閣議後記者会見概要

H21.07.17(金)10:49~11:03 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議については特別御報告はありません。

幹部職員の人事異動について

大臣:
本日内閣の承認が得られましたので、局長級以上の人事異動について申し上げます。今回の人事異動の目的ですが、事務次官及び社会保険庁長官が在任二年、厚生労働審議官が在任三年を迎えることから、人心一新ということで交代させることと致します。さらに、医系技官と事務系職員の固定的な人事配置を見直して、政策の企画立案機能を強化する観点から、医系技官と事務系職員の人事交流を強化する、これが二つ目の目的です。三つ目の目的として、重要課題を抱える部局について、体制の強化を図るとともに、適材適所を基本に人事異動を行うこととするということであります。なお、これらの人事につきましては、七月二十四日付で発令することとなります。一部は六月二十六日にすでに発表しておりますが、そのことも含めて今から申し上げます。江利川毅事務次官の勇退を認め、その後任に水田邦雄保険局長、保険局長には外口崇医政局長、医政局長には阿曽沼慎司社会・援護局長、社会・援護局長には清水美智夫北海道厚生局長を充てます。次に、上村隆史厚生労働審議官の勇退を認め、その後任に太田俊明職業安定局長、職業安定局長には森山寛大臣官房総括審議官を充てます。さらに、坂野泰治社会保険庁長官の勇退を認め、その後任に渡邉芳樹年金局長、年金局長には榮畑潤大臣官房審議官を充てます。さらに、草野隆彦職業能力開発局長の勇退を認め、その後任に小野晃政策統括官(労働担当)、政策統括官(労働担当)には中野雅之財務省大臣官房審議官を充てます。さらに、北村彰雇用均等・児童家庭局長の勇退を認め、その後任に伊岐典子中央労働委員会事務局次長を任命致します。今回は以上の人事異動でございます。不明なところがあれば後ほど事務局に尋ねて下さい。

医療・介護改革調整会議の設置について

大臣:
この度、厚生労働省改革の一貫として、医療・介護改革調整会議を設置することにいたします。私も母親の介護をずっと続けていましたが、医療と介護は患者の立場から家族の立場から見ても両方が必要になるものですから、このようなことの総合的な政策方針の策定、調整を局をまたいでやるために、まず、それを担当させる審議官を設けることに致します。そして、外部の有識者により構成されるアドバイザリーグループも設けるということで、この新しい体制は幹部の人事異動に併せて発足させたいと思っております。医政局、保険局及び老健局が横断的に医療と介護の調整について行うということであります。細かい内容につきましては後ほど事務局の方に必要な資料を請求していただきたいと思います。

