趣旨を記載しておくというのも一つなのかなと思いました。
 それから、資料3の介護サービスの基盤整備というあたりで、在宅の場合であっても、通所・訪問・泊まり・看護などのサービスを一体として利用できるような選択肢を増やしていくという記載があって、これは本当にそのとおりだと思っております。現在、これらのサービスを網羅するものとして、看護小規模多機能型居宅介護がございますけれども、小規模自治体では設置がなかなか進まないという状況もございます。このあたり、今後のサービス需要、それから、地域にどんな医療ニーズを抱えた方々が在宅で暮らすかというあたりをしっかりとアセスメントしていただいて、この多機能型のサービスの普及整備を強力に進めていくことが必要だと思っております。そのあたり少し記述をしていただけると、ありがたいかなと思っています。
 最後に質問ですが、資料3の8ページに、「終わりに」のところの○の1つ目に、戦略的に再編を図ることも意識するという記述があるのですけれども、これは、すみません、私の読み取りが悪いのかとも思うのですが、戦略的に何を再編していくことを意識するということを伝えたいのか、ちょっと教えていただきたいと思っております。
 以上です。
○田中座長 質問にお答えください。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。御質問ありがとうございます。
 ここのくだり、ちょっと言葉が足りないところがあったかもしれませんが、記述の意図といたしましては、東京のような大都市圏、あるいは中山間地域や離島など、地域の状況は様々だと思ってございます。そうした中で、例えば、そうした施設あるいは医療機関、こうしたものをどういう地域でも、同じような形で整備をしていくということではなくて、まさにここに書いてございます、地域を包括的にカバーする提供主体を活用する、あるいはICT技術を活用して時間と場所を超えてサービスを提供することを可能にする形態の活用も図る、こうしたことを通じて、地域の実情に応じて、柔軟にその医療・介護の提供体制を考えていく、そうしたことを、戦略的に再編を図るというような言い方をしております。それは、今あるものを引き続き続けるのか、見直すのか。もちろん医療・介護サービスをきちんと提供する、確保することが大前提になりますが、その提供・確保の仕方ということについて、戦略的に再編を図る、こうしたことも意識をしながら、そうした意図で書いているつもりでございます。
 以上でございます。
○齋藤構成員 ありがとうございました。
 そのような趣旨であるとは少し分かりづらいと思いましたので、もう少しかみ砕いた言葉のほうがよろしいかなと思った次第です。
 ありがとうございます。
○田中座長 御意見ありがとうございました。
 では、安藤構成員お願いします。
○安藤構成員 ありがとうございます。
 全体として、この会議でのこれまでの議論や、医療・介護分野における直近の課題を簡潔、明快に反映した素案となっていると考えております。その上で、協会けんぽとして4点、御提示いただいた資料について、意見を述べさせていただきます。
 まず1点目ですが、医療・介護連携についてでございます。高齢化の進行状況が地域によって異なる中、医療と介護のきめ細かい連携がますます重要になってきておりますが、医療は都道府県が計画を立て、介護は市町村が計画を立てるという制度の立てつけの違いゆえに、都道府県、市町村ともに、医療・介護ニーズの実態をトータルに把握し難いという課題がございます。
 総合確保方針は、こうした課題を乗り越え、医療と介護の連携を進める上で柱となるものであり、実際に都道府県と市町村が本方針を踏まえて行動する際に、十分に連携できるよう、資料2の8ページの計画の作成に当たっての留意事項について、都道府県が医療計画の策定を迅速に行い、市町村が介護保険事業計画を策定する際、当該医療計画を前提とすることが可能なスケジュール感で進めることを盛り込むなど、細部の記載を充実してはどうかと考えております。
 2点目です。地域医療構想についてでございます。資料1、資料2におきまして、まずは、令和7年に向けて地域医療構想を推進し、その上で、その後の生産年齢人口の減少の加速等を見据え、さらに機能分化、連携を進めていくことが重要であるとの記載がございます。資料3の3ページでも、地域医療構想について、アップデートしていくことが重要との記載があり、今後、65歳以上の高齢者人口が最も多くなる2040年に向けた、地域医療構想のバージョンアップが進められていくと理解しておりますが、全世代型社会保障構築会議でも示されておりますように、具体的な検討スケジュールについて、もう少し具体的に書き込んでもよいのではないかと考えております。
 第3点です。かかりつけ医機能についてでございます。少子高齢化が進展する中で、地域の医療・介護連携を初めとする地域包括ケアシステムをより強力に実効あるものとして推進する上で、かかりつけ医に期待される役割は非常に重要であると考えております。資料1から3において、既に、かかりつけ医機能が発揮されている制度整備を行っていくことが重要である旨記載していただいておりますが、現在、全世代型社会保障構築会議や医療部会等で行われている議論を踏まえ、必要に応じて、より踏み込んだ記載を行うことも検討していただくようお願いいたします。
 最後、4点目でございます。医療・介護現場のデジタル化についてです。高齢者人口のピークを迎える2040年に向けて、サービス提供人材の確保及び医療・介護現場のデジタル化の推進は、最優先課題であると考えております。現在の素案においても、全国医療情報プラットフォームの構築など、デジタル化の推進についての記載を盛り込んでいただいておりますが、特に医療については、オンライン資格確認等システムの活用が進む一方で、介護については、デジタル化が進んでいない状況にございます。医療・介護連携を強化していく上で、医療・介護現場における医療関係者、介護関係者、相互間の情報共有がスムーズに行われることは大前提となるものであり、介護分野におきましても、オンライン資格確認等のシステム活用も視野に入れつつ、マイナンバーの利活用について積極的に進めるような方向性の記載を盛り込んではどうでしょうか。
 以上でございます。
○田中座長 協会けんぽの意見、ありがとうございました。
 山口構成員、お願いします。
○山口構成員 ありがとうございます。山口でございます。
 資料3のポスト2025年の医療・介護提供体制の姿は、非常に理想的な姿が記されていると思いますけれども、これをどう実現していくかということが何よりも今後の課題ではないかと思っています。
 その資料3の3ページに、3つ目の○として、3行目あたりから、外来医療や在宅医療を含め、限りある医療資源が連携して最適化されていて、これが住民に分かりやすく共有されると書いてあるのですけれども、この共有が実は最もできていないところだと思っておりますので、これは実効性のある共有の在り方をぜひ考えていかないといけないのではないかと思います。
 それから、全体を読んでおりますと、確かに高齢者の単身世帯も増加していくと書かれてはいるのですけれども、何となく全体的に、患者には家族がいて、十分な在宅医療提供体制も整備されているということが前提になっているような書きぶりに感じます。実際に、現在最も多いのは一人世帯なわけですし、私たち電話相談を受けておりますけれども、家族もキーパーソンもいない、そして、御本人が高齢で、理解力も落ちているという方が、今後ますます増えていくという状況の中で、実際には、入院する際に、キーパーソンだけではなくて、保証人や身元引受人がいない、そういうことで入院できるのだろうかという、非常に切迫した不安を抱えている相談も増えています。
 こういった具体的な課題に対して、どう対応していくのかということも、そろそろ本気で考えないといけないことではないかなと思っていますし、それから、ACPについても触れられていますけれども、実際、これをやってみますと、なかなかそう簡単なことではないと感じています。まずは、本人の理解度であったり、性格であったり、どういう言葉なら理解できるかというようなことを知った上で、時間をかけて向き合って話し合いを重ねていく。そういうことが必要だということを考えると、医療にしても、介護にしても、現場は忙しくて、働き方改革も相まってきていますので、なかなか時間がない、人的資源が不足しているという中で、どうやって充実させていくのかということも課題ではないかなと思います。
