イベント/宮城県仙台市で依存症の理解を深める普及啓発イベント開催

 11月4日(月・祝)、『依存症への理解を深めよう 回復を応援し、受け入れる社会へ』がAER(宮城県仙台市)で催されました。厚生労働省がアルコールやギャンブル、薬物などの依存症についてのこうした啓発イベントを仙台市内で開催するのは初めて。

 オープニングでは5人組アイドル〈神宿〉が『タフ♡ラブ』などを披露。タフラブとは依存症支援に役立つ愛のかたちを意味する言葉です。

 総合司会の元NHKアナウンサー、塚本堅一さんは、危険ドラッグ所持で逮捕された経験があります。今年10月から依存症啓発サポーターを務める古坂大魔王さんは塚本さんの体験を引き出しながら、軽妙なかけあいで聴衆を引き込みました。

 最初のトークのテーマは「依存症ってなんですか?」。国立精神・神経医療研究センター薬物医療センター長の松本俊彦さんとギャンブル依存症問題を考える会代表の田中紀子さんが依存症の基本を解説。松本さんは「依存症は病気。罰則や家族の愛情、本人の意思だけでは回復しない。正しい治療こそが必要」と強調し、かつてギャンブル依存に苦しんだ田中さんは「周囲の支えを受けることで人とのつながりを信じることができ、回復できた」と自らの事例を紹介しました。

 次のトーク「わたしたちにできること」では、元俳優の高知東生さんが薬物依存症となった経緯や周囲からの偏見に悩んだことを紹介。「皆さんの前で話すことができるまで立ち直れたのは、自助グループのおかげ」と明かすと、古坂さんが「こうした高知さんの姿を見ることが、当事者やその家族の理解につながる」と応えました。

 最後に松本さんは「依存から脱しようと一人で奮闘するのは苦しく、成功率も低い。精神保健福祉センターなどに相談し、ぜひ支援組織や同じような仲間とつながって」とサポートする組織や団体を紹介。「それがなりたかった本当の自分に近づく近道でもある」と呼びかけました。

 福岡(1月26日)、東京(3月1日)においてもイベントを行います。詳しい情報は下記リンクをチェック!!

 依存症への理解を深めよう
 



『タフ♡ラブ』で力強いメッセージを送るアイドルグループ〈神宿〉



(左から)アナウンサーの塚本堅一さん、依存症啓発サポーターの古坂大魔王さん、国立精神・神経医療研究センター薬物医療センター長の松本俊彦さん、ギャンブル依存症問題を考える会代表の田中紀子さん



高知東生さんは体験を交えつつ家族や友人、自助グループへの感謝の言葉を伝えた


 

出  典 : 広報誌『厚生労働』2019年12月号 
発行・発売: (株)日本医療企画(外部サイト)
編集協力 : 厚生労働省