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平成30年1月31日 【照会先】 労働基準局安全衛生部 化学物質対策課 化学物質評価室 室長 穴井 達也 (内線5508) 室長補佐 平川 秀樹 (内線5511) 化学物質審査専門官 磯崎 勇太 (内線5511) (代表電話) 03(5253)1111 (直通電話) 03(3502)6756 |
報道関係者各位
「平成29年度化学物質のリスク評価検討会報告書」を公表します
~事業場で使用されているピリジン等の化学物質について初期リスク評価を実施~
厚生労働省の「化学物質のリスク評価検討会」(座長:名古屋 俊士 早稲田大学名誉教授)では、毎年度、事業場で使用されている化学物質による労働者の健康障害のリスク評価を行っています。このほど、 ヒトに対する発がん性が疑われるなどの5物質に関する初期リスク評価(注1)の結果を、 報告書としてまとめたので公表します。
今後の取組として、「ピリジン」については、詳細リスク評価(注2)に着手することとし、「ニッケル(金属及び合金)」については、ヒューム(※)等の発生が見込まれる溶接作業に関するばく露実態調査等に着手することとします。また、こうした検討や調査などに先立ち、関係団体に対し、今回の報告書に基づく労働者の健康障害防止対策の徹底について要請します。
(※)固体物質の蒸気の凝固または気体物質の化学反応によって生じた微小な固体粒子で空気中に浮遊するもの。
【リスク評価結果】
■ 「ピリジン」
初期リスク評価の結果、一部の事業場でリスクが高い状況が見られたことから、詳細なリスク評価が必要である。
■ 「ニッケル(金属及び合金)」
ヒューム等の発生が見込まれる溶接作業に関してのデータが不足していることから、ばく露実態調査を実施した上で当該物質のばく露評価をまとめる必要がある。
■ 「テトラエチルチウラムジスルフィド」、「二塩化酸化ジルコニウム」、「メタクリル酸」
事業場での取扱い状況等にかんがみれば、リスクが高い状況は見られず、労働者の健康障害のリスクは低いと考えられるが、有害性の高い物質であることから、リスクアセスメント等の関係事業者による自主的なリスク管理を進めることが適当である。
<注1・2>
●化学物質による労働者の健康障害のリスク評価について
事業場で使用されている化学物質の中には、その取扱いによっては労働者に、がんなどの健康障害を生じさせるおそれのあるものがあります。厚生労働省では、こうした物質について、「化学物質のリスク評価検討会」を毎年度開催して「初期リスク評価」※1を行い、リスクが高いと考えられる事業場の存在が確認された物質については、さらに「詳細リスク評価」※2を実施して、各事業場などに共通するリスクの有無を検討・提言しています。
※1 「初期リスク評価」は、 検討会の下に設けた「有害性評価小検討会」や「ばく露評価小検討会」がそれぞれ行う 「有害性の評価」と「ばく露の評価」を基に行います。
「有害性の評価」は、対象となる物質について主要文献から有害性の種類や程度などを把握し、得られた情報から有害性の評価を行うとともに、労働者が勤労生涯を通じてその物質に毎日さらされた場合に健康に悪影響が生じるばく露限界値(「評価値」)を設定します。
「ばく露の評価」は、「有害物ばく露作業報告」(労働安全衛生規則第95条の6の規定に基づく報告)の提出があった事業場に対して実態調査を行い、それにより得られた労働者のばく露測定結果からばく露濃度を算出します。
有害性の評価から得られた「評価値」と、ばく露の評価から得られた「ばく露濃度」を比較することにより、労働者に健康障害の生じるリスクの高低を判定します。
※2 「詳細リスク評価」では、初期リスク評価で高いばく露が確認された物質について、問題となる作業工程を対象として追加的にばく露実態調査を行い、各事業場などに共通するリスクの有無を判定しています。
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