第7回 匿名医療情報等の提供に関する専門委員会 議事録

保険局医療介護連携政策課保険データ企画室

日 時

2021年9月16日(木) 14:00~18:00

場 所

Web または 航空会館505号室(東京都港区新橋1-18-1 航空会館)

出席者

【専門委員】
・宇佐美 伸治(日本歯科医師会 常務理事)
・嵩 さやか(東北大学大学院法学研究科 教授)
・田尻 泰典(日本薬剤師会 副会長)
・東宮 秀夫(一般財団法人 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団 研修事業本部長)
・長島 公之(日本医師会 常任理事)
・中野 壮陛(公益財団法人医療機器センター 専務理事)
・中野 惠(健康保険組合連合会 参与)
・堀 真奈美(東海大学健康学部長 兼 健康マネジメント学科 教授)
・松田 晋哉(産業医科大学公衆衛生学 教授)
・宮島 香澄(日本テレビ報道局 解説委員)
・山本 隆一(一般財団法人医療情報システム開発センター 理事長)

議 題

  1. 1. 匿名診療等関連情報(DPCデータ)の個票情報の提供について
  2. 2. 匿名診療等関連情報(DPCデータ)の第三者提供の現状について(報告)
  3. 3. 匿名レセプト情報等の第三者提供の現状について(報告)
  4. 4. 訪問看護ステーションにおけるオンライン請求の実施時期変更について(報告)
  5. 5. 個別審査(非公開)

