閣議後記者会見概要

H20.09.30(火)10:50~11:15 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議のご報告ですけれども、明日から赤い羽根共同募金運動が始まりますことのご報告と、政府の全体のご協力を各閣僚にお願い致しました。それから、有効求人倍率について、8月の有効求人倍率が0.86倍で前月の0.89倍を0.03ポイント下回り、有効求人が前月に比べて1.7%の減少、有効求職者は、1.0%の増加。こういった調査結果を見ますと、雇用失業情勢は、下降局面ということでありますので、安心実現のため緊急総合対策に盛り込まれているような雇用施策をきちんとやってこの状況に臨みたい。それについて各閣僚にご協力をお願いを致しました。私の方からは、以上です。

質疑

記者:
先ほどお話しがあった有効求人倍率ですけれども、非常に厳しい数字となっておりますが、具体的に何かどうのような取り組みをされるのでしょうか。
大臣:
やはり、我が省だけではなくて緊急経済対策、これをきちんと実行して行く。政府全体で行います。補正予算に盛り込まれた財源の裏打ちがそこでできますから、やっていく、やるべきだと思っております。この中で特に雇用情勢については、ずっと行っておりますように、フリーターの問題に対応する若者の雇用をどう確保していくか、さまざまな雇用確保政策を行っております。それを実現して行くということに尽きると思います。
記者:
原爆症訴訟ですけれども、6日の控訴期限について厚生労働省として現時点でどうお考えか、改めて官邸側と協議する日程とかも入っているのでしょうか。
大臣:
まず、今、各省庁特に法務省との協議を続けております。それから、いつ官邸側とこの協議をするか、日程は決まっておりません。引き続き協議中で6日控訴期限に向けて、どういう結論を出すか官房長官と緊密に協議して行きたいと思っております。
記者:
肺がん治療薬のイレッサをめぐって肺がんの学会が、厚生労働省からの情報開示に対してに応じないという一部報道がありましたが、それについて大臣はどのようにお考えでしょうか。
大臣:
これは、詳細について調査中ですけれども、学会としても情報提供要求に対して、きちんと答えてもらいたいと思います。一番大事なのは、薬害の問題にずっと取り組んできて、情報開示がないというのは一番困ることであるし、薬害だけではなく新薬の開発をめぐってもそうですけれど、いやしくも、薬のメーカーと研究者が、そういうお金を授受と言うか、研究費という形でもらうのでしょうけど、いずれにしても国民から見て癒着して、「中立、公正な判断をしていないな」と思われるようなことは、避けるべきだと思います。私もその報道の内容が100%正しいのかどうか、これをきちんと精査しないといけないと思いますけれども、仮にあのような報道が、真実であるとすれば、ぜひ研究者の皆様方も、そういう情報を開示し、研究者の良心としても、やはり中立、公平なことをやっていると。例えば、研究論文を書いて、原稿料を貰ったところで、きちんとやっていれば問題ない訳で、これも一定のガイドラインがあって、何百万というのは論外ですけれど、普通の原稿で2、3万ぐらいだとこれは許容範囲という一定の基準がありますので、ぜひ、報道が正しいとすれば、必要な情報提供をやってもらえばと思っております。
記者:
厚生労働省の文書公開への返信がないというのは、正しいのでしょうか。
大臣:
それも含めて、今日の報道でございましたので、細かい答えを今、担当局に照会しているところです。
記者:
原爆症の関連ですけれども、札幌地裁の判決に控訴するしないに関わらず、改革案をまとめるという方向で官邸と協議するということでよろしいでしょうか。
大臣:
これは、ちょっと話せば長くなりますが、裁判の構造自体は、控訴するしないに関わらずと言うことはできない。つまり、控訴するかしないかで非常に大きく状況が変わってくるのは、これまでの地裁の判決をどうするのかと言うことがあります。それから、相手がある話ですから、C型肝炎の時のようにすべての訴訟を取り下げて、一つの和解と言うような形にできるような形の裁判ではないのです。必要であれば、後ほど事務方に聞いてください。細かい説明をさせます。ですから、常にもうご高齢だし、何とか支援したいという方針は変わっておりません。それと訴訟との整合性をどうとるかと言うことに対して大変苦労している訳です。基本的にできるだけ多くの人をご高齢ですからできるだけ早く支援したいという方針は変わっておりません。その中で、司法の判断にまで我々が踏み込むことはできません。三権分立の形になっておりますので、その中で、どうすれば良いかと言うことは、もちろん控訴するかしないかの判断についても、それから認定基準の問題についても、今後の今おっしゃった大きな方針についても、議論しないといけないということで、そういう方針で頑張ってやっているのが今の状況です。
記者:
昨日、社会保障審議会の年金部会で低所得者の拠出年金保険料として税で補填して満額給付を実現するという案が提示されましたけれども、この案に対する大臣のご見解と今後の年金制度改革のスケジュールをどのようにお考えなのかお聞かせください。
大臣:
まず、あの案は、私の案ではありません。したがって新聞に厚生労働省、省と言うのは私ではなくて、省庁の省、厚生労働省改革案として飛んでいる。えらい迷惑で、私は、ああいう改革案を指示した覚えはない。厚生労働大臣と全く違う案を厚生労働省案として出すようなことがあれば、これは、今の日本国憲法体制にもとるもであって、私が、国民に選ばれ、そして内閣総理大臣に指名された厚生労働大臣であって、その指示に従えないものは辞表を出してもらうと言うことに尽きる訳ですから、いやしくも、厚生労働省案と書いていただきたくはないですね。あくまで、議論のための叩き台で、役所レベルでいろんな案を出すのは自由ですよ。それを叩いたうえで審議会があってそこで審議会のご意見でいい意見があれば、それを参考にする。最後は、国権の最高機関である国会が決めることです。ですから、私が厚生労働省改革をやる時に、この省だけではなくて審議会も含めて全部見直せと言ったのは、そういうことなんです。要するに見た人が見たら厚生労働省改革案と書いてある。私が、厚生労働大臣だから、厚生労働相の相の字が省になったからって、私がやっていると思っている。みんな問い合わせてくる。あれは、私の案ではありません。モラルハザードを含めて問題あるし、しかも、これだけ年金の問題が大きな問題になっている時に、きちんとそういうプロセスを経ないでというか。審議会の意味は、私は無視はしません。大臣だけが独裁的にやっても困るわけですから、有識者が、いろんなところで研究会や審議会をやるのは結構なんです。あえて言えば、叩き台として、私はだから、年金局に何だこの記事はと言ったら、これは叩き台として出したもので書いた記者が悪いのです、厚生労働省改革案と書いた記者が悪いのです。これは、君らの説明が悪いのであって、叩き台であって、これは厚生労働省の原案でも何でもないですよと、強調して言っているのかと厳しく注意しました。これだけ年金の問題で国民の関心があり、みんなで議論しないといけない時に、原案というとられ方をする。私は、すべての記者さん達が、悪意で書いたとも、何ともなく厚生労働省改革案で一面トップで大きな活字で踊るように書くということは、全く何の根拠もなく皆さん方が書いたとも思えない。ですから、そうするとそういう報道をされるということを前提にできなかったことというのは役所として恥ずかしいとことであるし、審議会のあり方も問題であると思いますから、2度とこういうことがないようにしないといけないと思っております。そうじゃないと私に対して、役所に言わせれば、あれは記者が悪いということになっておりますので、ふざけるなということであります。それは記者も悪いかもしれないですが、少なくともこういう大事な時に年金の改革案、与野党から怒られていますから、「舛添さんあれはあなたの案ですか、ひどいね」と。ぜんぜん私の案ではありません、叩き台ですということですから。例えば、新薬をめぐる専門的なこととか、労働者派遣についての細かい専門的な基準とかは審議会で行ってもいいのです。だけど、例えば、日雇い派遣禁止という方向で行くのか、そうではないのかというのは大臣が政治決断をし、その後内閣全体で行う。だから、年金制度をどうするのかというのは内閣全体で行わないといけない話です。私は審議会を含めて厚生労働省改革を抜本的にやらないといけないと思ったのが、ますますその感を強くしたので、これは少し今後のあり方を検討したいと思います。何度も繰り返しますが、私の案ではありません。厚生労働省がいろいろな叩き台を出した一つの案であって、原案でもなんでもありません。そんなことを厚生労働省が決める権限も何もありませんし、国会できちんと決める。そして、内閣全体で決めるということが基本ですから、これは強調して行きたいとと思います。
記者:
後期高齢者医療制度の見直しの件ですが、政府の方で市町村国保を都道府県単位で再編した上で、後期高齢者医療制度と一体化して運営という案も検討に入ったという話を聞いたのですが、これは財政も含めた形での一体化なのか、もう少し具体的な形でお話いただけますでしょうか。
大臣:
そういう報道は一部見ましたけれども、これは今から議論をしていく話で、有識者懇談会の話もあります。しかしながら、要するに民主党はただ廃止と言っている。それであなたの案は何ですかと言ったら、一元化ということをいうだけであって全く具体案がないです。それでは大臣の案がないのかと言ったらあります。ありますからすでに皆様方に、私は25日の午後1時過ぎから行った就任会見の中で、もう一度テープレコーダーを起こしてください。例えば「75歳という年齢だけの条件にしないで、例えば、寝たきりであるとか、介護が必要であるとかだろうし、それからまさに65歳から74歳の人達も、広域の中でやるという逆のほうの選択肢もあると思います」ということをはっきり言っていて、今おっしゃったことはそのことなのです。私が一人で決めるわけではありません。与党の皆さんと良く相談し、二度とこういう失敗をするのは良くないので、国会の場でできれば党派を超えて、これは本当に高齢者にも嫌われない、そして、国保の崩壊というのを避ける良い方法であるということを議論していただきたいと思いますが、予算委員会が開かれて、あなたの案は何だと言われれば、それは今言ったことです。もう少し説明をすると、要するに国保がなぜ駄目になったか。1,800の市町村がバラバラでやっている、財政基盤の弱い所は立ちゆかない、そして、保険料も1対5という差がある、したがって、県単位の広域にした訳です。県単位の広域にするというのは正しい方向です。広域はできれば県ということにした方がもっとすっきりしますが、ここは置いておいて県単位にしますということで、これは動かないです。動かないですが、75歳以上を切り捨てて、この人達だけを一つ特別のバスに乗せた。そうすると「姨捨山につれていくのか、墓場に連れて行くのか、終末期医療の俺らはもう死ねというのか、周りを見たら全部75歳以上そんなバスに乗りたくない」。その1,800のおんぼろバスが走っていて、いつエンストを起こすかわからないから良いものを作ろうとした、その案が長寿医療制度。その中でいろいろな良いことをやりました。470万人の方が10月15日から天引きがなくなって無料になる訳です。3,500円払っていたら350円になる訳です。いろいろな改革を行いました。しかし、自分達だけ別のバスに乗せられて、姨捨山方面に行かされているのではないかという感情に対してケアをしないといけないですから、その答えを皆が出さないと行けない。私の当面の答えは、したがって、75歳以上だけ離れて寂しそうにバスに乗せるのではなくて、赤ちゃんから現役世代まで、65歳以上の所謂前期高齢者も含めて大きなにぎやかなバスに乗せる、そのバスは県単位です。そうしたら75歳以上の人達は、赤ちゃんまで乗っているバスが姨捨山に行く訳がないですから、「これで気分も落ち着いたな」ということになる。問題はそこから先に、現役世代と65歳以上から74歳、75歳以上の世代間をどういう財政調整を行って行くかということは、今からしっかり財源を含めて議論をしないと行けない。そういう時に、良いものは残すと言っているのですから。大きなバスに乗った若者は立っておきないさいと、しかし、75歳以上はシルバーを超えてゴールドシートに座っていただいて、65歳から74歳はちょっと段階を下げてシルバーシートです。ゴールドシートがありシルバーシートがあり、そして現役は立っておけいう形で行きますと。いろいろな優遇措置はきちんとあった上で、しかし、「寂しいよと、私たちだけのけ者にするのかね」ということに対する答えが出てくる。ここから先の構造調整はバスに乗った人達だけ、つまり旧国保、イメージとしては国民健康保険が県民健康保険に変わると思っていいです。だから、地域保険の発想で行ってこれだと財政基盤がしっかりする。しかしながら、今の組合健保であるとか、政管健保であるとか、公務員の共済組合からの支援体制をどうするかというのも財政調整の話です。これも行わないといけない。イメージ的に分かりやすく言えばこういうことであって、その案はすでに就任した時にすでに申し上げております。ですから、予算委員会が今後あるでしょうから、今言ったことを説明し、そこから先は私一人が決める訳ではなくて。1対4対5というのは、例えば、ゴールドシートが1対4対5ならシルバーシートは2対3対5にするのですかとか、そういう問題がありますし、バスに乗っている人の間のリスク調整、年齢調整の構造調整の問題と、外にある問題、組合健保、政管健保のような他のマイクロバスに乗っている人もいますから。これはしゃべっているだけで何時間もかかりますから、簡単に分かりやすく言いましたが、今言えと言えば私の案はそういう案で行きたいと。しかし、これは有識者懇談会の意見も聞く、それから与党のPTの皆さんの意見もあるでしょうし、総理のご意見もあるでしょう。そして、最終的には一年を目途に見直すということをはっきり昨日の麻生総理の所信表明演説で言っている訳ですから。そういうことであって具体案がなくて言っている訳でななくて、きちんと言っておりますから、私が申しあげたのと同じくらいの具体性を持って民主党の諸君も案を出していただきたいと思います。
記者:
確認ですが、優遇措置を残すという方には保険料軽減措置なども含むといった理解でよろしいでしょうか。
大臣:
それも含みますし、最終的には1対4対5という負担の割合をしっかりしたということが一つの「分離独立型」の意味なのです。ですから、そういう形で残すということは「分離独立型の意味」もそこに残る。しかし、優遇措置も残っていく。ただ、財政の問題はどういう形で構造調整をするか。ですから、これも有識者懇談会で私が申しあげた、今、介護保険も、医療保険も保険料と税金がフィフティー・フィフティーになっておりますが、保険料フィフティーの中で調整を行うと西濃運輸ですとか、京樽のように年寄りのために出すの嫌だというような形になる可能性がありますから、保険料の部分を小さくするというのも一つの方向かもしれません。しかし、ここから先は、まさに、今から一年をかけて議論をしようということですので。今ご質問がありましたからついでにお答えしましたので、私がそういうふうに考えていると言うのはすでに就任したその日から申しあげておりますので、そういうことを与党の方々が、当然公表して言っている訳ですから、慮って与党の方々と議論をして、それも一つの案だとおっしゃったのが報道に出たのかもしれません。そういうことです。
記者:
今言われたイメージでいうと国保の広域にした時の保険者は誰になるのでしょうか。
大臣:
ですから県です。今は広域連合。なぜ広域連合になって県にならなかったというのは、まさに責任を持つのが嫌だというのがあったのです。なぜかというと県の手足がないということで実際の仕事は市町村が行わないといけないです。だから、その関係を改めて市町村がすべて入った形の広域連合を組めば行くだろうという形になっておりますが、ただ、悪いのが無責任体制になるということです。まさにそれが出ております。無責任体制にならないためには、例えば、この仕事を行う職員は県の職員と市の職員が兼任するとかいろいろ手はあると思います。無責任体制は避ける方法を取りながら、県単位です。先ほど私が申しあげたように、国保から県保になる、国民保険が県民保険になるというような感じのイメージです。地域保険の発想ということはそういうことであって、これはそういう名前を勝手に決めたわけではないですが、分かりやすく申し上げました。だから、単位は責任を持ってお金も集め実施する。主体がバラバラというのは今の後期高齢者医療制度が全くそれですから、良い点はそこに残してある訳ですから。
記者:
年金部会の案は、私の案ではないとおっしゃいましたが、大臣の案はどのうようなものでしょうか。
大臣:
これは今申し上げるのはやめます。というのは、例えば、25年、これを短縮するというのは私もそういう提案をしたことがあります。それは考えていいことです。しかし、低所得者に対してどういう形でこれを支援して未納を防いで行くのか。そして、低所得者が低保険料しか払えないですから、それに対してどういう補填をしていって、それはいくらなんでも月2、3万では食べて行けないですから。その補填の仕方は最低保障の形もありますし、最終的にはすべて税金で行うという、今の保険料方式から税方式という方式もあります。だから、それはそれぞれの一長一短有るわけです。今、私がどうこうということではなくて、それぞれもう少し議論すべきであって、いやしくも厚生労働省原案なんて言うような形でのプレゼンテーションの仕方があったとすれば、それは間違いですから是非今日限りにあれを厚生労働省原案とか厚生労働省改革案と言うのは、大臣の方からやめていただきたいというのを申しあげて私の案はいずれもう少し議論が煮詰まって、特にこういうのはやはり国会の場できちんと議論をし、それからテレビや新聞を通じて報道機関のご協力をいただいて、皆で議論をして行って、そして、国民のコンセンサスを得ることが必要です。是非そういう報道ぶりにお変えいただければ大臣としてはありがたいと思います。
記者:
先ほどの県民健康保険と言うお考え方なのですが、それは大臣の私案なのか、それとも役所が今後目指す新しい制度の案なのでしょうか。
大臣:
それは大臣の私案です。私の政治的リーダシップで行って、私の責任で行っているということです。この案については、麻生総理大臣にも伝えてあります。そして、おそらくこの案については、与党のPTでも大臣の案ですから、重みがありますから今後検討を続けて行くでしょう。その過程で私が良いなと思っていても、悪い面が出てくる、マイナス面があるかもしれません。それを今から摘んでいく。何もないのに勝手なことを言っているのではないかという批判があるからそうではないですよときちんとこういう一つの案も持って、行ってみてフィージビリティがない、リアリティがない、もっと他の良い案があるというのならそれに変えてもいいわけです。ですが、今の段階で今何も持っていないのに勝手なことを言うなというからそこまで言うのであれば、こうですよということを申し上げております。役所は関係ありません。役所は大臣がこうしてこれをやるからやれと言ったら、それにしたがって動くのが役人の仕事でしょ。ちゃんと内閣総理大臣麻生太郎もそのことを言っている訳ですから。我々にとって非常に大事な経営資源でありますから、この経営資源を上手に使いこなすのは経営者としての責務であります。それに尽きると思います。だから、大臣の案か役所の案か。役所の案はありません、大臣の案以外はない。それがまともな民主主義だと思います。

(了)