事前大臣協議後記者会見概要

H20.12.4(木)16:03~16:16 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

質疑

記者:
財務大臣との協議は。
大臣:
まず、基礎年金の国庫負担分、これは3分の1を2分の1にすることは是非来年4月からやる必要があるということでこのための安定的な財源の確保をお願いしたいということを申し上げてきました。それまでのつなぎも含めてきちんとやっていただきたい。それから、2,200億円については、昨日来申し上げているように、これは安定的な財源の確保が無ければ予算編成も難しい状況であるということを申し上げるとともに、少なくともたばこ税については、引き上げることによって財源確保の一端とするべきであり、そのためにも協力をお願いしたいということもお願いをしてあります。様々なことをお願いしましたけれども、とりわけもう一つは、雇用保険についての国庫負担である、1,600億円ありますが、これはこういう難しい、厳しい雇用状況の中で削減を行うことはほとんど不可能に近いし、行うべきでない。これは労使のご理解を得ないといけないし、法律も改正しないといけないので、ここに手をつけるというのは間違っているということで、この点は強く申し上げました。財務大臣からは一応私の要求を聞いた上でまだまだこれからは調整しようということで今日、そういう答えについてそれを是とするという答えはいただけませんでしたので今後精力的に協議を続けていくというところです。
記者:
年金記録改ざん問題で、大臣が今日委員会でお話になった数字、3条件にヒットして6万9千件のうち年金受給者の2万件の個別訪問調査において140件については。
大臣:
とにかく集まった所の数字を大急ぎで集めて粗い数字ですけれども出しました。140件について、関与があるだろうという事例があり、それから具体的な名前を挙げてたり、いつどういうふうに指示されたみたいな具体性を持っているのが25件ということですから、それはやはり深刻に受け止めないといけないと思っております。今後きちんとした調査のための機関を設けてこのフォローアップをする。それは11月28日に野村委員長の下の調査委員会での報告書も出ましたが、これの成果も加えて。そして今2万人の調査、個別訪問をやっております。とりあえず2,500人。今後またある程度の数が集まりましたらまた分析をし、同じような集計を出していくという形でやっていきたいと思います。ただ、そういう中で一番大事なのは被害者の救済ということなので、これを最優先にやっていきたいと思っております。ただ具体的にやはり自分の主張が正しいという、つまり年金記録が間違っていたということを証明するものが給与明細とかなかなか残っていないのです。今日の委員会で申し上げましたように、そういうケースを、基本的には第三者委員会で救うのですけれども、第三者委員会まで行かなくてもなんとか社会保険庁の窓口でできないかということも今検討中です。まず第一は被害者救済。そしてその上でしっかりと調査した上で厳正なる処分が必要な場合にはそれを断行するということできちんとやっていきたいと思います。そして、こういうことをしっかりと調査をし、処分をしていくということが新しい日本年金機構で二度とこういうことを起こさせないということに繋がるわけですから全力を挙げて参りたいと思います。
記者:
1ヶ月半で2,500件の調査をやった。いつ頃までにどれくらいの調査を終えたいという目標をここの前で。
大臣:
全力を挙げてやっているということしか言えなくて、つまり、あの時に個別訪問をやらず、郵送でお知らせするならまだそのフォーマットも決まっていないような状況であった危険性があるし、だから私は決断して、とにかく一番可能性の高く、ご高齢の2万人に「とにかく明日からでも行け。」ということで行かせたわけです。まずアポを取るのに住所や電話番号が分かっていれば良いけどそこから調べないといけません。そしてご高齢の方なので、「いや実はこういう事情です。こういう事情です。」とお話するのに時間がかかっていく。それから、やはりご記憶がはっきりしていない面もある。ですけれど、今いつまでにということは言えませんけれども、全力を挙げて個別訪問をすることによって一月ちょっとでここまできましたから、今後更にピッチを上げていくというような形で努力をして参りたいと思っております。
記者:
一連の元幹部への襲撃事件で銃刀法違反で逮捕されていた男が殺傷事件で逮捕になりましたけれど、それについて。
大臣:
二度とこういうことがあってはならず、やはり言論の自由を守っていくためにテロは許さないと言うことをしっかりと言わないといけないと思いますし、ちゃんと法の裁きを受けるべきであると思います。今後は、警備の問題も副大臣会議で政府全体としてどうするかということも決めました。したがって、そういう職員に対する安全ということもやらないといけないと思います。国民全体で「絶対にテロは許さないよ。こういう卑劣な犯罪行為は許さないんだ。」ということを自由な民主主義を守っていくためには、本当に大声で叫んでも足りないと思いますから、今後ともその姿勢を守っていきたいと思います。今、例えば職員録等の図書館における閲覧というのを一時的に止めておりますけれども、私は基本的には情報は広く公開すべきであって、こういうことが情報の制限にそのまま繋がることであってはいけないと思います。細かい家族構成とかご自宅の住所まで知らせる必要はないですけれども、基本的には、どうすれば自由な民主主義、もっと言うと憲法で定められた人権とか基本的な自由とか、こういうものを守る社会、守っていけるような社会にするんだろうかということが一番の大きな問題で、片一方ではテロとの戦いは断固としてやる。しかし、片一方ではそういうことがあるからと言って、言論や出版や表現の自由が犯されてはならない。根は同じなのです。だから、両方しっかりした信念を持って国民全体が立ち上がれば必ずこういう卑劣な犯罪はなくなると思いますし、そしてしっかりとした自由な民主主義を守れると思いますので、そのため先頭に立って努力したいと思っております。
記者:
新しい与党の雇用対策で労働保険の特別会計で1兆円を捻出する方向で調整が進んでいっているようなのですけれども、これについて積立金を崩していくということについて改めて大臣はどのように。
大臣:
私は、雇用保険というのは、不幸にして職を失った時に生活の最後の砦の糧ですから、したがって、5兆円を超える積立金がありますけれども、これを安易に取り崩すということは許すべきではないと思います。そして、積み立てるのは時間がかかりますけれども、これから残念ながら急激に雇用情勢が悪化する可能性がある。そうした時にその5兆円超えるお金を積み立てているから何とか安心できるわけです。そして次の就職先が見つかるまでの半年であるとか三ヶ月つないでいかないといけない。こういうものに安易に手をつけるべきではないと思っております。一時期に、この積立金を取り崩して、そして今度は料率を上げようといったらなかなかやはり上げられるものではない。そして、もう一つは何度も申し上げますように、労使が勝手にそんなものは自由契約で積み立てればいいじゃないかという考えには与しないというのは前から申し上げいます。国家が基本的に労働者の権利を守るというのが近代国家ですから、何のための労働省があるかわかりません。ですから、そういうことを安易にただお金が無いからどこからでも良いから持ってくるというのは私は断固反対するのです。基本はやはり哲学をしっかりしておかないと働く人たちの権利を守れません。何のために厚生労働省、特に労働省があるかというのはそのことなので、私はそのために全力を挙げたいと思っております。
記者:
今週、雇用・能力開発機構の存続に関しての会議の中で職業訓練に特化して存続するという案が示されたようです。無駄や二重行政等が考えられる中で大臣はどのようにお考えですか。
大臣:
その前に、1兆1千億円と5兆4千億円の区別が分からなくなっているので、いわゆる失業保険としての5兆円強の積立と2事業の1兆1千億円、それをいろんな所に使うのは結構です。だけど、安易にそれを崩してどういう用途にでも使っても良いということではなくて、雇用能力を高め、そして雇用を守るということに使わないといけないことを付け加えておきます。積立金の5兆円強と2事業の1兆円と国庫負担の1,600億円を要路にある政治家も混同しているのです。だからそれをここではっきりしておきたいと思います。
私は、先程申し上げたように、雇用というもの、働く人たちの権利というのは国が責任を持つ必要がある。地域によって違うのですけれども、特に地方で雇用能力の開発ということについてどうしても民間の中小企業もできない、自治体もできない、やはり国の力を借りないとできないというところがあるわけです。こういうところにやはりハローワークを見ても分かりますけれども、あれは全国的に展開しているから意味があるのであって、やはり国が労働政策に責任を持つ観点からこれはしっかりやらないといけない。しかしながら無駄があったり、これは民間に委ねて良い、それから地域によっては地方自治体が非常に強力なので財源もあるので、そこに任せて良いということはあると思います。ですから、そういうことを議論した上で。そしてやはりこういう厳しい状況であるからこそ、パーンと首を切られてほっぽり出された場合、次の就職機会を探すのにやはり職業訓練というのはあることが良いのです。だから全体の大きな雇用政策の中で機構を活用できれば活用していく。しかし、それの在り方については今後よく検討しようということです。
記者:
改ざんの調査はいつ頃からどのようなメンバーで行われるのか。
大臣:
大体今週くらいに。今週というのは明日までしかありませんけれども、今少し案を練っております。その時のポイントは、第三者を必ず入れるということです。その上で、つまり社会保険庁とか厚生労働省だけではなくて第三者を入れて早速始めたいと思っておりますので、明日くらいまでに委員会自体の大枠を決めたいと思っております。

(了)