第10回 匿名医療情報等の提供に関する専門委員会 議事録

保険局医療介護連携政策課保険データ企画室

日 時

2022年6月8日(水) 13:00~17:00

場 所

Web

出席者

【専門委員】
・宇佐美 伸治(日本歯科医師会 常務理事)
・齋藤 俊哉(国民健康保険中央会 理事)
・鹿野 真弓(東京理科大学薬学部 教授)
・嵩 さやか(東北大学大学院法学研究科 教授)
・田尻 泰典(日本薬剤師会 副会長)
・東宮 秀夫(一般財団法人 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団 研修事業本部長)
・長島 公之(日本医師会 常任理事)
・中野 壮陛(公益財団法人医療機器センター 専務理事)
・中野 惠(健康保険組合連合会 参与)
・堀 真奈美(東海大学健康学部長 兼 健康マネジメント学科 教授)
・松田 晋哉(産業医科大学公衆衛生学 教授)
・宮島 香澄(日本テレビ報道局 解説委員)
・山本 隆一(一般財団法人医療情報システム開発センター 理事長)

議 題

  1. 1. 匿名レセプト情報等の第三者提供の現状について(報告)
  2. 2. DPCデータ(匿名診療等関連情報)に係る第三者提供の現状について(報告)
  3. 3. 第7回オープンデータの公表について
  4. 4. 不適切利用に関する注意喚起について
  5. 5. 個別審査(非公開)

議 事

※非公開部分を含みます。
山本委員長 それでは、定刻を過ぎましたので、ただいまから第10回「匿名医療情報等の提供に関する専門委員会」を開催いたします。
委員の皆様には、御多忙の折、御参加いただきまして、ありがとうございます。お礼を申し上げます。
まず最初に、委員の出欠状況について事務局から報告をお願いいたします。
牧戸室長補佐 よろしくお願いいたします。医療介護連携政策課の牧戸でございます。本日は御参加いただきまして、誠にありがとうございます。
今回は専門委員の皆様全てがウェブ参加と伺っております。
田中委員、中島委員は欠席となります。
齋藤委員は途中から参加される予定となっております。
なお、運営規程に基づいた開催要件は満たしておりますことを併せて御報告いたします。
山本委員長 それでは、早速、本日の議事に入りたいと思います。
カメラ撮りはここで御退出をお願いいたします。
 

(冒頭カメラ撮り終了)
 