議 事

※非公開部分を含みます。
山本委員長  それでは、定刻となりましたので、ただいまから第7回「匿名医療情報等の提供に関する専門委員会」を開催いたします。
委員の皆様には、御多忙の折、御参加いただき、ありがとうございます。御礼を申し上げます。
委員の出欠状況について、事務局から報告をお願いいたします。
牧戸室長補佐  医療介護連携政策課の牧戸でございます。
本日は、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
今回、専門委員の皆様ですが、全てウェブ参加となります。齋藤委員、鹿野委員、田中委員、中島委員は欠席となります。
なお、運営規程に基づいた開催要件を満たしておりますことを併せて御報告いたします。
続きまして、事務局に人事異動がございましたので、この場をお借りして御紹介させていただきます。
令和3年9月14日に着任いたしました医療介護連携政策課課長の安中健と、7月1日に着任いたしました医療介護連携政策課医療費適正化対策推進室室長の田邉和孝です。
安中課長  皆さん、こんにちは。この9月14日付で医療介護連携政策課長として参りました安中と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
田邉室長  適正化室の田邉と申します。よろしくお願いいたします。
私は前回まで実は介護のほうの専門委員会の事務局をさせていただいておりまして、今回からNDB側ということで、引き続き先生方、御指導の程、どうかよろしくお願いいたします。
山本委員長  安中課長、田邉室長、これからよろしくお願いいたします。
それでは、会議の開催要件を満たしているとのことですので、早速ですが、本日の議事に入らせていただきます。
カメラはここで退室をお願いいたします。よろしいですか。
それでは、議事次第に従いまして、最初の議事、議題1「匿名診療等関連情報(DPCデータ)の個票情報の提供について」、資料1の説明をお願いいたします。
金光課長補佐  保険局医療課でございます。
では、資料1で「匿名診療等関連情報(DPCデータ)の個票情報提供について」ということで御説明を差し上げたいと思います。ページ数を右下に振ってございますので、そちらを御参照ください。
1ページ「匿名診療等関連情報(DPCデータ)の個票情報の提供について」ということで、これまでの経緯をこちらの資料でまとめてございます。
DPCデータは、平成29年度より、公益性を有する研究に対して、専門委員会の審査を経た上での第三者提供というのを実施させていただいております。詳細な診療情報が含まれることなどから、平成26年当時の整理、こちらは後ほど御説明しますが、これに基づいて、当面の間、集計表情報のみを提供することとしてございます。
その平成26年当時の整理をここに3つ記載してございます。
1つ目が、個票情報の提供において、研究の意義を阻害せずに安全性が確保できるような普遍的な審査基準を作るのは難しいと考えられるということで、既に公表されている医療機関別のDPC集計データが存在していて、組合せが可能であることですとか、平成26年当時は約1,800病院ということで、データを提出する病院が少なかったということ、さらに、様式1等において診療情報等の個人特定性が高い濃密な情報が含まれるということでございます。
2つ目に、DPCデータ提供のための厚生労働省側の体制の整備がまだなされていないということがございました。第三者提供向けのデータベースの構築でありますとか、セキュリティ監査の体制の整備といったところが課題となっていたところでございます。
また、3つ目、個票情報の取扱いは、研究者にとっても大きな負担となり得るだろうというところがございました。
こういった整理に基づいて、集計表情報の提供ということでとどめていたところでございます。
次の○、令和元年に成立いたしました、いわゆる改正健保法において、DPCデータベースについても、情報の収集、利用及び情報の提供の根拠規定等を創設するとともに。
山本委員長  音声が消えているみたいです。
牧戸室長補佐  今は聞こえますでしょうか。
山本委員長  事務局、声が止まっていましたけれども、大丈夫ですか。
牧戸室長補佐  聞こえますでしょうか。
山本委員長  辛うじて聞こえます。
牧戸室長補佐
 失礼いたしました。
金光課長補佐  失礼いたしました。どこから切れていたか分からないので、もう一度御説明します。
山本委員長  1ページ目の3つ目の○「令和元年に成立した」というところから切れました。
金光課長補佐  3つ目の○、令和元年に成立した、いわゆる改正健保法において、DPCデータベースについても、情報の収集、利用及び情報の提供の根拠規定等を創設するとともに、NDBや介護DBの情報と連結して利用または提供することができることとする規定を整備したところでございます。
こういったことを踏まえて、令和2年6月17日に開催されました「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」において、改めて個票情報の提供について検討するということを御了承いただいているところでございます。それを踏まえまして、今般、御提案をさせていただくものでございます。
