日々進化する業界で働く キラキラ輝く「介護のしごと」

超高齢社会を迎え、「介護サービス」の需要は増える一方、介護の職場は「仕事がきつい」「給料が安い」といったネガティブなイメージを持たれやすく、人材不足という大きな問題を抱えています。
しかし、介護職の現場では、こうしたイメージとは異なる様々な取り組みが進んでいます。本特集では、知られているようで知られていない「介護の仕事」の魅力を紹介します。

<Part1>
データで見る「介護職のいま」

「介護職」と聞いて、「給料が安い」「辞める人が多い」「仕事がきつくて面白くない」との先入観を持つ人もいるかもしれません。しかし、「数字」で見ると、違った姿が見えてきます。介護職の姿について、データを通して浮き彫りにします。

Q1
「介護の仕事」は給料が上がらない

A1
いえ、年々上がってきました




図1は介護職の賃金アップの仕組みで、図2によると、2008~2014年までは25~25.6万円と横ばい気味でしたが、2015年の26.2万円以降は右肩上がりに。前年比で5,000~7,000円増となり、2018年には最大の9,000円アップで28.3万円。2019年も5,000円増の28.8万円、2020年も同じく5000円増の29.3万円と着実に上昇してきています。

この背景には、介護職員の賃上げを目的とした「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」など、何度も処遇改善の取り組みが行われてきたことがあります。一方で、全産業との差は依然としてあり、継続した処遇改善が求められています。

Q2
「介護の仕事」は離職率が非常に高い
A2
いえ、年々下がってきました




図3にあるように、2007年の介護職員の離職率は21.6%で、全産業の離職率15.4%に比べて6.2%も高い水準にありました。しかし、ここを頂点に下がり始め、2009年には全産業の16.4%に対して17%という水準にまで改善されます。

その後、2017年に16.2%となったのを契機に下落を始め、2019年に15.3%と、初めて全産業15.6%を下回ります。2020年には、初めて15%を切り、14.9%を記録。2022年は14.4%まで下がり、介護職員が全産業とほぼ変わらない定着率になってきたことを示しています。

Q3
「介護の仕事」は満足度が低い?
A3
仕事の内容が「不満足」は少数派




図4の「介護職員が満足を感じていることTOP5」を見ると、「仕事の内容・やりがい」「職場の人間関係、コミュニケーション」「雇用の安定性」「労働時間・休日等の労働条件」「職場の環境」に対して「満足」「やや満足」「普通」と感じている人の割合は、いずれも「不満足」「やや不満足」の割合を大きく上回っています。

もちろん、「普通」と答えた人の割合が35~46%と多数を占める点は改善の余地ありですが、仕事にやりがいを求める人にも、働きやすい環境で長く安定して働きたいに人にも向いている仕事だということがわかります。

 

 

出典 : 広報誌『厚生労働』2023年11月号 
発行・発売: (株)日本医療企画(外部サイト)
編集協力 : 厚生労働省