未来(あした)のつぼみ

 

「キャリア形成・学び直し支援」事業に取り組む

大きな制度改正に限らず、日々の地道な積み重ねが厚労行政の可能性を広げています。ここでは、厚生労働省の若手職員たちの取り組みや気づきを紹介します。

今回の執筆者
藤井淳史
人材開発統括官キャリア形成支援室キャリアコンサルティング係


皆さまは、「キャリア形成・学び直し支援センター」をご存じでしょうか。
キャリア形成・学び直し支援センターには、多くの経験豊富なキャリアコンサルタントが所属しており、皆さまのキャリア形成・学び直しのサポートをさせていただいています。

具体的には、個人、企業や団体、学校を対象に、ジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングの提供や、企業における従業員のキャリア形成に係る仕組みの導入など、さまざまなキャリア形成・学び直しへの支援を無料で行っています。
本センターは都道府県に1拠点ずつ設置されており、平日夜間・土日やオンラインでのキャリアコンサルティングを提供しています。

本事業は、政府が掲げる「人への投資」関係施策としても位置づけられており、まさに労働者の方々のキャリア形成および学び直し支援の要となる施策です。

一方で、能力開発基本調査の報告書などを見ますと、まだまだ企業において、労働者に対するキャリア形成支援についての理解が得られていない状況があり、特に非正規労働者に対するキャリア形成支援の実施割合は低い傾向にあります。また、労働者においても、昨年度の同調査によると、自己啓発を行ったと回答した者はおよそ35%と低い水準にとどまっており、自律的なキャリア形成支援の必要性について十分な理解を得られていない状況があります。

私は、昨年度の立ち上げから本事業に携わっていますが、こうした状況も踏まえ、全国どこであっても労働者の方々が、本事業を利用し学び直しに取り組んでもらうためにはどうしたらいいのだろうかと常々考えています。
学び直しに興味のある方はもちろん、そうしたものに全く興味のなかった方であったとしても、これまでの職業人生を振り返り、今後のキャリアを展望していくなかで、自らの新しい可能性に気づき、学び直しなどに積極的に取り組んでいただきたいと思っています。

ぜひ一度、本センターをご利用いただけますと幸いです。


事業ポスター


 

出典 : 広報誌『厚生労働』2023年9月号 
発行・発売: (株)日本医療企画(外部サイト)
編集協力 : 厚生労働省