閣議後記者会見概要

H20.09.19(金)10:45~11:10 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
まず閣議については特に申しあげることはございません。
それから、再度で恐縮ですが、障害者スポーツ支援の街頭募金についてメディアの皆様方にもご協力いただきたいということで、最終的に金が5個、銀14個、銅が8個、銀が非常に多くなり、合計27個ということで報道もよくやっていただいて、皆様に勇気と感動を与えたと思っております。日曜日、台風一過で晴れることを期待しておりますが、午後3時から銀座の数寄屋橋交差点で障害者スポーツ支援のための街頭募金を行いたいと思います。JOCの方、つまり健常者の方のメダリスト達は10月の始めに皆大会を抱えておりまして、その合宿などで動員できないということですので、主として私、委員長、選手団長を含めてパラリンピックのメダリストの皆さん、ごく最近テレビでご覧になったような方々、長野オリンピックの荻原さんだけがJOCの代表として一緒に来てくださるということで、銀座で募金にご協力をいただきたいと思います。それから、全国の皆様に寄付口座を設けておりますので、これもメディアの皆様にも是非ご協力いただいて新聞やテレビで流していただければと思っております。先般来申しあげておりますように、報奨金がJOCの場合金が300万円、銀が200万円、銅が100万円ですが、パラリンピックの方もなんとか金が100万円、銀が70万円、銅が50万円までやりくりをして今年分は確保したのですが、来年以降について全く財源の見通しがありません。JOCは民間の基金でやっておりますので、是非国民の皆様のご協力を得て、それで、いろいろなスポーツ大会があり、いろいろな器材、補助器具が必要だったり、一緒に伴走してくださる方という人もおりますので、パラリンピックだけでなくてそういう人達の為にも、障害者スポーツのための基金を充実させて、国民皆が支援しているという体制を築きたいと思い街頭募金を実施いたしますので、是非国民への周知をやっていただければと思います。是非メディアの皆様にもお願い申しあげたいと思います。私の方からは以上です。

質疑

記者:
標準報酬月額の改竄問題について、昨日大臣が社会保険庁の組織的関与について非常に疑わしいといった発言をされましたが、これに対して官房長官が「言葉が走りすぎである」というようなことをおっしゃったのですがこれに対する見解を頂けますでしょうか。
大臣:
それは官房長官が国会での議事録を良く精査なさってお話をなされば、すべてそこに疑問に対する答えは出ていると思います。
記者:
組織的な関与であろうということですが。
大臣:
ですから、私は様々な資料の検討を行い分析を行い、そういうように推量すると申しあげているわけですから、それで調査をしていく。話の焦点が組織的関与とかいうことではなくて、どうすれば被害者を救えるのかということが優先だということを是非ご理解いただきたい。それで、6万9千件ですから人数はもっと減ると思いますが、全員に送付いたします。組織的関与があったかどうかを含めてその被害者の皆様方にもご協力していただいて出てくるわけです。ですから、尾崎さんという元社会保険事務所職員が組織的関与があったと言っていますが、何度も申しあげますように法治国家ですから、法と証拠に基づかない限り何もできないのです。ですから、何年、何月、何日にどういう場所で、何という上司がどういうことを言って、その記録はこうですよということまで明確に言ってくださいということを申し上げているのであり、国会の参考人でも何でもいいから出て来ていただいて証言をしていただきたい。そうすると何年、何月、何日にどういう事業所について改竄をやった、ないし改竄をやったのを見たということであれば、そこからアプローチをしていって被害にあった方々を特定し、そして、たちどころに記録を訂正してその方を救うことができるのです。被害者救済ということを最大限にやってくださいということです。
