2022年7月29日 第16回医療介護総合確保促進会議 議事録

日時

2022年7月29日(金) 14時00分~16時00分

場所

オンライン開催

議題

  1. 1.地域医療介護総合確保基金の執行状況、令和3年度交付状況等について(報告)
  2. 2.総合確保方針の次期改定に向けた論点について

議事

議事内容
○田中座長 定刻になりましたので、ただいまから第16回「医療介護総合確保促進会議」を開催いたします。
本日は、大変お忙しい中、御参集いただき、誠にありがとうございます。
本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。会議中、御発言の際は「手を挙げる」ボタンを押し、私の指名を受けてからミュートを解除し、御発言をお願いいたします。発言終了後は、再度ミュートにしてくださるようお願いいたします。
会議に先立ちまして、構成員の交代及び本日の出欠状況について、事務局から報告をお願いします。また、前回の会議以降、事務局に人事異動がありましたので、併せて紹介をお願いします。
○水谷課長 保険局医療介護連携政策課長でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、構成員の交代につきまして御紹介させていただきます。
今村聡構成員が御退任されまして、新たに日本医師会副会長の猪口雄二構成員が就任されております。
宮崎則男構成員が御退任されまして、新たに日本介護福祉士会副会長の今村文典構成員が就任されております。
山崎泰彦構成員が御退任されまして、新たに早稲田大学法学学術院教授の菊池馨実構成員が就任されております。
樋口恵子構成員が御退任されまして、新たにNPO法人高齢社会をよくする女性の会理事の渡辺敏恵構成員が就任されております。
続きまして、出欠状況を御報告させていただきます。
本日は、遠藤久夫構成員、大西秀人構成員、菊池馨実構成員、仙賀裕構成員、永井良三構成員から御欠席の御連絡をいただいております。
また、川勝平太構成員の代理として紅野聖二参考人、佐保昌一構成員の代理として小林司参考人、東憲太郎構成員の代理として三根浩一郎参考人にそれぞれ御参加いただいております。
事務局の人事異動でございますが、お配りしております座席表等を御覧いただき、御参照いただければと存じます。
また、他の公務のため、欠席、途中退席、ウェブによる出席となる者もおりますが、御了承いただければと存じます。
以上でございます。
次に、議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。
資料は3つございます。
資料1「執行状況、令和3年度交付状況等について(報告)」。
資料2「総合確保方針の次期改定に向けた主な論点」。
参考資料1「総合確保方針の次期改定に向けた主な論点(参考資料)」。
以上、3つを御用意しておりますので、御確認をお願いいたします。
以上でございます。
○田中座長 ありがとうございました。
早速議事に入ります。カメラはここで御退室願います。
資料1「執行状況、令和3年度交付状況等について(報告)」についての説明をお願いいたします。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。
地域医療介護総合確保基金の執行状況等につきまして、御報告をさせていただきます。
資料1を御覧いただけますでしょうか。総合確保基金の交付状況等について、医療分と介護分に分かれてございます。
医療分につきまして、3ページ以降になりますが、4ページに全体図をお示ししてございます。平成26年度の基金創設から令和2年度に至るまでの医療分の執行状況、予算総額が6776億円、国費ベースで4517億円、そのうち都道府県に交付された総額が6207億円、国費ベースで4138億円、執行された総額が4401億円、国費ベースで2934億円となってございます。
5ページに全体の執行状況の資料を示してございますが、右下を御覧いただきますと、執行率と書いてございまして、70.9%となってございます。これまで医療分につきまして、執行予定額という概念で、今回の資料の参考のところにお示ししてございますが、左下を御覧いただきますとおり、次年度以降に具体的な執行予定の目途が立っている金額を含めたもので御報告をさせていただいておりましたが、今回、介護等との平仄を取る形で執行率という形でお示しをさせていただき、予定額は参考とさせていただいてございます。
6ページ以降は、それぞれの事業区分ごとの執行状況でございます。
区分Ⅰ-1「地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設又は設備の整備に関する事業」は、右下の執行率を御覧いただきますと43.9%となってございます。地域医療構想に係る地域の関係者の協議に一定の時間を要する状況ですとか、あるいはコロナ対応によってそうした協議そのものが影響を受けているといった状況もあろうかと思いますが、引き続き、担当部局において執行に努めてまいります。
7ページでございますが、区分Ⅱ「居宅等における医療の提供に関する事業」の執行率は、右下80.8%となってございます。
8ページ、区分Ⅳ「医療従事者の確保に関する事業」は、右下の執行率が95.3%となってございます。
9ページ、区分Ⅵ「勤務医の労働時間短縮に向けた体制の整備に関する事業」は令和2年度に新設された事業でございますが、執行率は右下の37.8%となってございます。令和6年4月からの医師の時間外労働の上限規制の適用に向けまして、こうした事業の適切な活用を図ってまいりたいと思ってございます。
10ページから、令和3年度、直近の単年度の医療介護総合確保基金の医療分の交付状況でございます。真ん中辺りに令和3年度計画で実施する事業ということで、Ⅰ-1の事業区分で240.7億円、Ⅰ-2の事業区分で57.9億円、Ⅱの事業区分で41.0億円、Ⅳの事業区分で406.6億円、Ⅵの事業区分で67.4億円をそれぞれ都道府県に交付することとしてございます。また、一番下の○で、都道府県計画策定時点で交付先が決まっているものの中で公民の割合を見ますと、公的機関が31.1%、民間機関が61.2%となってございます。
11ページ以降は、今、申し上げたものの全体と区分ごとにつきまして、都道府県別の数値をお示ししているものでございます。
先までお進みいただきまして17ページは、私が今、御説明申し上げました事業区分ごとの交付額を円グラフにしたものが上に書いてございまして、下にはこれを都道府県別にお示ししたものが書いてございます。
18ページは、公民の割合を円グラフにしたものと都道府県別にしたもの。
19ページは、事業区分ごとの数値を示してございます。
20ページ、この医療介護総合確保基金の医療分につきましては、財務省主計局の調査になりますが、令和2年度の予算執行状況調査の対象となりまして、実際にそこで指摘を受けた内容につきまして、かつてこの会議で御報告をさせていただきました。その後の状況も含めての御報告でございます。
3つ目の○を御覧いただきますと、地域医療構想との関係性につきまして、事後確認を強化するといった取組を行ってまいりましたが、4つ目の令和3年度以降でございます。特に予算執行状況調査で指摘を受けた事業と類似の事業なども中心にいたしまして、個別事業について事前ヒアリングを行って適切な執行に努めているところでございます。
21ページ以降は、その関係資料でございますので、説明は省略をさせていただきます。
28ページに飛んでいただきまして、行政事業レビューの公開プロセスでございます。これは、予算事業を所管している省庁におきまして、公開の場で外部の有識者の皆様に事業の見直しの方向性、見直しの内容について御点検をいただくプロセスでございますが、2つ目の○の2行目のところ、医療分につきまして、事業全体の抜本的改善という御指摘を頂戴してございます。
下の5つポツがあるところに御指摘の内容を書いてございますが、地域医療構想の進捗に応じ、交付金を交付することを検討すべき。地域医療構想の実現に向けて都道府県任せにするのではなく、国においても重点的な支援策を検討すべき。都道府県から報告される執行予定額について、国において一定の基準を設けて精査すべき。現行の基金事業における支援内容が十分なものとなっているか、都道府県等の意見を踏まえ、その見直しについて検討すべき。基金の対象事業間での流用を認めることについて検討すべき。こうした御指摘を頂戴しているところでございます。地域医療構想の実現に向けて担当部局において、基金の執行状況の改善、効率的な運用について対応を検討しているところでございます。
以上が医療分でございまして、続きまして、30ページ以降は介護分でございます。
31ページをお開きいただきますと、同様に介護は基金が創設されたのが平成27年度でございますので、27年度から令和2年度までの介護分の執行状況を示してございます。予算額6106億円、国費ベースで4071億円、交付額が5112億円、国費ベースで3408億円、執行額が3443億円、国費ベースで2295億円となってございます。
介護分につきましては、昨年度までいわゆる消費税財源分のみを集計して御報告をしておりましたが、医療との平仄を取る観点も含めまして、今回から一般財源分、具体的には平成27年の補正予算で一定の額が計上されてございますので、それも含めた数字として御報告をさせていただいてございます。
32ページをお開きいただきますと、全体の執行状況でございます。右下の執行率を御覧いただきますと、67.4%となってございます。
介護については事業区分が2つでございます。
33ページ、区分Ⅲ「介護施設等の整備に関する事業」につきましては、執行率が64.5%。
34ページ、区分Ⅴ「介護従事者の確保に関する事業」につきましては、執行率83.2%となってございます。
35ページ、令和3年度直近単年度の介護分の交付状況でございます。2つ目の○のところ、介護施設等の整備に関する事業で400.2億円、介護従事者の確保に関する事業で422.9億円をそれぞれ交付するということでございます。例年に比べまして、介護従事者の確保に関する事業の割合が相対的に高くなってございます。これは令和3年度からの新規事業として、コロナ禍での事業所等のサービス提供体制の確保に関する事業等々が加えられたということ。それから、既存事業でございますが、介護ロボット、ICTの導入支援の計上が多かったと承知をしてございます。3つ目の○で、公民の割合と書いてございますが、公的機関12.5%、民間機関79.2%となってございます。
36ページ以降は、今、申し上げたものの都道府県別の数字をお示しさせていただいてございます。
