世界が変わる 技術で変わる

日本の産業を支えているのは、働く人々が身につけた高度な「技能」です。
技能の魅力や面白さについて、活躍中の若手技能者にインタビューしました。

オリジナルレシピを考案し正確に再現



野村汰剣さん
西洋料理
のむら・たける●1997年生まれ。2018年3月、シェフパティシエ専門学校を卒業。同年4月、横浜ロイヤルパークホテルに入社。現在は調理部宴会調理課に所属


不完全燃焼の体験からもっと本番に強くなりたい

 昨年11月に行われた技能五輪全国大会の西洋料理職種で金賞を受賞した野村汰剣さん。横浜ロイヤルパークホテルの宴会料理をつくる部署で働いています。

 大会の課題はオードヴル、メインディッシュ、デセール(デザート)の3品で、指定された食材を必ず使わなければなりません。さらに、オードヴルはベジタリアン前菜と決められていました。選手は大会前にレシピを考え、そのレシピと、それをもとにつくった料理の写真を提出。当日は、見た目や味だけではなく、レシピに忠実かも審査されます。

 野村さんは普段、主にスープなどの温かい料理を担当しており、デセールをつくる機会はありません。そのため、楽しさを感じる一方、最も苦戦したそう。しかし、通常どおり仕事をしつつも、時間が許す限り練習し、本番に臨みました。

 料理は、オードヴルが1人前110gなど、重さも決められています。「デセールは110gと決まっていたのに4gオーバーしてしまいました」と悔やむ野村さん。「本番では半分くらいしか力を出せず、不完全燃焼でした。もっと本番に強くなりたい」と、大会への出場を機に、次の目標を見つけることができたようです。

技能五輪国際大会
 




大会に向けた練習でつくったオードヴル「あいちのかおり(米)、ポテト、赤ピーマンのムースのガトー仕立て ドライトマトとほうれん草のソースを添えて」

 

出  典 : 広報誌『厚生労働』2020年2月号 
発行・発売: (株)日本医療企画(外部サイト)
編集協力 : 厚生労働省