閣議後記者会見概要

H21.03.31(火)08:46~08:55 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議については特別御報告することはございません。私の方からはまず、雇用の問題です。職業安定局長の方から細かい説明がありますし、また資料もそちらでお配りします。2月の有効求人倍率が0.59倍と極めて悪い数字になっています。要するに、職を求めている人が100人いるのに59しか仕事がないというのが0.59倍という意味です。実は、この数字は前月が0.67倍ですから、0.08ポイント下回っております。一ヶ月の下げ幅としては第一次オイルショック発生後の1974年12月以来34年振りの減少幅です。それから有効求人は前月に比べて6.7パーセント減少して、有効求職者が4.9パーセントの増加ということです。失業率が4.4パーセントと1月の4.1パーセントから0.3パーセントの上昇をみており、雇用失業情勢が非常に厳しさを増しているということです。
次に、非正規労働者の雇い止めです。先般12万人という数字を出しました。3月19日までに把握した昨年10月から本年6月までの状況をまとめてみますと、全国2,968事業所で19万2千61人の事例が報告されておりますので、先月から3万4千255人の増加です。これは今まで対象が3月までであったのが、6月までに引き延ばしたもので、4月以降分の約8千人が上積みされていますが、それを差し引いても2万6千人増えているということです。
それから、内定取消です。3月23日までに把握したところでは、全国で404事業所、1,845人となりました。先月から271名の増加です。また、企業名の公表制度ですが、公表の対象となることが確定した2件を本日公表いたします。残りの案件についても確認中で、4月以降に公表の予定です。
それから、もう一つ雇用調整助成金です。2月分の受付状況が出ました。驚くべき数字が出ておりますが、事業者数が3万621事業所で、対象労働者数が186万6千人、前月の約2倍、100万人の増となっております。逆に言えば、186万6千人の方が雇用調整助成金がなくて、そのまま首を切られていたらこの186万人が失業者になっていたということですので、この雇用調整助成金を始めとする対策は一定の効果は出していると思いますが、極めて深刻だと思います。したがって、どうするのかということですが、雇用調整助成金を一層拡充いたしまして、これをワークシェアリングにも使うことを進めたいと思います。ワークシェアリングの推進としての雇用調整助成金は昨日からスタートさせました。それから派遣元、派遣先に対する指導の強化も本日付で損害賠償などを明記した形できちんと指導したいと思います。
それからふるさと雇用再生特別交付金に対し労使も拠出してくださいと、この基金は労使が拠出出来ますから、これも23日付ですでに通知を出しております。
今度は、住宅を失う方々に対して雇用促進住宅を最大限活用するために、これまでの中期目標を変更して平成23年度までに3分1の雇用促進住宅を譲渡、廃止ということを決めておりましたが、この決定を削除します。このまま住んでいただけるよう昨日付で指示いたしました。細かい点につきましては事務方に紙を含めて説明をさせます。
それから、閣議の前に年金問題に関する関係閣僚会議を行いました。詳細については皆様にすでに御説明していると思いますが、人員の増加を含めて、特にお年を召された方が再裁定はされたのだけどまだ支給されていないという方に対して全力を挙げて、夏くらいを目途に3ヶ月待っていただければ受け取れるように、1万人体制という形で行いたいと思います。これは政府・与党の御了承を得たところです。あとは特別私の方から御説明することはございません。

