第23回医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会議事録

 
 
 
 
 
 
 
           第23回医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会
 
 
 
                                 日時 平成27年4月21日(火)
                                       15:00~
                                 場所 TKP東京駅日本橋カンファレンスセンター
                                            (2階 ホール2A)

○北村座長 定刻になりましたので、第23回医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会を開催します。約1年ぶりの開催になっていますが、本日は先生方、御多忙のところお集まりいただき、ありがとうございます。出欠状況、配布資料の確認を、事務局からお願いします。
○参事官 先生、ありがとうございます。最初に、委員の先生方の出欠の状況について御報告をいたします。委員名簿が後から資料確認で出ますが、参考資料2に委員名簿がありますので、御覧いただきながらと思います。本検討会については委員16名がおられまして、本日は12名の先生方の御出席をいただいています。欠席が四宮先生、鈴木先生、土屋先生、渡辺先生の4名の先生です。また、本日は、今回検討いたします品目に関しての専門家として、WGから1名の先生にも参考人として御出席いただいています。御紹介いたします。神奈川県立循環器呼吸器病センター呼吸器科医長の加藤晃史先生です。
○加藤参考人 加藤です。よろしくお願いします。
○参事官 配布資料の確認をいたします。よろしくお願いします。
○事務局 お手元の資料を御覧ください。議事次第が1枚あります。資料1「これまでの選定品目の現状」、資料2「学会等からの要望内容の概要一覧」です。資料3「ワーキンググループによる評価」で、冊子があります。資料2、3の関係ですが、資料2の中の要望No.25-16、25-17、肺胞洗浄カテーテルが資料3につながる形になっています。
 参考資料1として「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会開催要領」、参考資料2として「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会委員名簿」、参考資料3として「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討の進め方」です。参考資料4ですが、こちらが横のポンチ絵になっています「ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討の進め方」、参考資料5として「学会等提出の要望書」、参考資料6「早期導入候補品目の評価資料」となっています。
 横にもう1つ右肩に「当日配布資料」と書いてある冊子がありまして、こちらが「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会の見直しについて(案)」です。こちらを念のため確認いたしますが、本体の「見直し(案)」が2枚ありまして、それから「ニーズ検討会:要望対象の拡大」の色刷りのポンチ絵があります。それから、「早期導入を要望する医療機器等に関する要望書(見直し案)」ということで、提出様式といって、冊子のフォーマットみたいなものがあります。それから、「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会の見直しについて(案)」で、これはWGのときに配布させていただいた資料ですが、これが1枚付いています。
 以上、お手元にありますか。出席状況及び配布資料の確認は以上ですが、よろしいですか。これより議事に入りますので、傍聴されている方によるカメラ撮影は、ここまでとさせていただきます。御協力のほどよろしくお願いいたします。
○北村座長 お手元の資料はよろしいですか。議事に入りますが、資料1、2の説明はまた後で出てくるのですね。お手元の資料1、2から、今度は利益相反の申出の状況について、事務局からの報告をお願いします。
○事務局 利益相反の確認結果ですが、寄附金、契約金等の受取状況を伺いましたところ、本日御出席の委員の中で、本日の検討品目について議論に御参加いただけない委員はいらっしゃいませんでした。以上、御報告いたします。
○北村座長 利益相反に掛かったり、途中で退席していただく方は、今日はいないということでよろしいですか。
 議題1に移ります。「これまでの選定品目の現状について」ということで、事務局より御説明をお願いします。
○事務局 資料1を御覧ください。1ページの左上に選定品目数と現状のステータスごとに内訳を記載しおります。現状選定品目数は117品目ありまして、承認施行済みが59品目、承認審査中が4品目、承認申請準備中が39品目、承認申請検討中が6品目、開発中止が5品目、開発企業公募中が4品目という状況になっています。
 これまでの選定品目の現状について、前回のニーズ検討会からの更新点を中心に御報告いたします。2ページの20を御覧ください。こちらは申請企業公募中の「横隔神経ペースメーカ」については、学会から要望となった品目とは異なるものですが、類似品目が申請されておりまして、現在、承認審査中という状況です。
 3ページ、28です。「体外式補助人工心臓装置」のEXCOR Pediatric Ventricular Assist Deviceについては、平成26年11月18日付けで承認申請されまして、現在、承認審査中という状況です。
 同じページの30「創外固定用金属ピン」のうち、日本メディカルネクスト株式会社から承認申請のありましたオーソフィックスHAコーティングピンが、平成26年12月3日付けで承認されました。
 6ページを御覧ください。51、6ページの一番上になります。「頭蓋内動脈瘤治療のための自己拡張型インプラント」のうちPipeline Embolization Deviceについて、3月31日時点の資料では承認審査中となっていますが、平成27年4月17日付けで承認施行されておりますので、御報告いたします。
 同じページの57「冷凍凝固カテーテルアブレーションシステム」について、FreezorとFreezor Xtraという品目について、平成26年11月21日付けで承認申請されまして、現在、承認審査中という状況です。
 58「経血管的ステントグラフトシステム」について、株式会社メディコスヒラタから承認申請のありましたAORFIX AAAステントグラフトシステムが、平成26年8月1日付けで承認されております。
 一番下、59「気管支温熱療法装置」について、ボストン・サイエンティフィックジャパン株式会社から承認申請がありましたAlair気管支サーモプラスティシステムが、平成26年9月17日付けで承認されております。
 最後に、7ページを御覧ください。64「腫瘍治療電場システム」NovoTTF-100Aシステムについて、平成27年3月25日付けで承認されております。
 また、68「リード抜去ダイレータシースセット」について、Cook Japan株式会社から承認申請のありましたCOOKリード抜去システムとCOOKニードルズアイスネアが、それぞれ平成27年2月17日付けと平成26年12月25日付けで承認されております。前回からの変更点は以上です。
○北村座長 資料1に基づいて現況に至るまでの承認状況を御説明いただきましたが、御意見はいかがですか。
 私から聞きたいのは、これは随分古くなって、まだ承認のめどの立っていないものもありますが、網掛けの所と白い所をばらっと見ますと、この成果は10年ばかりやってきて医薬食品局としてはこれでよかったのか。後の改善点も見直しも、今日の議題にあるとおり不満足と考えたのか。主宰者側としての意見を何か言ってほしいのですが。
○参事官 私としては、一定の成果はあったとは思っております。特に問題点としては、まだまだスピード感がないのではないかというのが一番の思いです。それから、本当はこういうものも是非開発してほしいという御希望にも十分応えられていないという気持ちもありますので、一定の成果を上げたものの、まだまだ改善点はたくさんあると思っていますので、それはまた今日の会議の後半に検討いただきたいと思っています。
○北村座長 ほかに先生方からいかがですか。
○千葉委員 承認施行が大分増えているというふうに実感していますが、これはほとんど全てが保険償還までいっているのでしょうか、それともその間にはギャップのあるものがまだあるのでしょうか。
○参事官 大体のものが保険償還はいっていると思うのですが、その点についてはよく確認してまた御報告するようにしたいと思います。
○北村座長 7ページにある今年2月頃に承認されたペースメーカーのリード抜去のものは、このようなものは保険になっているのですか。ほとんどなっているのではないですか。
○参事官 はい。
○北村座長 薬事承認した後、保険にすぐいかない場合というのは、どういう場合があるのですか。これはまた保険局なので、担当が違うかもしれないけれども。
○事務局 薬事を通った後に保険に入るときには、本当に新しい医療機器だと、保険適用の手続に一定程度の時間がかかるものがありますので、それが4、5か月かかるものも当然ありますので、そういったものでまだ保険に入っていないものがあるかもしれませんが、基本的には薬事を通った後に企業が保険適用の希望をしていただければ、保険局で手続をするという流れだと思います。
○北村座長 これは駄目ですよ、と拒否されている例は余り聞かないものね。
○事務局 そうですね。
○北村座長 ということでよろしいですか。
○千葉委員 その場合は、それまでに類似品があったとした場合に、それとの保険点数に差を付けるのか付けないのか。つまり、同じ保険点数なら、今、既に買っている装置でいいのではないかという病院の経営判断は当然あり得ると思うのですが、その点数の付け方に関しては何か意見を出せるものでしょうか。これだけ新しいのだから、例えば高く付けてくれとか、そういったことは実際にあり得るのでしょうか。
○事務局 価格決めのルールがありますので、それに基づいて企業側が保険の申請をすると。中医協の中の会議で企業の言い分が認められれば、例えば同じペースメーカーでも少し値段が高いものとかもあり得ますし、企業は有用性があると言うけれども、臨床上の意義は変わらないのではないかということであれば、同じ値段で償還されるということだと思います。
