第24回医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会議事録

 
 
 
 
 
 
 
第24回医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会
 
 
 
                                        日時  平成27年6月10日(水)
                                              16:00~
                                        場所 航空会館大ホール

○北村座長 それでは、定刻を少し回りましたので、第24回医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会を開催させていただきます。本日は、先生方、皆様方、大変御多忙の中お集まりいただきありがとうございます。今後の方針を決める上で、この委員会は重要な会議となりますので、よろしくお願いします。それでは、まず委員の出欠状況、配布資料の確認をお願いいたします。
○参事官 参事官の磯部です。よろしくお願いします。今、座長からお話がありましたように、前回、ニーズ検討会の見直しの議論をさせていただきましたが、その上で、事務局から提出させていただいた資料について幾つか修正ございましたのと、そのほかでも少し細かいところでございますが、幾つか修正の御提案をさせていただいていますので、本日はその辺りを御議論いただければと思っています。
 最初に、委員の出欠状況ですが、委員の出欠状況の前に、本日初めて御参加いただいた委員の先生の御紹介をさせていただきたいと思います。日本医師会常任理事の鈴木邦彦先生です、よろしくお願いいたします。
○鈴木委員 日本医師会で薬事を担当しています、鈴木です。よろしくお願いいたします。
○参事官 それで、委員の出欠状況ですが、本日は委員16名のうち、現時点で13名御出席で2名、加納先生と渡辺先生が御欠席ということでありまして、笠貫先生が遅れているということです。
 続きまして、配布資料の確認をさせていただきたいと思います。
○事務局 それでは確認をさせていただきます。本日、検討品目に関する議題はありませんで、ニーズ検討会の見直しに関する議題のみとなります。配布資料一覧として議事次第の下半分を御覧ください。こちらを見ながら御確認いただければと思いますが、まず資料1-1「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会開催要領」改定案というものです。資料1-2「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討の進め方(改定案)」。資料1-3「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討の進め方(流れ図)(改定案)」。資料1-4「早期導入を要望する医療機器等に関する要望書(改定案)」。資料1-5「ワーキンググループの設置について(案)」です。ここまでが本体の資料になります。
 参考資料ですが、こちらが1~7まであります。参考資料1が「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会開催要領」で、現在のものです。それから、「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会委員名簿」は参考資料2ですが、今のものです。参考資料3「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会の進め方」、これも現在のものになります。参考資料4「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討の進め方(流れ図)」、これも現在のものになります。参考資料5「これまでの選定品目の現状」、それから参考資料6ですが、「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会の見直しについて(案)」ということで、これは4月21日に検討したものをそのまま配らせていただいています。参考資料7は医薬品の資料になりますが、「未承認薬・適応外薬検討会議資料」ということで、配布させていただいております。配布資料の確認は以上です。
 これより議事に入りますので、傍聴されている方によるカメラ撮影はこれまでとさせていただきます。御協力のほどよろしくお願いいたします。
○北村座長 ありがとうございました。皆さん、資料はおそろいでしょうか。それでは、議事に入ります。1つだけ確認させていただきたいのですが、参考資料7に入っている未承認薬あるいは適応外薬のほうは、これは承認済になったと。4月に会議が開かれておりますが、参考資料7に書いてあることで、決定したと考えてよろしいですか。
○事務局 これは、4月21日時点の配布資料ということになります。
○北村座長 薬のほうの見直しのほうは出来上がった、完了したと。
○参事官 一応検討は終わったのですが、これは配布資料のバージョンなので、これから少し文言の変わった部分があると聞いています。その最新版を今日は用意してきておりませんが、もし何かございましたら、適宜補足の説明をいたします。中身は聞いておりますので。
○北村座長 要するに、未承認薬のほうも見直しを進めているし、本日やる医療機器のほうも見直していこうということで、理解してよろしいですか。
○参事官 そのとおりでございます。
○北村座長 ありがとうございました。それでは、事務局よりニーズ検討会の見直しについて御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。
○事務局 それでは、資料は1-1から資料1-5まで通しで御説明させていただきます。
 資料1-1を御覧ください。これは先ほどお配りした参考資料1の現行のものをベースにどこを直そうとしているかが分かるように赤字で見え消し版の形で配らせていただいており、そこを中心に説明いたします。まず1.の「目的」ですが、赤字の「欧米での承認実績や論文等で公表された優れた試験成績等のエビデンスに基づいて」という所を加えさせていただいております。今まで欧米で承認されていたものを対象にこの検討会の中で検討してまいりましたが、この見直しによって、承認されたもの以外の未承認のものも拾えるような形でこちらのほうを修文しております。
 2.の「主な検討事項」の所ですが、赤字の所は「医療上の必要性の評価」という形で修文しております。こちらの「臨床上医療上」という形で両方の言葉を使われていましたが、「医療上」という形で統一させていただき、欧米諸国の承認状況を含めていますが、未承認のものも拾うことになりますので、こちらは消しております。
 3.の「検討会の構成等」の(3)は、「検討会は、個別の検討事項について具体的な評価を行うため、各疾患領域に係るワーキンググループを設けることができる」という形で修文しております。こちらについては、今まで1つのWGで処理をしていたところですが、これを領域別にWGを増やして検討したいと考えておりますので、このような形で修文を掛けております。
 次ページの4.の「運営等」ですが、(1)「検討会は、年4回をめどに開催するが、必要に応じて随時開催することができる」と追記しております。今まで年1、2回必要に応じて開催してきましたが、ここについては年4回をめどにきちんと開いていこうという趣旨です。