39ページまでお進みいただきますと、区分Ⅲ、区分Ⅴの事業区分別のものにつきまして、今、申し上げた数字を円グラフでお示しするとともに、都道府県別の割合を下にお示しをしてございます。
40ページをお開きいただきますと、公民の割合も同様に円グラフでお示しをするとともに都道府県別のもの。41ページでは、それを事業区分ごとにお示ししたものでございます。なお例年、この会議におきまして、こうした基金の執行状況のほか、基金事業の主な取組例、あるいは前年度基金事業における主な取組例の事後評価をお示ししてございます。これにつきましては、現在、担当部局で整理中でございまして、また整理ができ次第、この会議で御報告させていただきたいと存じます。
駆け足でございますが、説明は以上でございます。よろしくお願いします。
○田中座長 ありがとうございました。執行状況と令和3年度交付状況について説明を伺いました。
ここから御意見のある方からお話を伺います。なお、井上隆構成員は15時退出予定とのことですので、議題1、2併せて先に御意見をお願いいたします。
○井上(隆)構成員 井上でございます。ありがとうございます。
まず、議題1につきまして意見を申し上げます。
政府の政策全般でございますけれども、エビデンスベースでの政策執行が求められているところでございます。今回、この執行状況につきまして、丁寧な御説明をいただきましたけれども、消費税財源で賄われている基金の活用によって、実際に医療・介護提供体制の基盤強化にどのような効果があったのか、例えば、基金事業の見える化という観点から、成果指標への到達度合い等々を示す努力をお願いしたいと申し上げます。
続きまして、恐縮ですけれども、議題2につきまして申し上げます。
記載された全般的な内容に異論はございません。ただ、今回、コロナという大変な事態で明らかになった課題を解決していくという視点が重要ではないかと思います。
その上で2点申し上げたいのですけれども、1点目は論点の2にあります、医療・介護提供体制の構築についてでございます。資料に整理されている内容はぜひ進めていただきたいと思います。他方で、医療機能の分化・連携の進捗の遅れが従来から指摘されており、今回の感染症の拡大でもそれが露呈したという面がございます。2040年に向けてさらなる機能分化・連携を進めていくことが重要とございますけれども、今後、高齢化が進行する中で制度の持続可能性を確保する観点からも機能の分化・連携、さらには集約化も迅速に進めていくという姿勢が必要ではないかと思います。
2点目でございますけれども、議論を深める上で今後の将来推計の必要性についてもう一度振り返る必要があるのではないかと思います。次期の改定は2040年が最終的なターゲットとなりますけれども、現在、コロナの影響もありまして、次期の将来人口推計がどうも下振れしそうだということがございます。ぜひ、次期の将来人口推計が公表された後には、速やかに医療・介護の給付の見通しとか地域の動向等々につきましても推計を行い、議論を深めていく必要があるのではないかと思います。その際、中長期的な方向性を示す際には、こうした見通しを目途に中間的な目標を設定するなど、バックキャストでの施策の検討が必要かと考えております。
私からは以上でございます。ありがとうございました。
○田中座長 ありがとうございました。
ここから委員の皆様から意見を伺います。共有画面を消して委員の顔が画面に出るように設定を変えてください。
では、順番に伺います。佐藤構成員、お願いします。
○佐藤構成員 座長、どうもありがとうございます。
資料1は御丁寧な説明で、また例年、質問させていただいた中身につきまして、例えば、未執行分についての分析等々、内容の分析が年々しっかりとされているなということで、御丁寧な説明と併せて今後の論点について明確になってきていると理解しました。
一方で、28ページに行政事業レビュー(公開プロセス)について記載がございますが、特に○の2つ目に5つの意見が並べられてございます。これを拝見すると、1つは国がしっかりと基準をつくってやっていくべしという内容と、一方では、都道府県に十分相談しながら進めていただきたいという意見になっているようですが、厚生労働省としては、ある意味で国主導という部分と都道府県からの意見という部分はどのようにお考えなのか教えていただければと思います。
以上です。
○田中座長 質問にお答えください。
○鷲見課長 地域医療計画課長でございます。
今の御質問をいただきました行政事業レビューでも御指摘がございました、国において一定の基準を設けることについて、また、都道府県との連携をしっかりと図ることにつきましては、いずれも私どもとしては、どういったやり方がいいのかということについてしっかり検討させていただいて進めていきたいと思っております。
以上でございます。
○田中座長 ありがとうございます。よろしゅうございますか。
○佐藤構成員 ありがとうございます。
○田中座長 次に、小林参考人、お願いいたします。
○小林参考人 ありがとうございます。
資料の6ページ、医療分の区分のⅠ-1、あるいは、9ページの区分のⅥ・勤務医の労働時間の関係で、執行率が低調であったり、地域によって執行率に差が生じているものがございます。御説明でも若干ありましたけれども、地域差は地域間の格差につながるものでもありますので、詳細な分析が必要ではないかと思っております。
また、区分のⅥの勤務医の労働時間の関係に関しては、新型コロナウイルス感染症対策によって取組が進んでいないという面は理解いたしますけれども、さらなる活用に向けて適切な執行を働きかけていただきたいと思います。
以上です。
○田中座長 御意見、ありがとうございます。
次は、加納構成員、お願いいたします。
○加納構成員 ありがとうございます。
18ページと40ページに医療と介護の公と民の割合が載っているのですが、これは毎回聞いているのですけれども、医師会分の中には公の分が民のほうへ入っている部分もあるのですが、それは今回も民の中に入っているのかどうかということ。
それと、今回、これを見ますと、例年なのかどうか分からないのですけれども、福井県は医療においては9割が公のほうへ、介護においても7割ぐらいが公のほうへと、ほかの都道府県と比べて公への比率が非常に高いと思うのですが、これは何か特性があるのでしょうか。教えていただきたいと思います。
○田中座長 御質問にお答えください。
○鷲見課長 まず、医師会の分についてどちらに含まれるのかという御質問だと承知しました。それについては、民間のほうに含まれるということで私どもは分類しているところでございます。
以上です。
○田中座長 もう一つの福井県のほうは分かりますか。
○笹子課長 推進課長でございます。
手元にございませんし、福井県にも聴取してまた分析してみたいと思います。
以上です。
○田中座長 加納構成員、よろしゅうございますか。
次に、三根参考人、お願いします。
○三根参考人 35ページでございますけれども、介護施設の整備に係る事業並びに介護従事者の確保に関する事業でございます。当初、介護施設の設備に関する事業が9割で、介護従事者の確保の割合が1割程度だったのですが、昨年度はほぼ同等、あるいは介護従事者の確保が若干上回るという執行状況になっていまして、介護人材の確保の難しい折にこのような状況は非常に喜ばしいことだと思っております。ありがとうございます。
介護人材の確保に関しましては、ICT導入の支援並びに介護ロボットの導入支援の補助金も入っております。介護の世界で言いますと、前回改正からLIFEというシステムが入りまして、ICT化は不可欠なものとなっております。並びに、全老健では、昨年度から基金も含めましていろいろな補助金の都道府県の状況を調査してまいりましたけれども、都道府県によってかなりの温度差がございます。将来、介護分野でLIFEの今後の成長と相まってICT導入並びに介護ロボットの導入は不可欠なものとなり得ることが予測できますし、ぜひ、厚労省のほうから各都道府県にそのような御指導と申しますか、執行状況の再確認をよろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。
○田中座長 御意見、御要望でした。ありがとうございます。
ほかに御意見はございますか。
美原構成員、お願いいたします。
○美原構成員 ありがとうございます。
幾つかお聞きしたいのですが、1つは、執行率が出ているのですが、それぞれいろいろな事業で執行率が違うわけですが、これを見て、どのくらいの執行率が適正なのかというのが分かりにくいので、どんなところを目指しているのかというのが1つ。
もう一つは、28ページにありますが、都道府県から報告される執行予定額に関して、その内容が適切なものになっているかというのは、国において一定の基準というのがあるのですが、それは具体的に示されているのでしょうか。
これは個別の例で、ここでお話しするのが適正かどうか分かりませんが、群馬県においては、院内研修用の設備云々に関して申込みをしたのですが、看護師の資質向上を高めるための研修で使用するために、Wi-Fiの環境を整備したいと希望いたしました。しかし、それは、看護師の資質向上だけではなくてほかに使われるから駄目だと言われたのです。どういうことかというと、基金はその使用目的に特化したものではなくてはならない。例えば、実習用のシミュレーターなどでそれだけに使われるもの、あるいは、実習に使われる本を買いなさいと。でも、今は本などを買わないで、ほとんどがiPadを利用したeラーニングで対応することが多いのですが、そうすると、iPadはほかに使われるから、基金の適用にならないという話になってしまうのです。ですから、使用できるメニューの制限が非常に強くて使いにくいのですが、この辺に関して、国から何らかの適正な在り方というのを言ってもらえると、より使いやすくなるのではないかなと思うのですが、その2点に関していかがでしょうか。
○田中座長 2点の御質問ございました。お願いします。
○鷲見課長 地域医療計画課長でございます。
まず、どのぐらいの執行率が適正なのかという点についてはケース・バイ・ケースで、私どもはどのぐらいがいいのかということは申し上げていない状況であります。おっしゃるとおり、執行率につきましては、都道府県において様々なパターンがございまして、例えば、病床転換の施設整備において、2025年までに必要であると見込む整備の総量に係る必要費用についてあらかじめ基金を積み立てた上で、実際に費用が発生した場合に切り崩していくというパターンもあれば、基本的には1つずつ具体的なプランのめどが立った段階で初めて基金を積み立てながら執行を行って、いわゆる実績払いに近い形で運用を行っているというような様々な都道府県のやり方があると承知しております。もちろん、このやり方については、いずれもメリット、デメリットがあると思っておりますけれども、私どもとすれば、地域医療構想がしっかり進む形で都道府県が地域の実情に応じて進めていただくことが非常に重要だと考えているところでございます。