○参事官 もう1つ今の関係で申し上げると、価格は今言ったとおりですが、一方、今回の資料を見ていただいても類似のものが2つ、3つ。御覧いただくと、例えば今の資料1の1ページの11とか、同じ分野で3つ要望があるとか。こういった類似のものがいろいろある中で要望があった場合とか、類似のものが既に承認された場合に、後残ったこの1つをどう考えるのかとか、そういうものもあります。また、今要望を受けているものでも、類似品もあるのだけれども改良品があって、その改良品は要望が来ているとか、そういうところも実際、医療機器の場合、非常に改良品がいろいろありますので、本当にこの中でどのように整理をしていくのかというのも、また1つの課題だと思っていますので、その辺はまた御議論いただきたいと思っています。
○平岡委員 私はがんをやっているもので、これを活用しようという動きは非常に大きいものがあるわけですが、逆に良いものであれば早く承認してほしいというのが、皆さんの共通認識だと思うのです。だから、そういう意味で新しく開発された医療機器について、全体の中でこの制度をどの程度活用されているのか、その辺りをもしお分かりでしたら教えていただきたいのですが。
○参事官 全体の母数をどう見るかというのがありますのであれですが、基本的にはこれまでは欧米で承認されていて日本に入ってきていないのが、ニーズ選定の対象範囲です。そういう意味では基本的には外国産が圧倒的だと思います。
 実は今回の見直しで、また後で御議論もいただきますが、例えば日本国内で先進医療Bで一定の実績があるものとか、医師主導治験で結果が出てきたものとか、そういうものは国産が当然出てくるわけです。先生方が現場でこれは良いのではないかということでデータを積み重ねてきたものについても、一応、後の議論ですが、そういったものもどう扱っていったらいいのかということで、またその中で今の平岡先生のお話についても御議論いただいて、この検討会としての御意見を賜ればと思っています。
○北村座長 ほかにありますか。それでは、議題2に進みますが、議題2「学会等からの要望について」、事務局より御説明をお願いします。
○事務局 資料2「学会等からの要望内容の概要一覧」という資料を御覧ください。現状要望を受けておりまして、まだ選定・非選定の決定がなされていない品目を一覧としてまとめております。過去の古いものから順番に1ページから記載しております。
 一番初めにNo.23-18が書いてありますが、こちらの経カテーテル人工弁は日本小児循環器学会から要望が上がっているものです。こちらは米国ではHDE承認をされておりまして、有効性の検証は求められない承認スキームとなっております。関連する企業に確認をしたところ、有効性については米国で市販後臨床試験を実施中であるというところで、まだ提出できる資料はないということでした。ですので、有用性を示す資料が不足している状況でして、文献等の再調査が必要という状況です。
 平成25年5月1日から7月1日の要望分で、No.25-8とNo.25-11が残っている状況です。こちらに関しては、No.25-6、No.25-7と同じ位置付けで使われるものになります。No.25-7に関しましては、平成26年5月29日に選定済みのものですが、要望学会に確認したところ、No.25-7の品目が本邦に導入するまでは、No.25-8とNo.25-11に関しても要望を継続したいということでした。こちらに関して学会に評価可能な資料を要求しておりまして、資料の整備中という状況です。No.25-11もNo.25-8と同一の品目です。
 2ページに移ります。No.25-14ですが、こちらは日本膵臓学会から膵外分泌機能診断キットの要望を受けております。2回のWGを実施しておりますが、その中で有用な検査ですが、対象疾患の重篤性が高くない点や、通常の申請スキームでよいのではないかという御指摘も頂いております。また、膵外分泌機能検査のエビデンスレベルが4Bと低く、ほかに有用性を評価できる資料が不足しておりまして、その点についても再検討が必要ではないかというところで、学会の有用性を評価可能な文献を要求し、整備を行っているという状況です。
 No.25-16又はNo.25-17が同一の品目です。気管支肺胞先浄カテーテル、この品目が今回の本日の会議で選定の可否を審議していただくものになりますので、議題3で詳しく御説明をさせていただければと考えております。
 No.25-18とNo.25-19、こちらは歯科用のレーザー手術装置でして、日本レーザー歯科学会から要望を受けております。昨年の8月にWGを実施いたしまして、訪問歯科治療における内部組織の切開、止血等に関しまして要望を受けております。海外の承認の適用にホワイトニングがありまして、これが主目的になるのではないかなどの臨床上の位置付け、また医療上の有用性について再検討が必要ではないかという御指摘を頂きました。こういった点について学会に方針を確認しまして、整備、確認をしているところです。
 3ページに移ります。No.26-2です。こちらは血栓性の血小板減少性紫斑病と溶血性貧血の鑑別診断に使うものということで、要望を日本血液学会から頂いております。こういった鑑別診断に使うために、最小検出感度について課題があるのではないかという御指摘を頂いています。そういった点に関して、臨床上の位置付け又は医療上の有用性について再検討が必要だろうというところで、現状、学会に方針を確認し整備を行っているところです。
 また、その下、No.26-3、植込み型疼痛緩和用スティミュレータは、日本頭痛学会から要望を頂いております。こちらに関しても、片頭痛治療の治療効果のエビデンスが不足しているのではないかというところの指摘を頂いておりまして、医療上の有用性について再検討をするため、学会に方針を確認し、整備を行っているところです。
 4ページです。こちらのNo.26-4からNo.26-9に関しましては、3月13日に1回目のWGを実施いたしまして、次回WGにて評価レポートを基に検討すると整理しております。資料2の御説明は以上です。
○北村座長 御質問等をお願いしますが、いかがですか。これを見ていると、学会からの要望に応えられていないというのか、応えられているというのか、ちょうど半々のところがある気がします。WGで有用性について判断するときには、疾病の重篤性と医療用の有用性というところが、大きなポイントになってきているのではないかという気がするのですが。今度の新しい、後の話になりますが、どう改定したときにこれがどう移行していくのか、後でもう一度質問したいと思うので、良い答えを考えておいてください。つまり、これをどのように新しく変えると期待が持てるかということですね。はっきり言うと、有用性があれば、簡単な機械であっても、疾病の重篤性などがいるのかと思ってしまうところもあるのですよね。スタートラインとしては非常に重篤なもの、命に関わるものから早期導入というけれども、早期導入ができているものもある一方、そうはいっていないものもあるという中でということです。どなたか御意見はありませんか。
○佐藤委員 WGでの座長として一言補足ですが、今、先生が言われたように、当初から有用性と重篤性という切り口から判定するということでやってきたのですが、今までもお話してきたように、有用性、重篤性をどう定義するかというところは明確ではなくて、当然、疾患によっても重篤な場合と重篤ではない場合があるというところが、いつも議論になるところです。
 あと、有用性に関しては、今回かなりの部分が有用性の判定ができないということで差し戻しのような形になっていますが、やはり有用性を判定するエビデンスが、申請の段階で十分な資料が伴っていないということで、何度か差し戻しで時間がかかっているということになります。今後その辺を改良していただきたいというところが、後ほどの議論になるかと思います。
○北村座長 実際にやっていただいている先生からの御意見で、こういう判断をせざるを得ないのは皆さんもよくご存じのとおりだと思います。
○吉田座長代理 何か議論が変なふうに聞こえるので確認したいのですが、いまはトラックに乗せるか乗せないかを決めているのではなくて、特急電車に乗せるか普通電車でいいかを判断しているのですよね。従って、WGで却下したからといって、このスティミュレーターに承認の道が閉ざされるわけでも何でもないわけです。だから、そこのところを意識した形の議論が大事で、医療上の有用性はあると。もちろんあるのだけれども、特急に乗せる価値があるかどうか、ということで重篤性の話も出たのですが、その辺りの議論を深められたほうがいいのではないでしょうか。
○北村座長 一番長いのは、最初はそうだったのですが。
○吉田座長代理 この機器についてはこれからの展開もいろいろ用意されているようですが、我々が全てに関わるわけではない。今は、急ぐか急がないかの判断だけに関わっているのだということだけは、確認しておいたほうがいいのではないかと。
○北村座長 事務局、よろしいですか。
○参事官 全く今の吉田先生のおっしゃるとおりで、ここでは正しく検討会の名称にもありますように早期導入を、これはとにかく早く導入をして国内で使えるようにすべきだということを判断すべき機器なのか、通常ルートでいいのかということの判断ですので、そういう意味で、これは優先審査のポイントでも疾病の重篤性と医療上の有用性を見るということですので、そういう視点から見たときにどうなのかということで整理をさせていただいているものです。
○笠貫委員 今の有用性の問題と、これは1つお願いしますのは、平成23年6月からの要望分のNo.23-18ですが、これはアメリカでHDEで2010年に通っているのですね、学会から要望があって。それに対して文献等の再調査ということで平成23年に返って、そのままになっているのですが、これがどうなっているのですか。それだけニーズが高い、アメリカでもHDEで承認しているものです。文献再調査は企業に対して出しているのか、学会に対して出しているのか、ここまで放置されている理由はどこなのか、その辺のところを教えていただきたいです。
○事務局 資料は両方にお願いをしております。両方からなかなか出てこないという状況で、今まで進んでいないという状況が続いています。
○笠貫委員 その場合、どうして出ないということは、フォローはするのですか。
○事務局 そうです。進捗確認は常に行っておりまして、企業、学会にも随時、資料は出せませんかというところをお願いしているのですが、現状、提出できる資料がないという回答が続いている状況です。
○笠貫委員 そうすると、要望を出した学会ないし企業からは、むしろ要望をどう取り下げるのか。どうかしないと、これがずっと残っていると、患者にとって非常に不利益がそのまま放置されているのではないかということは、一方でも考えられる。その辺のフォローはお願いできたらと思います。
○事務局 そこのフォローの仕方は、残りのほうので述べさせていただきたいと思います。
○笠貫委員 分かりました。
○北村座長 よろしいですか。次は議題3に進みますが、今日、唯一の選定品目ですが、「早期導入品目の選定」で評価をお願いしたいと思います。肺胞洗浄カテーテルについて、加藤先生から御説明をいただきたいと思います。加藤先生、よろしいですか。