 資料1-2についてはいろいろな所がほぼ赤字で埋まっていますが、4月21日に検討させていただいた検討会資料の中の部分を、まず赤字の所で取り込ませていただいております。4月21日から特に変わった部分について、左の所の項目に黒マルを立てております。例えば資料1-2の1ページから説明すると、左の黒マルの所で、1.の「学会等からの要望に関する意見募集」の2「学会等は、早期導入を要望する医療機器等の有効性・安全性等を示す公表論文等の根拠資料を収集し、当該資料に基づいて選定基準への該当性を要望書に記載する」という所がありますが、加わった所が、「なお、要望する医療機器等について、新たにデータを収集する必要がある場合に学会の協力の可否について要望書に記載する」というものです。これをすることによって、データが不足している場合に、開発の予見性が高まるだろうということで、加えさせていただいております。
 2ページには、前回4月21日から加わった所が4点あります。2.の「要望品目等の評価と早期導入品目の選定」の四角の枠の中の3ですが、こちらについては「ワーキンググループは、要望内容を的確に把握するため、必要に応じて要望提出学会等にワーキンググループへの参加を求めることができる」。これは要望された学会から直接ワーキンググループのほうにも参加することができるようにして、直接話を聞くことができるようにしようといったものです。
 5の所は、「要望提出学会等で根拠となる資料について、追加のデータが必要な場合など、ワーキンググループにおいて『保留』とされている場合には、『保留』と判断した理由を明確にした上で、必要なデータを要望提出学会に要求すると共に、その進捗状況を検討会に定期的に報告する」と。これは中途半端になっている状態にするのではなく、しっかりフォローアップしようという趣旨です。
 6は「選定過程において、要望があった医療機器等の類似品が上市されるなど医療環境の変化が生じた場合には、要望提出学会等に対して要望内容の再検討を依頼し、医療上の必要性を再評価する」ということで、こちらは類似の製品などが出たときに本当にニーズが引き続きあるのかどうか、そういったところもきちんと確認したいということです。
 7は「検討会において選定基準に該当しないとされた医療機器等について、新たな根拠資料を追加すること等により、再度要望を提出する場合は、追記・変更箇所が明確になるよう要望書に記載する」。これは書いていただいたほうがいいだろうという趣旨です。
 3ページの9は「要望提出学会の執行部に在籍する委員は、当該品目の選定可否に係る議決には参加してはならない。ただし、当該品目に関する議論に参加することは可とする」。こちらのほうはやはり、利益相反の関係がありますので、このような規定を入れるべきだろうということで入れさせていただいております。
 次に別紙1ですが、この別紙1はどこにぶら下がっているかというと、資料2-1の1ページの1.の1に、「厚生労働省は、『検討会における対象医療機器等の選定基準』に該当する医療上の必要性の高い医療機器等について、学会等から要望に関する意見を募集する」とありますが、この選定基準が別紙1という位置付けとなっております。
 別紙1ですが、a)からc)のいずれの条件も満たす医療機器等がこの基準になっておりまして、特にc)の所について御覧いただきたいと思います。こちらは、今まではどのような記載になっていたかというと、医療上特に必要性が高いと認められるものとして、医療上の有用性の観点から「総合的に評価」と、そのものが書いてありましたが、この部分ははっきりさせようということで、「医療上の有用性と適応疾病の重篤性の観点から、総合的に評価し、以下の(1)(2)の両方についてア、イ又はウと評価された場合には、医療上特に必要性が高いと認められるものとする」ということで、別紙1の下の4分の1ぐらいの所ですが、医療上の有用性、次ページの適応疾病の重篤性という形で書いてあります。
 「医療上の有用性」のウの所は、今までは「その他」という形になっていましたが、こちらの「その他」の所を切りまして、「治療法、予防法、若しくは診断法として医療上の有用性が期待できること」という形できちんと書こうと。それから、該当しないものがあれば「該当しない」の形でエとして設けております。
 別紙2ページですが、(2)「適応疾病の重篤性」のウの所ですが、こちらも「その他」としか書いていなかったところを、「その他日常生活に著しい影響を及ぼす疾患であること」ということでしっかりと書き、それからエとして該当しないものも、「該当しない」と選べるようにする。
 2ページの※は、これは何が違うかというと、欧米未承認医療機器等の場合については、前のページの(1)「医療上の有用性」のイの「欧米において承認されており」の文言は要らないだろうということで、この所を削りまして、アとイ、ウは無いものとして「-」として、エ「該当しない」という形で構成しております。
 資料1-3は、資料1-1、資料1-2をフローチャートで示したものです。例えば上の図でいくと、「ワーキンググループ(診療科ごとに設置)」の所は変えておりますし、上のスライドの下の4分の1ぐらいの選定基準の所も変わっております。それから下のほうのスライドですが、今まで文章で書いてあることが、そのままフローチャートで示しておりますので、文章と突き合わせるとどのような形で流れていくかというのが分かるかと思います。
 資料1-4は、こちらの要望書は前回の4月21日にも見ていただきましたが、今回の資料1-1、資料1-2の修正を反映する形で所要の整理を行いました。
 もう1点大きなところで、資料1-5です。では、WGがどうなるのだろうかという話ですが、個別の事項については、ニーズ検討会の下に設置するWGを分けて検討していきたいと考えております。最大8名程度からなる7つのWGを設置したいと考えております。これは各診療分野を考慮して決めていきたいと思っておりまして、一応、こちらのほうではWG1からWG7という絵がありますが、このような形で分けられないかということで考えております。
 前回、WGを分けた場合に各専門領域で独自文化が発達していって、バランスが崩れるのではないかという御指摘があったかと思いますが、その辺りについては、各WGの専門領域以外の公衆衛生の先生、それから研究を特に中心にやられている先生を横軸で入れるなどして、このバランスを取れないだろうかということで考えています。
 小児の複数の領域にまたがる品目であるとか、小児領域の品目については、他のWGの先生方で小児のプロフェッショナルの先生がいらっしゃれば、その先生方を、その所属WGから知恵をお借りするというか、異動して入っていただき、そこのところまで評価できるようにしようということで考えております。説明は以上です。
○北村座長 今、事務局から説明いただきましたが、初めて見られる方がおられましたら理解がちょっと困難かもしれませんが、大局は以前とは大きな変革はありません。学会からのニーズを中心的に運営していくということにも、以前と変わりはありません。しかしながら、書類上の多々の整理、あるいは利益相反の問題などをより明確に規定するという形で黒マルの所を中心に説明いただきました。どなたか御質問、御意見等はありますでしょうか。
○鈴木委員 資料1-2の3ページの4.の「選定品目に対する早期申請に向けた助言等」の2ですが、「開発企業に対し、既存のデータの活用を図りつつ、必要により臨床データの収集等も含め、医薬品医療機器総合機構での個別相談を受け早期申請を行うことを勧奨し」ということで「個別相談」とありますが、これは有料ですか、無料ですか。どのように考えておりますか。確認させてください。
○参事官 一応、そこは有料の相談というように思っておりまして、PMDAからも補足していただければと思いますが、これまで得られているデータがどこまであるのかと、もう一度精査させていただき、ニーズに選定する前でも選定した後でも、企業の要望に応じて、どういうデータをお持ちで、あとは、承認ということまで至らせるためには、このデータだけで十分なのか十分でないのかということについて精査をして、それについてお返事をするという形で思っておりますので、大分、手間も掛かるかと思いますので、私どもとしては有料の相談を一応考えております。
