未来(あした)のつぼみ


大きな制度改正でなくとも、日々の地道な積み重ねが厚労行政の可能性を広げています。ここでは、厚生労働省の若手職員たちの取り組みや気づきを紹介します。

 

大臣官房会計課の職責
~「ゆりかごから墓場まで」、会計課で働く奥深さ~


今回の執筆者

本橋義彦 大臣官房会計課


省庁の大臣官房と聞いて、どのような業務を思い浮かべるでしょうか。

私が所属している大臣官房会計課はその名のとおり、「会計」という面から厚生労働行政を支えており、厚生労働省の予算や決算、福利厚生制度の整備を通じ、所管部局の事業実施をさまざまな面で下支えをする部署です。

国は国民の皆さまから税金をお預かりして事業を実施しているため、予算の執行に対しては対外的な説明責任を負います。

大臣官房会計課は、その説明ができる状況となっているのかという点で、予算要求段階や執行段階で事前に確認を行い、事後にも外部有識者による執行状況の点検(行政事業レビュー)や決算報告というかたちで関わりが出てきます。そのように施策の会計面での入り口(予算要求)から出口(執行・決算)まで体系的に関与できるのも、会計課で仕事を行う醍醐味です。


私が仕事を行ううえで念頭に置いていることは二つあります。一つは、大臣官房は施策を実施している部局の職員と仕事をするので、どうしても厚生労働省内の視点だけで仕事をしてしまうため、外部の立場から見た視点を常に意識するようにしています。たとえば、自分が行っている仕事はどういう位置づけで、対外的に見た場合にどのように映るのかということです。

もう一つは、係員時代の上司に言われた、「常に自分より二つ上の職階の方が何を意識するのかを考えたうえで行動するべき」ということです。業務が増えてくると「仕事を処理する(行う)」という考えになりがちですが、重要な仕事の際は特にこの思考が役立ちます。業務に取り組む際に二つ上の職階の思考を意識して進めることで、「点での仕事」という考えから脱し、「線での仕事」の仕方ができると日々実感しています。

これらを実践するために、省内全体の動きについては常にアンテナを高くし、さまざまな情報に触れる機会を意識的につくるようにしています。大臣官房会計課で予算業務に携わった際には、これらの意識を念頭に置いたうえで、介護保険制度や高齢者福祉施策に必要な予算について、関係部局や財政当局と調整を図り、施策の実施に必要な予算の確保を行うことができました。

「ゆりかごから墓場まで」という言葉のとおり、厚生労働省という幅広い業務を所管している省庁のなかで、アンテナを高く、日々勉強の精神で今後も業務に邁進していきます。





 
出  典 : 広報誌『厚生労働』2022年7月号 
発行・発売: (株)日本医療企画(外部サイト)
編集協力 : 厚生労働省