 それから、先ほど齋藤構成員が、健康・医療・介護・福祉も含めて、地域包括支援センターがワンストップの相談窓口になっているというような現実のお話がございましたけれども、そういったワンストップの相談窓口があることを実際に理解している国民は非常に少ないと思っていますので、そういったことも含めて、もしそれが機能しているのであれば、しっかりと周知していく必要があると思いますし、今後、医療・介護を切れ目なく使う上では、私はワンストップの相談窓口は欠かせないことではないかなと思っています。
 一方、昨年の出生数を見ると、80万人を切りました。これは聞くところによると、予想より8年早い数字だそうです。となりますと、これまでの予想より早く人口減が進んでいくということになるのではないかと思います。資料3の7ページの医療DXの基盤として、オンライン資格等確認システムが挙げられていますけれども、現在進められている全国医療情報プラットフォームの構築を、もちろんこれは進めていく必要があると思うのですけれども、そこに並行して、母子手帳の電子化をして、このオンライン資格等確認システムに加えることを考えてはどうかなということを提案したいと思います。というのも、これから生まれてくる子供たちが、予防接種も含めた健診をはじめ、生涯のデータを一元的に自己管理する意識化を今からスタートしていくことで、この資料3の8ページに書いてある国民自らが自らの健康・医療・介護情報にオーナーシップの意識を高めていく。これは今から始めないといけないと思います。これが20年たてば、そういう方たちが大人になってきますので、高いオーナーシップ意識を持った人が増えると思いますので、そういったことを進めてはどうかと思っています。
 最後に、1つ質問がございます。資料の中に、「患者・利用者・国民の視点に立った医療介護」という表現が複数出てくるのですけれども、この患者・利用者・国民の視点に立ったというのが、具体的にどのような意味で使用されているのかということの御説明をいただきたいと思います。といいますのも、もし、国民利用者、国民のニーズに合ったと読み解くとしますと、あまりにも多様性があって、国の目指す方向性と異なるニーズも多々出てくると思います。もし、患者・国民が、医療や介護の現状とか、選択肢を理解した上で、医療・介護を受けるという意味なのであれば、まだ理解できるかなと思ったのですけれども、どのような具体的な意味で使われているかということをぜひお聞きしたいと思っております。
 すみません、長くなりましたが、以上です。
○田中座長 御指摘ありがとうございました。
 質問にお答えください。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。
 「患者・利用者・国民の視点に立った」というフレーズ、これはこの素案の中に何度も書かせていただいてございます。今、山口構成員がおっしゃられたような、こうした言葉を使っているときに、それが単純にそのニーズベースドという意味なのか、それとも、まさにその様々な選択肢という、そうした情報・選択肢がきちんと患者・利用者・国民に伝わって、その上で、それについて適切に判断をしてという意味なのか、そうしたことについて、正直に申し上げて、私どもがこれを素案としてつくったときに、そこまでの深い意味をきちんと整理をした上で書いているわけではございません。まさに、そこの意味合いも含めて御議論いただければと思ってございますが、当然、患者・利用者・国民の視点に立った、それは、患者・利用者・国民が、御自身できちんと必要な情報の下に必要な選択をする、そうしたことが基本になると考えてございますので、もし、そうした趣旨を明確にしたほうがいいという御指摘であれば、そうしたことも含めて御議論いただくことになろうかと思います。よろしくお願いいたします。
○山口構成員 ありがとうございます。
 漠然とし過ぎて、読む人によって意味合いが変わってくる可能性があり、自分のこういったニーズに合わせてくれとていうような要求ばかりが出てくることになると、ちょっと方向性としては違うのではないかと思いますので、そのあたりは少し明確化する必要があるのではないかと私は思います。
 以上です。
○田中座長 御指摘ありがとうございました。
 河本構成員、お願いします。
○河本構成員 ありがとうございます。
 今回、総合確保方針の見直しと、それから、ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿、これは、どちらもこれまでの議論を踏まえて、適切に整理をいただいていると思いますので、特段の異論はございません。
 その上で、ポスト2025年の医療・介護提供体制について、4点意見、修文のお願いということになるかもしれませんけれども、申し上げたいと思います。
 まず、ポスト2025年の医療介護提供体制の姿の1ページの中段に、医療・介護提供体制の最適化を図っていくという視点も重要であると記載をされております。これはそのとおりですけれども、2025年以降、人口減少がさらに加速すると、そういうフェーズに入ってくることを考えると、最適化だけではなくて、最適化・効率化というようにしていただければよろしいのかなと思います。
 総合確保方針の見直しの方向性には、制度の持続可能性を高めていくために、限りある地域の医療資源を効率的かつ効果的に活用と、そういった記載もございますので、平仄を合わせるという意味からも、御検討いただきたいと思います。
 次に、同様の観点ですけれども、3ページの上から3つ目の○のところですね。その中に、「外来医療や在宅医療を含め、限りある医療資源が連携して最適化されていて」とございますけれども、ここも最適化・効率化と記載をしていただければいいのかなと思います。
 それから、6ページの冒頭のところの〈医療・介護サービスの利用の起点〉というところですけれども、ここで日常的な医療の提供や健康管理に関する相談等を行う機能を担う医療機関と記載されておりますけれども、これは、要するに地域包括ケアシステムの要としてのかかりつけ医機能を担う医療機関のことを指しているのかなと思います。かかりつけ医機能については、医療部会で議論中ではございますけれども、今後の経過も踏まえて、かかりつけ医機能にここでも言及していると。要するに、もうちょっとはっきり言うと、かかりつけ医療を担う医療機関と書いても、そのほうが、趣旨が伝わるのではないかなと思います。
 それから、最後に、8ページの「終わりに」の1つ目の項目ですけれども、「医療・介護の確保については、地域を包括的にカバーする提供主体の活用や、ICT技術を活用して時間と場所を超えたサービスを提供することも可能にする形態の活用」という記載がございます。必要な医療・介護を最適かつ効率的に適用していく手段として、ICT技術を活用すると。この方向性はもちろん賛成ですけれども、この記載はいま一つイメージがわかないというかですね。その意味では、今後のICT技術のさらなる革新を見据えて、例えばICT技術を活用したオンライン診療の活用等とか、そういった表現にすれば、より具体的でかつ包括的な表現になるのではないかと思いますので、そこも御検討いただければと思います。
 以上です。
○田中座長 御提案ありがとうございました。
 続いて、平田構成員お願いいたします。
○平田構成員 ありがとうございます。全国経営協の平田でございます。
 まず、総論として、検討の視点で、2点申し上げたいと思います。
 今回、バックキャストをする形での改革ということで、なかなか厳しいのですけれども、限りある資源の有効活用という、こういう視点だけではなくて、必要な資源をいかに創出・拡充していくかという視点からも、検討する必要があるのではないか。
