閣議後記者会見概要

H21.02.10(火)09:50 ~ 10:06 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議については特別にご報告することはございません。ただ、閣議で今日は日本年金機構の人事について了解を得ました。日本年金機構の理事長予定者につきましては官邸ともよく相談した上で東京経営者協会専務理事の紀陸孝氏を指名することとしました。本日の閣議で了承が得られましたので、来週16日に正式に指名すると共に併せて日本年金機構の設立委員としても発令することとしたいと思います。紀陸氏の経歴その他につきましては後ほど事務方から資料を配付いたします。
それからもう一つは、インターネット上の動画配信サイトであります「YouTube」に厚生労働省としての公式チャンネルを開設しまして、私からのメッセージも掲載しておりますのでアクセスしてみてください。臨場感を持って行政の現場を皆様にお伝えしたいということでいろいろな私のメッセージ、日々の行政の姿、それからイベントがあれば紹介ということを行っていきたいと思っておりますので是非、国民の皆様にご覧いただければと思います。私の方からは以上です。

質疑

記者:
日本年金機構の理事長に紀陸さんが決まったということですが、紀陸さんに対する抱負をお聞かせ下さい。
大臣:
大変な仕事ですので、特に社会保険庁の後継の機関ですし、これだけ問題を抱えているのでどなたも好んでこの仕事をおやりになるということではないと思いますので、それは無理をお願いしています。経営サイドの日本経団連の経験もありますし、労働関係の審議会にもおられた方ですので、年金の問題もよく知っているということで、しかも、お年もまだ62歳と比較的お若いですし今後を担っていただきたいということで無理にお願いをした次第です。私も全力を挙げて全職員を挙げてバックアップしていって、国民の皆様の年金記録の回復をきちんと行っていくという従来の仕事を更に進めて行く。そして、年金というものは老後の生活の糧ですから、まさに政府、国家の信頼が問われていますので、衣替えをする以上は「本当にこの機構になってよかったな」という形での新しい組織に変えて行きたい。そのためのリーダーシップを取って行きたいと思いますので、全力で支援していって、一緒にこの年金制度への国民の信頼を回復したいと思いますのでがんばっていただきたいと思います。
記者:
年金の戸別訪問に関して、7,700件あまりの調査結果が出ました。その中で社会保険庁の職員の関与を具体的にお伺いするものという回答が400件あまり、5.5パーセントあったのですが、その数字に関して大臣のご意見をお伺いしたいのですが。
大臣:
今訪問中で、まだ全部終わっておりません。全部が終わってまたきちんと集計してみたいと思いますが、5パーセントであれ、10パーセントであれ職員の関与があったということは許されることではないので、きちんと厳粛に受け止めてしかるべき是正措置を行いたいと思っております。もちろん個々のケースを細かく見れば、「なんとかしてもらわないと会社が潰れそうだ」と泣きすがって来たという時に人情から「こういう手もあるのですよ」ということで教えられた方もいるかもしれません。そこは一つ一つのケースについて見るとそういう物語というかストーリーが出てくる可能性がありますが、しかし、法律に基づいてきちんと行わないといけません。改ざんをする方の中小企業の方々がおられれば法律違反ですから、それを助けるというのも法律違反ですので。日本は法治国家でルールがあるわけですからルールに基づいてきちんと行わないと、歯を食いしばってきちんと保険料をおさめ、正しくやっている方々との公平もありますので、そういう観点からルール違反に関しては厳しく糾弾していくという今までどおりの方向で行っていきたいと思っております。
記者:
今の話に絡むのですが、厚生年金特例法というので遡及して追徴できるというふうに聞いているのですが、訂正の意思がないと答えた人、それは追徴されるからという理由があるそうなのですけれども、これについては厳しく追徴していく姿勢でお考えですか。
大臣:
これは、自分で罪の意識というか、自分が不正をやったんだと思っているからもういいよという方もおられるかもしれない。基本的には、その方がちゃんと意識をしてやっていればそれが犯罪に当たるわけですから、それはルールに従ってやるしかないのです。本当、これは話を聞くと涙なしには聞けないような可哀想なケースもあったりするし、もう少し頑張ってもらえば払えたのではないかと、お宅と同じくらい苦しい企業でも払っていたところありますよというのもあります。だからこれはもうルールに従ってやるしかないと思っております。ルールは原則であって、本当に情状酌量の余地があったりすればそこは一つ一つ考えていけばいいので、第三者委員会もあるし、そういうところでの協議ということもありますから、きめの細かい対応をしていきたいと思っております。