○鈴木委員 そこは一般に、最初の相談は無料で、途中から有料なものもありますので、最初の敷居は低くして、余り高くしないほうがいいのではないかと思います。無料というわけにいかなければ、できるだけ安くという配慮だ必要かと思います。よろしくお願いします。
○北村座長 ありがとうございました。ほかにどなたかありませんでしょうか。
 私から聞くのもあれですが、資料1-2の3枚目の別紙1、5ページですが、一番下の黒マルの「医療上の有用性」はア、イ、ウとなって、エが「該当しない」という形になっていますが、まず、イでは有効性・安全性が「優れていること」と明記され、ウでは「有用性が期待できること」となっていますが、イとウでは、どのように使い分けるというか、何か意図があった上での書き方なのでしょうかね。
○事務局 イについては、欧米において承認されている前提がありまして、少なくともその承認されている以上は何らかのデータがしっかりあって、それと、この検討会での検討対象の機器のどちらが優位なのだろうかという議論ができるのがイです。ウについては、ここについては優位性がなくても、例えば使い勝手がいいから有用性があるのだというようなものもあるだろうということで、明らかに優位でなくても使い勝手の観点であるとか、それを使うと、例えば手術などがより効率的にできるのだといったようなものがあれば、ウで拾えないかという発想です。
○北村座長 品目によってイに該当するもの、あるいはウに該当するもの、時には該当しないものも考慮するという理解でいいのですか。
○参事官 もうちょっと補足させていただきますが、イの場合は確かに今、説明させていただいたように、承認されているという前提になります。優れているということを通常言う場合には比較臨床試験が基本なのだろうと思っていますが、ただ、どこかの欧州か米国の規制当局で何らかの手法で優れているという、言ってみれば認定が読み取れるかどうかというのが1つのポイントになろうかと思っております。
 ウの場合は今回、欧米未承認のものも入ってまいりますし、もともとはっきりしないものでも医療機器の場合は、言ってみれば対照群を置かないで臨床試験のデータがあるもので、優れているであろうと思うけれども、どこまで立証ができ得るのかというのは議論があるところで、専門家の中でこれは期待が一番高く思えるだろうと。先ほど言った改善、改良のようなものは当然あるでしょうし、例えば実際に対照群を置かないで、シングルアームの試験であっても、かなり期待し得るというものは、医療機器ですと、どうしても症例数があまり取れない場合もありますので、しかも今回の対象は非常に希少な疾患が対象になり得ますので、先ほど言った優れているということを明確に示しにくいけれども、皆様の中で、これは相当程度期待できるだろうというものであれば拾ったほうがいいだろうということで入れさせていただいております。
 ただ、当然エビデンスのレベルは違いますので、その辺ははっきりさせた上で、どうするかを決定するということになろうかと思っております。
○北村座長 分かりました。日本製であってまだ欧米の承認が取れていないものももちろん対象になるし、欧米の製品であって、欧米が未承認のものでも、上に書いてあるような(1)から(3)の実績を満たせれば、日本での使用を許可するという検討対象にするということですね。
○参事官 そういう意味では、欧米未承認という言い方をしましたが、どちらかと言うと、欧米で開発中のものも当然入りますし、日本国内でいろいろな工夫をされてやられているもの、まだ欧米まで当然いかないけれども、日本国内で一応開発が進んでいるような、日本発の製品というか、そういったものも対象に捉えていると、両方の面があるだろうと思っております。
○北村座長 そう考えると、日本発の医療機器に政府も力を入れているのはご存じのとおりで、それを日本での承認をまず欧米に先駆けて取っていくということがやりやすくなる可能性があるのではないかという気がしております。ほかに委員の先生方からありますでしょうか。
○澤委員 資料1-2の2ページの2.の5ですが、文言どおりに見ると、類似したものが上市されてしまえば、ここで検討する必要はないのであろうという気はします。
 その一方で、そこの次に「要望内容の再検討を依頼し、医療上の必要性を再評価する」というのは、これは類似する商品も含めて再評価するのか、それとも類似しているからこそ、もう再評価してもしようがないではないかというような、単なる文字面の問題ですが、具体的に何か1つ例示のようなものはありますでしょうか。
○参事官 考え方としては、医療機器の場合は、例えば類似しても全く同一のものではないと思っております。今までの要望でも、既存品はありますが、また改良されていて非常に使い勝手がいいとかというもので要望が上がってくるケースもあります。それについては個別のケースに照らして、実際に類似品はあったとしてもこの要望のものは、やはりいろいろな使い勝手の問題とか、実際の医療現場の中で使われていく上でメリットがあるのだと、だからやってほしいのだというものなのか、さすがにこれはもうそこまでいいよというものなのかは個別に判断しなければいけないケースがあろうかと思っておりまして、このような書き方をさせていただいております。
○澤委員 何か良い例示はありますか。
○事務局 具体的にこの品目がということは言えませんが、参考資料5を見ていただくと、「これまでの選定品目の現状」の一覧があります。これは、例えば1ページの3番目の植込み型補助心臓、4番目の血管内塞栓物質は、1個の医療機器の名称でも複数ある場合に、1つが承認された後、残りの品目も本当にニーズとしておく必要があるのかないのかというのを個別の品目ごとに御検討いただく必要が、今後はあるのではないかという問題意識で書いてあります。
○澤委員 分かりました。どうもありがとうございました。
○千葉委員 資料1-2の1ページですが、前からずっと同じ議題があったかと思いますが、1「学会等(患者団体を含む)」の「学会等」は患者団体以外もあり得る前提で、この「等」という言葉をお使いですか。例えばあるしっかりとした病院で、これは学会とはちょっと違いますが、どんどん医師が試して、そして良い結果を出していくといったような場合は、これは含まれ得るのかどうかということですが。
○参事官 一応、そこのところは受付対象というように考えております。実は今回、黒マルでいろいろ付けましたが、未承認薬・適応外薬検討会議でも、同じような検討しているわけですね。実際に薬と医療機器でどうしてもいろいろなやり方が違う部分というのは、物の特性に応じて考えなければいけないのですが、例えばこのような手続とか、どういうものを要望の対象にするかということは、なるべく平仄を合わせることが、実際出される学会などは同じですので、薬になったらこれを受けてくれる、医療機器は受けてくれないとかというのも、多分多くの方は分からないと思いますので、我々としては今の未承認薬・適応外薬検討会議も、一応個人で出せることができるようになっておりますので、本当の個人の方はどうなのだということはあるにしても、一応受付の対象としては、そのような形で考えております。
○千葉委員 それから同じ資料の3ページで、3番目の大きな枠の所の選定品目を開発するということですが、これは、選定されたというものは相当開発が進んでいっているのだろうなというような想像をいたしますが、更にこれを企業に開発を要望するわけでしょうか。そのときのコストは例えば補助金とか、あるいは何かいろいろな公募とか、そういうやり方があるのでしょうか。そして同時にこれは厚生労働省が開発要請を行うとありますが、学会が開発要請を行うという選択肢もあるのでしょうか。そこのところをお教えください。