常識で考えれば分かりますが、悪いことをやった人の所に行ってあなたやりましたかと言っても正直に答えると思いますか。だから証拠がいるのです。物証からやって行くという方法を苦労してやってきちんと数字を出して根拠も言った訳です。6万9千件についていろいろなケースが、細かいことはまた、事務方や専門家がいますから事務的な細かいデータについては聞いてください。ですから、そういうケースケースについて言えば、社会保険庁が入っていたケースもあるかもしれないですし、単純に事業主だけが自分で加入期間をずらしたというケースもあるかもしれない。一つ一つのケースを確定してそこに犯罪を構成する要件があればきちんと対応するという方針です。
記者:
3条件の妥当性についてはどうお考えですか。
大臣:
3条件を満たさなくても5等級下げても、極端に言えば本当に経済状況が悪くて、ガクッと5等級下げた事業所があるかもしれません。逆に、1等級くらいしか下げていなくても改竄したケースだってあるかもしれません。だから、一つ一つ特定する作業が必要です。昨日申しあげましたように、とにかくお歳を召された方からやっていかなければならないので、65歳以上のケースで約2万件、これは件数ですから人数にするともっと減るとは思いますが、全国で300ばかりの社会保険事務所がありますので単純に割れば1事務所70です。手分けしてその70人を探し出して行く。これは今データを出してきちんと標準報酬月額が分かるような形でプリントして、2万人ないし6万9千人に対して送付する作業を一刻も早く前倒しでやって行く。それを受け取られた方は一生懸命見ていただいて、そして申し出ていただく。そして、お手元に証拠となるようなものがあれば是非出していただく。このようにして、まずそういう方々を数ヶ月以内に救うということがまず第1段です。その上で、それに関連して事業所で不正を働いた職員がいれば法に基づいて厳罰を処する、厳重に対応するということを行いたいと思っております。そしてやはり、これまでも相当ヤミ専従の問題、それから市町村の不正の問題を含めて、不正に対してはきちんと対応して来ました。やはりこれを機会に社会保険庁の膿を完全に出し切るということをしないと、新しい機構に移ってもそういう不祥事を起こす体質が引きずられたのでは話になりません。そのためにこういう作業をきちんとやりたいと思っております。
記者:
本年度の予算について、一部報道で政管健保の支援法案の成立を見送る変わりに基礎年金の国庫負担引き上げの法案も断念するという報道がありましたがそれにたいしては。
大臣:
全く政府としては関知しておりません。少なくとも私はそういう報道は見てますが、これは政府・与党としての方針でも全くありません。今やるべきことはきちんと2000億円の約半分を埋める政管健保の方の健保組合間の融通というこちらの方の法律をまずしっかり通すということに全力を挙げるべきであって、3分の1負担を2分の1負担にするという方針をすることは、どういう政局であれ政府としてはきちんと最後まで責任を持つべきであると思いますし、私はそういう立場で臨んでおります。
記者:
私のしごと館と雇用・能力開発機構については、昨日、茂木大臣との協議の結果、どういうような合意に至ったのですか。
大臣:
まず、茂木大臣と私もいろんな場で協議をしておりますけれども、雇用・能力開発機構及び私のしごと館、抜本的な改革が必要であり、大なたを振るわないといけないということは全く一致をしております、それがまず第一点。そして、第二点は、労働者の権利をしっかり守っていくということについて、政府が、国が責任を持つべきであると言うことについても明確に意見の一致をしております。その上で、具体的にどういうプロセスを踏むのであるかということについて言うと、例えば、ポリテクセンターのように職業訓練をするところがある。国が全体の労働者の権利を守る、職業訓練をやることを守った上で、例えば、それを地方に移管してできるのであれば、それは財源もきちんと考え、教える先生のことも考えてできるのであればそれはやれば良い。ですから、そのできますよという青写真をまず作りましょう、その作業をやろうということです。それから、私のしごと館について、もう言葉をはっきり言わないと皆さん方が正確に報道して下さらないので、潰すのはもったいないでしょうと言ったら、前回私が訪問した時に、何か渡辺喜美さんと私と対立しているというように言っている。はっきり言うと、ブルドーザーで潰して、がれきの山にするのはもったいないでしょう。これで明確ですね。その点においては二人とも全く一致していて、だから、580億円かけてお金かけて造ったものを、ブルドーザーで壊してがれきの山にしてさあどうですかということではなくて、一円でも高く売ればいいじゃないですか。