記者:
報道各社の世論調査で内閣支持率が出揃いましたけれども、今回、内閣を支持しないという各社の率で大分増えているのですけれども、こういった状態については大臣どのように。
大臣:
内閣の一員の閣僚としては極めてこれは厳粛に受け止めないといけない。それだけ国民の皆さんの御批判があるということは、重く受け止めたいと思っております。その上で、やはりきちんと仕事をしていく、特に私の分野、厚生労働省は、国民の生活に直結していますので、一つ一つ国民の抱えている問題について、年金記録にしろ、医療にしろ、雇用にしろ、確実に仕事をしていくということが大事だと思っております。とりわけ一次補正が終わり、二次補正も終わりかけています、関連法案がありますから。本予算は、きちんと実行するということが今の困難な経済的な難局に立ち向かう道であるので、なんとか一日も早く予算を成立させて国民の皆さんの生活を守りたい。皆、内閣一丸となってきちんと仕事をしていけば、国民がきちんと御評価してくださると思っておりますので、そういう思いで日々努力していきたいと思っております。
記者:
昨日の予算委員会の就職協定について、文部科学省とでどのようなやり方が良いか、見直すということも塩谷大臣が明言されたのですけれども、今回の学生の内定取消し問題が浮上している中で、学生の就職活動について厚生労働省としてどのようなアプローチの仕方をお考えでしょうか。
大臣:
例えば、3年生の時から就職活動をやって、学業をおろそかになるのでは話にならないのです。そういう意味では、経営者団体、大学関係者、それから厚生労働省、もちろん文部科学省も入りますけれど、こういうところできちんと協議をしてあまりの青田買いというか、企業への訪問ということはあまり早くやらないように、いつくらいが良いかということも含めてきちんと議論をして、我々は経営者団体に対して、そういうことが決まれば、学生さんが来られても「いやまだあなた3年生でしょ、来年来てください。約束でしょ。」という形で指導していきたいと思っております。
記者:
年金記録問題の関係なのですが、大臣直属チームで室長を務められた野村修也さんが今の手法は限界に来ているというようなインタビューでそういう発言をされているのですが、そのことに対する大臣の受け止めとその認識というのは大臣共有されているものがあるのかどうかお聞かせいただけますか。
大臣:
何をもって限界というかなのですが、大変困難な仕事をやっていることは国民の皆さんもお分かりいただけると思います。例えば、紙台帳、ここに戻れば全て正しいかというと、紙台帳に書いている時にミスをしていたケースがあって、コンピュータに入れた時に正しく直していた。そうすると、紙台帳の方を訂正しないといけなくなってしまいます。それをコンピュータの方が間違っているとして紙台帳に戻ったら、エンドレスに訂正、訂正、訂正を繰り返さないといけなくなるので、例えばこういう難しい問題があることは確かですし、先程の悪質な企業主のように、架空の従業員をでっち上げて税金逃れのために使ったいうことは架空ですからあり得ないわけです。そういう人がいないのにいることになっている。こういういろんな難しい問題はありますけれども、ねんきん特別便、これで7千万人分くらい自分の問題が片付いたという方はおられると思います。これは国民の皆さんに御協力していただいて、ねんきん特別便まだ回答していないよという方は是非回答していただくということで、国民の皆さんが、「大体皆片付いた。この辺りでもう幕を引いて良いのでしょう」ということをおっしゃらない限りは、きちんとやっていかないといけないと思っております。今も非常に心を痛めているのは、御高齢の方から、「あと余命三ヶ月ですからなんとかして下さい。」と手紙が来るのです。もうなんとか頑張ってやりますということをやっているのですけど、残念ながらご存命の間にお支払いできなくて御遺族にいくということ、なるべくこういうことを避けたいと思っております。年金の問題は、一人一人にとって人生を狂わせる重大な問題ですから、1億2千万人いて、たった一人でも「まだ私は片付いていない。」