○参事官 開発要請をした場合に、私どものほうで行える支援策というものについては、基本的にはこの基準は、優先審査の基準にほぼ近いものです。ですから、それが申請時にもそういうことであれば、多くのものは優先審査の対象になる可能性があると。ということは、審査を早く、スピードアップができる。それから治験相談に関しても、我々もスムーズに薬事上のいろいろなアドバイスを速やかにやらせていただくということが、1つのこの選定されることのメリットだと思っております。
 もう1つは、やはり企業としては、これはこのような会議の場で医療上の必要性は高いということを認定されますので、そういうものとして見ていただけることを企業としてどう考えるかという形になろうかと思います。
 もう1つは、このような形だと、早く市場導入が望まれるということがありますので、先ほど申し上げた実際の個別の相談の対象になりまして、そういうものについて、あとどのぐらいデータが要るかとか要らないのかについて、市場アクセスを早く求められている中で、きちんと我々も早く考えることもありますので、そういう意味では、市場導入は我々サイドができ得ることは、そういう形でやると思っております。それで今のところ、これに選ばれた場合に、例えば開発の補助金があるかと言われると、それに完全にリンクしたものは特にありません。
 ただ、オーファンデバイスになると、基盤研の補助金があるとか、そういうことはありますので、このニーズ選定をされてリンクしていくものは必ずしもないとは思ってはございません。
 そのほか、例えば医師主導治験をやられるような場合は、今でも医師主導治験の研究費がありますが、これは日本医師会に多大なる御協力を頂いてやっております。例えばそういうところで選ばれやすいということは出てくるかとは思いますが、これに選ばれて直接的に補助金が出るということは今のところありません。後段の御質問は何でしたでしょうか。
○千葉委員 厚労省はあるとして、学会が企業に対して開発要請を行うということはあり得るのでしょうか。
○参事官 我々の理解としては、多くのものは学会のほうからこの企業に働き掛けをしているものが多いと思っておりますし、現実にそうだと思います。それで通常動いているものについては、学会のほうもわざわざ私どもに要望は多くの場合はしてこないのではないかと。つまり、それで動いているのであれば。多くの場合は、臨床現場なり学会とメーカーのほうでお話合いがされていて、これは是非やってほしいとか、それはメーカーとしてやりますとか、こういうお話合いが普段からいろいろ行われているものだと思っております。ただ、なかなかそれだけではいかないようなものもあろうかと思いますし、そういったものが基本的には私どものほうへ上がってきて、私どものほうでも精査させていただき、厚労省として要請をするかどうか、こういうステージに上がってくるものだと思っております。そういう意味では、ベースとしては学会からの開発要請というのは、ベースにはあるものだというように理解しております。
○事務局 1点だけですが、今の学会の関係の補足で、資料1-4の実際に学会等から出していただく要望書の10、11ページを御覧いただくと、一番下の7-2「国内の開発状況」で、実際に学会から企業に対して、どういう要請、コミュニケーションを取っていますかというのをここで聞かせていただいて、どのぐらい現場と企業の間で開発について進んでいるかを今回、要望書で書いていただこうと考えております。
○佐藤委員 今後、WGを幾つかに分けて評価するということになると、先ほども御指摘があったかと思いますが、WGの中での評価の基準というのを一定にしておかないといけないと、そういう意味での有用性は、有用性の評価の中で、曖昧性をできるだけ避ける必要があるということがあります。
 WGの今までの議論で、有用性と言ったときに、主に有効性と安全性の評価からやってきました。そのほかの指標ですが、先ほど侵襲の具合とか、扱いやすさとか、そのほかに通常は経済コストや、エフェクティブネスとか、そういったものも考えて有用性を議論するのが通常かと思いますが、今後はどのような評価軸で有用性を評価すべきか、その割合とかもあると思います。この辺を厳密にやるとなると、かなり細かい議論が必要かと思いますが、有用性ではなくて、役に立つかどうか必要性といったところで今回、アからエまでありますが、前回まではア、イ、ウを、それをWGで評価して、ABCと分けたわけです。それでAAとか、AB、BA、BBとか、それのランク付けをしていたつもりなのですが、まず質問は、今回はア、イ、ウのいずれか、両方とも入ってしまえば、これは「必要性あり」なので、アとイ、イとウ、アとウとか、そういったところの厳密な区別は必要ないのかどうかということですね。イとウでニーズのレベルが違うということになると、これはかなりWGでばらつきがあるとまずいということになりますので、その辺をまずお答えいただければと思います。
○事務局 今回こちらのほうで設定させていただいたメルクマール、基準ですが、これについてもアとイ、又はウという形で規定させていただいておりますので、ここについては並列です。
○佐藤委員 並列。
○事務局 並列です。ただ1つ考えられるのは、例えばこの見直しを受けた後に、私どもがこの周知する段階で、通知等を打っていくかと思いますが、その中でどういったものがア、イ、ウに位置付けられるのか、あとはどこまで詳細にするかということはあるかもしれませんが、例えばこういった要望を出すときの記載例のようなものを示せるのであれば、そういった中でア、イ、ウのどういったところが書かれるべきなのかというところの平仄を取っていき、並びを取っていくようなことは可能かもしれません。
○佐藤委員 いずれにしてもア、イ、ウのそれぞれが「期待できる」とはどういうことを意味するのかというような御質問もありましたが、WGのほうでも多分、それぞれの委員がその辺で質問があろうかと思いますので、やはり事前に曖昧な所は明確な基準を、明確なことができなければ、例えば例示といったものをできるだけ用意したほうが混乱を招かないのではないかと思います。
○吉田(茂)座長代理 今の点ですが、本来はアの次は、ウに書いてあることをイにしたらどうするのでしょう。ウは「なし」になっていますよね。「なし」になっている所は、なお、欧米で承認されている場合は有効性・安全性うんぬんについて、従来のものより優れていることが明らかであるということを言ってあげれば、どこでも入る。これが、欧米において承認されて優れているということが先に出てしまうと、それは何か見ないといけないかなと思ってしまうのです。そうではなくて、単に予防法も診断法もないこととか、予防法・診断法として期待できるというようにしておいて、ただし欧米において承認されている場合はというようにしたほうが、皆さんは入りやすいのではないかと私は思いますけれども。
○北村座長 つまり、ウをイにして、イをウにして順番を替えたほうが分かりやすいのではないかということですね。事務局のほうはいかがですか。
○吉田(茂)座長代理 迷わないで済むという意味では。
○参事官 はい、文章は考えてみたいと思います。
○北村座長 随分緩和をしていく中で、日本発の医療機械は、世界での承認よりもどうしても日本でまず承認をして、それから世界へ行くという道筋が今までもありましたが、それを推進したいという考え方もあるような気がいたします。今度、新しく7つのWGで最高8名までとなると、最大56名の数の指名はWGがするのか、それは厚生労働省がされるのか、それとも学会に依頼して推薦を受けるのですか。どの方向で56名の獲得をされる予定か、もしありましたら。
○参事官 WGについては、私どもの一応の頭の考え方としては、まずは、今、PMDAで実際に審査をやっていただいている外部の委員、専門委員で入られていますが、そういうところでいい方がいないかということを、まず考えようとは思っております。
