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平成27年12月25日

【照会先】

労働基準局 安全衛生部 安全課

課長 野澤 英児

建設安全対策室長 奥村 伸人

技術審査官 夏井 智毅

(代表電話) 03(5253)1111(内線5486)

(直通電話) 03(3595)3225

報道関係者各位


労働安全衛生法に基づく規格を満たさない パイプサポートの流通が判明しました

~ 建設業界団体や、都道府県労働局に通知 ~

厚生労働省は、本日、一般社団法人仮設工業会から情報提供があった労働安全衛生法に基づく規格を満たしていない型わく支保工用のパイプサポートが一部で流通していることについて、建設業界団体や都道府県労働局に対し、通知を行いましたので、お知らせします。

パイプサポートは、建設工事などでコンクリートを流し込んだ型わくをコンクリートが固まるまで支えるための支柱です。倒壊などを防ぐために、労働安全衛生法に基づく所要の規格を満たしていないものは、譲渡、貸与、設置をすることができません。

今回問題となっているパイプサポートは、次ページの写真のとおり、受け板と台板に切り欠きがあるタイプの製品で、規格で義務付けられている製造者名や製造年などの表示がありません。

このパイプサポートの一部について、一般社団法人仮設工業会において試験を行ったところ、規格で規定されている強度を満たさないものや、規格で規定されている腰管や差込み管の肉厚の値を満たさないものがあることが確認されました。

なお、製造者と流通経路については現在調査中です。

 

※型わく支保工用のパイプサポート等の規格(昭和56年労働省告示第101号)


報道関係者の皆さまへ

今回のパイプサポートによる事故などを防ぐため、注意喚起にご協力ください

<パイプサポートを設置等される方へ>

(1)    労働安全衛生法に基づく規格で義務付けられている製造者名、製造年等の表示がないものを譲渡、貸与、設置してはいけません。

(2)    製造者名、製造年等の表示がないパイプサポートは本来、設置することはできませんが、仮に、現に設置してあるものがあれば、立入禁止区域を設ける、必要に応じて支保工の補強を講じる(補強のための作業の安全が確保されない場合は除く)などの措置をとってください。

1 問題となっているパイプサポート

    ・規格で義務付けられている製造者名、製造年等の表示がない

      

    ・受け板及び台板に切り欠きがあるタイプ



 (写真提供:一般社団法人仮設工業会)

2 満たしていない規格の内容

(1) パイプサポートの腰管、差込み管の肉厚

腰管や差込み管の肉厚が規格で定める値を満たさないものが確認されています。


      
腰管、差込み管の肉厚の一例 (最大使用長309cm

供試体NO.

1

2

3

4

5

腰管の肉厚[mm

1.92

1.92

1.88

1.88

1.90

規格で定められている基準

2.0mm 以上

 

差込み管の肉厚[mm

2.191

2.170

2.176

2.194

2.198

規格で定められている基準

2.2 mm以上

(資料提供:一般社団法人仮設工業会)

 

(2)強度 試験(ナイフエッジによる圧縮試験)

座屈に対する強度を調べるための試験(ナイフエッジ(座屈を誘発しやすい試験環境をつくるために取り付ける治具)による圧縮試験)による強度が規格で定める値を満たさないものが確認されています。

   試験結果の一例(ナイフエッジによる圧縮試験)(最大使用長255cm

供試体NO.

1

2

3

4

5

強度[kN]

22.55

24.20

24.75

23.65

24.35

規格で定められている基準

26.0 kN以上

(資料提供:一般社団法人仮設工業会)

 

※ 今回試験を行ったのは、最大使用長が255cm及び309cmのものですが、それ以外のサイズのものが流通している可能性がありますのでご注意ください。

(参考)パイプサポートの構造(概念図)

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