質疑

記者:
中川元幹事長らが、両院議員総会の開催を求めている問題で、執行部は応じない姿勢を示していて、党内は混乱している様相を示しておりますが、この動きをどのように見るかということと、先日の会見でも「センスのない質問」とおっしゃっていましたが、改めてお伺いしますが、仮に総理が二十一日解散の閣議決定をされた場合には署名はされるかどうかお願いいたします。
大臣:
先だっての火曜日の会見で申し上げたことと全く変わりません。その前の月曜日に全部の方針が総理から出されたわけですから、後は戦うしかないので、戦の準備をするということに尽きます。したがって、全力を挙げてそれをやりたいので、今、「どうするこうする」という議論をする段階ではないので、それに全力を尽くす。もう一つは、メディアを含めての関心も政局ばかりになっていますが、今日私が申し上げた人事、役所の人事をしっかりやるということも、厚生労働省改革するために大切であるし、前から医療と介護をどうするかということはあったので、こういう調整会議を作るとういことも大切なのです。それからインフルエンザ、これは全然数が減っていません。三千人を超えてしまっています。秋からの第二波に備えてどうするか。今日はずっと官邸で経済財政諮問会議等ありましたが、雇用情勢、閣議では地域医療の話もありました。全部これは国民の命と健康に関わる大事な問題です。厚生労働行政というのは一日も空白を空けることができません。だから、これに全力を挙げて取り組んで日本を引っ張っていくということは国務大臣の責務なのです。そういうことを忘れてもらっては困ります。政局の話はあるけれども、国務大臣としての国民に対する責任ということです。次の大臣が決まるまで最低一月半あります。その間、今言った、インフルエンザから雇用から山積している問題をきちんとやるのは国民の代表としての大臣の仕事だと思っています。
記者:
各紙の報道を見ますと、自民党の内部のことに関しては党内対立の話が報道されて、一方、民主党は総選挙に向けたマニフェストの報道がされるというように対比的になっているのですが、政権選択選挙を前にしてこの様な状況が国民にどういう影響を与えるとお考えでしょうか。
大臣:
月曜日に解散の日も選挙の日も決まり、決めるのは総理大臣ですから、総理大臣が決めた以上は戦の準備をしなければいけません。まだマニフェストもできていないのは極めて嘆かわしく、こういうことをやるための一週間ではなかったのですかね。やらないといけないのは、執行部の責任でもありますので、こういうことを恐れず堂々と意見を言うべきときは意見をいう。いろいろな意見がありますし、我が自民党には優秀な人材がたくさんおりますから、そこできちんとした政策を打ち出さなければ駄目です。民主党の言っているような絵空事より、我々の政策の方がいいですし、しかも厚生労働行政には二年間の実績がありますから、「かかってくるならいつでもかかってきなさい」ということです。政策で競い、「財源がどこにあるのですか」ということをきちんと言う必要があります。ユートピア的なことをいうのは簡単ですが、政権を担ってやるには困難が立ち向かって来て、試行錯誤の 中で一生懸命やっている。ですから、やはり、政策作りを早急にやらないといけません。そういう意味で、党の執行部もしっかり反省して、「挙党一致でやるのだ」という姿勢を出さないといけないと思います。そういう意味で、ゴタゴタして政策作りがきちんとできないということでは、国民の厳しい批判に耐えられません。日本国民の中にも自民党を支持しておられる方々がたくさんおられます。例えば、外交・安全保障政策は水と油が一緒になって、この国の根幹をどうするのですか、民主党はどうするのですか。遙かに自民党の方が外交・安全保障政策についてしっかり筋が通っているわけですから、そういう問題をきちんと支持している日本国民がいて、各地で自民党の地方議員が汗を流してやっている。そういうことをよく考えて私は一党員としてそういう現状を少しでもよくするために努力するということに尽きます。厚生労働大臣の仕事は先ほど申し上げましたようにきちんとやりながら、政党の話をおっしゃったので政党については汗をかいて、そういう嘆かわしい状況を変えていかないといけないと思います。
記者:
人事についてですが、村木前局長の後任になられた北村局長が勇退ということですが、差し支えがなければその理由と、二ヶ月くらいの間に局長が三人代わるという事態になりますが、どのように対処されますか。
大臣:
人事についての理由は申し上げないというのは、個人のプライバシーに関わることがたくさんございます。御家庭の事情があったり、本人の健康状態があったり、いろいろな状態がそれぞれにありますから、そういうことも人事については勘案しなければなりません。しかしながら、大きな厚生労働省改革の視点から、特に医系技官と事務官の人事交流をしっかりやるということも入っておりますので、そういう観点から個々のケースの細かい点についてはコメントを差し控えたいと思います。
記者:
原爆症訴訟の関係ですが、火曜日の閣議後記者会見で、官房長官と話を詰めるということをおしゃっておりましたが、こういう政局ではありますがその後の進捗についてお聞かせください。
大臣:
今、水面下で事務的にどういう形での解決策があり得るか精力的にやっております。先ほども官房長官とお話をし、それを受けて、火曜日には解散総選挙が決まるでしょうから、できるだけ早くとりまとめをしたいと思います。相手があることですから、今、精力的に詰めをやっております。
記者:
診療報酬の改定についてですが、社会保障審議会の関係部会で議論が始まったのですが、与党は、基本的に診療報酬の引き上げの方向を打ち出したりそういう発言が相次いでおりますが、議論の中で保険者からは財政状況がよくないので引き上げに慎重という意見も出ているのですが、大臣が議論に期待することと、議論をどのように進めていくお考えでしょうか。
大臣:
今、おっしゃっられたように、こういう景気状況ですから保険者の立場からみると「ちょっと待てよ」ということもあります。ただ、産科などについてはハイリスク分娩加算をやり、その結果が非常に状況がよくなっております。先ほど言い忘れましたが「地域医療の機能強化に関する関係閣僚会議」が閣議後に行われました。そこで申し上げましたが、例えば、産科について言えば数が増えております。具体的に言いますと、産科医療を志望して産科婦人科学会に入会したお医者さんが18年と19年は330名程度であったのが、20年度には402人に増加しております。これはやはり、そういう診療報酬を経由してのものもありますが直接的な経済支援もあります。例えば、ハイリスク分娩加算をやることによって、ほとんどの大きな病院が産科については黒字に転換しております。こういうことの成果が産婦人科を増やすことになっておりますから、そういう点も勘案しないといけません。次いでに申し上げますと、今まで数字を出していなかったことですが、医学部の入学定員を来年度何人増やすかということで、今年度は693名増やして8,486名まで拡大しましたが、文部科学省大臣と協議をして22年度についても最大370名程度増やすということを決めてまいりました。このような背景がありますから、保険者の方々の御意見もありますが、やはり、診療報酬を通じて大きく医療の現場を変えることができますし、国民の代表もそこにおられる、地方自治体の代表もおられる、それから、医療サービスの提供者もおられるので、バランスをとりながら、こういうことを勘案して議論をしていきたいと思います。
記者:
「医療・介護改革調整会議」の関係ですが、今まで、医政局、保険局、老健局と分かれていたことによる弊害について大臣はどのように御認識されていたのでしょうか。
大臣:
長期的に言えば、介護保険と医療保険の一体化ということが一つのやり方としてあり得るわけですが、例えば、老人医療の中で医療サービスを提供することにどこまでお金を提供するかということは、医政局と老健局の話になります。それから保険の問題を総合的に行う必要がありますので、患者本位ということです。老健施設にいて急性肺炎になると病院に移りますが、ここまでが介護保険、ここからが医療保険でカバーということがあります。そういうことを含めて、特に地域包括ケアということをやっておりますので、医療と介護が総合的に提供されることによって国民がプラスになるわけですから、そういう形でやりたいと思っております。ですから、事務局をおいて、審議官をおいて、PTの事務局をおいて、こういう中できちんとしていく。それからアドバイザリーグループの方々は例えば、老健施設でこの薬までは保険を適用して欲しいとか、現場の声がありますから、そういうことを政策に移したいということです。
記者:
これは平成24年の診療報酬と介護報酬の一体改訂の時に両方を一体化することを視野にいれた組織変更ということでしょうか。
大臣:
二つの保険の一体化は非常に難しい問題があります。被保険者の年齢が全然違い、片一方は四十歳以上ですから。本当に難しい問題もありますが、そういうことも一つの可能性としては考えないといけないので、いずれにしても二十四日にこの会議を発足させて、外の方々の意見も聞きながら包括的な議論をしたいと思っており、これも一つの改革の方向付けと見ていただければと思います。

(了)