質疑

記者:
有効求人倍率が相当悪い数字が出ているということのお受け止めをお願いします。
大臣:
本当に、第一次オイルショック以来なので0.59というのは100人の求職者がいて59しか仕事がないという状況で、ここまで下がるというのは極めて深刻だと思います。全力を挙げて、先ほどの雇用調整助成金を含めてできるだけの手を尽くしたいと思っております。今日の午後また、政府・与党でこれからの経済対策をどうするかということが話し合われると思いますが、そういう中でも強力に雇用を絶対に守るのだという姿勢を明らかにして、必要な施策を行いたいと思います。
記者:
雇用調整助成金なども拡充されているようですが、なかなか非正規労働者の雇い止めとかも増えておりますが、改めてどうお考えでしょうか。
大臣:
この点も、指導を充実させるとともに、派遣先、派遣元企業両方に対してきちんと再就職の斡旋をしなさいということも行いたいと思います。財源の問題を御心配されていると思いますが、先般与党が示された雇用対策で6千億円の基金が必要だと示されました。これは毎月150万人が失業の危機にあって、雇用調整助成金をいただくということを前提にした時に6千億かかるということです。2月は150万人を超えて180万人になりました。これがこのままずっと続くとは思いませんが、1年間毎月150万人という数字が出ても6千億なので、財源的にはきちんと対応したいと思います。どんなことがあってもこの制度は皆さん大変評価していただいておりますので、拡充することはあっても縮小することはせず、財源は私が責任を持ってきちんと手当てをするということをはっきり申し上げておきたいと思います。
記者:
内定取消については、新卒者にとっては不安が募るところだと思いますが、このあたりは。
大臣:
本日、2つの企業名を公表しますし、陰湿な形で内定が取消を事実上行うところに徹底的に指導をしてそういうことがないようにします。例えば、企業が倒産してしまえば、当然内定取消になってしまいますから、そういう方々を採用してくれた企業には助成金を100万円を支給しますので、社会全体で救うことを行いたいと思います。内定取消をされた方を助ける企業を全力で支援するということです。とにかく、経団連を始め各団体にも絶対内定取消は行わないでくださいとお願いしております。内定取消は無効であるという、最高裁判所の判例もあります。若い人達の将来が掛かっていますので我々が一生懸命支えます。ですから、企業は「内定出したけど内定取消をしようかな」と思っても、それは止めてください。新入社員はすぐに仕事はできませんから、半年くらい訓練しないといけません。そこを雇用調整助成金を使っていただければ、その訓練費用を今度9割まで持ちます。20万円掛かるのであれば、18万は国が持ちますので、1割だけ負担していただければ内定取消をしないで済みます。それで半年間職業訓練をして、新入社員がすばらしいスキルを持って、景気がよくなった時にすぐ即戦力としてつかえますので、是非、雇用調整助成金の制度、これはテレビなどでも丁寧にスポットで相当宣伝していますので、中小企業の皆様方は特にお使いいただきたい。そして今度180万人を超えたというのは大きな企業の皆様も大変苦しくなってこれを使っているということが、この数字が伸びたことになっておりますが、企業の規模を問わず我々は全面的に支援しますので、こういう制度を活用してリストラを行わないでいただきたい、雇用を守っていただきたいと思います。
記者:
企業名の公表ですが、やはり悪質だという御判断でしょうか。
大臣:
10人以上一緒に内定取消を行ったとか、五つくらいの基準がありました、その一つの基準でも当てはまれば行うということで公表いたします。
記者:
年金関係ですが、年金記録問題の解明を日本年金機構が来年立ち上がるということでまだ解明が進んでないという印象を受けるのですがこのあたりはど受け止められていますか。
大臣:
いつも申し上げますが、皆様方の御協力いただいている本人確認は1億900万人に送って、本年1月末時点で、約7割の7,200万人にご回答いただいております。このうちの9割、6,500万人の方の年金記録の確認作業が終わったということですので、5,000万の中でも1,000万人くらは該当者がいるのかなということもあります。ただ、これは住民基本台帳ネットによる調査ですとか、紙台帳との照合のための画像データを21年度行いますから、そういうことを行いながらデータはデータでやっていきます。そして、御本人の確認、ねんきん定期便がこの4月から誕生月に送付されます。そこに標準報酬月額も書いてありますので、こういうことで皆様の御協力をいただき一歩一歩進めて行きたいと思います。19年7月5日の決定を基にずっと行ってきて、小さな歩だなという御批判もありますが、何十年にわたる不祥事の山ですのでコツコツ行ってきております。ねんきん特別便については6,500万人分をなんとか納得のいくとこまできましたので、引き続きこの作業を続けて行きたいと思っております。
記者:
関連なのですけれども、今日の年金関係閣僚会議では、機構が発足する来年1月までに一定の区切りをつけることが確認されたと思うのですけれども、ここで言う一定の区切りというのは、数値目標が無い中で何をもって一定の区切りということなのでしょうか。
大臣:
一つは、7,200万人しかまだ回答が戻ってきておりませんから、ねんきん定期便を送りながら皆さんにやはり回答していただきます。そうすると1億900万人が明らかになるので、そういうことをちゃんとやりたいと思います。それから、せっかく再裁定されたのに、お年を召された方が支給されるまでに時間かかりすぎて7ヶ月待っているよ、9ヶ月待っているよと苦情がたくさんあります。これをせいぜい3ヶ月待てばいいくらいにこの夏くらいまでに短縮したいということです。新しい機構が発足しても引き続きその作業は続けていきます。本当に地道にやっていきます。ただ、全体の感覚として国民の皆さんが「大体、相当なところまでいったな。」と、例えば、8割以上の方が、今6,500万人ですから65%、これが80%の方々が、「自分は大分片付いたな。」と言えば相当国民の感覚としてはまだ終わってないにしろ相当な終息感というのは、一定のそういう雰囲気が出てくるのではないかと思っております。我々は努力を続けます。最終的にあそこに書いたのは、努力しながらどうみてもデータを見ても、本人に聞いても分からないというのは、インターネットやいろんなところに公示をして「皆さんどうですか。」と一年間公示しますから見て下さいということです。ただ、結局それは架空の人物で誰も該当者がいなかったということは有り得るわけです。それは今峻別できないので、そういうことの作業もやりたいと思っております。そういうことをやる前提としては、我々がまだ一所懸命やらないといけない。ただ、新しい機構が平成22年1月に始まりますからその時までには、ある程度というふうに思っております。
記者:
卵巣がんの患者さんにドキシルが昨日承認されましたけれども、それに対して2年で承認されたことの受け止めと、ドラッグラグに関して改めて大臣の所見をお願いします。
大臣:
あの薬自体は既に承認されて使われていたのですが、卵巣がんとしての適用がなかったのでこれを承認しました。是非求められている方が早く使えるようにと思います。今、薬の承認を早めて4年を1年半にということでやっておりますので、今後ともそのスピードアップを図っていきたいと思っております。
記者:
生活保護についてお伺いしたいのですけれども、地方自治体の中で、生活保護の負担をもうちょっと国に負担して欲しいという声もあるのですが、そのことについて大臣はどうお考えですか。
大臣:
これは今4分の3が国、4分の1が地方自治体なのです。だから国が責任を持ってやっております。ただ、やはり地方自治体にとって4分の1であれ、急速に生活保護者が増えればそれは大変なご負担になると思いますので、これは政府全体の中でどういうふうにするかということは考えないといけないと思っております。本当に地方財政も、この経済情勢、雇用情勢、大変になっているので、生活保護を受ける前に救う、受けた人を再就職させる、一連の施策をやっておりますので、是非、就職していただいて自分で仕事ができるような体制を側面から支援したいと思っております。

(了)