未来(あした)のつぼみ


大きな制度改正でなくとも、日々の地道な積み重ねが厚労行政の可能性を広げています。
ここでは、厚生労働省の若手職員たちの取り組みや気づきをご紹介します。





“人”のために一緒に働く仲間を求めて

 私たちは総合職事務系の採用担当として、これからの厚生労働省を担う新たなメンバーと出会うべく1年間走り続けてきました。

 仕事を選ぶうえで重視する要素は人それぞれだと思います。「スケールの大きい仕事がしたい」「グローバルな仕事がしたい」……いろいろあると思いますが、この1年、たくさんの方々とお話しさせていただくなかで、厚労省を一選択肢として考えてくださった方が皆、「人の役に立つ仕事がしたい」「“人”のために働きたい」とおっしゃっていたのがとても印象に残っています。

 ただ、「人の役に立つ仕事がしたい」と思ったとき、その選択肢は厚労省(公務員)だけではないでしょう。きっとどの省庁・会社・団体の方も、人の役に立ちたいという思いで仕事をしているはず。違いがあるのはアプローチの仕方なのだと思います。だからこそ、私たちがこの1年間やってきたことは、相手と対話を重ねるなかで、「それ、厚労省だったらこんな形で一緒にできそうです!」と、一人ひとりの思いと組織のミッションが共鳴する点を見つけるような仕事だったと感じています。

 一方で、コロナ禍にある今年度は、これまで主流であった対面での説明会実施が難しくなるなど、さまざまな制約の下での採用活動となりました。こうしたなかでも、厚労省のことを深く知ってもらえるよう、2人で必死に知恵を絞りました。

 「少子高齢化に直面する我が国で、今後の社会保障・労働政策をどのようにデザインしていくべきか」――オンラインであっても参加者の方々に一緒に考えてもらうため、参加者同士でも意見交換ができるような時間を説明会で設けました。また、職業選択においては仕事内容に限らず、「どんな人たちと働くか」も重要であろうとの思いから、採用特設HPやメーリングリストといったツールを使いながら、職員一人ひとりの生の声、等身大の姿を感じてもらえるよう努めてきました。さらに、最近は霞が関全体や厚労省の職場環境への不安の声も多く耳にしていたため、日々の採用活動での話のほか、採用パンフレットでも特集を組んで現在の厚労省改革の状況を積極的に発信してきました。

 「ゆりかごから墓場まで」という言葉のとおり、コロナ対応をはじめ、厚労省の仕事はまさに人のライフステージに寄り添った仕事ばかり。「“人”のために」当事者として、この国の課題に向き合い、仕事としてかかわりたいという思いを持つ方をお待ちしています。



 
出  典 : 広報誌『厚生労働』2021年8月号 
発行・発売: (株)日本医療企画(外部サイト)
編集協力 : 厚生労働省