 そのほか、それでもなかなか足らないところもいろいろ出てくると思いますので、例えば、この検討会の先生方や、必要によっては学会にお聞きしたり、そういうことを組み合わせて最終的には厚生労働省で選定をしたいと思っております。
○北村座長 分かりました。
○四宮委員 先ほど北村先生がおっしゃった日本オリジナルの開発ということですが、これは文章として読み取れないのですが、例えば、資料1-3の真ん中辺りにある選定基準のb)を見ると「欧米等において承認されているもの、又は一定の要件を満たす欧米未承認医療機器」です。日本オリジナル開発は、ほかの文章でもないように思うのです。皆さんは分からないのではないかと思うのです、どうでしょうか。
○参事官 確かに単に欧米未承認と書くだけだと、どういうことを意図しているのか分かりにくいことがありますので、例えば、これからまた学会に通知を出しますので、今のは欧米で開発されていて未承認のものや日本で独自に研究開発が進められているもの、そういうものを対象に考えているということは分かるように通知ではいろいろさせていただくことで、もしよろしければ、そのように進めたいと思います。
○鈴木委員 もう1つあるのですが、参考資料7は医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議の配布資料で、その資料2-2です。先ほど来、話が出ているところなのですが、基本的には薬の検討会の考え方を医療機器にも適用しようということだと思うのです。その中で薬の場合は、欧米の承認・未承認も含めてイは、既存のものと比べて「明らかに優れている」と、「明らかに」という言葉が両方入っているのですが、医療機器はそれが入っておらず、「期待できる」とか、言葉が少し弱くなっているのです。未承認のほうは「優れている」よりももっと弱くなっています。その辺の言葉の違いが、今後の方向性のどういう違いを想定しているのか、背景を教えていただければと思います。
○参事官 先ほども少しお話いたしました。医療機器の場合に、これまでの検討会で要望をかなり受けるものが、既存に近いものはあるのだけれども、非常に使い勝手がいいとか使いやすいとか、そういう意味で新しいタイプのものを、既存のものがあるのだけれど、是非出してもらいたいということでの要望はたくさんあります。
 それは医療機器の場合は多くの場合、医薬品と違ってどうしても医師が直接いろいろ使ってやられるものですので、そういう部分も含めて考えなくてはいけない部分が医療機器の特性だと思っております。そういう部分をどのように文章上で表現するのか、いわゆる改善、改良のようなもので、臨床的には非常に価値があるものについては、明らかに優れているという、例えば、先ほどの比較臨床試験はなかなか組めない中で、エビデンス的にはなかなかはっきりとは言えないのだけれども、臨床の現場的には非常に価値があるというものを何らかの形で表現したいと思って記載していると御理解いただければと思います。
○北村座長 よろしいですか。ほかに何かございますか。
○笠貫委員 私は、先ほどの佐藤委員の御質問は非常に重みがあると聞いていたのですが、その理由は今までWGがいかに苦労されてア、イ、特にイについて有効性、安全性、侵襲性です。既存より優れているということになりますと、そこに比較評価をして判断して出されていたと報告書を見て感じていたところがあるからです。そういう意味で、今度ウを医療上の有用性が期待できることとしたときには、リスクベネフィットの評価というのは非常に幅を広げるということになるのです。
 そういう意味で、WGの役割をスクリーニングで有用性を評価できれば全て通しますよという話になると、さらに今度は検討会での基準としてどうするかという選定の基準を私はまた考えなければいけないと思うのですが、いずれにしてもWGでの評価基準は、どこのレベルに置くのですか。それから、それを各グループで、どう整合性を図るのですかという問題を指摘されたのだと思うのです。その後に今度は、さらに親検討会としての選定基準をどうするのですかということが、これから具体的なところの話は会ごとに議論されると思うのです。
 有用性が期待できることというのは、極めて曖昧模糊とした言葉の使い方だと思うのです。特に前回も指摘したと思うのですが、有用性という言葉は、基本的に昔よく使われていたのですが、現在は有効性・安全性の比較衡量で有用性という言葉を余り具体的に使わなくなっているのは、そこのバランス、比較衡量の難しさゆえに有効性・安全性ということで、別個に取り扱っていたと思うのです。
 そういう意味で、この会では有用性という曖昧模糊とした言葉をもう一度使ってきている。そこに多分、佐藤委員の実際のWGでの苦しさがあったはずなのです。そうすると、私は、ここの評価の仕方を佐藤委員がWGで非常に苦労されていたということを、どうこの中に文章として組み込むのかということも非常に大切と感じました。
 それから、この会としての1つのスタンスというかビジョンとして、イノベーションを進めるということが非常に大事な話で、一方では、安全性をどう考えていくのかという最低限の優先審査の前の選定なので私も余り厳しくは必要ないと思っているのですが、その辺のところを佐藤委員が納得いかれる表現は、どこに落ち着くのかをお聞きしたいのと、事務局でどうお考えになっているかを教えていただけたらと思います。
○北村座長 なかなか難しい問題ですけれども。
○参事官 ありがとうございます。非常に難しいところだと思います。実は、これまでも明文化しておりませんでしたが、実態的には総合的に考えた判断で、個別のケースに照らしてWG、また、この親委員会で、これは有用ではないのか、ニーズ選定すべきだということの判断が実際にはされていたのだと思っております。そういう意味で、そういう判断を文章にしてみるとこういう形ではないかと思っておりますが、舌足らずなのはよく分かっております。
 これまでは開発、つまり、各学会から要望があるときに多分使うほうからいったら少しでも新しいもの、少しでもいいものは当然欲しいと思うのです。ただ、作られるメーカーからいうと、これは確かに少しはいいかもしれないけれど、コストを掛けて開発するまでのものが有るのか無いのかということも企業側の意見もあると思うのです。これまでは、ニーズ選定の過程で開発される企業の意見を聴くというプロセスは入れておりませんでした。
 その点については、未承認薬会議ではそういうことも含めて総合的な判断をするということでしたので、今後、新しいプロセスとしては資料1-3で、企業側いわゆるコストを掛けて開発する側の意見も聴いて既存品目と比べてどうなのか、資料1-3の厚労省で学会から受けた後、開発を要請するであろう企業の見解の作成ということですが、そういうコストや手間を掛けてでも意味があるのかどうかということについて、企業の意見もお聴きして総合的に、というか最終的にはなってしまうのですが、そういう意見も聴いて判断することで、全くその分野分野で同じ判断ということまではいかないとは思いますが、ある程度収斂していく部分にはなっていくのではないかと思っております。
 この辺の明文化は、事務局としては余りいい知恵がなくここへ書いておりますが、これから、またやりながら考えていく部分と、また、現時点でもっとこういう表現のほうが、より皆さんに分かりやすいのではないかという御意見があれば、その御意見を頂いて修文することはできると思っております。
○千葉委員 今の参事官のお話に関係すると思いますが、もしも多少いいものが出たとすると、保険点数が同じであれば個々の企業は、それを開発して市場に出そうというモチベーションが少し上がりにくい、あるいは個々の病院では病院の経営者がいて、多少いいけれども保険が同じならば、これはあえて今あるものを入れ替えて買おうかという気にならない可能性もあると私は思っております。