それから、今、民間に委託をして、民間に委託したらどうなるかということをやっております。そして、これはもう一定の基準をクリアできなければ民間でも駄目だということになりますから、そういう結果を踏まえて、例えば、それはどこかの民間の大きな企業が買ってあそこをショッピングモールに変えるという案も有り得るでしょう。それから、場合によっては、公的な機関が買ってそれを何省でも良いし、何庁でも良いし、何町でも良いですけれども、公的なものとして使うことも有り得るでしょう。ですから、そういうことを検討するということですから、そうすればもう自動的に新しいものができれば前のものは廃止するということになるわけです。だから、そういう点においてきっちり一致をしておりますから、これは、今から有識者の皆さん方の答申も出たし、検討会の答申もありますから、そういうものを詰めながら、それから、総理と私もお話しをして、青写真をきちんと書いてください。つまり、まず初めてに解体ありきとか廃止ありきではないのです。壊してしまってでは後どうするのか。解体するが、後どうするか、ではなくて、国民に一番特になる形で、そして、国民の職、特にフリーター等の問題がありますから、職業訓練もしっかり守った形で、どうすればこれだけお金をかけて造った施設、これだけのシステム、それが良くなるかということですから。今から年末まで、そういう青写真を描いて、例えば、非常に財政力の強い県にある職業訓練のためのポリテクセンターのようなものがあれば、これは、その県に移してやっていただく。例えば、東京都のような財政力の多いところは簡単にできるだろうと思います。しかし、例えば、鳥取県とか島根県とか、例えて言うとですよ、そういうところは財政力が弱いですから、移すとしたらどういう形で財政的な枠組みを作るのか。それから、今から中小企業の皆さん方、そこにおられる従業員の方々のスキルアップをしないといけないという時に、先生が必要です。その先生をどう養成して教えて下さる先生、いろんな分野の方がいる必要があるので、そういう方が例えば、旋盤なら旋盤の専門の方というのは、鳥取県だけにいても仕方がないので、これはもういろんな所を転々と回って教えてくれないといけないので、そういうシステムを担保しないと上手くいかない。それを今から詰めましょうということですから。大なたを振るということについては全く一致しております。
記者:
私のしごと館については、もう売却するというふうに茂木大臣は断言していたのですがこれは大臣もそういう合意でよろしい。
大臣:
今のところは、これは、プロセスがありまして、民間委託をして、公開の入札をしてある会社が委託をしてやっております。そして、その結果を見て、そして結論を得るというのが正式のプロセスになっております。ですから、おそらく茂木大臣の方は、そういうふうにしても赤字の解消という目標は到達できないだろうと、そうであると売却とか他の手を考えないといけないだろうということをおっしゃっているのだと思いますので、結果を見てそうなら私もそうだと思います。今、民間委託をして、非常に上手くいって、これでもう成果が上がっているというならそうすれば良いので、そこは、性急にやらずに様子をみましょうということです。
記者:
昨日の茂木大臣の説明ですと、私のしごと館は、廃止することで大臣と認識が一致したというご説明だったのですが、それとはちょっと違うということですか。
大臣:
ですから、結果的にそうなる可能性は非常に高いわけです。ただ、今までやったプロセスを全部ゼロにして急にということではありませんから、私が申し上げているのは、プロセスをきちんと踏んで、そして、所期の目的が達せられなければやめるということです。結果的には、売却されるとか、先程申し上げましたように民であれ官であれ他の主体がこれを活用するということになれば、もうそれは廃止したと同じことになります。私のしごと館が何とかショッピングモールに変われば廃止したということになるので、そういう見通しがなくて、「はい、廃止。では次どうするのですか。」と言ったら今までかけたお金どうするのですか。それは、固定資産税も払い続けないといけないし、光熱費はかからないかもしれないけれども、ですから、そういうことを、青写真をきちんと描きましょうということですからこれは努力をしてきいきたいと思います。しかし、大改革をやるということについては、両者で一致をしております。