2ページと3ページはややベーシックな情報になりますが、2ページは、DPCデータの個票情報の提供の意義みたいなものをまとめてございます。
DPCデータの個票情報が提供されることにより、研究テーマの広がりですとか、研究結果の精度の向上が期待できる。こちらは上段と下段で、現在と、それから、個票情報の提供を受けた場合ということで分けてございますが、集計表情報の提供ということであれば、あらかじめ提供申出を行った集計表を用いた研究というのが可能となるところ、複数の集計表にわたって含まれる属性を組み合わせて分析すること等は困難であるといったことがございます。
個票情報の提供を受ければ、例えば、○○疾患の患者情報の提供を受けることにより、研究者が任意で属性を組み合わせることができますし、より多角的、詳細な研究が可能となることが期待できるのではないかと考えてございます。
また、3ページ「NDB・介護DBとの連結解析について」でございますが、この連結解析により、DPCデータに含まれる入院時の患者情報だけでなく、外来や介護の状況まで含めた研究の実施が可能となって、さらに多様な研究テーマで利活用が可能となるということが期待できるのではないか。
こちらにDPCデータに含まれる内容をまとめてございます。主に入院患者情報になりますが、入退院の情報のみならず、手術を実施した場合の手術情報、がん患者さんの場合のがんのステージ分類、その他の疾患における重症度分類といったものが活用できるということで、これらをNDBや介護DBの情報と組み合わせることで、一連の医療・介護サービスの状況が分析可能となるといったことかと思います。
4ページ以降、平成26年当時の整理に関して、少し現状をアップデートするということで資料を加えさせていただいてございます。
4ページは、DPCデータを提出することが求められるデータ提出加算の届出を要件とする入院料というのがこれまでの診療報酬改定において拡大してきておりまして、令和2年7月1日時点では5,202の施設がデータ提出加算を届け出ているということで、グラフで示してございますが、平成26年当時の1,800病院から、現行、およそ3倍ということで、5,202医療機関ということで届出がされているものであります。
5ページに、累次の改定でデータ提出を求める取扱いをしてまいりましたので、それについてのまとめでございます。
6ページです。先ほども1ページ目の資料で触れました「(個票情報の提供の安全性)について」ということに関してでございますが、DPCデータは多くの診療情報を含んでおりますが、改正健保法において、他の情報との照合の禁止、こちらは罰則規定がございます。また、利用者は高いレベルの安全管理措置を講じなければならないといったことが規定されております。
さらに、ガイドライン上、成果物の公表時に係る規定として、最小集計単位の原則の遵守でありますとか、厚生労働省による公表物の事前確認の実施というものを定めておるところでございます。
一番下のところ、3と書いてございますが「(個票取扱いの負担)について」です。こちらは御承知おきのとおりかとも思いますが、個票情報の取扱いは研究者の負担となり得る一方で、技術等の発展によって、大規模データの解析が一般的に広く可能となりつつある現状を踏まえれば、必ずしも妨げる要因にはならないのではないかと考えております。さらには、提供申出者の任意で個票情報の提供を受けるのか、集計情報の提供を受けるのか、選択することが可能であります。
7ページ「(体制整備)について」のまとめでございます。
DPCデータについては、平成28年度にデータベースの構築を行って、平成29年度よりシステム運用を開始してございます。また、平成30年度からは、DPCデータの第三者提供を受けている方に対して監査業務を開始したほか、厚生労働大臣の立入検査について、改正健保法において規定を設けたというところ、一つ一つ体制整備を進めてきているところでございます。
山本委員長  また止まってしまったかな。
金光課長補佐  いかがでしょうか。聞こえますでしょうか。
山本委員長  今は聞こえます。
金光課長補佐  ありがとうございます。7ページは聞こえておりましたでしょうか。
山本委員長  7ページの途中かな。
金光課長補佐  7ページ「現状の整理2(体制整備)について」の資料でございますが、DPCデータは平成28年度にデータベースの構築を行って、平成29年度よりシステム運用を開始していること。また、平成30年度よりDPCデータの第三者提供を受けている方に対する監査業務を開始したほか、改正健保法により厚生労働大臣の立入検査についての規定を設けているということで、体制整備を一つ一つ進めてきているところでございます。
8ページに「まとめ」を作ってございます。
1つ目の○、DPCデータの個票情報の提供ですとか、NDB・介護DBとの連結解析には、ニーズやメリットがあるということが考えられると思っております。
