未来(あした)のつぼみ

企業の労働力確保を支援する  担当業務の重みを痛感

大きな制度改正に限らず、日々の地道な積み重ねが厚労行政の可能性を広げています。ここでは、厚生労働省の若手職員たちの取り組みや気づきを紹介します。


今回の執筆者

三好隼人
職業安定局 総務課人材確保 支援総合企画室 企画調整係


私は、職業安定局総務課の人材確保支援総合企画室(以下、人確室)という課室にて働いています。
人確室は昨年の7月に創設された課室であり、私は初代メンバーとして立ち上げからかかわらせていただいています。人確室は、現在、多くの産業で人手不足感が高まっているという背景のもと、企業の労働力の確保という課題にきめ細やかに対応していくために、職業安定局内の関係部署を集約してできた課室です。
私は、労働力の確保に係る制度の企画立案、他課室との連絡調整などを行っており、人確室で持っている業務も幅広く把握していますが、そのなかでも今回は「人材確保対策コーナー」について少し触れたいと思います。

皆さんは、人材確保対策コーナーをご存じでしょうか。これは、全国の主要なハローワークに現時点で115カ所設置されている人材確保支援の総合専門窓口です。主に医療・福祉、建設、警備、運輸など、人材不足が深刻な分野を対象に、その分野への就職を希望する求職者やその分野の企業に対してきめ細やかな支援を行っています。たとえば、仕事体験会や職場見学会、セミナーなどを実施しており、ハローワークの職員がその場に同行することもあります。こうしたイベントには、求職者にとっては求人票の、文字で綴られた情報以上のものを知ることができ、企業にとっては自社の魅力をより詳細に伝えることができる、という利点があります。

上記のような事業を通じて、企業の労働力の確保を支援しているところですが、私が人確室に入ってから特に感じていることは、担当しているこのような業務の重みです。現場の声を直接聞く機会があまり多くないものの、たとえば、企業の人手不足についてニュースなどで取り上げられているのを見ると、人確室の役割の重要性を認識し、身が引き締まる思いがします。「今ある制度をより良くしよう」という気持ちが強くなり、それが仕事への熱につながっているのだと思います。そうして、日々の業務を一つひとつ丁寧に、そして全身全力で行っている最中、ふとした瞬間に、頑張ることが楽しいとも感じます。

人確室は、現状の取り組みを見直したり、新たに対策を考えたりと、今はまだ種を蒔いている最中です。人手不足問題は一朝一夕で解決する問題ではありませんが、蒔いた種が徐々に花咲くよう、日々の業務を積み重ねていくことを通して、自身の役割を全うしていきたいと考えています。


人材確保対策コーナーにおける過去のマッチングイベント例


 
出典 : 広報誌『厚生労働』2024年2月号 
発行・発売: (株)日本医療企画(外部サイト)
編集協力 : 厚生労働省