次に、具体的な使い道につきまして、使い勝手が悪いのではないかという御指摘がございます。この辺りについて、私どもも都道府県などといろいろなお話をしながら、できるだけ都道府県の方々が地域医療構想の達成に向けて使いやすい形で、引き続き努力してまいりたいと思いますし、そうしたお声については真摯に耳を傾けて対応してまいりたいと思っております。
以上でございます。
○田中座長 美原構成員、よろしゅうございますか。
ほかに御質問の方、あるいは御意見をお持ちの方はいらっしゃいますか。
猪口構成員、お願いします。
○猪口構成員 よろしくお願いします。
9ページなのですけれども、勤務医の労働時間短縮に向けた体制整備に関する事業というので、令和2年度はまだ始まったばかりかもしれませんが、執行率が非常に低いということと、都道府県間で非常にばらつきがあって、全然行われていない県が多く見られるわけで、この辺の周知徹底についてはどういうふうにされているかということ。
それから、実際にどういうものでこの請求が上がっているかというのを教えていただけたらと思っております。これは医師の働き方に関して非常に重要な部分になりますので、ぜひお願いいたします。
以上です。
○田中座長 お答えをお願いします。
○山本課長 医事課長でございます。
事業区分Ⅵの活用を促すための周知につきまして御質問いただいております。それにつきましては、都道府県の担当者を集めた会議での活用をお願いするとともに、我々の予算事業で病院長等を対象にしたトップマネジメント研修というものなども行っております。そうした場で、都道府県の担当者、医療機関の皆様に周知を行っているところであります。初年度は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、十分な執行には至っておりませんけれども、引き続きそうした周知に努めてまいりたいと思っております。
また、どういう事業に基金が活用されているかというのが2点目の御質問だと思っております。例えば、勤怠管理システムの導入ですとか、医師の勤務時間短縮に係るICT機器の設備整備や医師の宿日直の環境整備等々に使用されている事例がございます。
以上でございます。
○猪口構成員 ありがとうございます。
ぜひこれの周知をよろしくお願いいたします。
○田中座長 ありがとうございました。
次は、渕野構成員、お願いいたします。
○渕野構成員 ありがとうございます。渕野でございます。
私からは基金の申請に当たっての質問をさせていただきたいと思います。実は先日、事前説明会のときにも質問させていただいたのですけれども、国から都道府県に出している留意事項というのは、関係団体等の地域の関係者の意見聴取をすることのみで、あとは都道府県に任せているのだろうとは思います。医療と介護両方ともそのような言葉になっておりますけれども、医療に関しては、地域医療構想会議を通って、医療審議会に通って決定がなされ、それから県議会にかけられて国のほうに上がるというシステムが成り立っているようだと思いますけれども、介護のほうはその辺がどうなっているのかなというのがはっきりいたしません。地域医療構想会議があるのか、あるいは医療審議会に代わるようなものがあるのか、その辺のことを教えていただければと思います。
○田中座長 ただいまの御質問は老健局ですか。お願いします。
○須藤課長 老健局高齢者支援課長でございます。
今の渕野委員からの御質問でございますが、委員がおっしゃられたように、介護におきましても、留意事項通知に基づいて各都道府県さんでしっかりと関係団体の意見を聞いていただいていると認識してございますが、必ずしも特定の会議体等で聞くという形は求めてございません。直接関係団体に聞かれる場合もあれば、様々な検討議題に係る会議体等の中で併せて意見を集約して聞いているという様々な形があると伺ってございます。
いずれにしても、各都道府県さんの地域の実態や実情を踏まえて、そういったところをしっかりと認識できる形で意見を聴取いただいた上で、計画等をまとめていただくことが重要でございますので、そうした認識で自治体とともにこの部分もしっかり取り組んでまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○渕野構成員 渕野ですけれども、医療に関しては特別、地域構想会議あるいは医療審議会でやりなさいということもなくて、それも都道府県任せでよろしいのですね。
○鷲見課長 地域医療計画課長でございます。
医療の関係につきましては、地域医療構想調整会議、また医療審議会の意見を聞くことになっております。
○渕野構成員 分かりました。
○田中座長 よろしゅうございますか。
ほかにございませんか。
ないようでしたら、議題2に移ります。
議題2の「総合確保方針の次期改定に向けた主な論点」について、資料の説明をお願いします。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。
資料2「総合確保方針の次期改定に向けた主な論点」という資料に沿って御説明を申し上げます。
2ページは、現行の総合確保方針の概要をお示しした資料でございます。医療介護総合確保法に基づきまして、平成26年に総合確保方針が策定されまして、平成28年12月に一部改正をされてございます。青で書いてございます26年9月に策定をされた「総合確保方針の意義・基本的方向」というところでございますが、団塊の世代が全て75歳以上となる2025年に向け、利用者の視点に立って切れ目のない医療・介護の提供体制を構築する。あるいは自立と尊厳を支えるケアを実現する。こうした意義の下、基本的方向といたしまして、効率的で質の高い医療提供体制の構築と地域包括ケアシステムの構築、地域の創意工夫を生かせる仕組み、質の高い医療・介護人材の確保と多職種連携の推進、限りある資源の効率的かつ効果的な活用、情報通信技術(ICT)の活用といったことが記載をされてございます。
また、平成28年12月に一部改正が行われました。そこでは、医療計画と介護保険事業計画の整合性、この基本方針は法律におきましても、医療計画の基本方針、介護保険事業計画の基本指針の基本となるべき事項を定めることとなっておりますので、いわば、これらの上位に位置する概念でございます。そうしたものにおきまして、医療計画と介護保険事業計画の整合性を図る観点からの記述を追加したり、あるいは、在宅医療・介護連携推進事業といった市町村が行う事業について、都道府県が広域的な観点から支援の確保をするということを明記したり、医療・介護両分野に精通した人材の確保、住宅政策との連携といったことが追記されたところでございます。
今回、総合確保方針の見直しを御議論いただくに当たって、私ども事務局のほうで、3ページ以降、28年12月以降の医療・介護における主な制度改正についてまとめた資料を準備させていただきました。大きく4つの領域、医療提供体制、地域包括ケアシステム、人材確保・働き方改革、デジタル化・データヘルス改革、こうした領域に沿って整理をいたしてございます。
3ページは、医療提供体制でございますが、病床機能の分化・連携に向けまして全ての都道府県において地域医療構想が策定され、取組が開始されている。また、医療法の改正によりまして、医療計画に新興感染症等への対応に関する事項を追加することが決められたり、外来機能報告制度の創設がなされてございます。
4ページでございますが、地域包括ケアシステムの関係では、医療・介護の一体的提供・連携のために介護医療院が創設をされ、また、全国で在宅医療・介護連携推進事業が実施、開始され、また見直されてございます。また、少し大きな視点からでは、地域共生社会の理念が社会福祉法、あるいは介護保険事業計画の基本指針に規定をされ、また認知症施策推進大綱の策定、重層的支援体制整備事業として、属性や世代を問わない相談等の体制づくりも進められてございます。
5ページは、人材確保・働き方改革ということで、医療の関係では、医療従事者の専門性の発揮、働き方改革のための医療関係職種のタスクシフト・シェア、時間外・休日労働の上限規制の実施に向けた動きがございます。介護人材の確保という観点では、介護報酬の加算等による処遇改善、ICT・ロボットの活用等による職員の負担軽減等が実施されてございます。
6ページ、デジタル化・データヘルス改革につきましては、マイナンバーカードの保険証利用、医療機関間での情報共有の基盤となるオンライン資格確認が昨年10月から本格運用されてございます。また、ビッグデータの活用という意味におきましては、NDB(ナショナルデータベース)、介護データベースの活用が進められている状況でございます。
7ページの資料は、昨年10月に総合確保促進会議におきまして、総合確保方針の見直しについて御議論をいただいた際の資料でございます。
2つ目の○を御覧いただきますと、令和6年度、2024年度から第8次の医療計画、第9期の介護保険事業計画が同時改定されるということでございます。それぞれの計画の基本方針、基本指針の改定に向けまして、今、関係する審議会等で御議論が行われております。
こうしたものを見据えまして3つ目の○でございますが、これらの議論の進捗状況を踏まえつつ、今年末を目途に総合確保方針の改定を取りまとめることを目指して御議論をいただくこととしてはどうかということで、論点といたしまして、その当時、下に書いてあります3つ、足元の感染対策はもちろんのこと、人口動態の変化への対応などより長期的な事項について検討すべき、地域包括ケアシステムの構築、デジタル化による医療・介護の情報連携の強化といった切り口で御議論をいただいたところでございます。
今回は、もう少しブレイクダウンした形で事務局から論点を御提示させていただいて御議論いただければと考えてございます。
8ページ以降、論点を大きく5つお示しさせていただいた上で御議論いただければと思っております。1つ目が「人口構造の変化への対応」としてございます。1つ目の○でございますが、冒頭に申し上げたとおり、この総合確保方針は団塊の世代が全て75歳以上となる2025年を一つ念頭に置いて議論してまいったわけでございますが、先ほど申し上げた第8次の医療計画、第9期の介護保険事業計画は2025年をまたぐ計画となります。そうすると、その先ということで、2040年に目を向けますと、高齢者人口の増加は緩やかになる一方で、既に減少に転じている生産年齢人口の減少が加速することが一つ特徴かと考えてございます。