という方がおられたらこれはやはり行政の仕事としては親身にやる必要があるので、私はそういう意味で、「最後の一人、最後の一円まで」という決意は間違っていないと思っております。限界があるからやめるのではなくて、その限界で、例えば、先程言ったように、紙台帳が実は正しくてコンピュータが間違っていました、紙台帳が実は書き間違いだった、そのことまでを解明しないと分かりませんが、しかし、そういうこと以外の別のルールで、もう答えが出た場合だったら、今の紙台帳とコンピュータどっちが正しいかということには決着を付けるわけです。だから、いろんな意味であらゆる住基ネット使うとかいろんなことをやって解決を図っていって、どんな方法でも良いから解決する。そのことをやっていく必要がある。そして、大体解決して、「これはもう完全に間違いで架空の人物ですよ、じゃあ捨てましょう。」というところまでは捨ててはいけないのかなと思っております。最後は国民の皆さんが「大臣この辺りで我々は満足しました。後は、例えば、3千人分残っています、この方は証拠もなければどうしようもない、この場合は、例えば、皆で、じゃあ少しずつ何らかの形でこういう方の面倒を見ましょう。」というような形で解決することも有り得るだろうし、最終的には、全国の市町村の役場等に紙を貼って「こういう番号の方、こういう名前の方でまだ解決できないのだけれども、皆さんの周りでこういう方おられたら知らせてくれませんか、自分の年金番号がこの人は知らせてくれませんか」と一年くらい例えば公示します。そして、周知徹底してそれくらいのことをやって、「一年間も全国にあなたの名前をさらしたのだけれども、お申し出ありませんでしたね。」って言ったら、やはり「そこまでおやりになるんだったら。」というふうに思ってもらわない限りは、やるべきだと思っております。そういう意味で努力をしたいと思っております。
記者:
そういう意味では、今のねんきん特別便からの回答状況から考えた時に、一定程度しか返ってこないことを考えると、2万戸の戸別訪問を更に広げるという考えは大臣の中にあるのでしょうか。
大臣:
これは本当に人手不足で、誰でも彼でもできればいいけど、ある程度のプロフェッショナル、知識がないとできないから頭が痛いのです。今正に失業の方がおられるから、こういう方をできればと思ってそういうことも考えています。そして、人員を大幅に強化しないと大変な仕事であることは確かなので、人員強化策は、少しずつですけどやっていっていますので、そういうことを含めてあらゆる手を使ってやっていきたいと思っております。
記者:
紀陸さんの関係なのですけど、大臣先程年金にも詳しいとおっしゃいましたけど、経歴を見ると労働行政の方も専門家であるという点からして日本年金機構大分問題を抱えていますけれども、紀陸さんではなかなか舵取りが難しいという声が早くも出ているのですけれども、その点どう考えていらっしゃいますか。
大臣:
これは国民全体でやらないといけない話ですから、年金というのは全部の労働者が入っているわけです。だから連合とよく協議をしたり、例えば、私の年金作業委員会に連合からも人が来てもらっています。そういう意味で、労働界に強いということは、やはり社会保障とか社会保険の問題をやっていたということは、そういう意味では知識もおありになるし、これは理事長としてきちんと仕事をしてやっていただければいいので、今から予断をもってこの方は能力あるとか能力ないとか難しいというのは御本人にとって失礼であって、皆で支えていってきちんと前に進めればと思っております。
記者:
保育の関係なのですが、去年2月に新待機児童ゼロ作戦を発表されてから丁度一年経とうとしています。最初の3年間を重点期間とされてその3分の1が過ぎたということなのですが、大臣の進捗状況への評価となかなか進んではないのかという声があるのですが、財源の面も含めて今後どうすべきかということをお聞かせ願いたいのですが。
大臣:
これは3年の集中期間というのは、パーセンテージで例えば60%までここでやろうということで、あれは元々福田内閣の時に10年計画を作っていたのだけれど、10年では間延びがするということで3年重点ということでやったので。着実に進んでいっているのと、もう一つは、今回の一次補正、二次補正、そして本予算、子どものための基金を作ったりしていますから、そういう保育ママも入れるというような形でやっています。これももう一気にはなかなかできないので、そういう意味では御不満も各地であると思いますけれども、特に来年度予算を通していただければ基金ができますので、そういう形で更に進めていきたいと思っております。

(了)