平成26年に個票情報の提供について整理した当時と現在の状況を比較しますと、先ほど来の資料にありますとおり、DPCデータの収集でありますとか、第三者提供が改正健保法に位置づけられて法的な整備が進んだこと、大規模データ解析の可能性が高まっていること、データベースの構築でありますとか、セキュリティ監査等の体制整備が進んでいること、そういった変化が実際としてございます。
これらを踏まえ、矢印の下ですが、個票情報の第三者提供については、ガイドラインの改正等について検討することにより、提供を可能とすることができるのではないかと考えてございます。
米印を振ってございますが、患者に関する情報が増加して、個人を特定できる可能性がゼロでないということを踏まえますと、対応として、1つ目に、現状は任意としている所属機関での倫理審査委員会の承認に関する書面の提出を必須とするでありますとか、申出のあった研究について、相当の公益性を有しているか、提供を希望している情報が最小限となっているか、審査は少し厳格化させていただく。こういった対応というのが考えられるのではないだろうかと。
併せて、ガイドラインを改正する場合には、令和4年4月以降、NDBや介護DBとの連結解析が可能となるということを踏まえまして、既に連結解析の規定が施行されているNDBや介護DBを参考に、連結解析に係る事項も含めるということが考えられるのではないかと思っております。
したがいまして、その下に「今後の見通し(案)」と書いてございますが、第三者提供というところを見据えれば、例えば、ガイドラインを改正し、必要に応じた修正等を加え、個票情報も含めた第三者提供の開始、連結解析の開始といった流れになるのではないかと考えておりまして、さらには、その右側に少しスケジュール感も示しておりますけれども、次回以降の専門委員会においてガイドラインの改正等の議論もしていただければ、令和4年4月を目途というところで、第三者提供、連結解析が開始できるのではなかろうかと考えており、今回、御提案する次第でございます。
事務局からの説明は以上でございます。
山本委員長  どうもありがとうございました。
それでは、議題1について、御議論いただきたいと思います。御意見はございますでしょうか。
長島委員  長島です。よろしいでしょうか。
この春にNDB収載提供情報の拡大に対する対応について、懇談会2回も含めまして、しっかり検討いたしました。その内容を踏まえて対応するのがいいのではないかと思います。そのときに、情報が多ければ多いほど有用性は高まりますが、個人の同定リスクに十分な配慮を行うことと、審査の強化が必要であるということだったと思います。
その点から、私、3点提案させていただきますが、1つは、今回の提供によって拡大する項目の中で、個人同定リスクをきちんと評価していただいて、それに対する必要な対応策を提示していただきたいと思います。
例えば、NDBの際は、医療機関コードはやはりリスクが高いので、匿名化して提供するということ。あるいは郵便番号についても、必要最小限の原則に乗って提供しようということでした。
今回、個票に関しては、様式1とか、Eファイル、Fファイルの中には、医療機関の情報、あるいは郵便番号等も含まれるかと思いますので、そのような個人同定リスクが高いものをきちんと見極めて、それに対して対応が可能であれば、次回でも結構ですので、その対応策をぜひ事務局に提出していただきたいと思います。
2つ目は、審査の強化ということで、一つ一つの審査が極めて重要になるということでした。その点から、NDBの際には、例えば、審査がより確実に行われるように、提供申出書とか申出書サマリーを見直して、より確実かつ迅速な審査が事務局及び審査員によってできるようにしたということで、今回もそれを参考にして、審査がより確実あるいは迅速に行えるような環境整備をお願いしたいと思います。
3つ目が、実際に始まった場合、やはり一つ一つをしっかりと検証しながら、見直しも進めていくということが重要かと思いますので、一つ一つリスクとか有用性に関してきちんと検証して、それに応じて必要な見直しも適宜行って、ある一定程度知見が蓄積されましたらば、総括を行い、必要が生じればガイドラインの見直しを行うと。
この3点をやっていただくということで、必要な資料に関しては、次回の会議に事務局で準備して提出していただくという条件が満たされるようであれば、賛成したいと考えております。
私からは以上でございます。
山本委員長
 ありがとうございました。
3点とも重要なご指摘ですね。
中野(惠)委員  今、長島委員に、方向性をまとめていただきましたが、私も、長島委員と同様に考えておりました。NDBデータ拡大の時と同様、原理原則を確認し、踏まえたうえで、進めることが必要で、まず、個人を識別するリスクへの対応、そして、現時点で考えられうるすべての課題を整理し、対応策を整理する。ガイドラインを整理する。そして、審査は専門委員会で行われます。
委員会の役目がますます重要になってくるかと思いますので、それは委員として皆様と重要性を共有したいと思います。
以上でございます。
山本委員長
 ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