山本委員長 最初に、議題1「匿名レセプト情報等の第三者提供の現状について(報告)」を議題とします。資料1の説明をお願いします。
牧戸室長補佐 よろしくお願いします。「匿名レセプト情報等の第三者提供の現状について(報告)」という資料を御覧ください。
まず、1ページになりますが、こちらは例年の恒例のものになりますけれども、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)のデータの格納件数を示させていただいております。レセプト情報に関しましては、2009年度から2021年12月診療分までで225億1500万件を格納しております。特定健診、特定保健指導データに関しましては、こちらは年1回の格納になりますが、2008年度から2020年度実施分までで3億4800万件を格納させていただいております。
続きまして、第三者提供の申出件数及び承諾件数の推移並びに提供依頼申出者の区分というスライドになります。
左側の棒グラフになりますが、第三者提供の申出件数及び承諾件数の推移を示させていただいております。2021年度に関しましては、2020年度と同規模の承諾件数・申出件数となっておりまして、2019年度と比較すると、やや減少となっております。原因といたしましては、コロナの影響で利用場所が確保できなくて見送ったケースだったり、2020年度から手数料納付の義務がございましたので、その関係で申出を断念される方。また、提供時間が遅れているということがございますので、そういったことも理由として考えられるのではないかと思っております。
右側に関しましては、提供申出者の区分となっております。2020年12月審査分から民間事業者も加わったというところで、それ以前とそれ以降と分けて円グラフで示させていただいております。民間事業者は、2020年12月審査分から22件となっておりまして、全体の約3分の1を占めているといったグラフとなっております。
続きまして、参考にはなるのですけれども、第三者提供のこれまで承諾された案件の一覧を示させていただいております。
以上になります。
山本委員長 どうもありがとうございました。
ただいまの事務局からの御説明及び資料に関しまして、御質問あるいは御意見がございましたら、よろしくお願いいたします。
どうぞ。
長島委員 日本医師会の長島です。
2ページの第三者提供の申出件数が2020~21年度で減っています。コロナの影響というのはやむを得ないのですが、手数料のために断念したものが増えたということは、できるだけ活用を増やしたいという観点からすると、何らかの検討も必要ではないかと思いますが、この手数料の断念ということはどのように評価されているのでしょうか、教えてください。
山本委員長 事務局、よろしいでしょうか。
牧戸室長補佐 ありがとうございます。
今まで、2020年12月以前は無料で提供していたところで、比較的アプローチしやすかったというのが2019年度で、ここではビッグデータの解析といったブームもあったと思うのですけれども、そういったことが相まって、2019年度はかなり多い件数だったのかなと推測しております。
手数料に関しましては、法の下の提供といったところで、義務となってしまったところもございますので、研究者にとっては負担になるのかなと思いますが、民間事業者からいたしますと、そこまで大きな負担ではない額になりますので、幅広い利活用の推進は進めさせていただきたいなと思っております。
山本委員長 ありがとうございます。
これは、公的な資金を取っていると手数料の減免があるのですね。
牧戸室長補佐 おっしゃるとおりです。厚労科研である科研費であったり、公的機関に関しましては手数料を徴収しておりません。
山本委員長
長島先生、よろしゅうございますか。
長島委員 民間事業者の活用というのも今後増やしたいところかと思いますので、その辺りのバランスというものを今後ぜひよく見ていただければと思います。
私からは以上です。
山本委員長 ありがとうございました。
今後、これは引き続き検討していきたいと思います。
それでは、堀先生、いかがでしょうか。
堀委員 2ページの右側の図について、ちょっとお伺いしたいのですが、提供依頼申出者の区分(2020年9月審査分まで)で、提供申出者の区分(件数)(12月審査分から)というのは、これは間の3か月はどういう扱いになっているのか。提供依頼申出者と提供申出者が当然違うということは理解しているのですけれども、もう少し説明していただいてもよろしいでしょうか。すみません。
山本委員長 事務局、お願いします。
牧戸室長補佐 ありがとうございます。
審査分は、レセプトの審査と紛らわしい記載となってしまって大変恐縮なのですけれども、専門委員会での審査といった意味になります。
堀委員 分かりました。レセプトなのかと思って、びっくりしました。
牧戸室長補佐 失礼いたしました。
堀委員 依頼申出者と申出者というのは、依頼は却下されたものも含まれるということですね。
牧戸室長補佐 こちらは、承諾された案件の内訳となっております。
堀委員 どちらもですか。
牧戸室長補佐 そうです。
堀委員 承諾されたうちの、提供依頼申出者と提供申出者の違いを、すみません、私が聞き漏らしていたのかもしれないのですけれども、もう一度教えていただいてもいいですか。
牧戸室長補佐 2020年9月、専門委員会での審査分までに関しましては、提供依頼申出者という名称になっていたのですけれども、こちらは個人単位で申し出していただいた経緯がございまして、その個人の所属する所属機関で上の円グラフはカウントさせていただいております。
下の円グラフに関しましては、提供申出者というものは、担当者等の所属機関が申出単位となっておりますので、そちらはそのままカウントさせていただいてます。
堀委員 分かりました。ありがとうございます。
山本委員長 それでは、中野委員、どうぞ。
中野(恵)委員 1ページのレセプト情報、その他データベースの格納件数についてですけれども、これは事務局としましては順調に推移していると理解されているということでよろしいでしょうか。確認だけです。
山本委員長 事務局、お願いします。
牧戸室長補佐 ありがとうございます。
2020年度は2019年度と比較して、やや減少しているようには見えますけれども、恐らくコロナの影響かなと考えております。2021年度に関しましては、12月診療分までなので何とも言えないのですが、2020年、2021年度を2019年度と比較しましたところ、DPCレセプトの減少が大きくなっておりました。急性期病院の入院や外来の件数が、2019年度と比較して少なくなっているといった内訳となっております。
中野(恵)委員 ありがとうございます。
山本委員長 ほか、いかがでしょうか。
よろしゅうございますか。225億件のレセプトは、かなり多いですね。多分、文句なしに世界最大の健康情報のデータベースですので、今後とも活用を進めていきたいと思っております。
引き続きまして、議題2「DPCデータ(匿名診療等関連情報)に係る第三者提供の現状について(報告)」ということで、事務局、お願いします。
金光課長補佐 保険局医療課でございます。
議題2、DPCデータの御説明を資料2に沿ってさしあげたいと思います。先ほどの資料1と同様の作りと考えてございます。「DPCデータに係る第三者提供の現状について(報告)」というものでございます。
ページ番号、2ページと振っておるところでございますが、これまでに公表された成果物の集計についてということで、2017年度より、専門委員会で承諾を受けた研究に対してDPCデータの第三者提供が開始されているところでございまして、こちらの棒グラフでは、2019年度以降のものについて、2021年度末時点ということで、その発表年度での推移をお示ししているところでございます。
3ページ、公表実績の一覧ということで、通番で1番から12番まで振ってございますけれども、こういった形で御報告いただいているというところの一覧表になってございます。
4ページでございますが、第三者提供の承諾件数の推移並びに提供申出者の区分といたしまして、左側の棒グラフでは、第三者提供の承諾件数の推移、2017年度から2021年度までお示ししてございます。
