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15歳以上の障害者が技能を競い合う「全国障害者技能競技大会(アビリンピック)」。昨年の沖縄大会で金賞を受賞した出場者にインタビューしました。

高い技術力と人間性を
兼ね備える歯科技工士に

中川直樹さん
歯科技工
なかがわ・なおき●1986年、埼玉県生まれ。2018年、株式会社中田デンタル・センターに入社。同年、第38回アビリンピックの歯科技工種目で金賞を受賞。


カービングを繰り返し歯の形を記憶

 株式会社中田デンタル・センターで働く中川直樹さんは、歯科技工士としてセラミッククラウン(かぶせもの)を製作しています。セラミッククラウンはジルコニア ※1のコーピング ※2に陶材を筆で築盛して焼き固めた後に、削って(カービング)歯の形に仕上げます。歯の形を覚えるため、学生時代は一日数本の石膏カービングを行ったそうです。

 昨年のアビリンピックでは、上あごの歯の土台に歯の形を蝋で復元し、下あごには人工歯を並べて歯肉まで再現するという課題が出ました。「下あごの人工歯が小さく、さらに上あごが下あごよりも大きいため、そのまま人工歯を並べると、噛み合わせが悪くなってしまいます。そこで、下の前歯を少し前に倒すかたちで並べ、歯並びを少しずつ調整してきちんと噛めるようにしました」。前日は緊張して眠れなかったそうですが、見事金賞を獲得。「環境を整えていただいた職場の皆さん、友人、家族には感謝の気持ちでいっぱいでした」と笑みを見せます。

 歯科技工士の仕事には、ものづくりの楽しさと、人の役に立つというやりがいの両方があります。中川さんは技術力の高さに加え、豊かな人間性を持つ歯科技工士をめざして、今も努力を重ねています。

※1:酸化ジルコニウムのこと。歯科補綴材料として使われる。
※2:かぶせもののベースとなる部分。

アビリンピック
 


クラウン(かぶせもの)を加工するのに使うバー