 もう一点は、全世代型社会保障構築に係る議論と同様ですけれども、国民負担の制約を前提として、それのみを検討するのではなくて、社会保障制度は消費や雇用の創出を初め、経済成長のエンジンになっていると。そういうプラスの視点からも検討する必要があるのではないか。これが総論です。各論として、介護に関してお話をさせていただきます。
 施設と在宅の体系に関してです。特別養護老人ホームの入所要件が要介護度3以上になってしばらくたちます。今回、2030あるいは2040年を目指すというところで言えば、先ほど、地域軸含めて、地方によっては状況が変わりますので、地域によって柔軟な対応、つまり、全てを総合事業にということよりも、逆に、施設入所が必要な方たちも当然いらっしゃるという点も併せて考慮をお願いしたいという部分です。
 それと、一部にユニットケアという書き方がございます。当然、小規模のケアは進めるべきだろうと思いますけれども、建物としてのユニットの建物と考えると、これはハードとしてはどうでしょう、現在、ホテルコストと連動する仕組みですので、ある意味では、幅広い所得層への対応が非常に現状では難しくなっています。また、そういう意味では、軽度者あるいは低所得者でも利用しやすいハードとしての従来型特養を含めて、個室原則ではありますけれども、少し多様性を持った施設建築の方向性も、今後、検討の一つだろうと思います。
 また、介護保険施設のみならず、現状、養護老人ホームとか軽費老人ホーム等がございます。資源の有効活用という意味では、高齢者福祉の視点から検討すべきだろうと思います。今回、在宅関係の医療、かかりつけ医機能を含めた議論で随分整理をされていると思います。ただし、実は、施設関係の医療がほとんど言及されていなくて、今回、コロナ関係で、特養の医療の限界が露呈しました。入院できず、施設療養何十名、しかし、医療が来ないという状況が、全国で随分出現しました。現状、嘱託医による医療のみではなかなか厳しい現状でありますので、規制改革推進会議で議論されている外部医療を部分的に導入する。そういう選択肢の早期検討等、あるいはオンライン診療を特養に早期に導入する等の検討もしていただければと思います。
 少し長くなりますけれども、経営の大規模化・協働化については、経済財政諮問会議で随分出るのですけれども、実は、単なる大規模化というだけでは、人材活用を含めて、経営の効率化・安定化も図られるわけでは恐らくない。そういう意味では、地域のニーズにおいて、事業を多角化・多機能化をする施策を推進すべきだろうと思います。
 現在、地域共生社会は非常に重要ですが、現在でもこのコロナ関係で、貸付金1兆4,000億円という非常に厳しい状況があります。そういう中でも、社会福祉法人は、孤独・孤立対策という生活困窮の人たちの課題にも、実践をしています。そういう意味では、今後、医療・介護の提供体制の姿といったときに、子ども・子育て、障害者、生活保護、生活困窮者支援、高齢者福祉という各福祉分野の施策を視野に入れて、先ほど少し出ましたけれども、ほかの分野、省庁横断的な視点で、ぜひ、併せて検討を進めていただきたいと思います。
 併せてですけれども、最後に、先ほど申しました、現状ある資源、養護老人ホームも含めて、なかなか利用されていない部分がありますので、高齢者福祉のセーフティネットをつくる上においても、現在ある社会資源の有効活用の検討をぜひお願いいたしたいと思います。
 すみません、少し長くなりましたけれども、以上でございます。
○田中座長 福祉の視点からの発言、ありがとうございました。
 杉浦構成員、お願いします。
○杉浦構成員 ありがとうございます。
 まず、中山間地域及び離島に係る表現について御配慮をいただいたところでございます。大変ありがとうございます。
 さて、4ページの「基本的な方向性の見直し案」でございますけれども、中山間地域及び離島につきまして、医療・介護の総合的確保が困難な場合について、国をはじめ関係機関との緊密な連携とか、支援が必要となるわけですが、この点について、記載されているのか、あるいはどこかで読み込めるのかということをお聞きしたいと思います。
 次です。同じ「基本的な方向性の見直し案」の6ページ、「デジタル化・データヘルスの推進」につきましては、推進する段階で、保険者・被保険者の理解を得ることが大変重要となります。進める上で、十分な配慮をお願いしたいと思います。
 続いて、「ポスト2025の医療・介護提供体制の姿」の2ページ、マル1及びマル2で、「地域での完結」及び「専門職やその連携確保」が柱立てとなっています。先ほども申し上げたとおり、地方自治体ごとに、地理、人口、それから、地域資源等、様々な状況下にある中で、目標としては理解できるものの、その実現性について、どう確保しているのか、そういったところが、地方公共団体は疑問に感じるだろうと思います。言及しなくてもいいものかどうか、少し御検討をいただければと思います。
 最後でございます。8ページの「5 終わりに」の中で、先ほども齋藤構成員が「戦略的な再編」との記述についてお話されていましたけれども、ここにつきまして、これまでの議論の内容を知らない方が見ると、「後退或いは縮小」ととられかねないと思います。この記述を削除するか、または「後退・縮小」と受け止められないような良い表現について、再度、御検討をいただきたいと考えます。
 以上でございます。
○田中座長 ありがとうございます。
 御質問が含まれていましたので、お答えください。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。
 中山間地域離島における医療・介護の確保についてでございます。資料1で申し上げますと、3ページ、「意義」のところでございますけれど、「その際、中山間地域や離島では、地理的要因によって医療や介護の資源が非常に脆弱な地域も存在することに留意する必要がある」こうした形で、中山間地域・離島のところ、これは総合確保方針にも同じフレーズが出てくるものでございますので、そうしたことで明記をしてございます。
 その上で、あとは、それぞれ人口構成の変化、医療・介護需要の動向が地域ごとに異なる、地域の実情に応じた医療・介護提供体制の確保、こうした中で、この中山間地域・離島も含めて、地域の実情に応じた医療・介護提供体制の確保ということを、この総合確保方針の中でうたっている、そうしたふうに考えてございます。
 以上です。
○杉浦構成員 了解しました。ありがとうございます。
○田中座長 次に、佐保構成員お願いいたします。
○佐保構成員 ありがとうございます。
 前回会議で、総合確保方針の改定に当たって盛り込むべき視点の論点に関連して意見を申し上げました。「総合確保方針の見直しについて(素案)」は、こうした発言も加味したものだと理解しております。総合確保方針の位置づけ上、果たす役割は重要であることを踏まえ、改めて、方針の改定に当たっては、今後、新興感染症等への対応を見据え、各地域において、機能に着目した病床数だけでなく、診療所等をどうするかといった点についても触れる必要がある旨、申し上げます。
 次に、「ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿(素案)」でございますが、ほかの構成員からも御発言がありましたように、2025年の先を見据えた医療・介護提供体制の姿を映し出すことは重要と考えます。1ページにあるとおり「地域ごとの人口構造やこれに伴う医療・介護需要の変化」は様々であり、「地域ごとに適切に対応できるような形で改革を進める必要がある」と考えております。
 こうした状況変化に対応できるよう、8ページの「終わりに」の箇所にあるとおり、戦略的に再編を図るといったことも意識しながら、地域の実情に応じた地域ごとの取り組みを進めることが重要と考えます。
 私からは以上です。
○田中座長 御意見ありがとうございました。
 次に、渡辺構成員お願いいたします。
○渡辺構成員 高齢社会をよくする女性の会の渡辺でございます。
 多方面にわたる細やかな見直し案を拝見しまして、各方面の御努力に感謝いたします。
