閣議後記者会見概要

H20.11.11(火)09:15~09:30 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議については特別ご報告することはございません。こちらからは、今日11月11日を今年より「介護の日」ということにしましたので、各地で様々な「介護の日」関連の啓発活動が行われる予定です。是非、介護に関する問題がたくさんありますので、国民一人一人が積極的に参加いただいて介護に関する認識を深めていただたく、そして、地域社会で介護をしっかりやるのだという思いでこの日を決めましたので、ご協力をお願いしたいと思います。細かい介護の日の実施内容は昨日皆様のところに資料を配布しているはずなので、ご承知願えればと思います。私の方からは以上です。

質疑

記者:
定額給付金なのですが、結局、所得制限を設けないということになりそうなのですが、これについての大臣のご所見をお願いいたします。
大臣:
まだ、最終的な決定にはなっていないと思いますので、どういう形で政府・与党で決めるかですが、いろいろなところで混乱がなくスムーズに行くような形の方がいいと思います、所得制限を設けるなら設けるで、それはどこかで線を引かないといけないですね。例えば、300万円以上とか、400万円以上とか。それはどこかで線を引いて、ルールをしっかり作った方が混乱がないのではないかと思います。やはり、自発的な辞退云々ということになりますと、これは担当される市町村の窓口での混乱も予想されますから、私は明確なルールを設定した方が良いと個人的に思っております。ただこれは今から政府・与党で詰めて行く話だと思っております。
記者:
その300万円、400万円という所得の把握が難しいので、所得制限がない方が良いのではないかということが、所得制限がない方が良いということの理由になっているですが、その辺はいかがでしょうか。
大臣:
それを言えば、被用者以外の自営業者の所得をどうするかとかいうことは、クロヨンとか、トーゴーサンと言われていたことがあるわけです。しかし、それに基づいて所得税を課しているのですから。そうすると所得税を課す根拠もなくなるわけです。所得についてはしっかりやらないといけない、努力はしないといけませんが、そこまでおっしゃるなら所得税を課せられないということにもなりかねませんので、どこかで明確なルールがあった方が良いと、曖昧なルールは混乱の元だなという感じがします。
記者:
定額給付金の関係で、各種メディアの世論調査では6割があまり必要な施策ではないという結果が出ているのですが、特に社会保障費で困られている大臣として、この世論の受け止めというのはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
確かに景気が悪くなっているのですが、片一方でばらまき批判という声がありますね。ですから、ばらまきに対する批判にどのように応えるかということがあることと、何をすれば景気の刺激策に繋がるか。今、日本のGDPはラフな数字で言うと500兆円です。その内の6割が個人消費で300兆円。そうすると、他の要因もありますが、GDPの6割を占める300兆円である個人消費を伸ばして行くことが経済の活性化に繋がるという面から、個人の懐を豊かにするということは大変結構なのですが、ただ、これが貯蓄に回ったのでは意味をなしません。貯蓄に回るか、消費に回るかという時の大きな判断基準はどこにあるかというと、個々人について言えば、将来安心できる、これからの生活、老後が安心できる、病気になっても安心出来る、安心感があれば喜んで消費をします。しかし「これからもっと先行き暗くなるよ」と、それから、まさに私の担当の社会保障について一生懸命がんばっていますけれども、やはり、国民の不安が完全には払拭されてない中で不安感があれば、蓄えの方に回ってしまうということがあります。ですから、そこのところをしっかり考えて、私がいつも安心と希望ということを申し上げたのは、まず国民を安心させる。そして、将来に対する希望を与えることが消費に繋がると思っておりますから、あくまで総合的な対策なので生活支援ということでやりました。一例を挙げますと、妊婦健診の5回無料であるものを14回にしたことは、昨日、政府・与党の協議会で与党側からたいへんどこに行っても評判が良いです。つまり、5千円から1万円掛かるわけです。それで妊娠末期になると月に2回健診がありますから2万円がタダでできるかどうか。しかも、1円もお金がなくても安心して妊娠して出産できますと、一時金の35万円の話も。そうすると経済的な利得と共に本当に安心感を与える。お金がなくても妊娠、出産については国が面倒を見るということをはっきり打ち出したわけです。手前味噌で言うわけではありませんが、例えば、こういう政策というのは非常に安心と希望を与えるのに効果があって、例えば、3月に妊娠して妊娠7ヶ月、8ヶ月の方がこれで健診が2万円タダになり、その2万円をどう使うかといったら、赤ちゃんの産着を今から買って来ましょう、バギーを買って来ましょうというような形になれば、消費に繋がるわけです。私はそういう生活対策を行うべきだし、これまでの補正とか、緊急経済対策とか、生活対策の中にはそういうのはたくさん入っております、だからそれを総合的に見ていただいて今の生活を支援するための給付金については、若干国民の批判がありますが、総合的な政策、経済を前に持っていく政策は行っていると評価しております。
