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平成25年5月21日

労働基準局安全衛生部

労働衛生課長 椎葉 茂樹

調  査  官  松下 高志

業務第四係長 吉岡 生博

(電話) 03 (5253)1111(内線5498,5497)

報道関係者各位


暑さが本格化する前から職場での熱中症対策の徹底を!

~昨年の傾向や平成25年の職場での取り組み~


 厚生労働省では、このほど、平成24年の「職場での熱中症による死亡災害の発生状況」をとりまとめました(別添資料参照)。

 それによると、昨年(平成24年)の職場での熱中症による死亡者は21人と、依然として多くの方が亡くなっています。また、死亡した21人のうち18人については、WBGT値(暑さ指数)の測定を行っていなかったことが明らかとなるなど、熱中症予防対策の的確な実施が必要となっています。
 業種別にみると、「建設業」(11人←平成23年7人)、「製造業」(4人←同0人)で増加し、「農業」(0人←同2人)、「警備業」(2人←同3人)、「その他の事業」(2人←同4人)で減少しています。また、昨年は、7月と8月に集中的に発生し、死亡災害の57%が高温多湿な環境での作業開始から2日以内という短期間で発生しています。

 厚生労働省では、職場での熱中症の予防について、
・WBGT値を測定することなどによって、職場の暑熱の状況を把握し、作業環境や作業、健康の管理を行う
・熱への順化期間(熱に慣れ、その環境に適応する期間)を計画的に設定する
・自覚症状の有無にかかわらず、水分・塩分を摂取する
・熱中症の発症に影響を与えるおそれのある、糖尿病などの疾患がある労働者への健康管理を行う
などの具体的な対策を定めています(平成21年6月通達。参考1参照)。

 今年の夏は、平年より気温が高くなることが見込まれるため、熱中症に対する予防対策を重点的に実施することにしました(平成25年5月通達。下記概要、参考2参照)。
 こうした対策に基づき、都道府県労働局・労働基準監督署による事業場への指導、パンフレット(参考3参照)の配布などの取り組みを推進していきます。


平成25年の職場での熱中症予防対策の重点的な実施についての概要

平成25年の職場での熱中症予防対策の重点的な実施についての概要

1 建設業や、建設現場に付随して行う警備業では、特に次の4項目を重点事項とすること。

(1) WBGT基準値を超えることが予想される場合には、簡易な屋根の設置、スポットクーラーの使用、作業時間の見直しを行うとともに、単独での作業を避けること。
作業時間については、特に、7、8月の14時から17時の炎天下等でWBGT値が基準値を大幅に超える場合には、原則作業を行わないことも含めて見直しを図ること。
(2) 作業者が睡眠不足、体調不良、前日に飲酒、朝食を食べていない、発熱下痢による脱水等の場合は、熱中症の発症に影響を与えるおそれがあることから、作業者に対して日常の健康管理について指導するほか、朝礼の際にその状態が顕著にみられる作業者については、作業場所の変更や作業転換等を行うこと。
(3) 管理・監督者による頻繁な巡視や、朝礼等の際の注意喚起等により、自覚症状の有無に関わらず、作業者に水分・塩分を定期的に摂取させること。
(4) 高温多湿な作業場所で初めて作業する場合には、順化期間を設ける等配慮すること。

2 製造業では特に次の2項目を重点事項とすること。

(1) WBGT値の計測等を行い、必要に応じて作業計画の見直し等を行うこと。
(2) 管理・監督者による頻繁な巡視や、朝礼等の際の注意喚起等により、自覚症状の有無に関わらず、作業者に水分・塩分を定期的に摂取させること。

○ 熱中症とは

 高温多湿な環境下において、体内の水分及び塩分(ナトリウム等)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして、発症する障害の総称。
 めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐(おうと)・倦怠(けんたい)感・虚脱感、意識障害・痙攣(けいれん)・手足の運動障害、高体温などの症状が現れます。

(参考)

 人口動態統計月報(概数)の平成24年6~9月分での熱中症による死亡者数は、685人(※)となっています。(※ 労働者以外も含む人数)

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