 1点、資料1の4ページの一番下の項目について申し上げます。これは、「国民の行動変容を促す情報発信、人生の最終段階の医療やケアの普及啓発等、患者・利用者・国民の視点に立った医療・介護の提供体制の整備を進めていくことが重要である」とまとめていただきましたが、ここでもう一歩、具体的に現場での目標として、以前より厚生労働省の御努力によって社会に周知されました「人生会議」という文言を入れていただければと考えました。これを加えることの意味を若干述べさせていただきます。
 私たちが日々努力している、その原点は、我が国に生まれた一人の人間が、一生を自分らしく生き、その最期を迎えるまでを、御自身の意思を尊重しながら、周囲が支え、全うしていただくということに尽きると存じます。人生会議は一人でするものではありませんから、自分の意思が表明できる頃からという、ここが大切でございまして、人生会議を、状況が変わるたびに何回も練り上げて、そして、家族や周囲、医療やケアに関わる人たち、多職種、つまり、地域包括ケアシステムへとつながります。人生会議の内容が実際に実現されるためには、御本人の意思、家族の理解だけではなく、医療・ケアに携わる方々の確保とその質を高めるモチベーションが必要となり、地域の医療・ケアの相互関係の充実や、在宅医療との好循環をも促します。さらには、人生会議を継続して作成するということを社会全体の目標として掲げ、さらにそれをデータ化して、地域の医療・ケアで共有することで、一層その価値は高まると考えられます。人生会議を継続して行っていくことができる医療・ケアの人材育成や制度の充実も併せて、今求められていることと考えております。ぜひ御検討をお願いしたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○田中座長 人生会議についての発言ありがとうございました。
次、森構成員お願いいたします。
○森構成員 ありがとうございます。日本薬剤師会の森でございます。
 まずは、事務局におかれては、総合確保方針の改定案等の取りまとめ、ありがとうございました。
 私からは、資料2、3の中で、4点ほど意見を述べたいと思っております。
 まずは、国民一人一人が、できる限り住み慣れた地域で、安心して生活していくためには、国民自らの健康の保持・増進、疾病の予防、介護予防が基本になると考えます。このことは、医療法第1条の2、介護保険法第4条にも記載されています。総合確保方針を示す上で、我が国の医療・介護の前提、基礎となる重要なものであることから、1の「基本的な方向性」の中になるのでしょうか。初めにところがいいのでしょうか。その中にも、国民自らの健康の保持・増進・予防のための努力を基礎としていることを国民の役割として書き込むべきだと考えます。
 それから、資料2の4ページの地域完結型の医療・介護体制の構築のところですけれども、医療需要の変化という点では、先ほどから地域ごとの違いという意見が出ていました。それ以外に医療の場ということもあると思います。外来患者数は2025年にピークを迎え、在宅患者数は2040年以降にピークを迎えると言われており、2040年を視野に入れると、在宅での医療体制の確保がより重要となると考え、そのことの記載が必要であると考えます。
 また、医薬品の安定供給・提供体制の確保に関して記載いただき、ありがとうございました。医療には医薬品が不可欠であり、安定供給が前提となります。医薬品の生産ができても、提供体制が構築されていなければ、国民は必要な医薬品にアクセスできません。安定供給の確保とともに、地域での医薬品提供体制の確保が不可欠となります。
 それから、5ページ目の(2)ですけれども、医療・介護従事者の確保についてです。令和4年分の基金の内示状況を見ても、医療従事者の確保に約6割、介護従事者の確保に約5割の予算が使われております。また、先ほど山口構成員からも、今後、人口減が予想より早く進むのではないかという意見がありました。生産年齢人口が急激に減少していくことが見込まれる中、これまで以上に、医療・介護従事者の確保が大きな課題となってくると思います。もう少し人材確保についての内容を厚くするなど、重みづけをした記載をする必要があると思います。
 あと一点、資料3の8ページですけれども、これは脱字だと思うのですけれども、一番上の○の3行目のところで、「薬局」が抜けております。その他のところは、医療機関・薬局・介護施設になっているのですけれども、ここは「薬局」を入れていただくようにお願いします。
 私からは以上です。
○田中座長 御指摘ありがとうございました。
 続きまして、佐藤構成員お願いいたします。
○佐藤構成員 田中座長、ありがとうございます。
 まず、今回の確保方針の見直し、改定案及びポスト2025年の案につきまして、それぞれ基本的に賛同いたします。
 特に、ポスト2025の書き込みにつきましては、いわゆるバックキャストという手法を取った成果・効果は重要だったと考えています。その上で、3点意見を申し上げます。
 まず1つ目ですが、今回の見直しが実効あるものにするためには、もちろん都道府県、市町村の理解が非常に重要だと思っております。本日の構成員の御発言の中に、具体性がつかめないのではないかという点については、ぜひとも、事務局では、市町村及び都道府県が実効あるものにするための書き込みという見直しが必要だと思います。
 2点目です。資料1のページ2に、基本的な方向性について、デジタル・データヘルスの推進という表現がございました。これは以前より包括的な表現になっている点は非常によろしいと思うのですが、一方で、この推進については、医療と介護それぞれが、また、その特性を持っていたり、医療・介護の連携が必要な、例えば在宅の場面であったりするようなこともありますので、包括されて、このような特徴的な視点が失われないようにお願いしたいと思います。
 それから、総合確保法の良好事例は、今までも事務局いろいろ良好事例を出していただいていました。その点は感謝しております。今後も、これらの見直し等があった際には、良好事例というのが、市町村にとっても、関係団体にとっても、重要な参考資料となると思いますので、引き続き御検討をいただきたいと思います。
 以上です。
○田中座長 御意見ありがとうございました。
 次、加納構成員お願いいたします。
○加納構成員 ありがとうございます。
 今回のポスト2025年医療・介護提供体制の姿という素案、資料3に関しましては、本当によくまとめていただいたことをまず感謝したいと思います。その中で、特に2ページ目以降に書かれています医療・介護を提供する主体の連携により、必要なときに「治し、支える」医療等の文面に関しましても、非常によくまとめられていると思っております。
 特に、3ページ目の一番上のところに書かれている、「ときどき入院、ほぼ在宅」という言葉、これは以前からよく言われる言葉ですが、本当に、これからの高齢者医療を考えるに当たって、1つには先ほどから出ています在宅医療が大事でありますし、もう1つとして急変時、例えば、脳卒中なり、骨折なり、肺炎になったときに治し、そして、また地域に帰すという、これをしっかりと明記していただいていることは非常に大事だと考えております。これを実際に、現状を考えると、これから高齢者が増える地域と増えない地域もあるという形ですが、これから増える地域での高齢者の80%は、都会圏で増えてくるというデータが出ておりまして、現実的にそこで頑張っているのは、二次医療圏を中心として、地域密着型病院という形で、医療を提供している施設群だと、私は思っております。まさしく、この言葉どおりのことができるのではないか。また、在宅医療等も密接に対応しながらできるのではないかと考えております。
 そういう意味においての考え方の中で、1つ気になったのが、実は5ページの、先ほども平田構成員がおっしゃった上から3つ目の○の文面であります。冒頭の介護についてに、「も」が入っていますので、これは医療もということを含めてかなと考えますが、その最後の「経営の大規模化」という言葉、これは非常に危険な言葉が入っているなと、私は認識しております。この「経営の大規模化」は、以前、介護保険が始まったときに、全国的な大きなチェーン店みたいな会社ができたりとか、いわゆる大規模と書きますと、大規模な資本が動いて、そこを経営主体とするものが動く可能性があります。そういう意味では、「経営の大規模化」という文言を削除できるかどうかということをお聞きしたいと思っております。よろしくお願いします。