また、2つ目の○でございますが、高齢者人口につきましては、特に要介護認定率や1人当たり介護給付費が急増する85歳以上人口が2025年まで75歳人口を上回る勢いで増加し、2035年ごろまで一貫して増加をするということ。一方で、それを地域別の状況、都道府県や2次医療圏単位で見ますと、65歳以上人口は増加する地域だけでなく、減少する地域もございます。また、入院、外来、在宅それぞれの医療需要がピークを迎える見込みの年が地域ごとに大きく異なるという状況でございます。
このように生産年齢人口が減少していく中で、急激に高齢化が進行する地域もあれば、高齢化がピークを越える時期もあり、まさに人口構成、それに伴う医療・介護需要の動向は地域ごとに異なります。こうした地域の実情に応じた医療・介護提供体制の確保を図っていくことが重要ではないかということを1つ目の切り口としてお示しさせていただきました。
次のページ、2つ目「『地域完結型』の医療・介護提供体制の構築」というところでございます。先ほど28年12月以降の動きを振り返ってまいりましたが、医療機能の分化・連携、地域包括ケアシステムの構築の取組を進めてまいりましたが、今般のコロナ対応におきまして、地域における医療・介護の提供に係る様々な課題が浮き彫りになったことも事実かと存じます。こうした課題にも対応できるよう、平時から機能分化と連携を一層重視して、国民目線で提供体制の改革を進めること。そうした上で、新興感染症等が発生した際にも、提供体制を迅速かつ柔軟に切り替えることができるような体制の確保を視点としてお示しをしてございます。
3つ目の○は医療の関係でございますが、入院医療につきましては、地域医療構想を2025年に向けて推進をしているところでございますが、その先の2040年に向けて、さらに機能分化・連携を進めていくということ。外来、在宅につきましては、外来機能報告制度を踏まえた紹介受診重点医療機関の明確化が図られるとともに、骨太方針にも盛り込まれておりますかかりつけ医機能が発揮される制度整備といった方向性をお示ししてございます。
地域包括ケアシステムにつきましては、さらなる深化・推進をキーワードに介護保険部会等でも御議論が行われてございます。介護サービスの基盤整備、住まいと生活の一体的な支援、医療と介護の連携強化、認知症施策の推進、介護予防の充実を切り口としてお示ししてございます。
続きまして、論点の3つ目「サービス提供人材の確保と働き方改革」でございます。これは質の高い医療・介護人材を確保することになるわけですが、2040年までを視野に入れますと、生産年齢人口が急減するということがございますので、まさに、サービスの質を確保しつつ、職員の負担軽減が図られた医療・介護の現場を実現していくといった視点が重要ではないかと考えてございます。
2つ目の○でございますが、医師等の働き方改革について2024年4月から時間外・休日労働の上限規制の適用、そうした中で、各職種がそれぞれの高い専門性を十分に発揮するための勤務環境の整備、タスクシフト・シェア、チーム医療といった視点をお示しさせていただいてございます。
介護の関係では、処遇改善の取組に加えまして、ICT、介護ロボット、介護助手等の活用により、介護現場の生産性向上の取組を推進する中で、勤務環境の改善、必要な人材の確保につなげていく。そうした切り口をお示ししてございます。
11ページ、論点の4つ目でございます。オンライン資格確認等システムにつきまして、昨年10月から本格運用が開始されてございますが、2つ目の○、ネットワークを拡充して全国医療情報プラットフォームを創設する方向が今年の骨太方針にも盛り込まれてございます。現在、オンライン資格確認等システム上では、レセプト・特定健診等情報の中から一部が共有されることになっておりますが、そのほかに、予防接種、電子処方箋、自治体検診、電子カルテといった医療(介護を含む)全般にわたる情報について共有・交換ができるデジタル基盤を活用しまして、3つ目の○、医療機関・介護事業所間で共有・活用していくといった視点をお示しさせていただいてございます。
4つ目の○はビッグデータの活用ということでございます。NDB、介護DB等の公的データベースを連結解析するといったことを通じまして、客観的なデータに基づいて、ニーズ分析、将来見通し等を行っていくことが重要ではないかとしてございます。
12ページにお進みいただきまして、論点の5つ目「地域共生社会づくり」ということで、孤独・孤立、生活困窮、様々な問題がある中で、地域社会とつながりながら安心して生活を送ることができるよう、地域共生社会を目指していく。医療・介護提供体制の確保につきましても、こうした文脈の中に位置づけていくことが重要ではないかとしてございます。
最後に赤字で書いてございますが、今、私が申し上げてまいりました1から5までの論点も踏まえまして、2040年を見据えた医療・介護提供体制の在り方について議論を深めていただいてはどうかと考えてございます。
13ページに大きな年表というかスケジュールが書いてございます。真ん中に医療計画と介護保険事業計画を書いてございますが、医療計画は6年1期、介護保険事業計画は3年1期でございますが、御覧いただきますとおり2024年度に同時改定ということでございます。これについての都道府県等での策定作業は2023年度に行われることとなり、そのための基本方針・基本指針の策定に向けて、今、関係審議会等で議論が行われている状況であります。先ほど申し上げたとおり、医療介護総合確保方針はいわばこれらの上位に位置する概念でございますので、総合確保促進会議で御議論いただいて、年内に改定について取りまとめをいただければと考えてございます。
また、2024年度は、一番下にございます診療報酬と介護報酬の同時改定の年でもあるということです。
そうした中、これまで総合確保方針では、赤点線で書いてあります2025年を一つ念頭に置きながら記述がなされているわけでございますが、今回の第8次の医療計画、第9期の介護保険事業計画は2025年をまたぐものとなりますので、右のほうに2040ということで赤点線を置いてございます。こうした姿を念頭に置きながら、総合確保方針の見直しについて御議論いただければと考えているところでございます。
駆け足でございますが、説明は以上でございます。よろしくお願いします。
○田中座長 ありがとうございました。
総合確保方針の次期改正に向けた主な論点について説明を伺いました。総合確保方針の改定に向けて取り組むべき視点として、論点の1から5について御議論いただきます。あわせて、資料にも示されていたように2040年までを見据えて議論を深めるべきではないかという提案もありましたので、これについてもお願いいたします。
では、河本構成員、お願いします。
○河本構成員 ありがとうございます。
まず、12ページの下にございます今回示された5つの論点を踏まえて、2040年を見据えた医療・介護提供体制の在り方について議論を深めるべきではないかという点について異論はございません。その上で、数点、意見と質問を申し上げたいと思います。
まず、論点の1についてでございますけれども、次期確保方針における大変重要な基本認識であると考えております。2025年以降は、医療・介護サービスの担い手、言い換えれば医療保険制度・介護保険制度の支え手が急速に減少していくわけですから、これまで以上に各地域で医療・介護提供体制の最適化を図っていかないと、必要なサービス提供だけではなくて、保険制度の持続可能性そのものが確保できないということでございます。こうした点を次期確保方針ではより明確に書き込んでいくべきだと考えております。
次に、論点の2の関係でございますけれども、3つ目の○のところに関して2点、意見を申し上げたいと思います。1つが入院医療のところですけれども、入院医療については、まずは2025年に向けて地域医療構想を推進し、その上で2040年に向けてさらに機能分化・連携を進めていくことが重要といった記載がございますけれども、次期の医療計画、介護保険計画は2029年までの計画でございます。また、5月に出されました全世代型社会保障の構築会議の中間整理がございますけれども、ここでも地域医療構想については、第8次の医療計画の策定と併せて、病院のみならず、かかりつけ医機能や在宅医療等を対象に取り込んでしっかりと議論を進めた上で、さらに生産年齢の人口の減少が加速していく2040年に向けたバージョンアップを行う必要があると明記をされております。
入院の枠を超えた構想へ改める方向性が示唆されているようにも思いますけれども、具体的な検討の場ですとか、あるいはスケジュール等の詳細は明らかではございません。新たな総合確保方針が地域医療構想を含めた医療計画と介護保険計画の大きな方向性を示すというものであるならば、地域医療構想の見直しを検討する場と連携をしながら、確保会議でも何らかの議論を行うべきではないかと考えております。
仮に、確保方針の年内の取りまとめの後に、地域医療構想の見直しに向けた具体的な議論が行われるというスケジュールであるならば、取りまとめ後の方針見直しも視野に確保会議で議論すべきだと考えております。こういった点について、事務局の認識というかお考えを確認させていただきたいというのがございます。
次に、かかりつけ医機能についてですが、先般の第8次の医療計画に関する検討会の場でも、私から、幅広い診断・治療が可能で、必要に応じてその専門医療につなげてくれる在宅医療やオンライン診療を行ってくれるなど、期待される機能を制度上で明確化し、こうした機能を担える医師、医療機関を見える化する制度対応というのが最優先の検討課題だと申し上げた経緯がございます。さらに付け加えさせていただくと、かかりつけ医機能には健康あるいは医療全般のコーディネーターとして、専門医療や介護への橋渡しをするという役割が含まれると考えております。このため、かかりつけ医機能を担う医師あるいは医療機関が地域包括ケアシステムにおける要になると思うのですけれども、要としてどのような役割を果たしていくべきなのかといった点について、次期の確保方針に書き込む方向で検討すべきではないかと考えます。
それから、論点の3と4は関連する部分がございますので、一括して意見を申し上げたいと思います。
論点4のデジタル化・データヘルスの推進は、サービスの質の向上ですとか最適化につながるために我々も賛成でございます。こうしたスタンスの下で論点3の書きぶりを見ますと、介護についてはICT等を活用して生産性向上の取組を推進とございますけれども、医療分野についてはそうした記述がございません。論点の1で示された2025年以降の生産年齢人口の急減というトレンドを踏まえると、医療分野においても、ICTを活用してサービス提供の最適化、効率化を図っていくという方向性を明確にすべきではないかと考えております。