私は、基本的には、長島先生のおっしゃったような条件を満たした上で、個票提供に進んでいくということは賛成だと思っております。前に、これはDPCを研究されている研究班の先生方に検討いただいて、これではなくて、集計表だという結論になったのですけれども、その時点では、まだ体制面が不十分である。
つまり、DPCもデータベース化がやっとできたか、できなかったかという状況で、その上で、個票を提供して、しっかり監査までするというのはなかなか難しいでしょうし、基本的にはレセプトもそうなのですが、取りあえずは安全なスタートを切るということで、スタートの時点ではできるだけ安全側に振って、実績を見ながら拡張していくという全体としての大きな方針があったので、そのようにしてきたのですけれども、先ほど御説明がありましたように、一応の体制整備もできそうだと。これでどういうリスクがあるのかというのをしっかり検討した上で、ガイドラインを整備することによって何とかできそうだとは思っております。
個人特定性の議論と同じことなのですけれども、1つ、もう一回ちゃんと確認をしておかなくてはいけないのは公表基準なのです。レセプトデータの患者数で10人未満とか、医療機関数で3未満というのは、比較的データが単純ですから評価が容易だったのですけれども、様式1なんてほとんど電子カルテの情報が入ってきているわけですし、そういったことを考えると、その基準をどのように判断したらいいのかみたいなことも若干議論が要るのかなという気はしています。それも次回以降、皆様方と一緒に検討できればと思っております。
ほかはいかがでしょうか。
堀先生、どうぞ。
堀委員  私は、基本的にDPCの普及状態、厚生労働省の体制も整備されてきているということから、集計外のデータも研究者に公開するという方向性は、皆さんと同じように賛同します。また、リスクもゼロではないので、個票情報の提供の安全性、取扱いの負担のところでガイドラインをしっかり作っていくという流れについても賛同しています。
これは質問というか、リクエストなのかもしれないのですが、NDBと介護DBを連結するということ自身には、前の会議でも言いましたけれども、私自身は非常によいことだと思っていますし、今後、連結解析が可能になるということも素晴らしいと思うのですが、この際、研究者自身が連結作業をするということになっているようですが、厚生労働省が提供する際に、NDBと介護DBとDPCデータを最初から連結して、番号が絶対に特定化されないような形で提供するということは物理的にできないということなのでしょうか。その辺のテクニカルなところは、私自身がちょっと不勉強なので分からないのですけれども、教えていただければと思います。
山本委員長
 どちらかというと、これはDPCよりもレセプトデータベースのほうですよね。事務局のほうからお答えはございますか。
堀委員  将来的にDPCのデータも連結しようと思えば、できるようにはなるのですよね。
山本委員長  はい。一応、今のところ、そういう予定になっています。
牧戸室長補佐  事務局でございます。
今後、連結したものを提供するといったことは事務局でも考えております。ただ、連結の精度等が確実ではないというのが欠点となっておりまして、そこの部分は研究者の方々に御負担していただくことになると思います。
山本委員長  今の介護レセプトと医療レセプトの連結についてですが、平成30年に医科レセプトに片仮名氏名が併記されるようになったのです。介護レセプトは片仮名氏名ですので、片仮名氏名と生年月日と性別でハッシュ値を取ってIDを作って、それで連結しようということなのですが、氏名が一致すれば、性別はかなりの頻度で一致するでしょうから、実質的には片仮名氏名と生年月日なのですけれども、これは恐らく偶然一致する人が結構いらっしゃるという可能性があるのです。
したがって、結びつけているのですけれども、それが絶対正しいという保証はない。これはあくまでも医療分野で利用できるIDが流通するまでの臨時の応急的な処置としてできています。堀先生がおっしゃるように、事務局側で連結をしてお渡しするほうが、多分、データの安全性も高まるので、そうすべきだとは思うのですが、精度の問題が若干あるというのと、まだ始まったばかりで、数例しか試みていないということで今はやっているのですが、多分、今日の個別審査で出てきますので、その辺りは少し御議論いただいて、できれば事務局で結合して渡すほうがいいと私も思っています。余分なデータを渡さなくて済みますし、受け取り側の研究者も余分なデータをもらわなくて済みますし、なおかつ安全性が高まるということになりますので、引き続き検討していきたいと思います。
資料1に関しては、ほかによろしゅうございますでしょうか。
松田先生、どうぞ。
松田委員  ちょっと後半いなくなってしまうので、これに関連してお話ししたいのですが、今の堀先生の御質問にも関係してくるのですけれども、今までの運用を見ていても、なかなか自分たちでデータの加工ができないということで、結局、外部のいわゆる分析加工会社にデータを任せているという状況になっています。
そこを完全に信用していいかという話になってくるのですけれども、例えば、アメリカのメディパーとかの運用になってくると、基本的にそれを自分たちでやれるということが、非常に機微な個人情報が入ったフルのデータセットをもらう要件になっています。