○田中座長 最後の点はいかがですか。これから検討するでよろしいですか。
○須藤課長 老健局高齢者支援課長でございます。
 大規模化につきましては、協働化等も含めてでございますが、先ほど、委員の御懸念のような点のみだけではなくて、いい意味で様々なサービスに経営を広めて、収益を上げていくとか、また、社会福祉法人の関係でも、連携して取り組んでいく連携推進法人制度、こういったものを活用しながら、もちろんサービスの質をしっかりと確保しながら、また、職員の皆様方の負担等も考えながら、全体で生産性等を上げていく中で、こうした大規模化・協働化にもしっかり取り組んでいくことが重要ではないかと、こういう論点と認識しておりますので、単純な人減らしであったり、効率化とは一線を画した議論ではないかと、そのように認識しておるところでございます。そういった点も踏まえまして、今日の御意見も含めて、引き続き検討が必要ではないかと、そのように考えてございます。
○加納構成員 ぜひとも、ここは検討していただきたい大事なところだと認識しておりますので、よろしくお願いします。大規模化ということになりますと、大規模資本ということに通じて、あるべき形が変わってくる可能性が高いことから非常に大事な点だと思っております。よろしくお願いしたいと思います。
 ありがとうございます。
○田中座長 ありがとうございました。
 七種構成員、お願いいたします。
○七種構成員 ありがとうございます。
 まずは、この資料、ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿を示していただいたことは本当にありがたいなと思いますし、我々もそういったことに追従しながら、将来を見据えた考え方をまとめていかないといけないのかなと考えております。
 その中で、資料3について、2点意見を申し上げさせていただきます。
 2ページ目の1の「ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿の3つの柱」にありますマル2とマル3です。まず、マル2の中に、「気軽に相談できる専門職」という言葉が入っております。この「気軽に」という言葉がほかのページにもあるのですけれども、恐らく本来の趣旨で言えば、誰もがささいな問題でも早期に専門職に相談できる体制の整備ということで、そういう言葉を使っていらっしゃるとは思いますけれども、この「気軽」という言葉が、異なった解釈で一人歩きしないかというのを危惧しています。必要なときに必要な支援を提供すべき専門職の相談機能の趣旨が違う「気軽」ということで認識されてしまって、貴重な時間を割かれてしまう。相談の専門職の時間が割かれてしまうのは本末転倒ではないかと考えます。また、本当にいつでもどこでもみたいな形で取られてしまって、365日、24時間、全日の相談体制をということになってしまうと、相談支援を行う人材確保も、今、非常に厳しい状況の中で、本当に限られた人材の中で、今、専門職は動いています。
 そういった意味では、効率的に、そして、効果的にその人材を生かすことが非常に重要だと思いますので、「気軽」という言葉が、救急車の利用とかでも、いろいろ気軽に使ってしまってということで、救急車の本来の機能を生かせないとかという話も出ております。そういったことと同じように、相談対応する専門職の人材が、違った意味で使われてしまうのをちょっと危惧しています。シンプルに分かりやすく、気軽という文言を入れていると思いますけれども、限られた人材の有効活用という観点から言えば、もう少し丁寧に表現して、意図を伝えていくということであってもいいのかなと、本当に受け手次第で誤った解釈にならないように表現をしていただけたらと思います。
 それから、マル3についてですけれども、「安全・安心の情報基盤が整備されることにより」ということで書かれています。この安心・安全は非常に大事だと思いますし、セキュリティの確保という、個人情報を守るという観点からでも非常に大事とは思うのですけれども、もう一つ、情報は新鮮でなければいけないと思います。タイムリーに、かつ高品質な情報が収集される基盤が必要ではないかと思います。結果的に、安心・安全というところの視点から言えば、古くなってしまった情報を使われることは、国民の健康や生活に大きなリスクを与えてしまいます。情報の更新や信頼度が高い情報が使われることが非常に重要だと思いますので、安心・安全というところの中に、そういったフレッシュな情報であって、質の高い情報を得られる情報基盤という言葉を少し加えてみてもいいのではないかと考えました。
 以上でございます。ありがとうございます。
○田中座長 ありがとうございます。「気軽に」というのは、確かに学術用語でも法律用語でもない、ちょっと日常語が入っている感じがしますね。ありがとうございました。
 次、田中雅英参考人お願いします。
○田中(雅)参考人 全国老人福祉施設協議会からの意見が1点ございます。資料1の5ページ、(2)の「サービス人材の確保と働き方改革」についてでございます。第8期の介護保険事業計画の介護サービス見込量等に基づく推計によると、介護職員は2040年には約280万人必要になると推計されています。一方、高齢者の介護を支える側である担い手の人口は、少子化の影響で急激に減少し、2040年には日本全体で1,750万人の働き手がいなくなると言われていますので、介護業界で280万人を確保する、増やすことは大変なことだと思います。
 2つ目の中黒を見ていただきたいのですが、3行目、「介護従事者については、」以下に書かれていることは、いずれも重要だと思います。これまでの13年間、介護従事者の待遇改善は、処遇改善交付金と処遇改善加算によって一定の効果が上がったと認識しております。しかしながら、介護従事者の直近の有効求人倍率は3.72倍と、今なお高い水準でございます。2040年に備えるためには、処遇改善だけではなく、ICT・介護ロボットの活用を初め、ここに掲げられた対策を、スピード感を持って実行することは不可欠です。特にICT・介護ロボットの活用については、明らかに有効性が認められる機器については、10分の10の補助を行うなど、新たな対策が必要であると考えています。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○田中座長 御意見ありがとうございました。
 続きまして、武久構成員お願いいたします。
○武久構成員 日本慢性期医療協会の武久でございます。
 この会議は、医療・介護総合確保促進会議という会議でございまして、まさに慢性期医療と介護との接点にあることで、我々の協会の会員も非常に熱心に検討しております。現実問題として、ケアマネジャーが、介護保険が始まった2000年からしていますけれども、ケアマネジャーはコーディネートするのですけれども、2010年ぐらいからは医療系のケアマネジャーがだんだん減ってまいりまして、ということで、日本慢性期医療協会では、10年ほど前からケアマネジャーに医療の知識をどんどんつけてもらおうということで研修会をしておりますけれども、現実問題として、今度、かかりつけ医問題ということになってまいりました。
 かかりつけ医問題と介護保険は非常に密接ですけれども、かかりつけ医はクリニックの先生が24時間、365日、カバーできるかというと、それは物理的に絶対にできないわけです。したがって、地域の中小病院、さらには、その中小病院に付属している介護施設等がコーディネートしてネットワークを組まないといけないのではないかと思っています。そこで、それをコーディネートする実際に人がいるわけですね。