○加藤参考人 よろしくお願いします。神奈川県立循環器呼吸器病センター、呼吸器内科を専門にしております加藤と申します。私の、今日、利用させていただく資料としては、資料3とあります評価レポート、それからそれの根拠となりました文献、もう1点は参考資料6とあります企業から提出された資料のこの2つを利用して、御説明申し上げたいと思います。
 私が今回、評価させていただいたものは、候補品としましては気管支肺胞洗浄カテーテルとなります。企業の参考資料の最初の2ページ目になりますでしょうか。日本語の資料を見ていただきますと、「品目概要」という所に簡単な図があるかと思います。それを御覧いただけますでしょうか。品目概要で見ていただくと、真ん中の図がカテーテルの全体像です。
○事務局 参考資料6となってございます。早期導入候補品目の評価資料です。
○加藤参考人 図の上はこの気管支肺胞洗浄カテーテルのシース、それからサンプリングカテーテルという二重構造を示したものでありまして、実際に気管内挿管下の患者さんの模式図に対して、人工呼吸の蛇腹を装着の下、三方活栓を通じて人工換気、陽圧換気をしたままの状態で、このカテーテルを挿入しているようなイメージの図があるかと思います。この先、ちょっと下の図ですと分かりにくいのですが、このカテーテルの先は僅かですが角度を付けてあるために、ブラインド下ですけれども、手元の操作により気管支を選択的に挿入できるというような効果を期待されているものと思います。
 こういった器具に関して、今日は評価を申し上げます。資料3に戻りますが、「要望学会」としては日本呼吸療法医学会、それから日本集中治療医学会からの要望が出ていまして、「対象疾患」ですが、人工気道を留置している患者の肺炎ということになります。目的としましては、肺炎の起炎菌を同定するためにサンプリングを行うためでありまして、通常、私どもは気管支鏡検査による気管支のセレクティブな吸引を行う、あるいは気管挿管チューブから行います気管内吸引という2つの方法を用いていますが、それの間を取るような方法でして、ブラインド下で行いますが、かなりセレクティブに気管支の区域まで洗浄を行うというのが今回の器具の特長であります。「外国承認状況」としましては、米国では510(k)、それから欧州ではCEマークを取得しております。
 「対象医療機器の概要」ですが、本品は気管チューブ及び気管切開チューブで挿入し、気管支鏡を用いずに洗浄を行うための単回使用のカテーテルです。付属品等々はちょっと割愛させていただきます。
 2ページ目、対象疾患としましては、昨今は人工呼吸で陽圧換気下に発症する肺炎が一般的な肺炎と大きく異なっているということで、VAP(Ventilator Associated Pneumonia)という言葉が一般化しておりますが、正にこのVAPの患者は本品の対象患者になるかと思います。VAPの場合、死亡率が非常に高いので、予後不良の疾患群と考えられます。こういった患者群では起炎菌の同定が何よりも必要なのですが、その起炎菌の同定をこのカテーテルにより、より簡便かつ繰り返し行うということになります。
 「疫学調査」のポイントとしましては、第1パラグラフの最後にありますが、このような肺炎罹患患者は国内の場合、集中治療室での治療が大体3割。一方で一般病棟でも7割の方がこういったVAPにかかっているといった現状があります。
 その次ですが、本邦における肺炎診断の方法としましては、本品がまだ用いられることができませんので、気管支鏡を用いて行うものが全体の18%と非常に少ない現状であります。一方それ以外は、医師に限らず看護師でも行える気管内吸引というのが圧倒的に多数だというところで、ここの起炎菌の不正確さが問題だと考えられます。
 「既存の診断法と課題」。既に述べましたとおり、現状では私どもは気管内の吸引という簡便な方法、それから気管肢鏡を用いた方法を国内でよく行っておりまして、検体保護ブラシ、PSBと略していますが、ブラシで気道粘膜の表面にある細菌をこそぎ取ってくる方法と、もう一つは生理食塩水を注入して、それを再度吸引して、その中の菌叢を培養するという方法があります。その菌叢を培養する方法に、私どもは通常は気管支鏡を用いて、気管支肺胞洗浄、ここではBAL(Blonchoalveolar Lavage)と書き、バルと呼びますが、それと今回の新しい方法で用いるカテーテルによる気管支洗浄、本例文の中ではmini-BALという形で訳されていますが、ちょっとmini-BALと呼ぶのは国内の気管支鏡の用語と必ずしも一致しませんので、本報告書の中では気管支鏡下に行うものをBAL、それから、今回のカテーテルを用いて行うものをmini-BALと表記をさせていただいています。それぞれの利点と欠点については、今お話をしたとおりでありまして、その正確さ、簡便さに、それぞれ相対する関係があります。
 次の3ページの上の所に国内での状況について触れています。なぜ日本では気管内吸引が8割を占めるかと申しますと、気管支鏡が挿入可能な大きいサイズの気管チューブが必要であるということで、全ての気管内チューブの方に容易に気管内操作はできないということであります。それから、どうしても操作に時間がかかるために陽圧換気状況が変わりまして、特に重症患者では時間をかけた気管内吸引の気管支操作が難しい。それから、そもそも集中治療室において、あるいは一般病棟でも、気管支鏡の操作を通常は呼吸器科あるいは集中治療医が行いますが、そういうのは医師がルーチンワークとして、気管支鏡を用いた洗浄が難しいという現状がありますので、主に医師以外の職種が行う気管内吸引が主流となっているものと思われます。
 続きまして「医療上の有用性について」です。本品は気管支鏡を使用せずに気管支洗浄を行うことができ、既存の診断法に対して以下のような利点を有するとございます。従来の気管支鏡と比較して本品の直径は小さいため、気管内チューブのサイズが制限されません。手技中に陽圧換気に影響を与えません。気管支鏡を用いるBALと比較して手技が簡便であり、手技を補助する人員や追加の設備が必要となりにくいです。単回使用であるため、清潔が保たれるということになります。
 ただし、本品はブラインド操作下で行われまして、やはり、気管支の分岐の解剖学的なことに精通をしていないと難しいということで、気管支鏡は行いませんが、全ての医療者にとって可能ではありませんので、一定のトレーニング、知識が必要だと思われます。
 本品を用いた有用性に関するエビデンスとして次に触れますが、文献1、この資料の後にありますが、文献1の資料が一番有用性が分かりますので、文献1に沿って御覧ください。
 論文名が、Comparison of Bronchoalveolar Lavage and Mini-Bronchoalveolar Lavage in the Diagnosis of Pneumonia in Immunocompromised Patients.というものでありまして、ページにいたしますと、資料としての13ページ、雑誌のページですと233ページのTable4という所を御覧いただきますと、気管支鏡下に行われた、現在、ゴールドスタンダードと考えられるBALを行った場合と、本品でのブラインド下で行われたカテーテル操作でのmini-BALというものでの細菌並びに真菌の培養結果の同一性を検討されています。
 そうしますと、まず一番上のラインにありますが、BAL bacteriologyとmini-BAL bacteriology、これは細菌の同定における一致性ですが、これは0.85という相関係数で表れています。さらに、真菌に対しても0.821というものであります。これ以外の気管内チューブの吸引ですと0.4程度なことを比べると、やはりゴールドスタンダードで考えられる気管支鏡を用いたBALとほぼ同等の培養結果が得られているということでありまして、気管支鏡を行わずとも、このカテーテル操作で起炎菌の同定ができるということが、この文献1から示されているように思います。文献2、3に関しましては、気管内吸引との差異、さらにこの方法を用いることによって実際に治療効果が得られたということに関する検討がなされています。
 以上の結果を踏まえまして、最終的な検討結果、資料3の5ページに戻りますが「検討結果」について述べさせていただきます。
 本品の適応となる肺炎は、人工気道の留置を要するような重症化した肺炎及びVAPであり、いずれの疾患も予後不良であります。その治療には早期に正確な起炎菌同定を行い、適切な治療が必要でありますが、起炎菌同定を目的とした下気道検体の採取方法として、コンタミネーションのリスクが少なく、定量培養が可能な気管支鏡下のBAL及びPSBによる検体採取が国際的な標準的手法とされています。
 しかし本邦では、気管支鏡施行に要する時間や技能の必要性等の理由から、気管支鏡BAL及びPSBが十分に普及しておらず、吸引カテーテルによる採取が主流であります。口   腔・上気道常在菌等の影響により、検出感度及び特異度においては、吸気管内吸引は問題点がございます。気管支鏡を使用せずに施行可能な本カテーテルを用いた気管支洗浄が普及することで、起炎菌同定の精度が改善し、有効な抗菌薬投与による予後改善が期待されます。
 評価のまとめですけれども、本品の対象疾患は重症肺炎及びVAPでありますので、重篤性はAと考えられます。一方、起炎菌同定のための気管支鏡を用いるBAL及びPSBは、本邦の集中治療室において行われていますが、十分に普及されていないということで、本品の高い精度、有用性を考慮しまして、有用性はBと判断されます。
 なお、本品導入後は、医師に限定されない可能性があると思われますので、そのことを鑑みても医療従事者への手技のトレーニングプログラムというのが求められると考えて報告を申し上げます。以上で私からのレポートを終了させていただきます。
○北村座長 加藤先生ありがとうございました。事務局のほうから何か補足する事項はございますか。
○事務局 特にございません。
○北村座長 それでは先生方からの御意見を頂戴したいと思いますが、いかがでしょうか。技術習得については、どのようにしていこうというお考えはございますでしょうか。これを承認し医療現場で使うようになった場合の、ナースにも広げるのか、医師にはどのように教育するか。何かお考えがあればお願いします。
○加藤参考人 絶対的に集中治療の現場において、起炎菌同定に医師が関わる形の現状では難しいように思いますので、普及させるためにはナースを含めた技術者が本品の技術的な習得は可能だろうと、私は考えます。
 一方で、気管支鏡を用いる私たち呼吸器内科医にとっては、解剖学的な構造というのはある程度理解できているのですが、この解剖学的な構造が分かりませんと、ブラインド下での操作というのはほとんど不可能になりますので、模型などを使ったトレーニングというものが望まれると思います。
○北村座長 今、看護師の特定行為というのが38項目ぐらいになってきて、そこには入っていないかもしれませんが、今まで日本でほとんど行われている吸引ですよね。気管内吸引というのは看護師がやっていますよね。ですから、これも特定行為として認めるようになる可能性はあるけれども、それまで、これを承認する一方、学会などでトレーニングというガイドラインは作られる予定はありますか。
