技術・製品情報  給水装置標準計画・施工方法  厚生労働省給水装労データベース
トップページへもどる 次へ 次へ
閉じる

3.9.2 破壊防止


【構造・材質基準に係る事項】
 水栓その他水撃作用を生じるおそれのある給水用具は、水撃限界性能を有するものを用いるこ
と。又は、その上流側に近接して水撃防止器具を設置すること等により適切な水撃防止のための
措置を講じること。(省令第3条)

 
(解説)
1.水撃作用の発生と影響
 配管内の水の流れを給水栓等により急閉すると、運動エネルギーが圧力の増加に変わり急激な圧力上昇(水撃作用)がおこる。
 水撃作用の発生により、配管に振動や異常音がおこり、頻繁に発生すると管の破損や継手の緩みを生じ、漏水の原因ともなる。
2.水撃作用を生じるおそれのある給水装置
 水撃圧は流速に比例するので、給水管における水撃作用を防止するには基本的には管内流速を遅くする必要がある。(一般的には1.5〜2.0m/sec)。しかし、実際の給水装置においては安定した使用状況の確保は困難であり流速はたえず変化しているので次のような装置又は場所においては水撃作用が生じるおそれがある。
1) 次に示すような開閉時間が短い給水栓等は過大な水撃作用を生じるおそれがある。
 i)  レバーハンドル式(ワンタッチ)給水栓
 ii) ボールタップ
 iii) 電磁弁
 iv) 洗浄弁
 v) 元止め式瞬間湯沸器
2) また、次のような場所においては、水撃圧が増幅されるおそれがあるので、特に注意が必要である。
 i) 管内の常用圧力が著しく高い所
 ii) 水温が高い所
 iii) 曲折が多い配管部分
3.水撃作用を生じるおそれのある場合は、発生防止や吸収措置を施すこと。
1)給水圧が高水圧となる場合は、減圧弁、定流量弁等を設置し給水圧又は流速を下げること。
2)水撃作用発生のおそれのある箇所には、その手前に近接して水撃防止器具を設置すること。
3)ボールタップの使用にあたっては、比較的水撃作用の少ない複式、親子2球式及び定水位弁等から、その給水用途に適したものを選定すること。
4)受水槽等にボールタップで給水する場合は、必要に応じて波立ち防止板等を施すこと。
5)水撃作用の増幅を防ぐため、空気の停滞が生じるおそれのある鳥居配管等は避けること。
6)水路の上越し等でやむを得ず空気の停滞が生じるおそれのある配管となる場合は、これを排除するため、空気弁、又は排気装置を設置すること。
 

1.地盤沈下、振動等により破壊が生じるおそれがある場所にあっては、伸縮性又は可とう性を
 有する給水装置を設置すること。
2.壁等に配管された給水管の露出部分は、適切な間隔で支持金具等で固定すること。
3.水路等を横断する場所にあっては、原則として水路等の下に給水装置を設置すること。やむ
 を得ず水路等の上に設置する場合には、高水位以上の高さに設置し、かつ、さや管等による防
 護措置を講じること。

 
(解説)
1.剛性の高い給水管においては、地盤沈下や地震の際に発生する給水管と配水管又は地盤との相対変位を吸収し、また給水管に及ぼす異常な応力を開放するため、管路の適切な箇所に可とう性のある伸縮継手を取付けることが必要である。特に、分岐部分には、できるだけ可とう性に富んだ管を使用し、分岐部分に働く荷重の緩衝を図る構造とすること。
2.給水管の損傷防止
1)建物の柱や壁等に添わせて配管する場合には、外力、自重、水圧等による振動やたわみで損傷を受けやすいので、管をクリップなどのつかみ金具を使用し、1〜2mの間隔で建物に固定する。給水栓取付け部分は、特に損傷しやすいので、堅固に取付けること。
2)給水管が構造物の基礎及び壁等を貫通する場合
 構造物の基礎及び壁等の貫通部に配管スリーブ等を設け、スリーブとの間隙を弾性体で充填し、管の損傷を防止すること。
3)給水管は他の埋設物(埋設管、構造物の基礎等)より30cm以上の間隔を確保し、配管するのが望ましいが、やむを得ず間隔がとれず近接して配管する場合には給水管に発泡スチロール、ポリエチレンフォーム等を施し、損傷防止を図ること。
4) 給水管が水路を横断する場合は、原則として水路等の下に給水装置を設置すること。やむを得ず水路等を上越しして設置する場合には、高水位以上の高さに設置し、かつさや管(金属製)等により、防護措置を講じること。

△ページトップへ
もどる 次へ 次へ