 ということで、我々は10年前からやっていますが、今回、メディカルケアマネジャー、すなわち医療・介護・福祉支援専門員という研修会を行うことになっております。これは協会の中だけで一応認定して、絞ってもらいますけれども、今は、急性期病院でも高齢者の割合が物すごく増えておりまして、急性期病院に入院する患者さんのうちの多くの人が要介護認定を受けているということもどんどんと進んでおりますので、医療と介護との接点が非常に微妙になって、一体となっております。したがって、ここをケアマネジャーは介護保険だけをやるというのはもう時代が遅れておりますので、医療のことを勉強していただいて、医療のメディカルケアマネジャーということで、やっていただきたいということで頑張っておりますけれども、特養にいた人が急に熱が出て、病院へ行って、その病院から今度どういうふうにまた介護に入ってきて、それで、また行き来があるという、まさにこの医療・介護総合確保方針が大変重要ポイントになっているように、ここがきちんと動くか動かないか物すごいのですね。だから、医療のほうでかかりつけ医ということですけれども、これはあくまでも医療と介護を地域の中で総括して、全体がコーディネートして、きちんとやる。コーディネーターにはケアマネジャーに医療の知識をどんどんつけてもらって、いわゆるメディカルケアマネジャー的な人にやっていただくというのがベストではないかと私は思っておりますので、資料3の内容をよく見て、吟味したところ、そこがいかにあるかということだと思いますので、日本慢性期医療協会は独自にどんどんやっていきますけれども、皆さん方が、いわゆるかかりつけ医、それで、中小病院とのネットワークに関して、コーディネーターとして、医療・介護支援専門員という役割を重視していきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 ありがとうございました。
○田中座長 新しい取り組み、御紹介ありがとうございました。
 続きまして、田中志子参考人お願いします。
○田中(志)参考人 よろしくお願いします。本日は全老健東会長の代理として発言をさせていただきます。私からは2点、資料1と資料3について、それぞれ一つずつ意見を申し上げたいと思います。
 まず資料1の8ページ目、(別紙)「ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿」についてです。このページに「2.ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿の3つの柱」の記載がございます。これは国民に医療・介護提供体制の将来像を提示するものなのかなと思いますので、かなり大きな印象を与えるものだと考えます。
 その3つの柱の中のIIには、「地域に健康・医療・介護等に関して気軽に相談できる専門職やその連携が確保され、」下線を引いておりませんが、「さらにそれを自ら選ぶことができること」と書かれております。
 また、3つの柱の中のIIIでは、「健康・医療・介護情報に関する安全・安心の情報基盤が整備されることにより、自らの情報を基に、適切な医療・介護を効果的・効率的に受けることができること」と書かれております。
 このIIもIIIも、自らの力を活用するというところでは、かなり近しいことを表現されているのかなと思います。
 一方、これまでの委員さんからも御発言ありましたけれども、ポスト2025年と銘打ちながら、圧倒的な介護人材の不足に関してどう担保していくかであったり、担保していく方針についての盛り込みが少し弱いのかなと感じております。ですので、ここに関しては、圧倒的介護人材の不足について、どのようにポスト2025年を考えているのかということを文言に盛り込んでいただくべきかなというのが、1つ目の意見でございます。
 続きまして、資料3でございます。資料3の3ページ目の2つ目の〇に(ポスト2025年を見据えた医療機能)の記載がございます。ここでは地域完結型を目指すと基本方針が出されておりますが、地域完結型と言いながら、医療機関の一つ(医療提供施設)である老健施設のことが全く触れられておりません。
医療と介護の連携というところでは、老健施設には医師が常駐し、なおかつ、介護保険に精通している多職種のスタッフがおり、専門職がおります。高齢者の医療であれば、「ときどき入院、ほぼ在宅」という形になりますけれども、その中で、高度医療を必要とするような方は少なく、むしろ、老健施設の医療で肺炎や尿路感染症等が十分治療可能だと考えております。ここに老健施設の機能も、地域によっては本当に必要な地域があるかと思いますので、このあたりをぜひ盛り込むことを御検討いただければと思います。
 以上でございます。
○田中座長 御提案ありがとうございました。
 次に、永井構成員お願いいたします。
○永井構成員 永井でございます。
 全体通じて、相談窓口がいろいろ用意されているようです。システムの問題や制度の課題、あとは患者さんの相談窓口などがあります。しかし恐らくこれらは不十分で、もっと強化、人材育成しないといけないと思います。もう一つ、現場で対応する一線の医療・介護職の方々が、いろいろな問題にぶち当たって、はざまに入る可能性があります。そういう方々の相談窓口が必要と思います。これは、それぞれの職場ですることかもしれませんけれども、いろいろな倫理的な問題がありますので、そうした面の人材育成もこれから力を入れていただきたいと思います。
 以上です。
○田中座長 働き手の側の相談ですね。ありがとうございます。
 今村構成員、お願いいたします。
○今村構成員 ありがとうございます。日本介護福祉士会の今村でございます。私からは資料3「ポスト2025年の医療・介護提供体制の姿」について、意見を3点ほど述べさせていただきます。
 まずもって、資料にもありますように、今後の医療・介護の複合的ニーズを有する85歳以上人口が急増し、また、高齢者の単独世帯も増加していく中で、今般の新型コロナウイルス感染症を経験していることを踏まえ、地域における医療・介護の提供に係る様々な課題が浮き彫りとなったことで、今後の医療・介護の提供体制に関する議論がさらに加速し、総合確保方針の見直しにつながっているものと強く認識しているところです。
 その上で、まず1点目でございますが、2040年に向けて、複合的ニーズを有する高齢者数の高止まりとか、生産年齢人口の急減に直面するという局面を迎えることを踏まえまして、バックキャストする形で改革を進めるとありますが、2ページに示されています3つの柱を対象者目線で実践していくならば、他の委員からも御発言ありましたけれども、2040年に向けて、実現したいとするビジョンをある程度明確にした上で、地域ごとにおける中長期の計画または工程などを広く周知していく必要があると考えます。
 続きまして、医療も介護も高齢化に伴う社会保障費の高騰という課題を抱える中、生産年齢人口減少に対応するため、生産性の向上や多様な人材の活用、テクノロジーなどの導入をしつつ、地域における医療と介護の連携による地域包括ケアのさらなる深化・推進に向けて、都道府県、市町村においても、その計画の中で力を入れていくことになると思いますが、その推進に向けた働きかけをぜひお願いするところです。
 それと、最後になりますが、医療・介護の提供体制を維持していくためには、人材の確保とサービスの質を担保することは大切であり、その先にある地域共生社会の構築に向けた取り組みを進めていくためにも、その担い手となる人材に対して、国としてもさらなる支援の後押しをお願い申し上げて、意見とさせていただきます。
 以上です。
○田中座長 意見ありがとうございました。
 美原構成員、お願いいたします。
○美原構成員 全日病の美原です。
 ポスト2025ということで、非常に分かりやすくというか、姿を見せてくれたものだろうと思います。そのような中、まず1つは、僕が不勉強なのかもしれないですが、バックキャストという意味がよく分かりませんでした。できれば、もう少し分かりやすい言葉のほうがいいかと思います。
 それから、もう一つは5ページの2つ目の○です。「医師の働き方改革を進めていくとともに云々」ということがあります。今、医療現場では、この医師の働き方改革がとても厳しく、それに関して非常に右往左往しているところです。そのような中で、11月28日の社保審の医療部会で、医師の労働時間短縮に取り組んでいる医療機関は、この医療・介護総合確保基金を使ってサポートするという報告があったように思っています。ですから、ここのところ、医師の働き方改革を進めていくのをサポートするとともにとか、そのような言葉があってほしいと思います。ただひたすら、医師の働き方改革がどんどん進められてしまいますと、病院の現場としては非常に厳しいものがあるように思われました。