○加藤参考人 私は存じ上げてはおりませんが、当然のことながら、生理食塩水を注入するという操作が必要になりますので、かなり気管内吸引に比べますと侵襲度は上がりますので、学会によるトレーニングプログラムは必要であると私は考えます。
○北村座長 先生方からの御意見を頂きたいと思います。
○中谷委員 技術的なことですけれども、先がちょっと曲がっているということですね。ブラインドでかなりのところまで実際は、左右に向けるとか、ちょっと上に向けるとかできると思います。結構、肺炎などでも部分的に無気肺ができているときなども、一応、そちらをねらっていけると理解していいのですか。これはちょっと見ていて分からなかった。
○加藤参考人 ありがとうございます。この論文そのものは、恐らく医師によって行われています。気管支鏡の経験がある方が行った場合には、少なくとも透視を併用すれば、亜区域支の選択は可能だろうと考えます。ですので、今回は全て透視までを要求するかどうかは難しいところですが、本当の意味での亜区域支の同定にはX線透視があれば可能だろうと思います。それがない状態でも、特に下葉支ですとか中葉支といった比較的直進性のある部位での区域支の選定というのは、ブラインド下でもある程度の技術と経験があれば可能になるだろうと思います。
○北村座長 ほかにございませんでしょうか。
○吉田(純)委員 これは結構サイズがあるのでしょうか。あるいは限られた長さとか太さとかなのでしょうか。
○加藤参考人 恐らくは、私が拝見した範囲でモノサイズではないかと。
○吉田(純)委員 分かりました。将来的には、いろいろなサイズというのは出るのでしょうか。
○加藤参考人 私ども気管支鏡の場合にも、米国あるいは海外と日本との体格差というものは、チューブの太さではなくて長さですので、長さを調整していますので、それで余り不便を感じることがないものですから、このモノサイズでも対応は可能なのかなと考えております。
○吉田(純)委員 具体的に何か合併症として、どんなものが今まであったんでしょうかね。
○加藤参考人 やはり、ブラインド下にかかわらず気管内に操作をいたしますので、気管粘膜損傷ということが一番危険がありますし、もう1つは、これはもう肺炎を起こしていらっしゃる方ではあるのですが、感染のリスクというのは常に付きまとってまいります。
○北村座長 これは1人の患者でこういう検査、気管吸引はしょっちゅうやりますけれども、この検査というのは1人の患者で1回ディスポですよね、この機械は当然。感染症ですからね。何回も1人の患者の経過を観察として使われるのか、1回だけでいいのですか。細菌検査の1回だけでサンプル採取と。
○加藤参考人 VAPの場合には。
○北村座長 そのたびに、例えば1人の患者に5回使うんだと言ったら、5回新しい機械を入れていく必要があるのかな。
○加藤参考人 今回の検討としては、一定のタイミングで1回やっていた形で検討されているものが多いのですが、実際に日本での医療環境としましては、挿管後に一定期間で抗生剤の効果を確認するために菌叢把握ということで、継時的に少なくとも1週間に1回、あるいは、もっと短期間で2、3日に1回、時間をあけて菌叢を把握されるという施設もございますので、本品も利用方法によっては1患者に複数回行われることは想定されると考えます。
○北村座長 1本、幾らぐらいですか。
○加藤参考人 すみません。価格については承知しておりません。
○事務局 こちらも把握しておりません。
○北村座長 アメリカが幾らとは書いていないですか。これは、FDAも承認している器具ですよね。それは後回しにいたしまして、ほかに承認のことに関していかがですか。
○澤委員 これは右肺、左肺、同じように使える。それから小児、大人、同じように使えるものなのでしょうか。
○加藤参考人 ありがとうございます。左右に関しましては、気管支鏡と同じでして、操作の左右という形で手元の操作で変えますので、これ1本で左右に対する利用は可能です。小児に関しましては、サイズそのものの太さは直径が4.3mmということで、小児の亜区域支までの選択は難しいと思いますが、区域支は理論上は、小児といいましても本当に新生児は難しいと思いますが、小児であれば可能だと思います。
 問題はその気管内チューブのほうがグッと細いものですから、先ほどの申し上げました気管内チューブで陽圧換気下に行われるというのは、成人の場合を想定して申し上げました。小児の場合に4.3mmの太さがありますと、気管内チューブで安全な陽圧換気下を行うのは容易ではないと思います。
○千葉委員 合併症があるとすると、例えば1か所、肺炎と思われる部位にきれいに入ったか入らなかったか分からないので、深く入った後また抜いて、同じ患者さんですけれども、その検査の間にほかの、こちらのほうが肺炎の部位ではないかということで入れていくと、肺の中で感染が広がるというような合併症はあり得ることでしょうか。
○加藤参考人 論理、理屈としてはあり得ると思うのですが、実際に私どもは、先ほども亜区域支とは申し上げたのですけれども、菌叢というのは右肺と左肺で菌叢が違うということよりは、上気道と下気道が違うということが問題ですので、気管内吸引の問題点は、比較的に下気道ですけれども、気管や主気管支のレベルのものを拾ってきてしまうことが問題ですので、右の肺下葉にとってくるものを右の中葉に刺したからといって、菌叢が異なるという可能性は高くありません。
 ただし、下葉でないと十分な量のコロニーを検出できない可能性があるということになりますので、生理食塩水を清潔操作下で行って注入することは、口腔内あるいは上気道の菌を下に入れてしまうというリスクが、どうしても、それは付きまとってくるのです。それは気管支鏡にしても一緒ですので、本品により加わるリスクだとは考えないでいいと思います。どうしても口腔あるいは気管内チューブから行いますと、上気道のものを散布してしまうというリスクは常にあります。それはこの品目でも同じことだろうと思います。
○千葉委員 ゴールドスタンダードとしているBALについては、それで得られた菌体の検査結果が抗菌薬をかなり正確に同定し、治癒率が上がったというデータは既にあるのでしょうか。それと相関係数が高いので、この方法の有用性が言えるというストーリーでしょうか。
○加藤参考人 はい、さらにおっしゃるとおりで、BAL自体は確立された方法、起炎菌同定の確立された方法ですけれども、さらに先ほど省略しましたが、文献3では本品においても想定として、菌を同定することにより重症肺炎の改善を、予後を改善させるというように示唆されるデータが出ておりますので、これそのものでも起炎菌同定に役立てているという報告がなされています。ただ、これは比較試験などではありませんので、若干、論文としては弱いように思います。
○北村座長 よろしゅうございますか。
○吉田座長代理 基本的には診断のために使うということのようですけれども、例えば気管内吸引しますよね。あれは粘液とか、分泌物とかを取ったりするわけで、治療目的もあると思うのですが、このように気管深部をしょっちゅう洗浄することによって、治療効果が出るということはないのですか。それとも治療的な意味は余りないのですか。
○加藤参考人 通常の細菌感染では治療的な意味は難しいと思います。例えば非常に重症な膿瘍を来すような場合には、ごく限られた場合ですけれども、洗浄する意味ということがあり得ますけれども、通常、私どもはVAPでそのような状態というのはまれですので、治療的意味は少ないと考えます。
○北村座長 よろしゅうございますか。選定に反対という方がもしおられましたら、御意見を頂きたいと思います。それでは、おられませんようですので、選定するという形でよろしゅうございますか。その際に先ほど言いましたブラインドでやる操作なので、どこに入っているかを分かるというのは、かなり訓練が要るだろうと思いますね。これはレントゲンを撮れば、先っぽは写るのですか。
○加藤参考人 はい。
○北村座長 それは写るような確認はできることはできるということですね。透視下でもできることはできるということですね。
○加藤参考人 透視下に対応しているようであります。
○北村座長 そうしたら、それについての技術的なことを学会等でガイドラインとか訓練をどのような人にやってもらうか。看護師さんもいいのかというようなことを併行して御検討賜りながら、この会といたしましては早期導入に向けて選定させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは次の議題に入らせていただきますが、議題4になります。今から本委員会の見直しについてということで御議論を賜りたいと思います。事務局のほうから御説明をお願いできますか。
○事務局 議題4「ニーズ検討会の見直しについて」について御説明いたします。右肩に「当日配布資料」とある冊子を御覧ください。「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会の見直しについて(案)」、1「背景と課題」です。こちらのニーズ検討会は、国内で未承認又は適応外の医療機器及び体外診断用医薬品について、我が国の医療ニーズの高いものを選定し、これらの迅速な医療現場への導入について検討することを目的とし、平成18年から続けてきています。
 これまで学会等から358件の要望があり、70件選定し、59件の品目を承認してまいりました。こちらの課題は、冒頭にスピード感という話もありましたように、課題は1から6まであります。スピード感に関するものとしては1から4、5は対象の品目について、6は類似医療機器がある関係で、医療上の有用性の判断が難しい場合があろうというものです。これらについて、かい摘まんで御説明いたします。
 1は、選定スキームにおいて、選定期間として8か月程度を要しているものが、計30品目あります。2は資料が不足していること。選定又は非選定の決定が1年以上なされていない品目が8品目あります。3は、選定後に承認申請された品目について、選定から承認申請までに平均約700日かかっています。承認申請から承認施行までに平均約400日を要しています。現時点で承認申請検討・準備中の品目は45品目存在します。4は、選定品目のうち、国内開発企業の公募中の品目が4品目あります。選定後の国内開発企業の決定までに時間を要しているものです。公募期間は約1年半から6年半です。5は、学会等から要望があった品目であっても、欧米で未承認機器については対象外とされているものです。6は、要望品目と類似する医療機器が国内に存在する場合など、類似医療機器と比較した医療上の有用性の判断が難しい場合です。
 こういうことを踏まえ、世界に先掛けて、我が国における医療機器の実用化を加速する観点から、要望対象の拡大や、選定スキームの効率化の見直しが図れないかということで、本日御提案させていただくものです。