私から以上でございます。
○田中座長 ありがとうございました。
事務局の意見を伺いたいところにお答えください。
○鷲見課長 地域医療計画課長でございます。御質問ありがとうございます。
委員から御指摘ございましたように、地域医療構想につきまして、まず2025年に向けて地域においてしっかりと議論を進めていただくということで、昨年末の国と地方の協議の場でも第8次医療計画の策定に向けて、いずれにしても地域において議論を進めていただくことになりますので、その機会を捉まえて、2022年度と2023年度に民間医療機関も含めてしっかり対応方針を策定いただくということでお願いをしているところでございます。まずはこうした形で、2025年に向けた地域医療構想と第8次の医療計画の策定に向けて、地域においてしっかり進めるという流れでございます。
一方で、先ほど御質問がございました今の地域医療構想自体が入院医療をしっかり見て議論するということになっておりますが、それを超えてというお話と、あとはそのスケジュールというのが御質問だと思っております。今、確定的なことは何も申し上げられるものはございませんけれども、そうした御指摘も踏まえながら、今回の総合確保促進会議の中でも、また私どもが医療のほうで進めております医療計画の検討会等も含めて、どういったスケジュールで進めるのがいいのかということについては、事務局としてもしっかり考えていきたいと思っております。
もう一点、かかりつけ医の関係でございますので、それは総務課長からお答えさせていただきたいと思います。
○岡本課長 医政局の総務課長でございます。
かかりつけ医の関係につきましては、御承知のとおりかと思いますが、今年の骨太の方針において、かかりつけ医機能が発揮される制度整備について検討していくことが決定をされております。かかりつけ医機能につきましては、医療計画の検討会でも御議論いただいておりますが、関係者の中でこのかかりつけ医なり、かかりつけ医機能というものについて、いろいろなイメージなり御議論があるかと思います。その上で非常に大事な問題ではありますので、そういった多様な観点を踏まえて、丁寧にかつ速やかにしっかり検討していきたいと考えております。
○田中座長 河本構成員、よろしゅうございますか。
○河本構成員 先ほども申し上げたとおり、医療計画が2029年までの計画ということでございますし、今回の総合確保方針というのは、当然その辺りまで視野に入れた方針だと思いますので、地域医療構想等の関係も含めて整合性が取れるような御検討をお願いしたいと考えます。
以上でございます。
○田中座長 ありがとうございます。
続けて、安藤構成員、お願いいたします。
○安藤構成員 ありがとうございます。
資料2につきまして総合的に意見を述べさせていただきます。
昨年の10月の会議でも同様のことを申し上げましたが、次期改定は2025年に向けた最後の改定となります。コロナ禍にありましても、人口動態の変化の情勢が変わっておらず、急速な高齢化が進行し続けております。総合確保方針では、2025年を見据え、こうした中で切れ目のない医療及び介護の提供体制を構築し、国民一人一人の自立と尊厳を支えるケアを将来にわたって持続的に実現していくことを医療及び介護の総合的な確保の意義と定めてきておりますが、この点に変わりはなく、むしろ、2025年が間近に迫る中で、さらに重要性が増していると考えております。
また、高齢化の進行状況が地域によって異なる中、医療と介護のきめ細かい連携がますます重要になってきておりますが、医療は都道府県が計画を立て、介護は市町村が計画を立てるという制度の立てつけの違いゆえに、都道府県、市町村ともに、医療・介護ニーズの実態を把握し難いという課題があるように思います。総合確保方針は、こうした課題を乗り越え、医療と介護の連携強化を進めていく上で柱となるものであると考えております。
来年度は、都道府県におきまして、資料13ページに掲げられました第8次医療計画、第9期介護保険事業支援計画のみならず、医療費適正化計画、健康増進計画等を策定し、いずれも再来年度の2024年度から開始することになっております。また、2024年度には、診療報酬と介護報酬の同時改定が行われます。かかりつけ医機能や地域包括ケアシステム等、これらの計画や報酬改定に深く関わる概念について、総合確保方針にもしっかりと具体的な記載を盛り込んでいくことが必要であると考えております。
例えば、地域医療構想につきましては、入院医療の機能分化・連携に欠かせない施策であるにもかかわらず、新型コロナの影響もありまして、昨年度は関係審議会等が開催されていない都道府県もございました。こうした重要な取組が確実に推進されるよう、今回の総合確保方針の改定を通じて後押しをしていく必要があると考えます。
また、高齢者人口のピークを迎える2040年に向けて、サービス提供人材の確保及び医療・介護現場のデジタル化の推進は最優先課題であると思っております。先を見据えたタスクシェアリングの推進や、ICT技術、介護ロボット、介護助手の活用、オンライン資格確認等システム等の環境整備について、データに基づく適切な効果検証を通じて、医療・介護現場の負担軽減及び医療・介護の質の向上につながるよう、実効性のある施策を盛り込んでいくことが重要であると考えます。
特に医療においては、オンライン資格確認等システム等の活用が進む一方で、介護についてはデジタル化が進んでいない状況にあります。医療・介護連携を強化していく上で、医療・介護現場における医療関係者、介護関係者相互間の情報共有がスムーズに行われることは大前提となるものであり、積極的に進める必要があります。こうした課題を踏まえ、次期改定に向け、本会議において総合的な議論を行っていく必要があると考えております。事務局におかれましては、会議の開催頻度を含め、今後の議論の具体的な進め方の検討をぜひよろしくお願いいたします。
以上です。
○田中座長 貴重な御意見をありがとうございました。
次は、山際構成員、お願いします。
○山際構成員 ありがとうございます。民間介護委員会の山際です。
私からは2点、意見を申し上げたいと思います。
まず1点目ですが、8ページの論点1、9ページの論点2に関わる内容です。2040年に向けて、地域における人口構造であるとか地域の実情が異なっていくということで、当然それぞれの実情に合った提供サービスを構築していく必要がありますが、一方で、地域経済に占める医療・介護事業の影響度であるとか、地域での雇用の比重は高まることになると思います。限られた財源の中で利用者、地域住民を支えていくためには、より効果的で効率的なサービス体系を構築していく必要があると考えています。
例えば、介護の今回の基金の区分Ⅲにある「介護施設等の整備に関する事業」の使用に当たっても、地域密着型サービス、例えば、小規模多機能であるとか、看護小規模多機能、あるいは定期巡回、こうした包括ケアで利用者を支えながら、比較的低額の財政支出で済むサービスの拡充を図っていく必要があると考えています。
また、これらのサービスは、介護だけではなくて、地域の高齢者に必要な生活支援サービスを提供する拠点ともなり得るものになりますので、これらのサービスの位置づけを高める必要があると考えています。これが1点目です。
2点目は、10ページの論点3、サービス提供体制の人材の確保に関わる点です。当然、処遇改善とかICT化による生産性の向上は極めて重要だと考えています。一方で、介護人材確保の独自の取組も必要だと考えています。
各都道府県では、先ほど御紹介があったとおり、基金の活用によって多様な取組が行われています。例えば、教育現場で介護の出前講座のような取組も行われているということで、非常に多種多様な取組が行われております。前年のこの会議の場でも申し上げたのですが、こうした取組メニューの拡充を図っていく。あわせて、地域に対して見える化を進めて、ぜひ、官民一体、地域住民も含めた形で取組を進める必要があるだろうと思っております。特に、在宅系サービス、訪問介護等々での人手不足は危機的状況にあって、基金を活用した人材確保の独自の取組を重要視しなければ、今後、こうしたサービスの基盤そのものが崩れていってしまうという非常に危機感を持っているということです。
以上2点、意見を申し上げました。
○田中座長 危機感を含めて、御意見ありがとうございました。
山口構成員、お願いいたします。
○山口構成員 ありがとうございます。山口でございます。
幾つか意見がございますけれども、資料2の8ページにある論点1のところですが、非常に急激に人口構成が変わってくるということを考えますと、地域差が非常に出てくると思っています。そういうことから言いますと、医療圏の見直しが必要な地域も出てくるのではないかなと考えていますので、全ての2次医療圏の見直しということではなくて、見直しを必要とするような地域をしっかりと見極めていくことも考える必要があるのではないかなと思っています。
次の論点2の9ページのところですけれども、2つ目の○のところで、国民目線で提供体制の改革を進めると書いてあります。これは恐らく新興感染症などのときに今回のコロナのように非常に困るような事態にならないように、有事でも患者が困らない安心できる制度改革を進めるという意味で国民目線と書いてあるのだと思いますが、その次の下の○のところで、例えば、医療機能の分化・連携、外来医療・在宅医療については外来機能報告が今年度から始まりますし、紹介受診重点医療機関という新しい名称も出てまいります。そして、かかりつけ医機能が発揮されることとか、オンライン資格確認によって情報提供、情報の共有、あるいは電子処方箋という患者を取り巻く環境が急激に大きく変化してきています。
ところが、そういったことがほとんどの方は置いてきぼりになっていて、患者が我が事として考えられるような身近な情報になり得ていないという現状があるのではないかなと思っています。
ですので、今、申し上げたようなことは、国民が理解した上で行動変容が求められる部分だと思いますので、どうすれば実効性のある国民への周知を図っていくのか、その辺りの事務局のお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。いつも上手な医療のかかり方のキャンペーンの話が出てくるのですけれども、それではなかなか追いつかないようなたくさんの変化が今起きていると思いますので、その辺りをお聞かせいただきたいと思います。
