閣議後記者会見概要

H20.10.17(金)10:06~10:17 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議に関しましてはこちらから特別にご報告することはございません。

質疑

記者:
中国産の冷凍いんげんから基準を超える殺虫剤が検出されるような事態が、また昨日の夜も中国産の粉末鶏卵からメラミンが検出されるなど、中国産の食品について食の安全を揺るがすような事態が続いているのですが、大臣としての御所見をお願いいたします。
大臣:
非常に残念だと思っております。特に今回のいんげんについて言うと、農薬の種類が日本でも簡単に入手できるという事情から、よく調べてみないとどういう経路でどこに入ったかというのはまだ分からないと思います。しかし、メラミンの件についても毎日食するもので、そういう不安があるというのは困ったことになります。特に中国の場合は、先般のギョウザの事件もあります。事件を契機に厚生労働省の職員を北京の日本大使館に常駐させて、今日も現場の工場を視察するということをやっております。外交ルートを通じて日中間でさらに協議を進めていく。それから厚生労働大臣と中国の同じ立場にある人との日中の覚え書きがありましてこれに基づいて迅速な情報の提供ということを決めてありますので、こういうことをきちんと中国側にも守ってもらえるようにということを繰り返し強調したいと思っております。もう一つは検査体制の強化で、検疫の人間を増やす、その他の措置をやっておりますが、いんげんのような加工品を一つ一つ調べていると全部使い物にならなくなるものですから、非常に悩ましいところです。特に日本はカロリーベースで6割を海外からの輸入に頼っております。そういう意味で海外からの食料輸入が途絶えると私たちの生活が成り立たないというジレンマもありますので、引き続き検査の強化、検疫体制の強化、それから日中間の協力、共同行為の捜査を続けて行きたいと思っております。それから国民の皆様方には何度も繰り返し申し上げているように、例のいんげんをはじめ絶対に口にしないでいただきたいということと、もうすでにメーカー、流通業者の方で自主回収を行っていると聞いておりますので、あらゆる手段を使ってこの問題に対応したいと思っております。
記者:
報償費の件で会計検査院の方から不当な使い方だという指摘を受けていると思いますが、この件についての大臣の御所見をお聞かせ下さい。
大臣:
今は会計検査院、それから厚生労働省でも調査を進めているところなので、調査結果が明らかになれば、関係職員に対して厳正な処分を行うということです。今回の件とは違うのですが、かつて同じような件が国会で議論になったこともございます。今問題になっている、旧労働省から続いていて労働情勢の把握のためにいろいろなところから情報を得るという活動が必要だということで行ってきて、その時の情報収集に必要な謝金であるとか、会合を持った時の会合費ですとかを報償費として計上していた。その中で領収書などが見つからないということで、今会計検査が行われているところなので、具体的にどういう仕組みでそれを行っていたかは今調査中ですので、それを待ちたいと思います。それから、ちなみにこういう不透明なことがあるといけませんので、19年度にはこの制度を廃止しております。実質的には18年度分からは執行停止しておりますので、今はこの制度はありません。会計検査院の検査状況、そして、厚生労働省の検査、調査が終わった段階で明らかにしたい思っております。
記者:
昨日の予算委員会で、マルチ商法の問題が議論に挙がったのですが、大臣にお伺いしたのですが、マルチ商法業界の業者から献金をもらったりパーティー券を購入してもらったことが過去にあるかということと、それに関連して業者を擁護するような、マルチ商法に関連する質問を国会でされたことがあるかないか、その2点について
大臣:
少なくとも私の記憶している限りないと思います。ただ、パーティーというのは、私はそんなに開きませんけれども、選挙の直前等は開くことはあります。その時にどの方がどういうふうに買われたかは調べてみないと分かりませんけれども、少なくともそういう業者との付き合いもありませんし、パーティーの回数もそんなにありませんので、これは本当に精査してみないと分かりませんが、私の記憶している限りではないと思います。