 次のページで見直しの内容です。(1)要望対象の拡大です。要望対象をどう拡大していこうかということです。四角の箱を見ると、今まで日本において未承認、欧米において承認されているもの、これがこちらの会の対象となっていました。今回拡大する部分は、四角い黒枠の部分です。△が付いている、欧米で未承認であってもこれを対象とします。ただし、以下の123のいずれかの要件を満たす欧米未承認医療機器を要望対象に追加することを考えています。1は、優れた試験実績が論文等で公表されているもの。2は、医師主導治験を実施中又は終了したもの。3は、先進医療Bで一定の実績があるもの。これが要望対象の拡大に関するものです。
 (2)会議運営の効率化に関するものです。会議運営を効率化することにより、少しでも時間を短くできないだろうかということで6点提案しております。1から6を御説明いたします。1は、学会等から提出を受ける要望書の様式の見直しを行い、WGにおいて評価が可能な根拠や、客観的資料に基づく記載を求める。2は、その際に、要望品目の概要を平易な用語や図表を用いてまとめた資料の作成を求める。3は、患者団体からの要望が提出された場合は、要望書の作成等は関連学会に協力を依頼する。4は、従来どおり要望学会に対するヒアリングを行い、要望書の内容に不足がある場合は、要望書として受理せず、返戻とする。5は、WG、ニーズ検討会での選定、非選定の判断に関わる議論において、要望書の記載内容に対する指摘がなされた場合、不備等があった場合ですけれども、事務局より学会等に伝達し、学会等において対応していただく。6は、国内開発企業に対し、要望内要に対する見解を求める。
 例えば、(2)の1ですが、当日配布資料の左肩に「提出様式1」と書いてあるものです。今、申し上げた中で、「学会等から提出を受ける要望書の様式の見直しを行い、WGにおいて評価が可能な根拠や客観的資料に基づく記載を求める」という所ですが、実際にはどうやるのだろうかと気にされる方もおられると思います。様式の6ページに4-2「公表論文としての報告状況」とあります。どういう範囲の論文を検索するのか、検索方法もきっちり書いていただき、文献の中の海外における臨床試験等のデザイン、対象、目的、結果をしっかり書いていただこうということで、こういう形の様式の中に落とし込んでもらうことも考えております。
 こちらの様式は、学会等から頂く要望書としての性質も兼ねておりますし、このままWGの中でこれを用いて検討していただくことも考えております。そのWGの検討結果、学会の要望を兼ね合わせておりますけれども、これをそのままこちらの本会に掛けるということで効率化が図れないだろうかとも考えております。このような形で、まず資料については効率化を図れないだろうかと考えております。
 一番初めに見ていただいた資料に戻ります。2ページの「WGの体制と開催方法」です。こちらの見直しとして提案させていただくものが6点あります。1は、WGは要望品目を使用する診療科領域の専門家数名から構成する少人数体制とする。2は、多様な医療機器の領域に対応できるようWG委員の拡充を行いたいと考えています。3は、要望書の提出からおおむね2か月程度を目標にWGを開催したいと考えています。4は、要望書を活用してWGでの評価を行う。5は、WGの体制を踏まえて、WG及びニーズ検討会の委員構成を見直し、薬食審の規定を基に、70歳以上の高齢者については原則委員に選任しないこととする。なお、10年を超える期間継続して任命しないこととするという規定を適用した場合に、委員の大半が該当します。取りあえず現時点では適用しないということなのですが、こういうことを配慮していく必要があると考えています。6は、将来的な話になりますが、今後の運用状況を踏まえ、WGにおける評価をもって選定の可否をするなど、更なる会議運営の効率化について検討したい。
 これはどういうことかというと、今のところニーズ品目の決定というのは、本会に掛けて初めて決定されたというステータスになるのですが、これをしばらく運用してみて、新しいやり方で運用がもしお許しいただけるのであれば運用してみて、ある程度軌道に乗ってきたところで、WGレベルで決定することができないだろうかということも、将来的には視野に入れておいたほうがよかろうということです。
 「開催頻度」についてです。1は、学会等からの要望は随時受付とします。2は、ニーズ検討会は定期開催として、年4回の開催を確保したいと考えています。
 (3)選定品目の開発の推進です。選定品目が速やかに開発されるように、以下の選定後の開発要請や、企業の予見可能性を高めるための対応を行いたいと考えております。こちらも5点ほど提案しております。1は、海外製造元に直接開発要請を行う。2は、選定時に国内の開発企業が存在しない場合にあっては、国内の業界団体に対して開発要請を行いたい。3は、選定後に国内治験の要否を含め、承認申請に必要なデータの範囲等を確認するPMDAの相談制度を設けたい。4は、選定後に国内開発企業に対し選定品目に係る開発計画の提出を依頼し、進捗管理をしていきたい。5は笠貫先生から御指摘のあった所ですが、選ばれたものを野放しにせずに、ちゃんとフォローアップしていきたいということです。
 3番目の「スケジュール」はこちらに書いてあるとおりです。
○事務局 1点資料の修正をさせていただきます。今、御説明した資料の2ページの2.の「見直しの内容」の(1)要望対象の拡大の表の所に※が記載されています。米国に関しては「FDAの承認」と書いてあり、その後に(PMA、510(k))と書いてあります。それに加えて「HDE承認」というカテゴリーもありますので、それも現状受け入れています。ここに関しては、「PMA、510(k)、HDE」というのが、米国のFDAの承認に含まれますので、この点を修正させていただきます。大変失礼いたしました。
○事務局 当日配布資料の色刷りのほうを御覧ください。先ほどペーパーで説明いたしましたが、1枚目の上半分が対象範囲を拡大しましたということで、先ほどの説明のとおりです。
 下半分は、ニーズ検討会の選定スキームの見直しです。現行どうなっているかというと、ブルーの所が現行です。学会からの要望があり、まずWGに掛かります。ここで評価レポート作成の要否の検討をし、評価レポート案の作成をするというステップがあります。この間に不備等があればここで事務局、それから学会でやり取りがある中で処理がされていきます。WGの1回目で、評価レポート作成の要否を検討します。評価レポート案が作成されたら、もう一度WGが開かれます。評価レポート案を基に選定案を作成するのがWG2です。
 それから、初めて選定品目の決定ということで、ニーズ検討会に掛かるということでWGを2回やっていましたが、見直し案のとおりに、下のオレンジ色の所で、学会から要望があり、WGで評価レポート案を基に選定案を作成します。先ほどのような要望様式、評価様式、こちらにお諮りする様式ということで、一気通貫になるようにしました。WGのステップを、1回で済ませることができるのではないかということで、このような対応をとらせていただきます。
 年4回ということで、ニーズ検討会の選定スキームの見直しということで、色刷りの資料の裏側です。現行では年3回の選定期間ということで、募集期間を定めていて、それでヒアリング、WG1、それから評価レポート案を作り、WG2、ニーズ検討会ということで、上半分でこのようなステップを、このようなスパンでやっていました。選定期間も、これで言うと大体8か月ぐらいかかっているようなところがありました。これは、見直し案では一応年4回ニーズ検討会を開くに応じ、それをバックキャスティングしていくと、WGも随時開けるようにし、ヒアリング、それから募集期間についても随時受け付けるような形にして、見直しを図っていくことを考えております。
 今まで8か月かかっていたものが、見直し案によると最大どんなにかかっても5か月ぐらいで検討が終わるという見直し案になっています。説明は以上です。
○北村座長 皆さん、この資料を見るのは本日が初めての方と、そうでない方もおられるのかと思います。このようにする最大の目的は、より迅速化することと、迅速にするためにはある程度簡略化する。外国製品を主に対象にしてきましたけれども、御存じのように再生医療の領域でいろいろ法律の改正もあり、早期の仮承認というかそういう承認と、仮保険点数を付けるようなこともやる中で、医療機器のほうにもそういう考え方を導入していって、より迅速に必要とする医療者、あるいは患者さんに提供することが大きな目標ではないかと思います。そのためには、こういう形で改善していきたいということですが、御意見はありますか。WGは何回ぐらい開かれるのですか。下の案でやれば、これも年4回できるのですか。
○事務局 今回の場合は、説明資料の2ページの「WGの体制と開催方法」の所に記載されています。WGは、要望品目を使用する少人数体制とすると書いてあります。ですから、要望品目ごとに行うというイメージを持っています。
○北村座長 その学会からの要望は随時受け付けるとなったら、のんべんだらりとやらされることになるのですか。
○事務局 2ページの「WGの体制の開催方法」の3に書いておりますが、要望書の提出からおおむね2か月程度を目標にWGを開催し、次に開催される親検討会に諮るというスケジュールを考えています。
○北村座長 だから、どのぐらいの頻度なのですか。例えば、月に2回やりなさいということがあり得るのか。
○参事官 WGは、今はどんな診療科の分野も全部で20人ぐらいでやっています。言ってみれば、全然違う専門の先生にも付き合ってもらっています。これは、余りにも非効率ではないかと。佐藤先生にやっていただいています。そうすると、数も余りできない。数ができないということは、スピードが遅くなります。
 今回の御提案は、PMDAで専門協議という形でやっていますけれども、その診療科の分野の複数の専門家には入っていただいて、少人数でのWGを品目ごとに開催していこうと。ですから、先生方にとっては1回で終わってしまいます。ただ、WGの回数的には何度もになるので、品目ごとに違う先生でやります。
○北村座長 WGの委員長はのんべんだらりになってしまう。
○参事官 WGの委員長をどうするかというのはまた。
○北村座長 委員長を5人も6人も分野別に作れば別だけれども。
○参事官 そこはやり方を考えないと、佐藤先生が大変です。どちらかというと、診療科の先生方にはいろいろ見ていただいて、今の佐藤先生には、こういう状況だということを御説明させていただいてやるようなやり方が現実的かという気がいたします。
○北村座長 WGも大幅に領域別で増やしてみる、という考えはお持ちなのですね。
○参事官 そういう意味です。もう1つは、全部やると結局その専門でいくと1人しかいないパターンが多いのです。
○北村座長 今までもそうです。
○参事官 学会からの要望は集団で組織で来ていて、事実上1人で判断するのは正直しんどいですし、なかなかつらいものがあるだろうという気持ちもあります。
○北村座長 この事業全部をPMDAに渡してしまうという考えはどうですか。