 そうしますと、これを早期導入する場合には、その先には保険償還や点数が上がり得るとか、そういういわば餌を付けなければ開発や早期導入のメリットを一般が、あるいは受ける側が、患者さんは別ですよ、患者さんはいいに決まっていますが、それが肝心なのではないかと考えておりますが、そこのところの餌、言葉が変ですが、将来の可能性はいかがでしょうか。
○参事官 まさしく、先ほど千葉先生からもありましたように、やはりインセンティブです。つまり、そういう形で医療現場の御意見を受けて開発に携わるということについて、これまで開発ができていなかった理由があるわけで、多くの問題は経済的な問題ではないことが容易に想像されるわけです。つまり経済的インセンティブをどのように考えていくべきなのかということは大事な部分だと思っております。その点については、もともとワーキングで、この議論をさせていただいたときも、どう考えるのかという御議論もあり、私どもとしては関係部署に頂いた意見は伝えて、どういうことができるのか考えていきたいと、この場ではそういうお答えになってしまいます。
 ただ、もう1つは臨床現場で、これは非常に使い勝手がいいというものであれば、シェアの拡大はかなりできるのだろうと思うのです。既にある他社の類似品と確かに点数は変わらないけれども、シェアの獲得をどう考えるのかということはあろうかと思います。自社製品同士だとしょうがないかもしれませんが。今はその点しか言えません。
○吉田(茂)座長代理 今の話は、ちょっと違うと思います。早期導入を図ったものにインセンティブまでを付けて、早期導入を実現しようというのはおかしな話で、早期導入を図っても使われないのだったら、もともとそんなニーズはなかったということでしょう。必要があれば、あるいは価値があるものだったら、みんな使います。それが市場の原理ですから。
 笠貫先生が有効性・安全性のお話をされましたが、やはり医療機器と薬とはちょっと違うのだろうと思います。医療機器は収益性が悪く、数もそれ程出ませんし、企業も育っていません。国際的な企業と言えばJJぐらいしか思い浮かびませんが、そういった厳しいところで国内企業を育てていかなければなりません。日本は細かな仕事は得意ですから、そういうものを育てていく上では余り厳しい条件がないほうが、むしろやりやすいし新しい発想も出やすのだろうと思います。基準を厳しくするよりは、むしろ緩めてあげて、その辺りをWGが拾ってあげるという阿吽の呼吸が一番いいのではないでしょうか。私は現案のままでいいと思います。
○笠貫委員 私は、今、医療機器と医薬品のことは十分、十分すぎるほど知っていて、そこは先生の意見と同じなので、そこは前提の上です。それでいったときに、欧米で承認されていたというものを今まで対象にしていたので、より優れているということでイが出てきたのです。今度、欧米に承認されていないものも含めますということが、今回の大きな変換点なわけです。
 そうだとしたら、私は、むしろイとウを1つにしてしまったほうがいいと思っていたのですが、逆に佐藤先生が言われたように、ここで考えるときに有効性・安全性は、どこまで厳しさを求めるかというのは全く別な話であって、ただ、マルチに考えてほしいですということは、きちんと書いておいたほうが良くて、有効性・安全性、それから3番目のところの侵襲性です、患者さんに対する侵襲がどうかという。それから、先ほどのやるほうの操作性の話です。あるいは利便性の話と経済性の話、そういう観点から有用性が期待できるというのだったら、それでもいいわけです。
 ここのところは、根本的にものを考えるのが欧米承認の有無は関係ないですよということで、枠を広げますと、実際問題として枠を広げたときには、全体としてのスクリーニングの基準としては下げたということになるので、こういうマルチなファクターを考慮しましたと文章に書いておけば、何となくウのような有用性が期待できるというのではなくて、その前にそういう観点から検討したと書いておいていただければ私はいいのではないかと思います。
○事務局 多分、冒頭の事務局の説明が少し不十分だったと思っております。今、先生方に御議論いただいている資料1-2の5ページの医療上の有用性なのですが、こちらは、あくまでも欧米で既に承認されている品目を選定するかどうかの際に使う指標です。6ページに赤字の※で書いていますが、欧米未承認であるものを選定するかどうかで評価する際には、アとイと、ウが「-」でエが「該当しない」という、こちらの指標を使って評価していただこうと思っています。
 そういう意味で対象とする範囲が、欧米承認と未承認の両方に広がりますが、欧米で承認されている品目に関して言うと、これまでの評価水準を下げるということは基本的にないと思っています。これまでの書き方が、ウ「その他」となってしまっていて、これを選定したほうがいいのか、選定するほどではないのではないかという曖昧な部分がウ「その他」に全て飲み込まれてしまっていたので、エの「該当しない」という明確な基準を作って、それ以上のところで3段階に評価をしたというのが、今回の御提案だと思っております。
○吉田(茂)座長代理 それは分かっているのですよ。今回基準を緩めたのは、これまでの国内未承認という範疇にとどまらず、欧米で未承認であっても新規に開発した国内未承認のものでも有用性が認められればいい。ただし、すでに欧米で承認されているものについては、更にこれだけのメリットが欲しいというようなことではないのかと思ったのですよ。
 つまり、開発的なものに関しては、国内未承認、欧米未承認に拘わらず、ある程度、有用性が見られればそれでいい、先ほど言った操作性も含めてですが、例えば、有用性についてなら、幾つか笠貫先生が言われたようなポイントを幾つか挙げていって、これらの上で有利な点があれば認める、というような形でいかれたほうが、国内の企業が元気になるのではないでしょうか。
 欧米での承認を前提にして考えるのであれば、これまでの話と同じことになってしまうから、変えるのだったらそのほうがすごく変わった印象があっていい。これからは欧米未承認のものでも取り上げます、ただし、欧米が承認したものは今までどおりですよという形のニュアンスのほうが分かりやすいのではないかな。
○千葉委員 今、吉田先生がおっしゃったとおりで、我々がこの文章を拝見すれば、相当に考え方が、私から見れば前に進んで広がったのだなと受け取ります。ですから、今の話は正しいにしても、それを強調されるよりは、このように書いていくのですよということを皆さんに分かってもらうことに、私は意義があると思っています。
 もう1つ、最終的に企業が医療機器を作って出さなければいけないわけです。大学とか病院が作ってやるというのは、普通ないと思います。そうしますと、これは医療機器産業の全体の底上げにつながることが大事なことなのだろうと思います。そういう意味で先ほど企業さんのインセンティブを上げるためにはいろいろな方法があり得ると、そこに保険の問題もあるのではないかと申し上げました。
○参事官 今の視点でいくと、千葉先生と吉田先生のお話もよく理解できます。これまでは、どちらかというと要請はして、そのまま全然進んでいないままそれきりというのが幾つもあるのです。それは、実は未承認薬・適応外薬検討会議の場合には、新薬創出等加算もあることなどもありまして、どんどん進んでいくことが多くて、逆に非常に難しいものが残っているのだと思います。医療機器の場合には、千葉先生がおっしゃるようにインセンティブが余りないものですから、どちらかというと公募しているが、ずっと公募しっ放しで誰も手を挙げてくれないとか、要請しているけれども全然開発が進んでいないとか、そうなっているわけです。