 それから、そのページの(基本的な考え方)、今までも幾つか御意見がありましたが、気軽に相談できる専門家というのがあります。これが、1つは、最初にあるかかりつけ医的な、日常的に医療の提供が云々というのは、いわゆるかかりつけ医を示しているのだろうと思います。そして、その次がケアマネジャー、ケアマネジメントをする場所、それから、もう一つが地域包括になると思います。それぞれ3つの入り口があるという理解でよろしいのでしょうか。
 そうした場合に、順番です。まず、かかりつけ医は病院になって、最初のときとかそういったときにいろいろ相談する。それから、ケアマネジメントは、介護保険が必要になってからする。それから、地域包括は、むしろ病気になっていない、まだ子供であったり、病気の前の人たちが対応する入り口のように思うわけです。そうすると、順番としては、これがいいかどうかわからないですが、最初は健康な人、その次に病気になった人、その次に回復期というか、介護が必要になった人というのが、時間的な流れでは適切なように思います。そういうことを考えると、もしかしたら、地域包括、かかりつけ医、ケアマネという順番がしっくり行くような気がいたしました。
 それから、もう一つ最後ですが、8ページの一番下のところですね。「必要に応じて伴走支援」という言葉があります。この伴走支援というのは、一体どういうことなのかということをもう少し具体的にお示ししていただけると、より分かりやすいかと思いました。
 以上、3点についてお話させていただきました。以上です。
○田中座長 改善提案をありがとうございました。
 山際構成員、お願いします。
○山際構成員 ありがとうございます。民間介護事業推進委員会の山際です。
 資料1の見直しの素案、それから、資料3のポスト2025年の素案、いずれも取りまとめいただき、ありがとうございます。
 3点意見を申し上げたいと思います。
 まず、1点目ですが、資料1の見直しの素案の5ページです。「サービス提供人材の確保と働き方改革」のところです。介護従事者について、これまでの処遇改善の取り組みに加えということで文章が書かれていますが、処遇改善の取り組み、それから、現場の生産性の向上の取り組みに加えて、専門性を生かしながら働き続けられる環境づくりや復職支援、そして、介護職の仕事の魅力発信に取り組むということで記載をいただいています。このことは非常に重要だろうと思っています。併せて、もし追加ができるのであれば、ここのところで、「学校教育または教育現場等とも連携しながら」という文言が入れられると、より充実するのではないかと思っています。これが1点目です。
 それから、2点目4ページです。医療・介護提供体制の構築のところですが、まさに、このコロナ禍において、医療・介護の現場で長期間奮闘いただいているということで、現場の方々には本当に頭が下がる思いです。介護の現場、特に在宅介護の現場では、非常に感染リスクが高い中、利用者の命と暮らしを支えるため、ある意味限界点を超えて対応いただいている状況です。こうした努力に応えるためにも、平時、感染時を問わない医療・介護の提供体制の構築は極めて重要だと考えています。これが2点目です。
 3点目ですが、資料3、ポスト2025のところです。4ページの最初の○のところ、「このためには、従来の施設と在宅という体系論を所与の前提とせず」というここの文章ですが、このことは極めて重要なことが書かれていると思っています。在宅の場合であっても、通所・訪問・泊まり・看護などのサービスを一体として利用できるような選択肢を増やしていくということで、こうした重要な取組を早期に具体化していく必要性があると考えております。
 以上、3点御意見を申し上げました。
○田中座長 意見ありがとうございました。
 続きまして、紅野参考人お願いします。
○紅野参考人 静岡県の紅野です。よろしくお願いします。私からは1点質問させていただきます。
 資料3の3ページの上から3つ目の○ですけれども、先ほど安藤構成員も触れられましたが、「地域医療構想についてはアップデートしていくことが重要である」という記載があります。一方、資料1の9ページの「今後のスケジュール」で、特に、アップデートに関してのスケジュールの記載がないものですから、今後、アップデートについて、どのようなスケジュールを考えているのかというのを教えていただければ、ありがたいです。
 よろしくお願いします。
○田中座長 地域医療構想の今後についてお願いします。
○鷲見課長 地域医療計画課長でございます。
 ちょうど地域医療構想のワーキングが一昨日開催されまして、そこでも議論がなされましたが、23年度、24年度におきまして、国における制度的対応の検討を行いまして、そして、2025年には、都道府県における策定作業、そして、2026年度からは新たな構想に基づく取り組みという形で、検討のスケジュールのイメージを考えているところでございます。
 以上でございます。
○紅野参考人 ありがとうございました。
○田中座長 仙賀構成員、お願いいたします。
○仙賀構成員 日本病院会の仙賀です。
 では、2点。それぞれの立場でどのような意見とか質問をしても、この見直し案が大きく変更されることはないと思えるほど、ほとんど網羅されていると。この素案をつくった方は本当御苦労さまだと思います。
 ただ、この見直し案の内容で、ポスト2025年の世の中がこのとおりに実現できればよいですけれども、絵に描いた餅、文字に書いた餅にならないようになっていただきたいなと思います。そのためには、地域をよく知っている市町村、地域医療構想とかいろいろな関係もあると思いますけれども、その役割が本当に重要だと思います。
 2点目、ほかの構成員の意見と少し重なると思いますが、医療と介護をつなげる役割を持つ医療従事者の育成がさらに必要だと。そのためには、なかなか進まない総合診療専門医ですね。これは、勤務医とか開業医も問わないでしょうけれども、その育成が急務である。特に、介護のことをよく知っているドクターが急務であると思います。
 それにはかかりつけ医、いろいろな言葉があって、いろいろなところで交差していて、ぐちゃぐちゃになっている点もあると思いますけれども、今後の日本の医療と介護をつなぐことを担っていくのは、総合診療をよく理解できているドクターをたくさん輩出させなければならないと思います。
 また、在宅の特定行為ですね。研修を終えた看護師がそれなりに今出てきていると思うのですけれども、在宅の特定行為研修を終えた看護師が、医療と介護をつなぐためにもこれから活躍の場を全体で考えていく必要があって、これは看護協会だけで動いても、活躍の場がなかなか広がらないでしょうから、これは地域と地域住民にもそういうことが、特定行為研修を終えた看護師はこういうことができるということをもっと広めていったほうがいいかと思いました。別に看護協会から言われて発言していたわけではないですけれども、そういう意味では、せっかく特定行為研修について、厚生労働省も一生懸命やっていますから、それをこの素案の中に含めていくほうがいいような気もしました。
 以上です。
○田中座長 ありがとうございました。
 井上(由)構成員、お願いいたします。
○井上(由)構成員 ありがとうございます。
 おまとめありがとうございます。意見を2点述べさせていただきます。
 1つ目は、資料3の6ページのあたりから始まっている相談支援体制のところです。いろいろな構成員から御意見いただいているのですけれども、少し見直しをしたほうがいいのではないかなと感じています。具体的には、家族を含めたと書いてくださっているのですけれども、家族のない方はこれからたくさん増えてきますので、相談支援体制の整備という形にした上で、家族の方への支援と、単身化に伴ういろいろな課題、例えば医療等の分野で言えば、見守りとか、安否確認をどうするのだ、保証人の話、死亡時の話、意思決定支援というふうに必ず出てきますので、そういったことがあるよということがきちんと書かれていることが必要ではないかなと感じました。