○参事官 そういうことも含めて、今、議論をさせていただいています。ただ、さすがに各分野で新しい医療機器が非常に多いので、PMDAにおいても、やはりその分野の先生方の御意見はどうなのかをお聞きして進めていきたいというのが基本です。そういう中で判断することを考えております。
○北村座長 薬事承認の責任は厚生労働省にあるとしても、厚生労働省内の会議として置く必要があるのかという疑問もちょっと感じます。PMDAのほうは、人材の育成について、非常に重点的に数を増やしております。その中の専門委員もおられると思いますので、その人たちが判断するという形もある程度とれるかなと。書類作りもうまいです。学会からの要望を、厚生労働省がくみ上げている形は残したほうがいいのかどうか、その辺のことも含めて皆さんの御意見を伺います。
○佐藤委員 先ほどのことですが、疾患ごとにWGを幾つかに分けてというのは、効率化のためにはよろしいかと思います。実際にWGをやっている中で、臨床の現場のことについては、各疾患の専門家の先生に御意見を伺わざるを得ません。意見というのは、ある程度他分野の先生方からも、それを踏まえた上でディスカッションしているのが現状です。その疾患で委員を全て固めてしまうというのは、どうなのかなという気もしないではありません。横並びという意味でも、横のレベルを合わせる意味でも、幾つかは混じったほうがいいのではないかと思っております。
○笠貫委員 私は、このニーズ検討会というのは非常に素晴らしい、デバイスラグを解消するということでは、画期的な会だと思います。この総括の中でもいろいろありましたけれども、今は審査ラグではなくて、申請ラグがこの検討会の中でも大きな問題として残っているのだろうと思います。これをどのように申請ラグを変えていくかというのは、ここでまた検討していただくことになると思います。
 今回の見直しの一番のポイントは、未承認の機器を対象にするというので、これは国家戦略のイノベーションと密接に関係してくるのだろうと思います。その中で、先ほどPMDAのことが出ましたけれども、PMDAの戦略相談から、全てPMDAが関与はしています。イノベーションの場合には、広い意味では厚生労働省だけでなくて、経済産業省、内閣府、文部科学省の、いわゆる5か年計画から始まっていて、イノベーションを更にどのように迅速化していくかというのが、多分、今回の見直しの主目的だと思うのです。
 そういう意味では、この検討会の役割をPMDAに委譲するのはまだ時期尚早ではないか。そういう意味でこの会議は、もちろん医薬局が中心なのですけれども、PMDAも参画していただかなければいけないと思います。あるいは先ほども話が出ましたように、医政局の経済課の話も当然入ってきます。保険局の話も入ってきます。厚生労働省として、イノベーションを推進するという意味で、まずここで検討するということを、次のステップにするというのは大変意味があるのではないかと思います。
 そういう意味で安全性の問題と、効能をどこまで求めるかというのは、まずここで検討していただくということで、この見直しは第2ステップに入ったということで、是非この未承認の医療機器をここで検討するようにしていただくのは、大変前向きで非常に大事なことではないかと思いました。
○吉田座長代理 笠貫先生のお話と重なりますが、このニーズ検討会では、医療現場の声を拾い上げることになっているのが大事なポイントなので、WGが現場目線で妥当性を検討するということは、絶対に必要なステップだと思います。いきなりPMDAに任せるというのは、効率的かもしれませんが、現場の感覚から遊離しやすくもなりますので、ちょっとまずいかなと思います。恐らくご提案の仕組みは、医薬品の場合の公知申請と同じような形でやろうとしているのだと思うのですが、医薬品のWGがどのぐらい忙しくなっているか分かりますか。それで大丈夫そうだったら大丈夫だと思いますが。
○審査管理課長 医薬品のほうの未承認薬・適応外薬検討会も、実は迅速化を目指して、ちょっとオペレーションを変えようということで、明日会議の予定があります。そこで改善提案をさせていただく予定になっています。これまで医薬品のほうの検討は、WGが5分野に分けてあります。5つの分野の領域ごとにWGは活動しているというオペレーションになっています。特に、最初は何百という要望が来たものですから、そこの中から優先のものを取り上げてという仕分けもしながらやっていたので、WGとしてはかなり負荷は大きかったかと思います。しかし、先生方の御努力もあり、相当な品目の対応がなされています。
○吉田座長代理 例えば、1人の先生が毎月のように呼び出されることはないのですか。
○審査管理課長 毎月というところまでにはなっていないだろうと思います。在京で非常に相談をよくしていただいている先生におかれては、結構な負荷が掛かっていた時期が一定期間あったと思っています。品目がたくさんになると、医薬品の場合は要望の件数が何百という数だったものですから、それで言うと、かなりのワークロードが掛かった時期があります。それと比べると、機器のほうの件数的なものは、数的にはそれよりは少ないかということではあります。直接ダイレクトな比較にはならないと思いますけれども、何とかできるような格好で進められてきていると思います。
○吉田座長代理 要望の多い学会から、WGの委員を推薦してもらおうというのも手ではないかと思います。学会とベッタリというのは具合が悪いかもしれませんけれども、一方で、どういう内容か分からないというのも困るのです。少人数になって、例えば4、5人でWGをやったときに、ほとんどのメンバーがすくんでしまって先に進まない、何だかよく分からないねというようなことになっても困ります。そういうときに、専門的な人を推薦してもらうという制度を作ったらどうですか。
○審査管理課長 これは医薬品でも機器でも同じかと思うのです。学会側の適切な方をお招きして、そこで質疑応答をさせていただくようなことはできるかと思います。審査に入った場合も、実は医薬品の部会とか、そういう前段の検討会に、学会側の適切な方を御推薦いただいて、参考人として来ていただいて、いろいろな質問を受けていただいたりということは、最近はいろいろやっております。それが議論が充実するために非常に有益だということは、経験していただいているケースがよくありますので、それが手ではないかと。おっしゃるとおりだと思います。
○平岡委員 今回、海外の医療機器だけではなくて、国内の医療機器も支援しようというのは大変素晴らしいことだと思います。ただ1から3の条件があります。1の「優れた試験成績が論文等で公表されているもの」とあります。医療機器の開発のときに、薬事申請用の臨床治験とは別に、もっと早い時期に臨床研究的に評価して、それが論文になることが結構あるのですが、そういうものもこれに含まれるのですか。
○参事官 それは、当然対象だと思います。
○平岡委員 その辺りの見極めの評価で、有望そうであればそれを入れるということですね。
○参事官 はい。
○平岡委員 2と3は「医師主導治験」とか、「先進医療B」ということで、結構ハードルが高そうなのですけれども、これはかなりのものが期待されるのでしょうか。
○参事官 現実問題は、多分1のほうが出てくるケースは多いと思います。医師主導治験、先進医療Bはどうしても母数が限られます。ただ、そちらの中で入ってきたもので、良い結果が出てきたものについてはなるべく拾っていこうと。医師主導治験も、そういうハードルを乗り越えても、やはりこれはやるべきだということで、現場のお医者さんたちがやられたものというのは非常に大事なものだと思いますので、そういうものは拾っていこうということです。多くの場合は1、これは国内外問わずになってきますけれども、そういうものが多くなってくるだろうとは思っています。
○平岡委員 その場合に極論すれば、治験の途中で申請されることもあり得るのですか。そこは結構時間がかかりますよね。実際の治験の症例の集積とか。
○参事官 現実には、例えば企業のほうで治験を開始している場合でも出てくることはあります。承認申請中でも出てくる場合はあります。そういう場合はどう扱うかというのは、個別に御判断かと思っております。いろいろな時点で出てくることはありますので、我々はその時点で、この時点は駄目だとかという配慮をする気は余りないです。それは個別に検討しましょうということです。
○千葉委員 最後のほうに選定品目の、選定された後の開発の推進とあります。海外製造元に開発要請を行う、あるいは国内の業界団体にも開発要請を行う。これは、よほどそこにモチベーションがないと、ただ「これは選定されたから開発してください」と言っても、お金の問題もあればマンパワーの問題もあります。ここのところをどのように支援していくお考えなのですか。ここの具体的なところがないと、なかなかうまくいかないかという懸念を持ちました。
○参事官 そこは、正直非常に難しいところだと思います。薬事サイドでできることは幾つかあろうかと思います。それから、医政局とか保険局も含めてどんなことができるかをいろいろ考えていかなければいけないと思いますし、ニーズの強さもあると思います。これだけニーズの非常に高いものは、どのようにして厚生労働省全体でまた考えていくのか。まずその一歩として、特に国内法人がある場合はまだいいわけですけれども、国内法人がなくて、先ほど公募中品目がずうっとそのままになっているというのもありましたけれども、直接海外の製造元にもお話をして、日本で入れてくれというお話をまずすることが第一歩だと思っております。
 その上で、どういう理由でできないのか、単にやる気がなかったけれども、日本でそんなにニーズがあるのならやると言ってくれるかもしれません。やりたいけれども、マーケティングはどうだ、患者がどのぐらいなのかとか、いろいろなことがあると思います。まずはそういうことをやって、逆にできない場合はどういう理由なのかを考えていこうと思っております。
 それから、事前に企業の方々ともいろいろお話をさせていただいております。その中で一番お話が多いのは、予見可能性を持って作ってほしいと。つまり、これまでに海外で承認されているものですから、一定のデータはあるわけです。アメリカの場合はPMAと510(k)ではかなりの差があるデータではあるのですけれども、それでも一定のデータがあるのは間違いないわけです。そういうデータだけでそもそも申請できるのか、国内でもう一度治験とかのデータを取り直す必要があるのか。そういうことについて、選定前からエビデンスがあるかどうか意見を聞くというスキームになりますが、選定後も3ページにあるように、PMDAの相談制度を設け、どういうデータが必要なのかを、企業と対面でお話をするような機会を作って、そのままのデータでいけるのか、いけないのかということをやっていこうと。まずはこういう取組をしていこうということで、今回の提案にさせていただいております。
 これだけではまだまだ不十分だというところもあると思いますけれども、そういう原因もまた明らかにさせていただいて、どういう手段が取れるのか、またいろいろ考えていきたいというのが私どもの考え方です。
