技能の道

家具職人

技能五輪「家具」金賞受賞
倉橋 司さん

くらはし・つかさ●1997年、北海道帯広市生まれ。2018年、株式会社プレステージジャパンに入社。北海道東川町の工場で、家具の手加工部門のチーフを務める。第57回技能五輪全国大会の家具職種で金賞受賞。
 

手工具や電動工具を用い
2日間で家具を製作

 家具メーカーの株式会社プレステージジャパンで、手加工を主体とした家具職人として働く倉橋司さん。挑戦から3度目となる第57回技能五輪全国大会の家具職種において、金賞を受賞しました。過去2度の挑戦では、ライバルである友人に破れ、銀賞に。次こそはと、同社の一角に設けられたスペースで練習を重ねました。

 課題は、箱部、脚部、引き出し部、引き戸部で構成されるキャビネットの製作です。手工具や電動工具を使い、2日間11時間内に支給木材から作品を作り上げます。

 「木材に角度を付けたり接合したりする加工作業は、間違えると材料交換が必要となり減点されるため、一つひとつ確認しながら慎重に進めました。限られた工作用機械をほかの出場者といかに共有しながら作業できるかも、仕上がりに影響を及ぼします。段取りと臨機応変な対応が求められました」

 幅広い家具製造の、ほぼすべての工程に携わることができる今の仕事にやりがいを感じている倉橋さん。「後輩の育成や工程管理も、自信を持ってできるようになりたい」と抱負を語ってくれました。

 撮影/和田北斗(UNIQUE CONNECTION)


◎上司からのコメント(大谷周平さん)

会社をリードする存在に!

 高い技術を持っている頼もしい存在です。当社製品はその幅も広く、難しい加工も多いため、普段地道に取り組んでいることが大会でも生かされたのだと思います。今後は、加工部門のチーフとしてのリーダーシップに期待しています。


「技能五輪」とは
各都道府県から選抜された、原則23歳以下の若手技能者たちが技能レベルを競う大会。同大会の金賞受賞が、世界大会への参加資格となる。


木材が直角になっているかを光に透かして確認する


大事な仕事道具のカンナと鋸


技能五輪の練習スペース。今年出場の後輩を指導する倉橋さんと大谷さん

 

出  典 : 広報誌『厚生労働』2020年8月号 
発行・発売: (株)日本医療企画(外部サイト)
編集協力 : 厚生労働省