記者:
後期高齢者医療制度の大臣私案について、いくつかの県知事が制度の見直しにあたって、地方自治体と協議して欲しいと求めていますけれども、今後知事会や市町村会とどのように議論を進めていくとお考えですか。
大臣:
まず、例の私の下にある高齢者医療の在り方の検討会を2回目まで会合を開きました。恐らく3回目に知事さんや市町村長さんをお呼びして直接ご意見をいただきたいと思っております。そういうことを積み重ねていって。なかなか知事と大臣との協議会というのは、お互いに47都道府県あるものですから、日程がなかなか難しいですけど、とりあえず、次回知事さんや市町村長さん、ないし地方の実務担当の方のヒアリングを予定しているはずです。そのつもりで3回目を用意するように指示したと思っております。
記者:
中国産いんげんの問題なのですが、一つ一つ調べていくと使いものにならなくなる、検査、検疫の強化、これは既にやっていることで人間を増やすことももう決まっていることで、この他に何か強化策は無いのでしょうか。
大臣:
本当に何かないかなと思っていますが。今申し上げたように、パッとあけてしまえば使い物にならなくなる。一つは、生産している中国の工場の検査体制をまず強化してもらう。それから、例えば、スーパーマーケット等流通の最前線におられる方々が、例えば、棚に並べたりとか自分のスーパーの冷凍庫に並べる時に、やはり相当注意して一つ一つ穴が開いていないかとか、おやりになっていると思いますけれども、私が理解している限りでは、ギョウザの時は、開いていませんでしたがいんげんは、空気穴が開いているはずなのです。そこから例えば、日本に来てもジクロルボスを混入することは可能なのです。そういう場合には、本当に分かりません。だから、これはそれ以上の何か検査方法があるかと言ったら非常に難しいので、皆で注意して、我々が食べる時も、そういうことも嫌なのですけれども、ちょっと囓ってみて臭いがしないかとか、そういうことまでやらないといけないのかなと思っております。いずれにしても私は中国産から特化して出てきているということは、いろんな機会に中国当局にもそういう話をしたいと思っております。特に先般先程申し上げましたように、二国間の厚生労働大臣間の覚え書きがあるわけですから、それの忠実な履行ということを求めたいと思っております。
記者:
追加の経済対策に関連して、厚生労働省としては、追加の経済対策にはどのようなものを盛り込んでいくのかと、またはどのようなものを盛り込みたいというお考えはありますでしょうか。
大臣:
昨日以来、総理からも今朝の閣議でもそうですけど、各省庁、縄張り意識を無くし、領空侵犯してもかまわないので、こういうものがあるというのは、閣内全体であれば、よその省庁についても提案してもかまわないというお話が総理からありました。生活とか地方ということになると、それから、中小企業対策3つ上がっておりますけれども、生活の面はそれこそ今医療から始まって介護の問題がある。様々な問題がありますから、今回の補正予算で付けたようなことを更に詰めていく。それから、今回の金融危機というのは、さらに今後もっと厳しい状況がくるように私は予想しております。非常にもっと深刻に捉えた方が良いと個人的には、特に金融面を見ると思っておりますので、そういう場合に、実態経済が相当損なわれる。雇用の面で雇用が相当失われるということがあり得ると思います。したがって、その場合に、雇用対策というのを相当頑張ってやらざるを得ないのではないかと思っております。やはりそれでなくても国民の間で不安感がある、先行きの不安感がある。そういう中で今回の金融危機が追い打ちをかけるようなことがあってはいけません。少しでも不安感を除くように、労働の分野、介護の分野、医療の分野、そして先程来議論のある食の安全の分野、知恵を出して27日の週には取りまとめをやらないといけませんので、この週末も少し作業をして出したいと思います。今日段階で具体的にこうだということは、まだ申し上げられませんけれども、大きな基本的な方針はそんなふうです。

(了)