閣議後記者会見概要

H21.04.14(火)09:10 ~ 09:20 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議については特別ご報告することはございません。

質疑

記者:
昨日、官邸で始まった「安心社会実現会議」、6月には提言をまとめるという方針なんですが、どういった議論を期待されますか。
大臣:
私は正規のメンバーではありませんので、呼ばれてヒアリングということはありうると思いますが、いずれにしても社会保障について色々な不安があるので、これは国家百年の大計として、どうすれば国民が安心できる社会を作るかという議論を大所高所に立って長期的なレンジでやってもらいたいと思っています。
記者:
昨日、検討会で認められた介護の内部文書について、大臣の見解をお願いします。
大臣:
昨日、要介護認定基準の見直しということで、これは色々な関係の方に入っていただいて良い議論ができたと思います。その中で、共産党の小池議員から委員会で質問があった文書、つまり、意図的に財政的な観点から介護認定を減らすというような検討が行われたのではないかということについて、委員の樋口さんから説明して欲しいということがありました。私は途中までしか出られなかったので、あとは局長の方から説明をわかる範囲でしなさいということで言いました。基本的には役所の中で色々な検討をする、樋口さんもおっしゃっていたように、役人の立場というのは、「これだけの財源の中でやりなさい。2,200億円をカットしなさい」と来たときに、どこで辻褄を合わせるか、今回の2,200億円でもどこからお金を取ってくるか、本当に苦労しました。後発医薬品ジェネリックは230億円位しか無いわけですから、よくぞこんな所にお金を捻出できたなという感じになってしまうわけです。本来は役人の仕事というのはそうではなくて、どうすれば介護が良くなるか、どうすれば医療が良くなるかに全力を尽くす環境を政治家が作らなくてはいけない。だから、例えば難病にしても、25億を4倍にしたのは、「一生懸命やって下さいよ」と言えば官僚は一生懸命やる。ところが、これだけの金しかない中でやれというのがあって、もし予算が増えなければどうなんだろうといって、官僚の習い性で一生懸命やったのだと思います。「とてもじゃないけど介護の分をどんどん削れ」と言われた時にどう削るのか内部で検討をした。もちろん私も見ていません。今の局長も見ていません。どういう所でどう行ったかまで、細かい関係者は他の所に行ってますからわかりませんが、そういうことの一部が出たということなんですね。だから、一つは文書管理をしっかりしないといけないということは当然ですが、それより前に、政治家の立場として言うと、そういう議論に役人が力を使うのは、非生産的で、むしろ私達政治家のリーダーがやることは、2,200億円にしても、縛りをかけるのではなくて、どうすれば介護が良くなるのか、国民の立場に立って検討しなさいということを指示すれば、彼らも一生懸命やると思います。今、3%上げ、今度の検討している補正でも予算規模を上げれば、生き生きとやろうということが出てくるわけです。ですから、私は、樋口さんがいみじくも言ったように、こういうことをやるのはけしからんけれど、元々、2,200億円があったからこういうことになったということは彼女も良く理解していました。色々なシュミレーションを検討することが悪いとは言いません。ただ、やっぱり、役人だけの責任ではなくて、大きな大枠を決めることに対して、政治の決断をやるべき時期に来ている。そうしないと、私に言わせると、くだらない検討までしないといけなくなります。幸い、あのようなものは公式な見解にもなっていないし、「ちょっとやってみたよ」ということだけです。そういうことではなくて、全体の処遇を上げようとして、今、努力をしている。認定基準の問題も、問題があるので、希望者は前の基準のままでしばらくはいいですよということをやっているので、そういうリーダーシップを今後とも発揮していきたいと思います。先ほどご質問のあったように、国民が安心できる社会保障とは何なのか、そういう原点に返った議論をやらないと、役人の使わせ方ももったいないというか国民の為になっていません。ですから、省を挙げて反省し、謝罪するところは謝罪するにしても、積極的に、ポジティブに更に良い方向に目指すように努力したいと思っています。