 それと、先ほど永井構成員からお話あった、支援者支援のところもここに書き入れるとどうなのかしらということを感じました。
 併せて、その後の言葉は、地域包括支援センターのことをいろいろ書いているのですけれども、これは読み込むと、地域包括支援センターが生活困窮の部分も担っていきながら、重層的支援体制の窓口も担っていくということを意味しているのだなということが何となくイメージができるのですけれども、そこをどういうふうに変えたらいいのかということを、もう一回ちょっと内部で御検討をいただけるとありがたいと思っています。これが1点目です。
 2点目は、こちらの一番最後の8ページのところですね、こうした取り組みはまちづくりの一環として進める必要があり、商業・金融など分野横断的にと書いてあるのですけれども、こちらに教育をぜひ入れていただきたいなと思っていますので、そちらはよろしくお願いしたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○田中座長 御提案ありがとうございました。
 続いて、猪口構成員お願いいたします。
○猪口構成員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。私からは3点意見を述べさせていただきます。
 まず、資料3の3ページにあります地域医療構想と地域包括ケアシステムのことですが、先ほど安藤委員からも多分このことの御発言があったと思いますが、地域医療構想は構想区域、これは二次医療圏が主ですので、都道府県でどうしても管理する形になります。それに対して、地域包括ケアシステムは市区町村が中心になるということで、これがうまく連動してないということが度々見かけられるわけです。ですから、今後の地域に根ざした医療・介護の連携を密にするという意味では、市区町村を中心に医療・介護の連携を考えていくことをやったほうがいいのではないかと思います。
 それから、5ページの介護人材の不足のことです。これはどうやっても介護人材の不足をなくしていくことはできないのですけれども、ここに出てない方法の一つとして、可能な部署で、高齢者にもう少し可能な範囲でお仕事をしていただくというところを出していただいたほうがいいのではないかなと思いまして、そこを1つ意見させていただきます。
 それから、最後に7ページの医療のDXの話ですけれども、医療のDXが質の高い医療を提供していく。それはもちろん目標としてはいいのですけれども、これによって、実際、医療とか介護の現場で、労力とかコストの負担が減っていく必要があります。それはもう一つの目標、目的として、考えていくことが必要なのではないかと思います。
 以上、私、3点の意見を言わせていただきました。
○田中座長 御指摘ありがとうございます。
 渕野構成員、お願いします。
○渕野構成員 ありがとうございました。私からは2点ほどお願いをしたいと思います。
 資料3の5ページです。マルポツの3つ目の中ほど、先ほど来、皆さん、介護人材不足ということを言っておりますけれども、ここに「外国人の介護人材等の多様な人材を適切に活用していく中で」という文言があります。実は、既に、ベトナムの人たちはもう日本には来たくないといいますか、日本をあまり希望しない人もいっぱい増えてきていて、外国の人が日本を選ばなくなってきたということがあります。それで、もう少し書きぶりを、彼らが進んで来られるような日本であるべきだし、処遇とかにも支援をすべきだということを感じますので、少し文言を盛り込んでいただけないかなということです。
 それから、もう一点は、加納構成員もおっしゃっていました、経営の大規模化・協働化という文言です。これだけは何とか削除していただけないかなと私も思っております。
 以上です。
○田中座長 ありがとうございました。
 一わたり意見を伺ったようです。様々な提案や御意見を頂戴しました。時間の都合がありますので、議題2に移ります。
 議題2「地域医療介護総合確保基金の令和4年度内状況について」の報告、資料4を説明してください。
○須藤課長 それでは、資料4に基づきまして、老健局高齢者支援課長から説明させていただきます。
 さきの会議におきまして、基金の介護分の内示状況につきまして、まだ内示前ということもありまして、御報告できませんでした。今回、10月11日に今年度分内示を行いましたので、それについての御報告を申し上げるところでございます。
 表紙をめくっていただきまして、1ページ目でございます。
 地域医療介護総合確保基金の介護分全体としての内示状況を一覧にしてございます。各都道府県における内示額(国費)と全体の基金規模について列記してございます。全体合計額、右下に書いてございますが、全体の内示額(国費)につきまして673.2億円、その右横にございますが、基金規模全体といたしまして1009.8億円という内示状況でございます。
 それぞれの内訳でございます。それは2ページ以降になりますが、まず、基金(介護分)におけます介護施設等の整備に関する事業、いわゆる施設関係の部分につきまして、それぞれ、これも各県別を列記させていただきまして、右下に内示額(国費)全体といたしまして、施設分は352.8億円、また、それを踏まえました基金規模全体としましては529.2億円という内示でございます。
 最後、次の3ページ目でございますが、介護分の基金につきましては、先ほどの施設分に加えまして、介護従事者の確保に関する事業ということで、こちらでロボット等の支援等も含めて、いわゆる人材分という形で行っておりますが、これの内示額につきましても、同様に、各県ごとの内示状況を列記させていただきまして、右下に全体額、内示額(国費)320.4億円、それを踏まえました基金規模といたしまして480.7億円ということで、併せて、10月11日に内示を行わせていただいた次第でございます。
 以上、簡単でございますが、報告でございます。
○田中座長 ありがとうございました。前回開催の後に内示された介護分の令和4年度内示状況について報告いただきました。
 御意見・御質問おありの方はどうぞ。
 田中雅英参考人、お願いします。
○田中(雅)参考人 全国老施協から、1点お願いがございます。
 資料4、3ページ。介護事業者の確保に関する事業でございます。基金規模ベースでは、東京都の72.3億円から0.8億円の山梨県まで、都道府県によって額が大きく異なっています。この中には、介護ロボット導入支援事業及びICT導入支援事業が含まれていると認識しておりますが、介護施設におけるICT、介護ロボットの普及率はまだまだ低い状況です。介護労働安定センターの令和3年度介護労働実態調査だと、導入率、一番高い見守り機器でも17.3%にすぎないという状況です。ぜひ、介護現場における生産性向上の取組に地域格差が生じないように、介護ロボット導入支援事業の取組が低調な自治体に対しては、国から強力な助言・指導をお願いいたしたいと思います。これはデジタル田園都市国家構想総合戦略にも寄与すると思うので、よろしくお願いいたします。
○田中座長 御要望ありがとうございました。
 ほかにございませんか。
 では、本日、議題1について様々な御意見を頂戴いたしました。そろそろ終了予定時刻となりますので、本日はここまでといたします。
 議題1について、総合確保方針の見直しなどについて説明を伺い、議論を行いました。事務局は、本日頂戴した御意見を踏まえた総合確保方針の改定案を策定してください。次回の会議で提示していただく予定です。引き続き、作業をよろしくお願いします。
 議題2では、介護分の令和4年度内示状況の報告を伺いました。引き続き、基金事業が効果的に活用されるよう、都道府県への指導・助言を行ってください。
 では、次回の日程について、事務局から連絡をお願いします。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。
 次回の会議の日程など、詳細につきましては、追って御連絡させていただきます。
 以上でございます。
○田中座長 以上をもちまして、「第18回 医療介護総合確保促進会議」を終了いたします。
 皆様、御議論ありがとうございました。