○千葉委員 参事官がおっしゃるように、スピード感を持ってというのは大賛成です。今の時系列を見ると、要望受付、選定が242日、8か月。選定から承認申請までが700日と。どのステップが一番長いのかというと、選定されてから承認申請までの700日がべらぼうに長いです。ここの所を短くすることが、全体の流れから見れば有用ではないかという気がしております。そこに今の開発の話が加わるということであれば、これは非常に前向きな話につながってくれると思いますので、ここの具体化をもう少し我々にも教えていただければと思います。
○参事官 実際に、全体のスキームからいくと、千葉先生のお話で、1ページの1「背景と課題」の3つ目の○の3、この選定から承認申請までが平均700日と。確かにここが一番長くかかるのはある意味で自然かと思っています。要請を受けてから、手持ちのデータがあればすぐに申請ができれば早いと思うのです。非常に古い申請で、どうしてもデータを取り直さなければいけないとか、どうしても国内で治験をやらなければいけないケースもあります。そういうケースを考えると、データを取る所はどうしても時間がかかってくるだろうと思います。ただ他の部分は、実際に学会が要望を出してから書面で確認する。それから、承認申請から承認も、PMDAでその審査ということで、書面で基本的に見ていく部分です。その部分で、データを追加で取っていくようなスキームではありませんので、どうしてもここが長くなってくるのはおっしゃるとおりだと思います。
 ただ先ほど申し上げたように、本当に既存のデータだけでいけるのか、いけないのかは、個別のリスクベネフィットを考えた場合の、現時点での科学的水準からリスクベネフィットを考えて、現在のデータでいけるのか、いけないのかは個別判断ですので、ここは一つ一つ丁寧に対応していかなければいけないのかと思っております。
○笠貫委員 要望対象の拡大の未承認機器を3つ挙げています。先進医療Bの場合には、保険局マターで検討しオッケーの出たものを進めていると。それを、今度は医薬局として承認を迅速化するときに、当然、保険局での議論とかその成果をここでどう評価するかとなると、先進医療Bに関わっていた保険局の方々の意見も非常に大事になります。そこを、先ほども言いましたように、ここで一緒に議論できるというような枠組みを作っていただきたいということ。それから医師主導治験もそうで、もう1つは研発課で医政局の話になるので、これもここでそういう議論を一緒にできる枠組みを作っていただきたいというお願いです。
 もう1つは、優れた臨床成績という論文なのですけれども、今は論文のCOIを含めた臨床研究、あるいは臨床試験の在り様というのは、指針を含めていろいろ議論されているので、ここのところをどのように評価するのかということも非常に大事な問題になると思います。それもここで議論することになると、非常にこの会の役割は大きいものになるのではないかと思います。そういう認識でよろしいですね。
○参事官 はい。1つだけ補足させていただきます。笠貫先生のお話は、今回のものでいくと当日配布資料の様式1という、要望書の見直し案の4ページの上の所から、「欧米未承認」の場合と書いてあります。これは、学会から出していただくフォーマットになります。1から3、優れた試験成績、論文等で公表されているのか、どれなのかということをまずチェックを付けていただきます。
 どういう根拠があるのか、どういうレベルのエビデンスなのかということは非常に大事な部分です。下に書いてありますが、私どもとしては、システマティック・レビューなのか、ランダム化比較試験なのか、そういうEBMのレベルを、分かるようなものを含めて書いていただきたいということです。当然学会でも、エビデンスレベルが非常に低いもので要望することはないと思いますけれども、念のためエビデンスレベルがどういうレベルの論文として出ているのかについては分かるようにしていただきたいと思っています。
 エビデンスレベルの高い論文については、笠貫先生がおっしゃるように、COIについても基本的にチェックして、どこのファンドをもらってやったのかというのは、今の論文には当然記載してありますので、そういうことも確認もして、この検討を進めていくことになるのではないかと思います。
○吉田座長代理 要望対象を拡大して、垣根を下げられたのはいいのですが、垣根を下げると今度はクオリティが落ちることもあり得ます。そしてクオリティが落ちるとどうなるかというと、審査の間にあれを直せとか追加のデータを出せというようなことになって、結局、審査期間が長くなってしまう。ある程度のクオリティがあればすぐに審査を終了できるので、迅速審査でよかったねという話になるのですが。
 そうならないようにするには、やはり対象拡大するとともに、クオリティの評価を機構なりなんなりが、この水準ならAだとか、この水準はBだとかということを言っていただく。そしてBとされた場合は、例えばこの検討会で議論した上で、調整を図っていくということも必要だろうと思います。700日ということの裏にはクオリティが悪いから700日もかかったということもあるわけで、そういう点についても誤解を受けないように中身のクオリティが分かるような格好で評価するといいと思います。
○参事官 今の吉田先生のお話というか、先ほどから北村先生からもPMDAに任せたほうがいいではないかと、ただPMDAには任すのはちょっと時期尚早ではないかと、こういう議論はいろいろありました。実は私どもの問題意識としては、これまでこの会議はほとんど厚労省本省だけでやっておりまして、ある意味で今日もPMDAに来ていただいておりますけれども、オブザーバーという形で来ていただくだけで終わっていたというのが現状です。
 そういう意味では、一応私どもの考えておりますのは、全部PMDAにお任せするでも全部厚労省だけでやるということでもなく、PMDAの協力も得る。今の吉田先生のお話でいくと、PMDAには専門家が非常に多くいますので、いろいろなものを見ておりますから、PMDAの審査をやっている職員の意見も聞いて、これはこうだ、あれはこうだというように大体いろいろなものを見ていますので、大体めどが付く分もありますので、そういう意見も聞きながら、学会とのやり取りをしていかないといけないだろうと。
 後は、先ほどの吉田先生のお話ですと、うちのほうで抱えてしまうと、ずっと時間がかかってタマを持っているだけとなります。ですから、ある程度のものでも例えば事前の調べが十分でないとか、エビデンスレベルが非常に低いものだけで要望されているではないですかとか、そういうものについては先ほど資料2ページの「会議運営の効率化」の所で学会に返戻させていただく。先進医療は同じような形でやっているのですけれども、そのような形で返戻させていただいて、返戻するときにはこういう点が足りないよということもきちんとお示しもしてやらせていただきたいと思っております。
 それからもう1つだけ、会議の中で時間を食っている1つの原因として、我々が思っておりますのが、先ほど加藤先生にも来ていただいて、WGの報告書を説明をしていただきましたけれども、あの報告書を書くのが非常に大変なのですね。それは薬でも同じようなことで、非常にこれが委員なりPMDAの負担になっているわけです。
 今回1つの解決策として、学会が要望されてくるので、学会の要望書をきちんとしたものにしていただく。どういうことに留意して作っていただくかをきちんとお示しをすることで、後は基本的にこれが良いか悪いかという最後の判断をしようということです。11ページを御覧いただきたいのですけれども、要望書の雛型の見直し案でいくと「ワーキンググループにおける評価結果」ということで、委員の先生方に見ていただいて、コメントを返していただく。
 コメントも、要望の妥当性や国内と海外の医療実態の違い、その他留意事項など。結論としては、これをニーズ品目と選定するしない、またはこれで判断できないから保留すると。こういう幾つかのコメントを頂いて、最終的な結論は「可」か「保留」か「不可」なのかというようなことに焦点を当ててやることで、委員の先生方の御負担ですとかPMDAの負担を減らしてと、迅速に対応できるようになるのではないかと。
 報告書を書くのは非常に分かりやすくていいのですけれども、時間もかかることになりますので、スピードということで考えると、そういう部分も今回の工夫の中に入れさせていただいていることをちょっと付け加えて申し上げます。
○中谷委員 先ほどここのところで出てきた評価のところの必要性、今、先ほどあったように、以前は、まず疾患の重篤性があって、その上での有用性という形だったのですが、要望書ではここが逆転したのですね。それはそれでいいという感じで、まず有用かどうかが大事で、必ずしもその重篤性がなくても有用ということのほうを優位にするという考え方に変えたと理解していいのでしょうか。
○参事官 実は、これ先ほどの理由の中に入れていないのですが、いろいろ聞いておりますと、いわゆる重篤な疾患しかなかなか要望が通らないのではないかと。必ずしもそうではないのですけれども、そうすると、がんですとか脳ですとか心臓ですとか、そういうところにどうしても集中して、逆にその他の分野がなかなか出しにくいとかという御議論があったので、先ほど北村先生から最初にお話がありましたけれども、やはり医療上の要請が非常に大事であって、その上で疾患が重篤かどうか。必ずしも重篤でなくても対象にはしますよということの意味を込めて、又学会への御説明のときにもそういうことも込めて御説明をしていきたいというつもりで、このようにさせていただきました。
○中谷委員 そうですね、私も大賛成です。これまでの会議でも、結局重篤性がないよねという話になって結構もめたというか、有用だけど拾特性がないという話になって何件かペンディングになった記憶があるのです。そのときははじまったところだからそれも仕方ないなと思ったのです。WGから、これを入れたいのだけれどというのがあり、有用性も分かるのだけど、どうしても重篤ではないので取り上げなくていいとなってしまいます。もう少し明確に、このニーズの高いというのは本当にニーズが高いものを扱うのだとし、重篤性だけではなくて有用性というも取り上げますと変えてしまう。ただし、変なものではないですよという意味で重篤性もちゃんと検討しますと明確にしておかないと中途半端な気がするのです。
○参事官 はい。
○吉田座長代理 例えば多くの人にとって有用性が高い、こういった場合は重症度が高くなくても急ぐ理由はありますよね。神経痛の人にとって、ものすごい光が射すような医療器具があれば、それはそれで大変意味があると思うのです。従って、具体的にこの程度以上重篤な疾患の場合とか、10万人あたり何人以上の患者数とかを書いておかれたら、学会としては出しやすいのではないかと思いますが。
○佐藤委員 先ほどの最初のほうの議論で、結局このトラックに乗せるか乗せないか、それが有用かどうかというのももちろんですけれども、その有用性というのが速やかにファーストトラックに乗せるかどうかというのが必要だというお話がありました。その議論に戻りますと、ではそのために必要な要件は何かということになろうかと思います。このニーズ検討会が始まったときに、重篤性と有用性と2つのもので評価するというのが最初からあって、何となくそれでもういかないといけない雰囲気になっていたのですけれども、ここでやはり改めてその要件をきちんと洗い出すという作業が必要なのではないかと思います。