また、右側もNDBの際と同様でございますけれども、提供申出者の区分、2020年9月審査分までと2020年12月審査分からということで、分けてお示ししているところでございます。
以上、資料2の御説明でございます。
山本委員長 ありがとうございました。
ただいまの御説明に関しまして、御質問、御意見がございましたら、よろしくお願いいたします。
長島先生、どうぞ。
長島委員 DPCに関しては、今後、個票データの提供も始まると有用性が格段に上がるかと思いますので、ぜひその辺りも周知・宣伝をよろしくお願いいたします。
以上です。
山本委員長 ありがとうございます。
ほか、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。それでは、御報告ということで、これで終了したいと思います。
それでは、議題3「第7回NDBオープンデータの公表について」ということで、資料3の説明をお願いいたします。
牧戸室長補佐 よろしくお願いします。
「第7回NDBオープンデータの公表について」という資料3になります。
まず、1ページ目ですが、赤文字で示させていただいているのが、今回追加となる項目となっております。
公表データに関しましては、3の調剤報酬点数表項目が追加となっております。
対象期間ですが、1から6までに関しましては主にレセプト情報になりますが、2020年4月から2021年3月の診療分、7、8に関しましては特定健診の情報になりますが、2019年度実施分のものを第7回オープンデータとして公表する予定となっております。
公表項目の2ですが、歯科診療報酬点数表項目の赤字の部分が、主に加算の部分になりますが、追加となっております。
3に関しましては、調剤報酬点数表項目となっておりまして、全ての項目を赤字で示させていただいております。
続きまして、7になりますが、特定健診の検査項目となりまして、「CGA分類」というものを追加させていただいております。こちらは、既存の尿蛋白とGFRから集計したものになりまして、クロス表として慢性腎不全の重症度分類として示させていただいているものになります。
続きまして、公表形式になりますが、歯科診療報酬点数表項目に関しましては、診療月別の集計も行うといったところになっております。
続きまして、今後の方針といったところですが、NDBオープンデータの項目というものは、NDBオープンデータのホームページに寄せられました要望を参考にしまして掲載項目を増やしてきた結果でございますが、対応可能な事項につきましてはほぼ対応できたと考えております。今後は、NDBオープンデータのホームページのアクセス数等を指標に、NDBオープンデータ分析サイトといったユーザビリティーの観点から機能拡充を図る方針としてはどうかと考えております。
続きまして、第1回~3回、6、7回のNDBオープンデータ分析サイトの作成及び公表についてになります。
2020年度、第4回と第5回のNDBオープンデータに関しましては、ビジュアライズするためのBIツールを利用しまして、図表等を分かりやすく提示することで、NDBオープンデータの情報について理解しやすいサイトの作成を行いまして、2021年6月に公表させていただきました。今、第4回と第5回だけになりますが、第4、第5以外におきましても同様に作成及び公表を行う予定となっております。
こちらの赤字で示させていただいたところは、該当する帳票の一覧となりますが、前回と比較して追加となったところを赤字で示させていただいております。
資料3の説明は以上になります。
山本委員長 ありがとうございました。
ただいまの御説明に関しまして、御質問、御意見がありましたら、よろしくお願いします。
長島先生、どうぞ。
長島委員 ユーザーの意見をより集めやすくするために、例えばアンケートのような形で、ダウンロードする際に、どういう利用目途なのかとか、どのような団体なのかとか、任意で選択して回答できるもの。あるいは、利用後にこういう形でそれを活用して論文にしたとか、学会で報告したとか、後で報告してくれるような入力項目を設置する。あるいは、こういう改善要望があるものという形で、ユーザーの意見を吸収しやくするというのはいかがでしょうか。
山本委員長 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょうか。
牧戸室長補佐 御意見ありがとうございます。
実際、NDBオープンデータを使って論文を出されたといった報告も第三者提供窓口に寄せられておりますので、そういったところを幅広くキャッチアップするような仕組みを考えていきたいと思っております。
山本委員長 ほか、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
4回、5回に関しては、随分使いやすい画面ができていますので、これを広げていただくようによろしくお願いいたします。
それから、要望を聞いて改善するというオブリゲーションがなくて、とにかく広くいろいろな意見をいただくということはありがたい話ですので、そういう仕組みも御検討をお願いできればと思います。
それでは、様々な御意見、どうもありがとうございました。
では、議題4「不適切利用に関する注意喚起について」、事務局の説明をお願いいたします。
牧戸室長補佐 よろしくお願いします。資料4「不適切利用に関する注意喚起について」を御覧ください。
こちらは、3月の専門委員会でも不適切利用に関しまして、1件措置させていただいたところではございますが、過去に不適切利用に対して措置した案件は旧ガイドラインの下のみとなっておりまして、合計10件ございます。新ガイドラインに関しまして不適切利用を措置した件数はまだ1件もございませんが、未然に防ぐ観点から、承諾を受けた申出者に対しまして承諾通知書を送付する際に、以下の文書を同封して注意喚起してはどうかといった内容でございます。
内容としましては、法の下で提供されるため、罰則が科せられるといったところが新ガイドラインでは追加となっております。
左側の下に3つポツがございますが、こちらは過去に法令等の規定または契約に対して違反が発覚して、専門委員会で措置した事例となっておりまして、一番多いのは、公表物確認をせずに取扱者以外に閲覧させたといった内容となっております。
右側の参考でつけさせていただいていますのは、利用規約の別表を抜粋したものになります。左側に措置要件、どういった違反をされたかといったところの具体例を示させていただいて、右側に措置内容を具体的に示させていただいております。
資料4の説明は以上となります。
山本委員長 ありがとうございました。
ただいまの御説明に関しまして、御質問あるいは御意見がありましたら、よろしくお願いいたします。
長島先生、どうぞ。
長島委員 これを読んだだけ、あるいは送っただけだと、本当に読んだのか、確認したのかということが難しいので、これを例えばチェック形式にしてもらって、ここをちゃんと読んだという場合、そこにチェックを入れていただいて、それをファイルの形でしっかり保管しておいていただくということ。あるいは、それを毎年1回は必ずチェックしていただくような形で、実際の行動にある程度つながるような仕組みにするのはいかがでしょうか。
以上です。
山本委員長 ありがとうございます。
今、提供に関して、チェックシートの提出は一応してもらっているのですが、この新しい文書を読んだかどうかというチェックは、まだ入っていないような気がしますけれども、事務局のほうでいかがでしょうか。
牧戸室長補佐 ありがとうございます。
山本委員長がおっしゃるとおり、今、誓約書の中に不適切利用に関する記載がございまして、同意を頂いたうえで、署名して頂いています。。ですので、これらに加え、この内容を理解したかどうかというチェック項目を加えさせていただくのも案ではないかなと思っております。
山本委員長 ありがとうございます。
ほか、いかがでしょうか。ありがとうございます。
これは、今までの誓約書の中身よりも、これがもう1枚加わるほうが分かりやすいと思いますので、これを読んだ上できちんと署名していただくという形が確認できるような方法を取っていただければと思います。
それでは、事務局、公開はここまでですね。
牧戸室長補佐 公開はここまでになります。
山本委員長 分かりました。
それでは、以降は個別審査で非公開となりますので、傍聴者の皆様は退出をお願いいたします。
 