結局、アメリカのメディパーの運用もかなり性悪説でやっているのです。私は、この個人情報はかなり機微な情報なので、研究者を信用していないわけではないのですけれども、やはり性悪説でやったほうがいいと思っています。
そういう意味では、原則として、研究者が自分たちでデータをきちんと加工できる、管理できるというインセンティブをかけていかないと発展していかないと思うのです。結局、今、同じデータ加工業者に全部データが集まってしまうという状況になってしまっているのです。
それを考えてみると、多分、この仕組みでやらなければいけないことは、要するに、医学系の研究者だけではなくて、医歯学系、医歯薬系の研究者だけではなくて、そこに情報科学の研究者とか、理工学系の研究者も入って、総合的にヘルスのデータサイエンスをどのようにやっていくのかという、日本のヘルスデータサイエンスを使った研究基盤を強化していくという方向に持っていかないといけないと思うのです。
そういう意味では、またぞろ東大なのか、京大なのか、阪大なのかという話になってしまうのですけれども、やはりDPCと介護、医療のレセプトをつないだ分析をするという研究の仕組み、研究者の体制、それもやはりひな形としてモデル的なものを作ったほうがいいのだろうと思っています。
そういうい意味で、東大とか、京大とか、岡山大学とかでもいいと思うのですけれども、そういうデータサイエンスをちゃんとやっている理工学系の研究者を交えてこれをやるというモデル的な研究チームを作って、回していくということをやっていったほうがいいのではないかなと個人的には思っています。
そういう手続をある程度、こちらで示さなかったこともあって、NDBに関しても、すごく申請は増えてきているのですけれども、自分たちでやれないところもかなり出てきているということで、アメリカのいろいろな基準に比べると緩いように思いますので、ぜひそういう工夫も少し、最初のところでこの3つをつないだ分析をやるときには、厚労省と研究者の間で少し話し合いをされて、モデル的な研究チームを作るということを少し意識されたほうがいいのではないかなと思います。
そういうところに利害関係者、例えば、ニシキのニシノ先生とか、ニッカンの先生たちも少し入っていただいて、研究の在り方みたいなものを少し検討していただく。そういうモデル事業をやることを提案したいと思います。
以上です。
山本委員長  ありがとうございます。
これはまた事務局のほうで御検討をお願いしたいと思います。
今、文科省がヘルスのリアルワールドデータの人材育成事業をやっていて、これが東大と京大の2つのプロジェクトがかなりたくさんの大学を巻き込んでやっているところがありますので、そういうところと少し連携してもいいかもしれないですね。
ほかはよろしいでしょうか。
それでは、これは次回また議論を続けることになろうかと思います。
牧戸室長補佐  山本先生、申し訳ないです。こちらのインターネットの接続が悪くて、長島先生、申し訳ございません。御発言の後の先生の御発言のところが。
山本委員長  多分、画面の共有をやめたほうがいいと思います。
牧戸室長補佐  なるほど。承知しました。
長島先生の後に先生が御発言されたところを、大変申し訳ないのですけれども、もう一度発言していただくことは可能でしょうか。
聞こえますでしょうか。
山本委員長  聞こえます。
牧戸室長補佐  申し訳ございません。速記の記録が一部漏れてしまったところがございまして、長島先生の発言の後に先生が御発言された内容を、申し訳ないのですけれども、もう一度発言していただけないでしょうか。
山本委員長  何を言ったか忘れたな。
長島先生の御意見に賛成ですということと、それから、DPCの提供の最初の状態というのは、まだデータベースができたばかりで体制も不十分であったということと、それから、匿名医療情報提供全体の話ですけれども、まずは安全にスタートして、状況を見ながら、実績を積みながら少しずつ広げていこうという方針だったので、DPCの研究の専門家の先生方に作業班を作っていただいて、こういう結論になったのだと。
それから、先ほど御説明があったように、体制も大分しっかりしてきましたし、データベースの運用にも慣れてきたので、それから、他の2つとの連結の話もありますので、しっかりとガイドラインの議論をして、可能であれば拡張していきましょうというお話をしたと思ったのですが、ひょっとすると、もっと違うことを言ったかもしれないですけれどもね。そのぐらいです。
牧戸室長補佐  ありがとうございます。
長島委員  長島です。
もう一点おっしゃったのが、個票情報と内容が非常に詳細であるので、公表のレベルに関してもきちんと検討すべきではないかとおっしゃいました。
山本委員長  すみません。忘れていました。公表基準に関して、DPCの場合は相当データが複雑ですので、一応、公表基準の判定の仕方をしっかり検討したほうがいいということを申し上げました。
以上です。すみませんでした。
それでは、資料2「匿名診療等関連情報(DPCデータ)の第三者提供の現状について」の御報告ですけれども、説明をお願いいたします。
金光課長補佐  引き続き保険局医療課でございます。