論点3のところでタスクシェアとかタスクシフトのことが書いてございます。これは医療界の中で一生懸命今取組をされているのですけれども、私はこれも患者の理解がないと実現ができないと思っています。例えば、チーム医療はどんどん推進されていきましたけれども、実は多くの患者、家族の視点の先にはまだ医師しか目に入っていないという現状があります。そうすると、例えば、チーム医療も有効に働くとすれば、今、患者をチームの一員に入れてくださってのチーム医療というのをつくってくださっているのですけれども、そこを構成しているいろいろな職種の専門性や役割が理解されないと、患者が期待を分散させることもできないのです。ですので、このチーム医療がしっかりと機能すること、そして、いろいろな職種の方の専門性や役割を理解した上でどんなことをシェアするのか、シフトするのかということをしっかりと国民が理解していける情報提供の在り方が必要ではないかと思います。
医療界だけで頑張っていてもこれはなかなか進まないですので、例えば今、患者の家族に病気の治療の説明をするときに、忙しいから夜にしてくれとか、土日に説明してくれということが医師の長時間労働にも関係してくるということも言われています。だとすれば、医療界と経済界とかに働きかけをして、まずは大手の企業から、そういった家族への説明のときは仕事を抜けてもいいのだ、それが当たり前になるような社会をつくっていかないといけないのではないかなと思いますので、そういった医療界、経済界を挙げての連携もこれからは必要ではないかなと思っています。
最後に論点4のところですけれども、ずっと医療・介護を切れ目なくということが言われてまいりました。ところが、一般の人にとって、医療・介護を切れ目なく使うにはどうすればいいか、どんなものが使えるかという情報がなかなか到達できない現状があります。私は、前からワンストップの相談窓口が必要ではないかと申し上げていたのですけれども、今、ICTが本当に進んできていますので、患者、国民が医療・介護を切れ目なく使うための情報が手に入るようなICTを使った情報システムを、国を挙げて構築していく必要があるのではないかなということもお願いしたいと思います。
以上です。
○田中座長 ありがとうございました。
論点2について事務局の考えを聞きたいという御質問がございました。
○鷲見課長 地域医療計画課長でございます。
まず、医療圏の見直しなどにつきまして、私どもの医療計画の検討会の中でも御議論なされているところでございますので、いずれにしましても、適切な医療を提供できるためには、どういったサイズがいいのかということを地域においてしっかり議論していただくことが重要だと思っておりまして、その辺りについて、そちらの検討会、ワーキングのほうでも議論させていただければと思います。
また、2つ目の論点で、国民目線でしっかりと議論することが必要だと理解しております。御指摘のように、紹介受診重点医療機関などにおきましても、患者さんの円滑な外来受診を進める上では、患者さんにその制度自体をしっかり理解していただくことが非常に重要になると思いますし、また、先ほどのタスクシフトシェアみたいな形におきましても、患者さんの協力というものも非常に重要になってくるだろうと思っております。
そうした中で、上手な医療のかかり方ということで私どもも進めているところでございますが、改めてこうした制度の理解、協力を求める上で、どういった形で国民の方々にうまく制度を説明しながら御協力を求められるのかを考えていきたいと思います。
以上でございます。
○田中座長 山口構成員、よろしゅうございますか。
○山口構成員 ぜひ、本当に実効性のある周知を進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○田中座長 続きまして、平石構成員、お願いいたします。
○平石構成員 全国老施協の平石です。
私から、5ページのICT・ロボット活用による職員負担の軽減、10ページのサービス提供人材の確保と働き方改革について、2点、要望を申し上げたいと思います。
これについては全老健の構成員の方から要望がありましたけれども、せっかく基金でメニューを設けたICT・ロボットに関する補助事業が、都道府県の予算措置が十分にできないといったところで、事業所がメニューを活用できないケースが少なくありません。全国老施協としましては、ICT・ロボットの活用は介護職員の身体的負担軽減のみならず、介護人材の確保に不可欠なものであると考えておりますので、こうした状況を打破するために、基金制度の改善を強く要望したいと思います。
ここから具体的な提案なのですけれども、まず1点目は、政策効果が高くて、地域に偏りがなく推進すべきものについては、国の10分の10負担の特別枠を設けるとか、国の10分の10負担の交付金制度の創設などをお願いしたいと思っております。これが1点目です。
2点目につきましては、繰り返しになるのですけれども、これらの制度の創設までの間は、現在の補助制度を十分に活用できるようにするため、国から都道府県に対して予算化に努めるよう強力な御指導をお願いしたいと思っています。
以上です。
○田中座長 御要望をありがとうございました。
次は、小林参考人、お願いします。
○小林参考人 ありがとうございます。
論点について細かく3つと、もう一つ追加でも意見を申し上げます。
1つは資料の10ページ目の医師の働き方改革に関してですが、2024年4月より時間外労働の上限規制の適用が始まります。総合確保方針は2040年を見据えることが重要だと私たちも考えておりますが、まずは足元の課題に着実に取り組むことも重要ですので、基金事業に限らず、医師の勤務環境改善に向けた取組を進めるべきと考えます。
同じ10ページの介護につきまして、2040年までの介護事業の推計、新型コロナウイルス感染症の拡大でさらに少子化が深刻度を増しているといった状況を踏まえますと、介護人材の処遇改善による介護人材の確保を通じて、介護保険サービスを持続可能なものにしていくことが大きな課題だと考えます。
資料の12ページ目の地域共生社会の関係です。地域共生社会づくりに当たっては、医療・介護提供体制の確保はもちろんのことですが、住まいの確保という観点も重要と考えております。誰もが住居を確保して住み慣れた地域で安心して暮らしていける社会の実現、また安心な住まいの確保に向けた居住環境の改善に向けた取組も進めていく必要があると考えております。
最後に、総合確保方針の改定の検討に当たっては、感染症への拡大の対応のみならず、中長期の視点で人口構造の変化など2040年を見据えることは本当に重要だと考えております。ただ、現在のような急激な感染拡大がエッセンシャルワークや現場にどのような影響をもたらしているのか、また、それに対してどのような対策が求められるのか、今後の計画づくりに当たってもこうした点をきちんと考慮していくことも必要と考えます。資料の9ページにも若干その点は書いてあると思っておりますが、そのことが患者や住民の安心につながると思っております。
これに関連して、恐縮ですが、現在の状況に対する現場労働者からのお願いを簡潔に申し上げますので、5点、お聞きいただけないかと思います。
1つは、重点医療機関の現場では、軽症患者が診療所などから紹介されたり、患者側も不安を理由に入院を求めてきたりするために、短期間だけ入院してすぐに自宅療養やホテル療養に切り替える事例があることから、現在の感染症下での入院基準を明確にしていただきたいということ。
2つ目、患者の急増で、コロナ対応を行っている医療機関では、救急外来や一般診療を制限せざるを得ない状況にあり、こうした医療機関が不利にならないように、現在の病床確保料を10月以降も継続するなどの支援が必要だということ。
3点目に、医療・介護などエッセンシャルワーカーの処遇改善、勤務環境の改善はコロナ以前からの大きな課題ですので、業務に見合った処遇に引き上げるのはもちろんのこと、この間自らの感染を防ぐために外食や旅行を控えたり、家族や友人と過ごす時間を大幅に減らしたりと、私生活も含めて制限を受けてきている中で、業務だけでなくそうした献身的努力にも見合った評価を行うべきということ。
4つ目、濃厚接触者の増加に対応する欠員補充が現在もままならない実態に対して、実効性ある対応策を講じるとともに、今後の計画策定時を含め、平時から体制構築を検討しておくべきであること。
最後に、関連する事項としてということですが、今、保健所の業務が全く追いついていない状況、市中感染によって積極的疫学調査が意味をなしていない状況に対して、現在の現場実態に合わせて業務を簡素化するなどの改善が必要であること。
以上、5点の要望を申し添えておきます。長くなり失礼いたしました。
○田中座長 ありがとうございます。
次は、森構成員、お願いいたします。
○森構成員 ありがとうございます。日本薬剤師会の森でございます。
総合確保方針の改定に当たって盛り込むべき視点について、おおむね異論はございません。その中で幾つか意見を述べさせていただきます。
まず、制度改正事項や新型コロナウイルス感染症の蔓延、働き方改革、デジタル化の推進などにより医療・介護を取り巻く環境は大きく変化しています。そうした中、もう一つ大きな変化として医薬品の供給問題があります。昨日、カロナール不足の報道があったと思いますけれども、現状、後発品のみならず先発品も含め、医薬品の供給問題は大きな支障を来しており、いつ解消されるのか見通しも不明です。国民への医療提供は、医薬品の安定供給が不可欠です。医薬品の安定供給があってこそ、安全・安心で質の高い医療が実現します。
また、医療は医療計画に従って各都道府県が整備を行っていますが、医薬品提供に関する計画の記載がありません。今後、人口減少、過疎化が進む中、日本のどこにいても地域住民が必要なときに必要な医薬品にスムーズにアクセスできるよう、地域医療計画に連動した医薬品提供に関する計画も必要です。総合確保方針には医薬品の安定供給や医薬品提供に関する計画の視点をぜひ入れていただきたいと思っております。
また、資料1の10ページ目と35ページ目に令和3年度の医療・介護交付状況がありますが、医療・介護ともに予算の半分を人材確保が占めており、医療・介護の体制確保のために人材の確保が大きな課題となっていることが資料から見てとれます。2022年度版厚生労働白書原案で、2040年に医療・福祉人材が96万人不足するとの報道がありましたが、働き世代が減少し、人材確保がこれまで以上に課題となってくると考えます。さらに働き方改革が進み、それぞれの働き方に合わせた人材活用をどうするのかについての検討も必要と思っております。
また、基金の対象事業の範囲についてですけれども、医療従事者の確保に関する事業に、例示として薬剤師の確保についての記載がありません。そのためなかなか活用が進んでいません。例示として入れていただけるようにお願いしたいと思います。
