世界が変わる 技術で変わる

日本を支えるものづくり。国は今、2023年技能五輪国際大会の愛知県招致をめざしています。技術の魅力や面白さを若手技能者にインタビューしました。

負けた悔しさをバネに
いっそう技術を磨き頂点に

 


 

加藤智也さん
時計組立
かとう・ともや●1997年、岩手県生まれ。2016年、盛岡セイコー工業株式会社に入社。2018年の技能五輪全国大会「時計修理」職種で金賞受賞。現在、同社の雫石高級時計工房でグランドセイコーの組立を担当。


100分の1ミリの世界を技術力で巧みに調整

 若手技能者たちが技能レベル日本一を競う技能五輪全国大会。時計修理の職種では、クオーツ腕時計の故障および不具合修正、機械式ムーブメントの故障および不具合修正、時計部品製作、外装部品仕上げの4つの課題が出されました。昨年みごとに金賞を受賞したのは、盛岡セイコー工業株式会社の雫石高級時計工房で時計の組立に携わっている加藤智也さんです。

 現在担当しているのは、高級腕時計の基盤となる「地板」と呼ばれる板状の部品に歯車などの部品を乗せ100分の1~3ミリ単位で調整するという緻密な作業です。「子どものころから腕時計は身近なものでしたし、興味があったので、楽しくもあり難しくもあり、身の引き締まる思いで組み立てています」と話す加藤さん。

 実は2017年にも技能五輪全国大会に挑戦したものの、残念ながら入賞は果たせませんでした。持ち前の負けず嫌いな性格から、さらなる訓練を重ねての再挑戦で勝ち取った金賞は、「うれしい驚きとともに自信にもつながった」とのこと。お客さんにいつの日か、「加藤さんが組み立てた時計だから買いたい」と言われることをめざし、妥協なき姿勢で技を磨いています。



加藤さんが技能五輪全国大会で挑戦した機械式ムーブメント(左)とクオーツ腕時計(右)



精密な部品をピンセットを使い、指先で操り、完成させていく

技能五輪国際大会