記者:
薬害C型肝炎で、名古屋と福岡で製薬会社との和解が保留が何人が出ていて、東京でも、和解の保留が出そうなのですが国との和解が成立して、製薬会社との全面和解がここで止まっている感じがするのですが、大臣としてはどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。
大臣:
これは私の方も、製薬メーカーの方にねばり強く「努力してください」ということを言っておりますので、これは双方努力なさると思います。せっかく国と原告とでここまで来たわけですから。私が理解した限りでは、企業の方で和解を拒否しろということではなくて、いくつかの係争点があるのでそこをクリアにしようということですから、我々も支援できるところは支援して、なんとかメーカーとの間でも完全な和解に行き着きたいと努力していきます。
記者:
昨日発売された「中央公論」の12月号で、「俺の言うとおりにしないと自民党は終わりだ」という大臣の論文が載っているのですが、その最後のところではっきり「今私の提言を受け入れなかったら自民党政権は終わる。」というかなり激しく書かれているのですが、この論文を発表された真意を説明していただければ。
大臣:
まず、タイトルは編集者が付けますから、私が付けたものではありません。それは、編集権にまで、そこまであれですから、それは、産経新聞の見出しだって、激しい見出しが躍ります、場合によっては、中身の論文がどうであれ。しかし、これはいろんな意見を明確に申し述べることをやる必要があるので、なぜ後期高齢者医療制度というものを担当大臣が変えるのかという様々な批判が内外で、自民党の中でも、外でも、国会でもありました。だから、そういうことに対してはきちん答えているつもりですけれども、中央公論社の方で求めがありましたので、そういう点について明確にまとめて意見を述べたということであります。それから、もう一つそこでの大事なポイントは、その点よりも2,200億円を含めての社会保障をどうするのかということをきちんと国民で考えましょうということとメディアに対しても苦言を呈してあります。責任を持ってしっかり、批判をするのは結構だし、批判を我々されることは大変良いことなので、それに基づいて具体的な行動を起こしますけれども、やはりメディアの皆さんも責任を持って、メディアによっては自分たちの政策発表ということをおやりになっているので、そういうことも総合的に書いてありますから、片言隻句を捕えて激しいとか優しいとか言うことではなくて、そういう真意を受け止めていただければ幸いだと思っております。
記者:
党税調の議論が今週スタートするのですが、その中では、年金の国庫負担2分の1の引き上げの財源やたばこ税等についても議論されることになると思いますが、どのような議論を期待されますか。
大臣:
これは党の中での議論ですから、たばこ税の問題やその他の3,300億円の深掘りしたものをどう使うかというような話、道路特定財源の話とかいろいろ出てくると思いますけれども、いずれにしても、まず今年度について言うと、政管健保の問題、これが店ざらしになっているので、この財源措置をどうするかがあります。それから、来年度について、従来通り2,200億円というのが政府全体の方針決定であればその2,200億円をどこから持ってくるかというのを議論しないといけないと思います。したがって、それは従来から私が申し上げているように、例えば、たばこ税というような形で充填していくということはあり得るので、それは骨太の方針の中にも、その税制や予算編成過程において、歳入の面で社会保障、医師不足を面倒見るということは特記されてありますので、そういう方向での議論が進むことを期待しております。
記者:
その関連で、今大臣、政管健保の肩代わり法案の関係に言及されたと思うのですが、支払側の健保連が、来年度に関して断固反対ということを先週の会見で明確に述べているのですが、来年度以降の対応についてはどのようにお考えになられますか。
大臣:
まだそこまで全く考えていません。つまり全く白紙です。つまり、2,200億円をどうするか、このことを2,200億円についてまず全体の方針がどうあるべきか、そしてその中で仮に2,200億円をきちんと予算編成でやっていくとするとどこから持ってくるかということがありますから、それはいろんな方がいろんな提案をしております。そういう提案にも耳を傾けながら政府・与党でよく協議をしながらきちんと財源措置をとらないといけないと思っております。
記者:
スキーム自体の是非というのを改めてお伺いしたいのですけれども。肩代わりさせるというスキームの。
大臣:
本来的には、本当に必要なことであれば、きちんと国民にお願いして税金で出していただく、ないしは保険料で出していただくということが筋です。しかし、その前にいろんな無駄とか埋蔵金という言葉で言われているようなことが本当にあるとすればそういうのを活用しようという案が出てきてます。だからこれは全体の政治力学の中で考えていかないといけないわけです。こういう不景気の時に消費税を上げるということが政治的にも経済的にも賢明な方法でなければ他の手段を考えないといけない。では、他の手段何があるかということでいろいろ模索をするということなので、理論的に正論であってもそれは政治の大きなダイナミズムの中で可能かどうか、それはやはり高度な政治判断をしないといけないと思います。
記者:
追加で論文の話ですが、西郷隆盛に例えてご自分のことを、幕末のことを言われておりますけれども、仮に自民党にこの意見、大臣の案が受け入れられない時は、自民党を飛び出して明治政府を作るような、そういった考えも視野にあるのでしょうか。
大臣:
たまたま今大河ドラマでNHKで「篤姫」をやっているし、私は実はずっと幕末明治維新の研究をしてきた人間なので、そこのところは非常に歴史に詳しいのです。それで、なぜ担当の後期高齢者医療制度、あれだけ良いと言っていたのが、なぜ急に変わるのだというから一番分かり易い例で言うと、今日まで攘夷って言っていたのに、明日開国に変えるわけですから、そういうのが大きな政治のダイナミズムですよということを申し上げて、それは坂本龍馬あり、高杉晋作あり、西郷隆盛ありで。まさに4カ国の艦隊の襲撃を受けるわけですから、その時に、「ああこれれでは、うちの船では向こうの鉄の船にはかないませんね。」そこで大きく方針転換をするわけです。だから、あのまま攘夷でいっていたらどうですか。やはり開国という決断というのは、今から見れば政治の決断であった。あのころついていけませんから、皆。昨日まで攘夷って言っていたのになぜ今日からイギリスから船を買って一緒にやるんだという話になる。だから、例え話で、「篤姫」をやっているから分かり易く言っただけであって。様々な批判がある、むしろこれは内外、あらゆるところから批判がきましたからそういう批判に対して分かり易く、私の、どういう思いでやったかというのは、そういう思いでやりました。国民が嫌だというものに対して、国民が感情的にも「これは嫌だ」というものに対しては、政治家としてきちんと反省をして対応しないといけないだろうということを申し上げたものです。その時の人は、西郷さんにしても大久保利通にしても、高杉晋作にしても、誰であれ、小松帯刀にしろ、皆一所懸命に国のためを考えてやったので、そういうことを申し上げたわけです。しかしこれはもう、麻生内閣の方針で、後期高齢者医療制度、いわゆる長寿医療制度は見直すという方針が決まっているわけで、その方針でいくわけですから、今のご質問は、失礼ですけど、あまり意味をなさないご質問だと思っております。
記者:
政管健保の法案なのですが、今年度中に成立しなければ、今年度、08年度の社会保障費の2,200億円の抑制については未達成、達成できないという認識でよろしいのでしょうか。
大臣:
例えば補正であるとかいろんな手を使わないといけません。法律が通ってそれで手当をする予定で通らなければ、家計と同じで、予想していたボーナスがこなければパートに出て自分でそれを稼ぎ出すというのをやるのと同じです。それをやらざるを得ないので、ただ、ここからの国会がどうなっているのか全く分かりません。私たちはちゃんと法律を出して、きちんと審議をして通していただくという方針を貫くしかないので、まだ今の段階でもう通りませんとか、通りますということを申し上げる段階ではないと思っております。
記者:
今朝の民主党の厚生労働部会で、改ざん問題のヒアリングがあったのですけども、その際、官房長の出席の約束をしていたのに、出席がないのは遺憾だということで急遽散会になったのです。総務委、厚労委を止めると今国対でやりとりが始まっているのですが、その民主党の対応についてのご認識と役所側の対応についてのご認識、それぞれお伺いできますか。
大臣:
ちょっと今の状況を初めて聞きましたけれども、少なくとも私が理解している限りにおいて官房長が出るという約束をしたとは私は聞いておりません。そういう約束は無かったと思いますから、約束があったかどうかのまずそこからはっきりしないといけないと思いますけれども、私は約束あったとは聞いておりません。したがって、そこからが出発点なので、そこから先はまだどうするかお答えするわけにいかないという感じです。一般的に言えば、いずれにしてもやはり国権の最高機関である国会できちんと議論するということは一番大事なので、私はきちんと今までも議論してきましたし、そういう態度を貫きたいと思いますから、是非国会できちんと議論をしていきたいと思っております。

(了)