技能の道

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自動車板金

技能五輪「自動車板金」金賞受賞
浦田祥吾さん

うらたしょうご●1998年、福岡県生まれ。2017年、日産自動車株式会社に入社。第57回技能五輪全国大会の「自動車板金」種目で金賞を受賞。現在は、同社の車両生産技術開発本部新車生産準備技術センターに勤務。


車体を手早く加工し
確認・調整で精度を上げる

 914mm×914mmの金属板を7時間かけて、手加工で自動車のボディーに形成する種目である「自動車板金」。昨年11月の第57回技能五輪全国大会では、日産自動車株式会社の浦田祥吾さんが金賞を受賞しました。「この種目では展開図を見て、金属板をハンマーで叩いて形をつくり、整えていきます。板を縮める"絞り加工"と広げる"伸ばし加工"で、車体の前と後を別々に作製し、最後に溶接します。決められた時間で、精度の高いものを完成させなければならないので、最後の一分一秒まで無駄にせず、確認や調整にあてる必要がありました」と説明します。

 第56回大会で惜しくも銀賞だった悔しさをバネに、第57回大会を見据えて、ハンマーで叩く角度や力の加減を研究したり、工程ごとに適正な時間を設定し、それに合わせて作業を進めるなどの努力を重ねてきました。

 これからについて、「技能五輪大会に向けて努力した日々や、そこで得た考え方、手にした技術を大きな糧として、仕事のなかで活かしていきたいです」と、力を込めて話してくれました。


◎上司からのコメント(峯岸和宏さん)
リーダーとして活躍
出場できる最後の大会に向けて、行動も意識も大きく変わったように見えました。自身の技術を磨きつつ、ライバルでもあるチームメイトを、リーダーとして引っ張ってくれました。いずれは、技術面の指導者としても活躍してもらいたいです。

「技能五輪」とは
各都道府県から選抜された、原則23歳以下の若手技能者たちが技能レベルを競う大会。同大会の金賞受賞が、世界大会への参加資格となる。


細部まで確認・調整を入念に行う




第57回大会で浦田さんが加工した製品

 

出  典 : 広報誌『厚生労働』2020年4月号 
発行・発売: (株)日本医療企画(外部サイト)
編集協力 : 厚生労働省