 今回の改正は定期的に進捗状況を確認する。進まないなら進まない理由があるはずなのです。それはどのような理由なのか、どうにかして解決できないのかということも、そういう意味ではPDCAサイクルを回していくということも1つのポイントになっておりまして、その上でそういうことについて、どういうインセンティブがあるのか、それは我々の部局の中の話ですが、そういうことも含めて考えると思っておりますので、そういう意味でのいろいろな具体的な問題を解決する、この改正を基にやっていくつもりです。
○北村座長 いかがですか。お示しいただきました案で御了承いただけるかどうか。あるいは、是非ここはこうすべきだという御意見。いろいろな御意見を頂きましたが、今の御意見を受けて、どうぞ。
○平岡委員 私自身、この委員会がどの程度までカバーするか分からないのですが、今回、国産の医療機器を是非早く日本の国民のために提供しようという話がかなり出てきたと思うのです。
○北村座長 それは明記されていない、外国と区別は付けていないのだけれども、そういう思わくがあると思います。
○平岡委員 それをある意味この委員会として共有するのであれば、もう少し踏み込んだことを考えてもいいのではないかという気はするのです。現実に日本の医療機器メーカーであっても、欧米の承認を先に取ったほうが総合的に判断すると得だという意識は結構ありますよね。
○北村座長 うん。
○平岡委員 それは、やはりそういう仕組みというか、あるいはインセンティブというか、要するに欧米のほうが医療機器に恵まれているというようなこともありますし、例えばFDAは、ある意味アメリカの医療機器産業を育成するためにFDAそのものが、企業と連携して研究開発まで踏み込んでサポートするということまでやっているわけですから、例えば国内企業が新しい医療機器を市場に出すというときに少なくとも、それを人に展開するときにPMDAも含めて少し優先的に指導するとか、何か具体的に目に見える形でメッセージを送るということもあるのかと思った次第です。
 これは今まで早期承認ということで、海外で使われているものをなるべく早く日本国内に導入しようというところがスタートだと思っているのですが、もっとそれを越えて国内産業を育成する。もともと国内の企業を強化して、なるべく早くいいものを日本に導入するということまで踏み込むのであれば、もう少し違った書き方もあるのではないかということでお聞きしたいと思います。
○吉田(茂)座長代理 今の平岡先生のお話を伺っても我々の言いたいことが分かっていただけるとると思うのですが、どうしてなかなかスムーズにいかないかというと、やはり未承認薬とのバランスを考えてしまうので、すごく座りが悪くなってしまうのだろうと思います。機器のほうだけに適応するなら、今私たちが言っているようなやり方でとか、何とかこの辺でという話もできるのではないかと思うのです。今のような議論を反映するような何かマニュアルといいますか、解説文書のようなものがあれば、企業にとっては、国内開発品についてはファストトラックに乗せる用意があるということが分かるだけでも随分違ってくると思います。そういうことで今の千葉先生や平岡先生や笠貫先生の御意見を反映してもらうという方向でお考えいただけませんか。
○北村座長 これは少し書き加えるところを、日本初のものをある意味優先するという差別化をすることは省庁として難しさもあると思いますが、何か御意見はありますか。
○参事官 私が先ほど申し上げた欧米未承認には2つパターンがあって、もともと海外で開発されていて、まだ承認まで至っていない、ただ、その段階でニーズ選定することで、今は承認されてからやっていると、それだけで遅れてしまうので、開発がある程度進んだ段階で選定することで、これまでのやり方よりは早く導入がし得るというパターンと、それから、国内の大学などで一生懸命開発しているが、まだ海外には出ていないというものが、いろいろあると思います。そういうものも今回は対象になりうるということで、そういう意味では別に国内だけを優遇するとか外国だけを優遇するとかそういうことではなく、いいものを国内外共に応援していくスキームだと理解しております。
 また、そういうものが今回の改正の意図に込められていることについては、実際に医学会にもこういうものが対象ということで通知を出しますので、通知の中でいろいろ解説をして、実際に要望を出される方々にどういうものが要望の対象なのかということは、なるべく分かりやすく記載したいと思っております。そのような形でよろしければ、させていただきたいと思います。
○笠貫委員 今、欧米未承認とそうではないというのを分けないで、基本的に欧米に承認されているものでウを付けた場合は、「期待できること」でものすごく幅を広げたわけです。イがウである意味で消されてしまっている話なので、そうすると広い意味では欧米で承認されていても別に細かい優位性を証明しなくてもいい話なのです。そうだとしたら、優位性について、未承認の場合でも、「国内外の臨床試験において」という文章としてなければ、アとイについては、イの「欧米において承認されて」を除けば有効性、安全性、侵襲性、操作性あるいは利便性、経済性等の観点から治療法、予防法、診断法としての医療上の有用性が期待できるものとしてしまえば、あとは細かい運用の話になるので、対象が何かということによって大分、基準が違ってくると思うので、そこはさっきおっしゃったように質問と答えという形で分かるようにしていただければ、この文章はできるだけシンプルにしておいたほうがいいという感じはします。
 承認と未承認を分けて有用性が違うという意味合いではないほうが、今日の議論のような混乱は起こらないという感じはするのです。
○北村座長 具体的にはどこをどうすべきという御提案はありますか。
○笠貫委員 医療上の有用性のアは、既存の治療法、予防法、若しくは診断法がないことです。イは、有効性、安全性、侵襲性、これは言葉が悪いですが、操作性、利便性、経済性等の観点から治療法、予防法、若しくは診断法として医療上の有用性が期待できることということにしてしまえば。
○北村座長 ここは医薬食品局の担当の会議で、どうしても医療機器の承認が担当でありまして、それを先ほども意見が出ていましたような保険局のやるような経済性効果とかをうたうことは難しいです。実際的には、それが保険医療になっていくのか、あるいは市場での選別がどうなっていくのかということは、個々の承認された機械の金額とかいろいろな有用性とか使いやすさとかによって、市場での優劣ができてくる。
 これは当然の流れですが、医薬食品局としての承認審査業務において、これを有用な機械として判断して優先的にPMDAの審査に掛けていこうということを当委員会として判断しまので、これは余り深く利便性という言葉を使うとややこしくなるような気もいたします。あと、具体的にここが明らかにおかしいということがなければ、文面の修正はまた改めて今日の御意見を受けてやっていただいてはどうかと思います。
 本質的に考え方が問題だという意見がないようにも思いますが、いかがですか。これで今までは、FDAあるいはCEマークを取得しているもの、あるいは両者を取得しているもの、どちらかを取っていなければならないという審査対象が、WGを充実拡大することによって未承認のほうにまでニーズ委員会の権限を広げていって、審査対象にしていくということが改定の一番の目的です。そこのところで、その後の流れでどうなっていくかということよりも、取り上げてあげるかどうかということの判断においては、本質的にはこれで御承認いただけるかどうかということですが、いかがでしょうか。
 あと、細かい文面の訂正、最終版には、まだ線で消したりアンダーラインした文章が出るわけではありませんので、最終段階としてはきれいな文章としての訂正がくると思いますが、本質的にはこの形で世の規制緩和とデバイスのラグがあるという問題に少しでも貢献できればという形での改定で、医薬品とも併せて並行して行われているわけです。もし、まだ細かい意見がありましたら、どなたに言えばよろしいですか。