(傍聴者 退出)
 
山本委員長 個別審査に移る前に10分間の休憩を取らせていただきます。38分から再開したいと思いますので、それまでに参加していただくようによろしくお願いいたします。
 
(休  憩)
 
山本委員長 それでは、時刻になりましたので、会議を再開したいと思います。
 
(非 公 開)
 
山本委員長 それでは、本日の議事はここまでとなります。
次回の日程等について事務局から連絡をお願いいたします。
坂本室長補佐 事務局でございます。
本日は、長時間にわたり御審査いただきまして誠にありがとうございました。御指摘のあった部分につきましては確認を取らせていただきまして、提供に向けた手続を進めさせていただきたいと思います。
次回の会議日程につきましてですけれども、既に御連絡しているところではございますけれども、9月14日の予定でございます。水曜日と認識しております。詳細につきましては、追って御連絡させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
また、メールで御案内させていただいているとおりですが、昨今、様々なデータベースとNDBとの連結を求められておりまして、7月中旬から9月上旬にかけまして、臨時で「匿名医療情報等の提供に関する専門委員会」を開催させていただきたいと考えております。お忙しいところ大変恐縮ですけれども、日程調整させていただきたく考えておりますので、御協力よろしくお願いいたします。
山本委員長 オーケーですか。臨時を1回挟むことになりそうですけれども、よろしくお願いいたします。
それでは、以上をもちまして第10回「匿名医療情報等の提供に関する専門委員会」を終了いたします。本日は活発な御議論、どうもありがとうございました。