ホーム> 報道・広報> 報道発表資料> 2012年8月> 「化学物質のリスク評価検討会報告書」取りまとめ
平成24年8月1日 労働基準局安全衛生部 化学物質対策課化学物質評価室 室長 松井 孝之(5508) 室長補佐 瀧ヶ平 仁(5511) 化学物質情報管理官 寺島 友子(5511) (代表電話) 03(5253)1111 (直通電話) 03(3502)6756 |
報道関係者各位
「化学物質のリスク評価検討会報告書」取りまとめ
「アンチモン及びその化合物」で労働者の健康に高いリスク、今後、詳細評価を予定
厚生労働省の「化学物質のリスク評価検討会」(座長:名古屋俊士 早稲田大学理工学術院教授)はこのほど、平成23年度ばく露実態調査対象物質に係る報告書をまとめましたので、公表します。
事業場で使用されている化学物質の中には、その取扱いによっては労働者にがんなどの健康障害を生じさせるおそれのあるものがあります。こうした物質について、検討会は毎年、「初期リスク評価」(※1)を行い、リスクが高いと考えられる事業場の存在が確認された物質についてはさらに「詳細リスク評価」(※2)を実施して、事業場間などに共通するリスクがあるか否かを検討・提言しています。
※1 初期リスク評価:事業場で労働者がどの程度、化学物質にさらされたかを把握する実態調査(「ばく露実態調査」)で得られたばく露の程度(「ばく露レベル」)と、労働者が勤労生涯を通じてその物質に毎日さらされた場合に健康に悪影響が生じる「ばく露限界値」(「評価値」)との比較により、健康障害の生じるリスクの高低を判定する。
※2 詳細リスク評価:初期リスク評価で高いばく露が確認された物質に対し、問題となる作業工程を対象に追加的にばく露実態調査を行い、事業場間等に共通するリスクの有無を判定する。
平成23年度は、5物質について「初期リスク評価」を、4物質について「詳細リスク評価」を実施しました。
※「詳細リスク評価」を実施した4物質は、全て平成22年度に「初期リスク評価」を実施し、高いリスクが認められた物質。
「初期リスク評価」が行われた5物質では、「アンチモン及びその化合物」のうち「三酸化二アンチモン」で高いリスクが認められ、さらに詳細なリスク評価が必要と判定されたため、今後「詳細リスク評価」を実施することにしています。
他の4物質については、ばく露の測定結果からリスクは高くないと考えられ、関係事業者が自主的なリスク管理を進めることが適当とされました。
また「詳細リスク評価」が行われた4物質のうち「酸化チタン(IV)」は、ナノ粒子サイズのものについてリスク評価を順次実施予定のため、今回は中間とりまとめとし、ナノ粒子に関するリスク評価結果を待って最終的な評価を行うこととされました。
残る3物質※注については、事業場間で作業工程に共通すると考えられる高いリスクは認められなかったため、関係事業者が自主的なリスク管理を進めることが適当とされました。
※注 3物質のうち1,3-ジクロロプロペンは、平成24年7月23日付基安発0723第1号において、指導対象としている「脂肪族塩素化合物」に該当する化学構造式を持つものであるが、主に土壌くん蒸用の農薬として使用されるものであり、洗浄用有機溶剤として使用されることは一般的でない。
厚生労働省では、高いばく露レベルのみられた事業場などに対し、適切な管理を行うよう関係事業者に指導する予定です。
評価対象となった物質一覧と評価結果については、別添資料をご覧ください。
※本報告書は、当省ホームページに掲載しています。
PDFファイルを見るためには、Adobe Readerというソフトが必要です。Adobe Readerは無料で配布されていますので、左記のアイコンをクリックしてダウンロードしてください。