○事務局 私どもの事務局に窓口がありますので、普段やり取りしている所に御意見を頂ければと思います。
○北村座長 もし個々に文面とかに是非これを使うべきではないかということがありましたら、お伝えいただきたいと思います。
○佐藤委員 今日示された案については、ここに細かいいろいろな基準を加えるということはしなくてもよろしいと私は思います。やはりWGで評価する前には何らかのコンセンサスを得るために手引きのようなものがあって、それでみんなの意見をある程度まとめておいたほうがいいと思います。特にこれまでWGで議論してくださっていた先生方の意見は一度集約して、こういう考え方をすればいいのではないかということをまとめておいたほうがいいと思います。今まではどちらかというと有効性・安全性の評価で、そうしますとどうしても確かなエビデンスがあるかどうかという議論に割と終始してしまって、ないとこれはちょっとペンディングだねみたいな話になりかねなかったのです。
 今日のお話を聞きますと、そういうものでも期待できるというような緩やかな言葉によって拾い上げるということも可能性としてあるとすれば、ちょっと考え方が変わってくる。どうすればいいかということをまとめておかなければいけないと思いましたので、是非、一度、実際に次回からのWGで分かれて評価する前に、もう1回まとめたほうがよろしいと思いました。よろしくお願いします。
○北村座長 ある程度緩いほうがWGとしての権限にもなるのです。この判定基準を多種多様の機器に、これが有用性という比較的判断をするのは、なかなか難しいのではないですか。例えば、点数5点を取らないと駄目だといっても機械の種類で随分異なるだろうけれども、とにかくエビデンスはなかったら困りますという形で、b)に123が書いてあるわけです。エビデンスに基づいて、あとはWGの信頼された人たちの判断を重視したいということで、判定基準を明確にしたほうがいいのかな。
○佐藤委員 細かい基準は難しいと思うのです。やはり数値化できないものですので。ただ、結局、我々がWGで最終的にこれをどうしますかと言ったときに、これまでこれはBでしたという比較だったり、ある人は、これは現場でどうしても必要で非常に便利なのですよという意見だったりするので、どういう見方をするかというところの基準は示しておいたほうがいいと思います。
○北村座長 それは委員長が決めたらいいのですか。
○佐藤委員 はい。
○北村座長 これのどこに付け加えたら、その点が出るか。あるいは、それはWGの施行細則的なものとしてやるか、新しい検討の改定としての記述に書き込んだほうがいいのか、その辺のところの判断は事務方にお任せするとして、WGの委員長としては、何らかの基準的な、いろいろな委員が入ってきて8名の視点の意見を集約していくのは、何らかの基準が欲しいというお気持ちはよく分かるのですが、私は委員会で善し悪しを決めていただいたらいいと思います。
 検討できるのであれば、判断基準を、ここに書いてある有効性と安全性と医療上の有用性という言葉の使い分けが極めて微妙で、その両者、有効であり安全であれば有用と判断できるのだろうと思うのですが、これ以外の判定基準を設けるかどうか、それぞれの有効性と安全性と総合的な有用性については、必ずエビデンスに基づいてくださいと、そのためには先進医療Bとして研究的登録事業が行われているとか、医師主導治験で成績が出ているとか、ピアレビューを受けた論文で発表されているとか、そういうものに基づいてやってみましょうという提案です。本質的には、お認めいただけるという形でよろしいですか。
(異議なし)
○北村座長 それでは、文面やWGの人選からWGの人たちをまとめていく判断基準が、ある程度作れるのであれば御検討を賜りたいと思います。それでは事務方から、その他ありますか。
○事務局 事務局に今日の御議論を踏まえ、さらに追加で御意見を述べたいというお話があれば、私どもに寄せていただければと思います。取りあえず仮の期限として、本日の1週間後ぐらいをめどに頂ければと思います。そちらの意見をまとめて、なかなか難しいところがあるかもしれませんが、もしまとめることができるようであれば、本年10月ぐらいから新体制での要望の募集開始を目指して準備を進めたいと思います。以上です。
○北村座長 10月頃をめどに開始したいということですので、先生方の文言を含めまして御意見があれば1週間程度のうちにお教え願いたいということですので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○参事官 もし、今日言い忘れて舌足らずだとか、それはコメントを頂ければと思います。どちらにしても、修文は幾つか今の御意見で若干直したほうがいい所があると思いますので、それは直して先生方にお送りして確認をしたいと思います。10月から新しい要望を取りたいと思いますが、当然かなり時間的に余裕を持って通知を出さないといけないと思っておりますので、私どもとしては7月には通知を、特に医学会になると思いますが、医学会を中心に関係する所に通知を発出して10月からこういう形で募集しますということのアナウンスをして、学会の準備もあろうかと思いますので、それから要望を出していただくという形の進め方にしたいと思いますので、至急、我々も作業をいたしますので、よろしくお願いしたいと思います。
○北村座長 参事官の御意見でよろしいですか。
(異議なし)
○北村座長 ありがとうございました。
○鈴木委員 今日の議論とも多少、関係があると思いますので紹介させていただきたいものがあります。日本医師会でこのほど立ち上げました医療機器開発支援窓口についてです。お話の中にもありましたが、医療機器は医療現場における先生方のニーズに基づくアイディアから生まれることが多いわけですが、一方では、先生方はお忙しいのでなかなか自ら医療機器の開発や事業化に携わることも困難であると考えられますので、日本医師会では広く臨床の先生方が医療機器の開発や事業化を円滑に進めていくために、そのきっかけとなる窓口を提供し、開発の支援を行うことで新たな医療機器や技術の開発を促進し、国民により高い医療・治療技術を提供していくことを目的として、このほど支援業務を開始いたしました。
 どのようなことを行うかといいますと、4つあります。1つは、医師のアイディアを募集、登録して、その案件の目利きを行う業務。これは日医の会員、非会員とも相談無料です。2は登録された案件をAMEDに橋渡しする業務。3つ目は、案件を登録した医師に対する相談業務。4つ目は、案件を登録した医師に対して専門的知識を有する事業者に橋渡しをする業務を行いますので、どうぞ御活用いただければと思います。以上です。
○北村座長 その件については、ご存じになっておられますか。
○参事官 日本医師会からお話を聞いております。私どももできることはさせていただきたいと思っております。また、その中からこちらの委員会に出てくるものもあるのではないかと、それで先ほどの御意見もあったのではないかと思っております。
○北村座長 矛盾するものではなくて、協力体制を敷ける感じのもの。
○参事官 とにかく、いいものを作り出していきたいということについては同じですし、日本医師会の取組に我々も協力させていただきたいと思っております。
○鈴木委員 もちろん、医学会やPMDAの薬事戦略相談、あるいはAMEDの医療機器開発推進研究事業、その他の業者さんや関連団体とも連携しながら進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○北村座長 ありがとうございました。それでは、終了させていただいてよろしいですか。事務局の予定では1時間で終わるとおっしゃっていましたが、随分延びてしまいました。第24回医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会を終了いたします。ありがとうございました。