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食事にひそむキケン~おいしく安全に食べるヒント~
第11回:寄生虫 アニサキス
たびたびニュースになる食中毒事件。発生しやすい時期や調理・保存方法などのポイントを押さえておけば防げるはず。
それぞれの時期に起きやすい食中毒と、その予防方法などについて紹介します。
魚介類を生食する際は目視で確認
アニサキスは寄生虫の一種です。アニサキスの幼虫は長さ2~3cm、幅0.5~1mmくらいで、白い糸のような見た目をしており、寄生している魚介類が死亡し時間が経過すると内臓から筋肉に移動することが知られています。これが寄生した魚介類を生(不十分な冷凍または加熱のものを含む)で食べると、アニサキス幼虫が胃や腸の壁に刺さり、食中毒を起こすことがあります。
食中毒の多くが急性胃アニサキス症で、食後数時間から十数時間後にみぞおちの激しい痛み、吐き気、嘔吐などの症状が現れます。急性腸アニサキス症の場合は、食後十数時間から数日後に下腹部に激しい痛みや腹膜炎のような症状が出ます。こうした症状が出たら、すぐに医療機関を受診してください。胃アニサキス症だった場合は、医療機関では内視鏡などを使ってアニサキス幼虫を摘出します。腸アニサキス症だった場合は対症療法を行い、場合によっては外科的処置が施されます。
アニサキスによる食中毒は、スーパーなどの魚介類販売店で購入した丸魚や、釣った魚を自宅で刺身などにして食べることが原因となった事例も多数あります。スーパーなどで魚を購入する際は新鮮な魚を選び、できるだけ早く内臓を取り除きましょう。
取り除いた内臓は生で食べてはいけません。鮮度が良い魚であってもアニサキス幼虫は存在するので調理時には、アニサキス幼虫がいないかを目で見て確認し、もし見つけたら除去しましょう。
アニサキスによる食中毒の予防は70℃以上(60℃なら1分)の加熱、もしくは、-20℃で24時間以上の冷凍が効果的です。塩漬けにしたり、一般的な料理で使う食酢や醤油、わさびをつけたりしてもアニサキス幼虫は死にません。
詳しい情報はこちら
▶アニサキス 厚労省
出典: 広報誌『厚生労働』2025年2月号 発行・発売: (株)日本医療企画(外部サイト) 編集協力 : 厚生労働省 |