記者:
少し細かい話ですが、例えば、介護認定審査会の委員の関与を減らしということが書いてあります。そうしますと、口では一次判定のコンピューターの判定を厚生労働省的には二次判定で救いますと説明していたのですが、これによりますと二次判定も形骸化しようということになるのですが、その点についてはいかがでしょうか。
大臣:
そこはそう読むかどうかです。要するに、公平性ということから考えた時に二次判定でどうにでもひっくり返るというのであれば、一次判定の介護ソフトの意味がありません。昨日の検証委員会でも半分くらいの委員の先生方がこの認定基準を持っているのは世界一すばらしいとほめられているということをおっしゃった先生方もおられます。つまり、公平性の担保を確保しておかないと、極論すればそのような判定ソフトはいらない、その時の先生が勝手にコネや何かを使って「あなたを要介護認定3に上げます、4に上げます」というのではおかしいので、そういう意味でなるべく人為的、意図的な事が入らないようにするために、相当なところは一次判定で行います。しかし、二次判定については、救えなかった人はそこで救う。火の不始末の問題などです。一律的にそこに入れた方がいいかどうか、私の母親もそういうケースだったで、火の不始末なんかを二次判定できちんと行いなさいということを言っておりますので、公平性のバランスでそういうことだということです。認定ソフトを公平と見るか、先生方を公平と見るか、それは先生方の恣意が入ると困るわけですから、そういう意味だと理解しておりますので、引き続き目指すべき目標というのは介護保険をより良いものにしていって、介護で苦しむ本人、御家族の悩みを少しでもなくして行き「介護保険が本当にあってよかったな」と言われるような制度に育てていくことだと思っておりますので、努力して行きたいと思っております。
記者:
担当課の説明では、介護給付費の削減を意図したものではないという説明だったのですが、今の大臣の御説明だと、削れと言われたので職員で検討したという話だったのですが、それは削る意図が職員の中であったということを大臣として御認識されているのでしょうか。
大臣:
それは違います。樋口委員がおしゃっていたのですが、要するにいろいろな政治家からの要求があります。「予算をどのくらいでまとめなさい、これだけ全体で削減しなさい」。今回も2,200億円を削減しなさいとあるわけです。役人としては政権交代があっても、「今度の予算を何百億増やせ」と言われたら、役人の仕事はどこを増やすかを考えないといけないのです。政治のリーダーの言ったことに従い、それの辻褄を合わせるということを行っているので、そういうシミュレーションの一つです。
記者:
大臣は樋口さんがおしゃられた見解を今述べたということでしょうか。
大臣:
そういうことではなくて、樋口さんもそういう指摘をしたということです。
記者:
大臣としても政治的背景があり職員が追い込まれたとお考えですか。
大臣:
そういう面もあるだろうと思います。ですから、自発的に「こんなものはどんどん減らしていけ」ということを職員は思いません。それは内閣が決めることですから。すべての役人の習いは「ああいう指示が出てくるな、今度こういう指示が出てくるな、こうカットしろと」指示が出て来て、すぐ動けと言った時に動けないですから、そういう情報を察知したら習性としてすぐに動きだすのです。そういう面があったと思いますから、寧ろ、私は政治の大きな舵の取り方の方が大きな問題だろうと思っておりますので、結果としてより良い介護保険制度にすればいいということです。
記者:
大臣は厚生労働省改革推進室も作って、今年はかなり体制を強化されてきたと思うのですが、それでもこの介護認定の見直しがチェックできなかったということは大臣としてどのようにお考えでしょうか。
大臣:
それはこれだけ大きな仕事ですから、課長レベルのものが全部私に上がってきたら、私が百人くらいいないと無理です。ガバナンスの強化をすることを行わないといけないですが、雇用の問題、医療の問題をどうするか、私も24時間しか時間がありませんから、全力を挙げて行い、手足も使っておりますが、それは漏れるところがあります。それは非常に申し訳ないと思いますので、放っておかないで「漏れて困った」というところにはすぐに手を打っているわけで、今後、更にガバナンスを高める努力をしたいと思います。

(了)