 その要件にのっとって、例えばWGの全ての小グループが同じ視点で評価するのが大事だと思いますし、もしそれが客観化できればできるほど、幾つもにも分かれても同じような評価ができるということになろうと思いますので、是非その辺を検討して決めていただければと思います。
○中谷委員 その中で、やはり評価基準が多品目にわたったときにこうなるのが一番困るというので、WGも結局1人の座長というか、責任者の下でやったほうがいいだろうということになったと思います。結局、いわゆるダブルスタンダードはおかしいが、標準化をどうするのかというのが一番大きな問題で、結局この重篤性もやはり入れないとねという話になったと思っているのです。
 そういう意味で、今ここを変えるのであれば、そこのところは、特に最初のうちはこのWGの重みというのはすごく強いと思うので、キーのWGの人は最初のうちは評準化するところでやらないと、何か本当に有用性だけでいってしまっても又おかしくなると思いますし、その有用性とは何かという話も大きく出てくると思うので、ここは何を求めているのかというところを、明確にしていく必要があると思います。
 そういう意味からいうと、今回長かったと言うけれども必要だった。そのときに出てきたレベルというか、必要とされるものがあったから承認まで時間がかかっているのであって、結局プッシュがなかったらもっと長かったという考え方をすれば、ここはすごく有用だったと私は思っています。そういう評価もすべきではないかと思うのです。
○千葉委員 1点だけ。有用性というと、何かこれは前よりも効くとか何かという話がどうしても頭に浮かぶのですけれども、その頻度、この疾患は非常に頻度が高いと、それほど重度ではないかもしれないと。けれども効くのであれば、しかも頻度が非常に高いのであれば、これは社会的にも非常にみんなから有り難がられるという意味においては、それも有用性に入るのではないかなと考えております。風邪は別としてもですね。
○笠貫委員 私は有用性という言葉がここで使われていますけれど、実際は有効性、安全性のバランスの評価なので、余り有用性というのは科学的には使われていない。だからここで有用性という言葉を使ったのは、既に海外で承認されている機器をここでどうするかというときに、有効性も安全性もある程度評価されているところを、ここで承認するかどうかということで、私は重篤性というのが出てきたと思うし、言葉としても有用性ということで我々は共通で認識していたと思うのです。
 ここで私は海外で承認されている機器と、海外で未承認の機器をどう評価するかでは、評価基準が違ってくると思うのです。特にイノベーションという考え方でいくなら、当然、新規性、代替性、先ほどの希少疾患の話、そういう問題が全て入ってくる話なので、そうすると臨床的な有効性というのは評価できるのだろうか。医療機器の場合は効能でいいのではないか。むしろ安全性の問題ということを含めて、どういうふうに評価をしていくか、別な評価基準が必要になってくるのではないかと思います。
 そういう意味で、イノベーションの評価基準はどこでもきちんと評価されていないので、ここでするとしたら、それをきちんと評価基準として一度検討していただくことが必要なのではないかと思います。それをWGにお願いするときも、ここでまず評価基準をある程度共通の認識を持った上で、WGにお願いするということになるのではないかと思います。
○北村座長 笠貫先生の言われたのは、私も大事な点だと思います。イノベーションとスピードアップと簡素化で一番犠牲になるのが安全性の点で、逆に言えば副作用となる。未承認を今まではCEあるいはFDAの承認という形をとってきたので、安全性という評価項目がなかったわけです。しかし、今度は未承認でもいいということになれば、やはり安全性というポイントを失っては問題が生じ得ると思います。ここは疾病の重篤性と有用性、しかし有用であればあるほど、使い方を間違えれば安全性が損なわれるというのは、今の医療界でも幾らでも起こっているわけです。
 審査対象を国内のものに広げよう、これは皆大賛成で有り難いことだと思います。しかし、アメリカ製ヨーロッパ製のものを、向こうの本国そのものがやっていないのに、論文だけでうちがそれをやるということになっては、やはり安全性の評価が重要だということがあると思いますので、それを加えるかどうかはお任せしますけれど、そういう評価の項目を入れる。
 それからフォーマットを作っていただくことは大変有り難いし、スピードアップの重要なポイントだと思うのですけれど、このフォーマットはPMDAも了承済みですか。これでPMDAの審査もいけると。一番かかっているのは、ここから向こうに回したときに結局これでは証拠が足りないので駄目ですという審査になりますので、それは厚生労働省としてこれでいけと命令ができるのか、あるいは聞いてもいないという話なのか。今どの時点になっているのですか。
○参事官 いつも厳しい御指摘をありがとうございます。当然この資料の準備に当たりましては、先ほども申し上げましたがこれまでは厚労省だけでやっていましたけれども、その後の審査ということを考えた場合に、PMDAの協力も得て進めるのが大事だと思っています。その上で今の資料の要望書とか見直しの方向とか、これについてはPMDAとも何度かお話もさせていただいておりまして、いろいろな意見も頂いていて、一番意見がありますのは、やはり要望対象が広がるわけですけれども、エビデンスレベルを良く知りたい。
 それからもう1つが、要望書の雛形の6ページにあるのですけれども、これはいいあれはいいというのだけを拾ってきてやるのはよくないだろうと。安全性という話になりますけれども、健康被害なりが論文になっている可能性があり、報告があったりしますから、それもちゃんと拾ってきてほしいということで、一定の検索方法も決めて、どういう検索で見られたのか。いいデータだけピックアップしていないだろうかということについて、学会のほうに、どういう検索でこのエビデンスを集められてきたかということについてお伺いをして、それが不適切であればちゃんとやってから来てくださいということもお願いをしようと。そういう意味では、その時点で得られている安全性の情報も集めてきた上で判断しようということです。
 ただしもう1つは、外国でも開発中ということですから、開発されていろいろな試験が終わった後いろいろデータが取りそろえられて、その後、承認申請となりますので、承認審査の段階でももう1回その点をよくチェックして、ニーズ品目になったからといってその後のデータの蓄積で、必ずしも安全性上問題があるとか、思ったほど有効性が実はなかったとか、そういうこともあり得ますので、それについては厳正に審査をしていくことになっていくと思います。
○北村座長 是非、学会側が勉強して書いてきてもらう資料を、これを満たしておれば厚生労働省の審議、あるいはその次のPMDAのほうも、一本の書類で流れるようにしてやることは、学会側の人たちにとっては大変有り難いことです。その都度、厚労省からもPMDAからもまた書き直せ書き直せは、これは現場で働いている医師たちにはつらいことです。この頃は代行の企業ができているのをご存じだと思いますけれど、そういう書類を書く会社があるわけです。みんな研究費を出して、結構高いお金を出して書いてもらってやる形の中で、一本の書類が流れていく。このフォーマットをきちんと書いてくれたらそれでいけます、あとはマイナーな修正で済みますというものを是非作ってやってほしい。
 先ほどから皆さんの大変いい御意見を頂きましたけれども、それを踏まえていただき、その方向で進んでいただくことについては異論はないと感じましたが、よろしくお願いします。もうあと5分ありますが、どうしてもおっしゃりたいことがありましたら。
○澤委員 このフォーマットですが、CEマーキングとかテクニカルファイルが求められているのがあります。そこのところで、FDAとイギリスの副作用のデータベースを調べろということが全部書いてあると私は思います。私はそれを見ていますけれど。そのテクニカルファイルの項目は、やはりこの中に入れておくほうがよろしいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○事務局 その内容を確認させていただき、有用な情報ということであれば、その点を項目として設けたいと思います。
○澤委員 既存の医療機器は、皆そのデータベースを調べるように求められています。
○事務局 分かりました、ありがとうございます。
○北村座長 この会議では、オブザーバーは発言してはいけないのですか。
○事務局 どういう意味でしょうか。
○北村座長 PMDAの方が来ておられるなら、この方法で一緒にやりましょうという声を聞きたいのですが。PMDAで言う人はいませんか。
○事務局 PMDA上席審議役の佐藤です。医療機器を担当していますけれども、突然の御指名でございますが、今回の流れに関しましては、今、参事官からも御説明がありましたように、PMDAと厚労省の間では何回も打ち合わせをした上で、この流れでいきましょうということです。未承認薬のほうも機器のほうも、実は陰ながらPMDAはいろいろと下支えということで、黒子役に徹しておりますけれど、これからは参事官から話がありましたように、もう少し私どももいろいろありますが業務の範囲内で御協力させていただき、かつ最新の未承認の機器等も含めて迅速に世の中に出して、患者さんのためになるということが私どもの本意ですので、御協力を是非ともさせていただきたいと思います。
○北村座長 大変有り難い言葉を頂きました。これで厚労省とPMDAは元から人材は一体化しているかもしれないけれども、目的も方向性も一体となってやるという中で、是非ともよろしくお願いします。皆さんの御意見、インフラ整備、特に佐藤先生を疲弊させないやり方のノウハウというか具体的な方法も検討していただいて、また改めて報告していただくことになるのですか。どうされるのか最後に。
○参事官 今、幾つかあったと思いますが、WGの構成の仕方を考えなければいけないのではないか。余りにも専門家だけで少人数になると、いろいろ判断の基準がぶれたらいけないのではないか。医療上の有用性と疾患の重篤性のところで、先ほど私も御説明しましたけれど、それがよく分かるように、もう少し工夫したほうがいいのではないかとか。幾つかありました。大きくはその2つですかね。
○事務局 この会議への御報告の仕方を含めて、一度事務局で整理して、座長に御相談させていただきます。できるだけ早くこの新しい仕組みでの公募の体制に切り替えたいと思っております。そうしますと、もしかすると会議を開くということになると、来月、再来月ぐらいにまた喫緊にということになってしまうので、その辺を含めてまた座長に御連絡させていただきます。
○北村座長 それはお任せすることにします。よろしゅうございますか。それでは第23回の検討会を終了させていただきます。