資料2「DPC(匿名診療等関連情報)に係る第三者提供の現状について」の報告でございます。
資料の2ページに「これまでに公表された成果物の集計について」ということでまとめてございます。
2017年度より、専門委員会で承諾を受けた研究に対して、DPCデータの第三者提供が開始されました。成果物の発表年度での推移を2019年度から取ってございますが、2件、2件、4件ということで、2021年度は8月末時点の公表実績で集計をしております。
その一覧は、3ページにお示ししておりますとおり、計8件ございました。
4ページ、最後でございますが「第三者提供の承諾件数の推移並びに提供申出者の区分」ということで、2017年度以降の承諾件数、提供依頼申出者の区分ということで、厚生労働省1件、都道府県1件、大学・大学院12件ということ、また、提供申出者の区分を件数で見たときの内訳というものもこちらに記載をしてございます。
資料の説明は以上でございます。
山本委員長  ありがとうございました。
御報告ですけれども、何か御質問、御議論はございますでしょうか。
これが個票になったら、すごく増えるのだろうと思います。
それでは、これは御報告をいただいたということで、続きまして、議題3「匿名レセプト情報等の第三者提供の現状について」の御報告、資料3の説明を事務局からお願いいたします。
牧戸室長補佐  「匿名レセプト情報等の第三者提供の現状について」、御報告させていただきます。
こちらの左側に示させていただいているグラフは、第三者提供の申出件数及び承諾件数の推移となっております。昨年度はやや低いといった状況でございます。
右側に関しまして、円グラフになりますが、2020年12月審査分から民間事業者が提供申出者に加わったといったところがございまして、それ以前とそれ以降で分けて集計させていただいております。
また、提供申出者の単位が個人から民間事業者等の団体になったといったところもございます。
また、提供申出者に民間事業者と大学等の研究機関が含まれる申出に関しましては、民間事業者1件、大学等の研究機関1件と集計しております。
民間事業者はなかなか管理活用が進まないといった声が聞こえますが、現在のところ、4分の1程度を占めているかと思います。
以下、参考になりますが、承諾案件一覧となりまして、全部で360件ほどの承諾がされております。
以上になります。
山本委員長  ありがとうございました。
ただいまの御報告に関しまして、御質問、御意見はございますでしょうか。よろしゅうございますか。
それでは、引き続いて、議題4「訪問看護ステーションにおけるオンライン請求の実施時期変更について」、これも御報告ですけれども、事務局から説明をお願いいたします。
牧戸室長補佐  「訪問看護ステーションにおけるオンライン請求の実施時期変更について」、こちらも御報告になります。
資料の3ページ目に飛ばせていただきますけれども、第2回匿名医療情報等の提供に関する専門委員会におきまして、訪問看護のレセプトの現状と電子化の背景、目的といったところで、訪問看護ステーションの事務所数は約3倍、訪問看護のレセプトの件数は約7倍まで増加しているという経緯がありながらも、まだ紙レセプトの運用があるといった現状がございます。
こちらはレセプト請求の推移となっております。第2回専門委員会の際は、訪問看護レセプトの電子化に関しまして、令和5年1月から請求を開始予定と御報告させていただきました。
今回なのですが、2ページ目に戻りますが、審査支払機能の在り方に関する検討会における検討事項、内容としましては、国保総合システムの更改が遅れてしまったといったところがございますが、令和5年1月請求分の開始から令和6年5月請求分から開始と、約1年4か月の後ろ倒しといった変更内容となっております。
以上になります。
山本委員長  ありがとうございました。
ただいまの御報告に対しまして、御質問、御意見はございますでしょうか。よろしいですか。
最近、このIT化は、どうしても手が足りなくて遅れることが多いのですけれどもね。よろしゅうございますでしょうか。ありがとうございました。
それでは、全体会議の公開部分は以上になります。次は個別審査で非公開となりますので、傍聴者の皆様は退室をお願いいたします。
個別審査に移る前に10分間休憩させていただきます。2時50分まで休憩とさせていただきます。2時50分に開始いたしますので、それまでには接続をよろしくお願いいたします。
 
(休  憩)
 
山本委員長  それでは、14時50分になりましたので、会議を再開させていただきます。
 
(非 公 開)
 
山本委員長  本当に長い間ありがとうございました。
それでは、次の日程につきまして、事務局から連絡をお願いいたします。
牧戸室長補佐  本日は、長時間にわたり御審査いただきまして、誠にありがとうございます。
次の会議日程ですが、12月8日を予定させていただいております。詳細につきましては、追って御連絡させていただきます。どうもありがとうございます。
山本委員長  それでは、以上をもちまして、第7回匿名医療情報等の提供に関する専門委員会を終了いたします。
本日は本当に長時間にわたって、ありがとうございました。