最後にデジタル化ですけれども、医療・介護連携を推進する観点から、医療・介護事業者の間で患者や利用者の情報を共有・活用していくことが重要で、患者や利用者の情報のみならず、医療・介護事業者間でやり取りする文書情報についても、既存のオンライン資格確認等システムのネットワーク上で照会、受信できるようにする必要があると考えます。そのためには、共有化するための情報基盤の整備、共有すべき情報の整備、共有する情報の電子化、標準化が必要で、医療情報については基盤構築に向けた議論が進められていますが、介護情報の共有も視野に早急に進めていく必要があると思います。
私からは以上です。
○田中座長 御要望、御意見ありがとうございました。
次に、七種構成員、お願いいたします。
○七種構成員 ありがとうございます。
私からは2点、意見を言わせていただきます。
まず、論点3のサービス提供人材の確保と働き方改革についてです。人材確保、また現在の業務負担軽減と効率化です。これは非常に大きな今後の課題と考えています。令和3年度の計画で実施する事業についても、施設整備よりも介護従事者の確保の額が上回っていますので、その点について、その課題に対応したものと評価しています。
今後について、施設整備も重要ではあるのですけれども、人材確保はそれ以上に重要かつ困難な課題と考えています。施設整備によって器はできてしまっても、そこで従事する職員が確保できないという問題とか、限られた人員の中で効率的に業務が進められないという問題が現場の中で起きています。そうなってしまうと、その地域の介護事業が地域の中で十分な機能を発揮できないということも考えられます。実際に生産年齢人口がさらに減少するという状況の中で、現在の人材確保については即効性のある取組というのはもう限界があるのかと考えます。そういう意味では、ICTやロボットの活用がますます重要視されていると思いますし、人でしかできない業務とICTなどで補完できる業務の検証が常に促進されていかなければいけない。促進させるためには、医療・介護現場でそういった機器がしっかり導入されて、現場で検証されていく仕組みがなければ、ICTの進化、介護ロボットの進化というのはなかなか実際に伴わないかなというのが危惧されるところです。やはり医療・介護の現場で使われてこそ、課題とか利点が見えてきますので、ぜひそういったところも考えていただければと思います。
そういった意味では、先ほども御意見がありましたけれども、都道府県独自の運用にルールがあって、それが逆に導入のハードルになっている可能性もあるかと思いますので、その辺りも情報収集をしていただいて、今後も適切かつ柔軟な運用体制が構築できるように、厚生労働省と都道府県とが連携を取って進めていくという形で記載いただければありがたいかなと思います。
もう一つ、論点5の地域共生社会づくりです。実際に、孤独・孤立、生活困窮の問題というのが挙がっていますけれども、社会的に大きな問題として仕事と介護の両立とかヤングケアラーの問題がクローズアップされていますし、厚生労働省のほうでもかなり取組を進められていると思います。そこは全体の共通認識として考えていくべき問題かと思いますので、その点も取組を促進させる課題としていろいろなところで明示しながら信号を出していっていただければありがたいかなと思います。
私からは以上です。
○田中座長 課題提起を含めた御意見ありがとうございました。
次に、井上構成員、お願いいたします。
○井上(由)構成員 ありがとうございます。
私からは3点の意見を述べさせていただきます。住まい、介護の在宅サービス、施設整備の3つです。
まず1点目の住まいについてです。住まいには、介護保険施設やグループホームやサ高住のような特別な住まいと一般の住まいがあります。一般の在宅で居住不安定層が増えていまして、基盤としての住宅がぐらついているという段階になっています。特に、民間賃貸に住む単身の低所得の高齢者が急増していまして、住宅の費用負担がとても厳しくなっています。この層についての集中的な経済的な支援が必要なのではないかと考えています。
一方、持ち家層でも見守りとか買い物とか食事、金銭管理などでの生活支援が必要で、今の自宅に住み続けるのが難しくなっているという事例が増えています。住まいの問題について、実態把握をしながら介護保険で幅広く対応していくこと、介護保険の低所得対策で対応していくこと、社会扶助で対応していくことについての議論を始めてはどうかというのが1点目です。
2点目が介護の在宅サービスについてです。先ほど山際構成員からも御意見がありましたけれども、医療については地域医療構想に基づいて最適化を目指しているわけですけれども、介護についても同様の視点が必要ではないかと考えています。具体的には、定期巡回とか小規模とか看多機などの包括報酬で柔軟な運用のサービスが伸びていない実態があります。これらのサービスを強化していく、あるいはそれに代わるケアマネジメントを含めた複合的な在宅サービスの在り方を考える必要があるのではないかというのが2点目です。
3点目が施設整備についてです。高齢者人口が減ってくる地域では、施設をこれまでと同じ規模で同じ仕組みで再整備することは難しくなってきています。施設そのもののベッド数をダウンサイジングして、そこに在宅系の拠点、社会参加の場、生活支援を提供するソーシャルビジネスといったものが交錯化された拠点が必要になってくると理解をしています。今後、施設の整備量とその在り方について、2040年以降も見据えて保険者単位で推計と議論を行う必要があるのではないかと考えています。
以上3点の意見を述べさせていただきました。ありがとうございます。
○田中座長 3つの論点について御意見ありがとうございました。
次に、杉浦構成員、お願いいたします。
○杉浦構成員 ありがとうございます。
私からは2点にわたりまして意見を申し上げたいと思います。
1点目でございますけれども、今回の論点の中でも、新型コロナのことについて触れられているわけですが、中山間地域あるいは離島においては、地理的要因によって医療資源が非常に脆弱な町村が存在するということです。今回のような新型コロナウイルス感染症の拡大という場合にも、これについては国や都道府県による可及的速やかな支援ができるような体制を取るという観点が必要だと思っております。
2点目です。介護人材の確保についてでございますけれども、「離島、中山間地域等における介護人材確保支援事業」、あるいは「市区町村介護人材各プラットフォーム確保構築事業」はもう既に基金のメニューに追加されています。こういった中で、都道府県の広域支援も明記されているわけですが、これを裏打ちするために、広域的連携を支援する制度構築については十分に議論されなければいけないと思います。
今後とも、どのように促進し、どのように進化させるのか、具体化をどのように担保していくのかについても議論すべきと思います。
以上、2点でございます。
○田中座長 議論すべき点の提示をありがとうございました。
加納構成員、お願いいたします。
○加納構成員 ありがとうございます。
私からは新興感染症と論点4と3について御質問と提案をさせていただきたいと思います。
まず、新興感染症に関しましては、今、第7波の凄まじい拡大の中で多くの病院が必死にやっております。多くの介護施設でもクラスターが起き、大変な状況になっております。そういう中で、対応をよろしくお願いしたいと思います。
私の地元の大阪の例でいきますと、中小の二次救急の民間病院を主体に、保健所対応のコロナ入院患者に関しては、民間が7割近くまで受け入れをしており、さらにそれに加えて、救急等から多くの保健所対応外の陽性入院患者の受け入れも行なっています。これらを含めた受け入れ実態を正しく評価し、中小病院を含めた現実的な対策を打ち出していただきたいと思います。
論点4に関してです。我々に取りまして、本当にイニシャルコストと同時にランニングコストが非常に大きく、経済負担がかかっています。今回は更にいろいろなウイルスに関するセキュリティーの問題が発生しています。このような状況下ですので、単にイニシャルコストだけではなくてランニングコスト等も含めて継続できるような推進をお願いしたいというのが論点4の意見でございます。
続けて論点3でございますが、これも2040年に向けて生産年齢人口が急減する中で、現実的に我々はいろいろな対策を練らなくてはいけないと思っております。ICTや介護ロボットを使ってという方策もあるのですが、我々の業務においてはなかなか難しいところもあります。ただ、他産業においてはかなり進歩的な適用がなされるならば、もしかしたら生産人口が医療・介護の業界へシフトできることも考えられるのではないかと思います。そういうシフトのことも考えていただきたいと思います。
もう一つなのですが、我々、現実的にはもう既に特定技能とか外国人技能実習生の雇用を多くの分野でやっております。この点について医療の中でも介護の中でも多くの施設がもう既に取り組んでいるわけなのですが、これに関しての論点をこの中で加えることは考えておられないのでしょうか。
以上です。
○田中座長 最後の点は質問ですか。
○加納構成員 質問です。
○田中座長 お答えをお願いします。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。
人材の確保という観点から幅広く御議論いただければと思っておりますので、これは私ども事務局として論点をお示しさせていただいてございますが、それにつきまして、構成員の皆様からいただいた御指摘を踏まえまして、また内容について議論していきたいと思ってございます。
○加納構成員 外国人に関する雇用の論点はもう避けて通れないのではないかと思っておりますので、ぜひとも加えていただきたいと思っております。
以上です。
○田中座長 ありがとうございました。
今村構成員、お願いいたします。
○今村構成員 ありがとうございます。日本介護福祉士会の今村でございます。
私からは論点3、サービス提供人材の確保と働き方改革について意見を述べさせていただきます。
生産年齢人口の減少に伴う人材不足が続いていく中、質の高い人材を継続的に確保していくことが不可欠であるとなっておりますので、そういう意味で申し上げますと、利用者の視点に立って切れ目のない医療及び介護の提供体制を構築し、国民一人一人の自立と尊厳を支えるケアを将来的にわたって、持続的に実現していくことが総合的な確保の意義であるということを踏まえますと、介護現場における生産性の向上というものは、今後ますます重要になっていくことは当然であろうかと考えます。
しかしながら、サービス提供者本位の合理化ではないことを明確にした上で、当該取組等を推進していくためには、常にサービスを利用する方々の立場に立ち、慎重にかつ丁寧な議論を積み重ねていただくことが重要であり、そのことがサービスの質の確保につながるものではないかと考えるということを意見として述べさせていただきます。
