里親制度・特別養子縁組制度に関するオンラインシンポジウムを開催

里親制度や特別養子縁組制度について解説し、同制度で子どもを迎え入れた里親や養親、その支援者の方たちの声を発信しました。
 

 1月23日(土)に、内閣府政府広報室主催の里親制度や特別養子縁組制度に関するオンラインシンポジウムが開催されました。

 最初に、開会挨拶と行政説明を厚生労働省子ども家庭局の渡辺由美子局長が行いました。「少子高齢化が進んでいるなかでも、安心して産める、そして生まれた子どもたちが大切に育まれる社会をめざしていかなければなりません」と述べたうえで、社会的養護の現状や里親制度及び特別養子縁組制度について説明しました。

 次いで行われた「特別養子縁組制度」に関するスペシャルトークでは、実際に特別養子縁組制度で子どもを授かった瀬奈じゅんさん(女優)・千田真司さん(ダンサー)夫妻がパネリストとして登場。不妊治療を経て、同制度で息子を迎えた当時のことや現在の生活について話しました。「特別養子縁組の申し込みをしてから、息子が私たちのところに来るまで約10カ月かかりました。この10カ月の間、夫婦で同じ熱量で過ごせたことで、一緒に『親』になる準備ができました。生後5日の息子に初めて会ったときに、私の手から上手にミルクを飲んでくれました。その瞬間、『待っていてくれたんだ』と思ったのを覚えています」(瀬奈さん)

 「特別養子縁組は子どもたちのための制度なので、公の場で自分たち(大人)も救われた制度だと発信することに悩んできました。しかし、今はいろいろな人にこの制度を知ってもらいたいと思っているので、自分たちの感じたことを素直に伝えるようにしています。特別養子縁組は、かかわるすべての人が幸せになる制度だと思っています」(千田さん)

 その後のパネルディスカッションでは、ファシリテーターとして林浩康さん(日本女子大学教授)、里親制度についてのパネリストとして長田淳子さん(社会福祉法人二葉保育園二葉乳児院二葉・子どもと里親サポートステーション)、宮坂康子さん(里親)、特別養子縁組制度についてのパネリストとして松原宏樹さん(特定非営利活動法人みぎわ理事長)、岡田千恵子さん(養親)が登場。それぞれの立場から制度に対する思いや考えを語りました。



左から厚生労働省子ども家庭局の渡辺由美子局長、瀬奈じゅんさん、千田真司さん


詳しい情報はこちら:チームNEXTステップ 里親制度・特別養子縁組制度

 

 

出  典 : 広報誌『厚生労働』2021年3月号 
発行・発売: (株)日本医療企画(外部サイト)
編集協力 : 厚生労働省