以上です。
○田中座長 ありがとうございました。
美原構成員、お願いします。
○美原構成員 ありがとうございます。
僕がお話ししたいのは、先ほど加納先生がおっしゃっていました論点4の問題です。デジタル化において、イニシャルコストは基金で賄えるけれども、メンテナンスフィー、ランニングコストのことに関してもある程度考えていただかないと、現場としては大変に困難なものがあるということです。
もう一つは、デジタル化だけでいいのかということです。やはりDXで、トランスフォーメーションがないといけないのではないか。例えば、音楽の配信サービスで、レコードからCDにデジタル化が進んだとしても、それがユーザーのお客さんに回るときには、レコードと同じように工場でCDをつくり、販売店に売って、販売コストがかかってお客さんに渡る。しかしながら、今は音楽配信サービスができて、デジタル化されたものがそのまま直接ユーザーのところに行くようになって、そこのところにトランスレーションというか変革が起こったわけです。
何が言いたいのかというと、医療においてDXは必須だろうと思っていますが、ただ単にデジタル化ということだけではなくて、それによって医療の提供体制がいい方向で変革するようなことも考えながら実施していただければと思います。
以上です。
○田中座長 御意見ありがとうございました。
齋藤構成員、お願いいたします。
○齋藤構成員 日本看護協会の齋藤でございます。
私は論点4以外のところで意見を述べます。
1つ目、人口構造の変化への対応につきましては、85歳以上の方々というのは、当然医療と介護両方のニーズがあり、そしてこれからは恐らく経済格差、生活困窮といった要素が加わり、1人の人が複合的なニーズを持って、在宅療養することになるのではないかと思っています。
先ほど来、地域密着型のサービスをもう少し重点的にというご意見がありまして、私も全く同意見でございます。市町村で介護保険事業計画等々を立てるときに、今後は在宅医療のニーズが増えてくるのだということをしっかりと認識していただいて、小規模多機能あるいは定期巡回、看護小規模多機能を整備計画の中でしっかりと位置づけていくことが大事ではないかと思っております。
2点目の地域完結型につきましては、やはりコロナ禍でいろいろな問題が顕在化しましたので、コロナ禍で明らかになった医療と介護の課題もしっかりと確保方針の中に位置づけていく必要があると思います。自然災害の発生、あるいは、このような感染症流行時の対策といったときに、医療・介護サービスが継続してきちんと提供できるための地域連携が大変重要になると思いますので、この辺りの明記をしっかりしていくことが必要だと思います。
3点目の人材確保につきまして異論はないのですけれども、私が時々気になっているのは、チーム医療という使い方です。実は介護もチームでございまして、所属組織はそれぞれ違っても、地域の中で一人の療養者にチームで関わっていくという考え方にこれからは当然なりますし、今もそうだと思っております。また、ここに書かれている介護の人材確保の課題は、当然医療にも共通するものだと思います。ですので、医療と介護で書き分けるというよりは、これから本当に18歳人口がどんどん減っていく中での人材確保を考えていかなければならないので、あまり書き分ける必要もないのではないかと考えております。
最後、地域共生社会づくりのところでは、昨年度の会議で、地域包括ケアシステムの深化、充実の先に地域共生社会があるのだと申し上げましたので、今回のお示しされた中身につきましては全面的に賛成したいと思っております。
先ほど85歳以上の方々の増加というところでも申し上げましたけれども、医療と介護の連携だけでは解決が難しいこともございますので、利用者や住民のニーズに沿った支援を切れ目なくかつ柔軟に提供できる地域づくりにつきましては、国や都道府県の役割として、しっかりと明示することも必要だと思います。
地域共生社会の概念である、縦割りを超えるですとか、受け手、支え手の関係を超える、あるいは世代や分野を超えるということは、既存の制度とかサービスの在り方自体が問われてくることにもなりますので、確保の方針にどこまで書き込むかというのはなかなか難しいということも承知はしているのですけれども、当面の課題としては、関連する事業計画との整合性の確保が必要なのではないかと考えております。都道府県や市町村の計画策定の中で医療と介護の整合性のみならず、障害福祉、あるいは子育て支援計画といった辺りの福祉分野の計画との整合性も大変重要になってくると思いますので、このことも適宜方針の中に反映されるべきではないかと思っております。
私からは以上です。
○田中座長 いずれも重要な論点をありがとうございました。
武久構成員、お願いいたします。
○武久構成員 日本慢性期医療協会の武久でございます。
10ページの論点3のことについてお話をしたいと思います。医療と介護の間を高齢患者さんが行ったり来たりしているというのが現状でありまして、急性期病院でも高齢患者さんが8割近くになっている状況下で、実は慢性期医療の立場、また回復期の立場で話しますと、急性期病院から要介護者がたくさん紹介されてくるという現状がございます。このことについては、急性期医療に介護職員が十分にいないということもあると思いますし、夜勤の看護師さんが少ないために、高齢者で夜中にトイレに行ったり、認知症の人もいたりということで、実際、急性期病院の現場は大変困ってらっしゃると思うのですが、ここに介護職員の病棟必置とか、リハビリ職員の配備が全然なされておりません。
結果として、回復期リハとか慢性期のほうに介護の必要な患者さんがどんどん送られてくる。要するに、要介護者がどんどん増えている。その元はというと急性期医療のウエートが非常に高い。しかも、介護保険では介護に補助金が出ておりますけれども、病院では介護職員には国からの給付金は一切出ておりません。したがって、介護職員の人はどちらかというと介護施設のほうに主に就職したいという要望がございまして、急性期医療の病院のほうには非常に少なくなって、看護師さんが介護のことを中心にやらざるを得ないという非常に気の毒な状況にもなっている。また、夜勤の数が少ないために、夜は抑制をしたり、膀胱にバルーンカテーテルを入れたりという病棟も中にはありますので、そうなってくると、2週間、3週間入院していると動けなくなってしまう。
ここの論点3のところで、ぜひ、急性期医療の病棟に介護職員やリハビリ職員を必置ということにしていただかないと、介護と医療の間を取り持ってくれる非常に貴重な科がなかなかうまくいかないということになっては困ります。行く行くは要介護者が減るという方向に行くためには、やはり元から要介護にならないような仕組みをはっきりとさせないといけないので、この論点3において、もう一度、医療側と医政局と保険局と老健局とが話し合って、何とかして急性期医療で要介護者になりかける人を減らしていただくような予防的な措置というのが、私はここの中では非常に重要になると思いますので、ぜひ皆さんに御協力いただきたいと思います。ありがとうございました。
○田中座長 重要な御指摘をありがとうございました。
渕野構成員、お願いいたします。
○渕野構成員 ありがとうございます。渕野です。
今まで委員の方々が述べられたことなので、2点だけ簡単に要望だけお願いいたします。
人材確保についてですけれども、先ほども先生が述べられましたように、職員の医療従事者の特に看護職をはじめ、補助看護師さんとかいろいろいらっしゃるわけですけれども、そういう人たちの収入が上がるように、そういう制度にしていただければなということ。
もう一つは、先ほどもどなたかが述べられたように、デジタル化を導入するのは大変重要なことなのですが、その後の保守だ、メンテだ、サイバー攻撃に対する保険だとか、その辺のことがかなりかかりますので、それも考慮に入れていただきたいという2点だけでございます。
以上です。
○田中座長 ありがとうございました。
次に、渡辺構成員、お願いいたします。
○渡辺構成員 ありがとうございます。高齢社会をよくする女性の会の渡辺と申します。
1点、要望させていただきます。
今回のコロナ禍で、高齢者のコロナ重症患者に対する治療の海外と日本の差というものは皆さんお気づきになられたと思うのですけれども、医療の現場においては、まだまだ御高齢の方がどうやって高齢期を過ごし、最期を迎えられていくかということに対する御自身の認識、また御家族の認識が大変不足しております。厚労省及び日本医師会において、せっかく御指導いただいていました人生会議というシステム、ACPを推進していこうという動きですけれども、これがなかなか現場でも目に見える形でなされていないのが現状でございます。
ぜひ、このデータベースの中に積極的に、人生会議、ACP、シェアード・ディシジョン・メイキングなどを盛り込んでいただいて、それを活用することによって、御本人の納得と満足、そして御家族の後悔を少なくして、よりよい人生の最期を送っていただく。その中には、できる医療を何でもやっていくというのは決して御本人及び御家族の幸福にはつながらないこともあると申し添えておきます。人生会議が推進されることによって、このシステム全体がうまく回っていくことが考えられると思っております。
以上でございます。ありがとうございました。
○田中座長 大変大切な点です。ありがとうございました。
一わたりよろしゅうございますか。
皆様から様々な御意見ありがとうございました。
簡単にまとめると、議題1については、基金の平成26年から令和2年度の執行状況、令和3年度の交付状況、さらに地域医療介護総合確保基金の医療分で実施された予算執行調査及び行政レビュー公開プロセスについて報告を受け議論を行いました。
都道府県においては、引き続き効果的な執行に努めるとともに、国は執行が遅れている都道府県のサポートをお願いいたします。
議題2については、総合確保方針の次期改定に向けた主な論点について説明を受け、議論が行われました。事務局は、構成員の皆様からの御意見を踏まえ、次回開催に向けて資料の作成をお願いします。
議論は続ければ幾らでもできるところですが、そろそろ終了予定時刻となりますので、本日はここまでといたします。
次回の日程について、事務局から連絡をお願いします。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。
次回の会議は9月30日を予定してございますが、詳細につきましてはまた追って御連絡させていただきます。本日はどうもありがとうございました。
○田中座長 以上をもって、第16回「医療介護総合確保促進会議」を終了いたします。皆様、どうもありがとうございました。