記者:
茂木大臣の方の有識者会議では、機構本体は廃止ということではっきり書いていまして、昨日、茂木大臣は、向こうの報告書をベースにやっていくということで合意したとおっしゃったのですが、そうした合意はあるのですか。
大臣:
ですから、有識者会議の答申は答申であります。我々の検討会の答申はあります。それぞれ非常に良い意見が出ていますから、そういうことを基にして、その上で細部を詰めていく。何度も申し上げますけれども、変わった先の姿が無くて、ただ、始めに解体ありき、始めに廃止ありきでは駄目ですよということについても一致しています。だから、そういう意味では大きな改革をやっていきましょうということですから、ニュアンスの違いと思っても良いかもしれないです。
記者:
まだ機構の廃止ということはまだ決めていないと。
大臣:
ですから、今言ったような形で、実質的に地方に移す。それから、廃止する機能があるということになって青写真ができれば、もう機構ではないものができれば、それは機構でなくなるわけです。だから、まず青写真をきっちり設計することです。そうでなければ廃止しますと言ってて、何年経ったってこのポリテクセンター動くことできません、これがある限りは機構は永遠に繋がりますということになって、むしろ改革して、もし廃止しようという決断を下した時に、そういうものがなければむしろ動かなくなる可能性だってある。そういうことをきっちり詰めましょう、政治の現場ですから、空理空論では駄目なのです。具体的な現実案を持って対応するということだと思います。
記者:
昨日、事故米関係なのですけれども、島田化学工業から米でんぷんを買っていた医薬品メーカーが自主回収、事件が医薬品からも出てきて大臣どう見られますか。
大臣:
本当に腹が立つというか、もうそれしかないです。まさか米のでんぷんを漢方薬の材料に使っていると言ったら、そこまで及んでいるのか。それでメーカーの方が自主回収するという形で、今国民の皆さんの口に入らないようにしておりますけれども、やはり、モラル、そこまで地に落ちたかという感じがします。そして、買った方の側も知らないで買っているケースが、地方のお菓子屋さん等であるわけです。それとお酒のメーカーにしても、彼らも大変な被害者であるわけで、商人というか、そういうモラル、昔の日本はそんなことはしなかったと思うのですけれど、本当にこれはやはり、基本的にこういう金儲けだけしておけば良いというような風潮、何をやっても金儲けだけすれば良いというようなことではなくて、日本の商人の伝統というのは、信用ということに尽きるわけです。それでここまで築いてきたものの、勤勉な日本の哲学というのはどこに行ったのだろう。非常に残念な気がしますので、厳格に新たなこういう問題が起これば対応していきたいと思います。
記者:
69,000件の話に戻るのですけれども、算出の根拠といいますか、極めて厳しい3つの条件があてはまったものしか69,000件というのは入っていなくて、例えば、民主党の部会等で証言されている斉藤さんは、3年間近く5等級以上ずっと下げられていても資格損失等をされていないですから、彼女等はあそこに入ってこないと、そうすると、6万9千件よりもっと多いのではないかということをもっと国民に言わないと、お知らせが来なかった人は自分は違うのではないかと思ったりするような誤解が生じるのではないかと思うのですけど。
(大臣)
私が何度も申し上げていますように、どういう優先順位でやるのが一番早いアプローチかということで、例えば、5等級下げたのではなくて、2等級下げたのだけでやったら引っかからないのです。つまり、現実に80数件という明確なデータを基にして分析して、さっきの3つの条件を割り出したわけです。そうすると、90何パーセント引っかかるところからやっていけばアプローチが早くなる。他をやらないと言っているわけではなくて、皆さんご承知のように、来年の4月1日から現役の加入者について言うと全ての人に定期便が行くわけです。そうすると、その定期便には、全部標準報酬が書いてありますから、皆さんがそこでチェックをできる。ですから、そういう体制を既に組んであります。そして、何度も申し上げますように、最初から標準報酬月額を何で組み込まなかったかと言えば、それは、人も時間も資源もコストも無限にあればそういうことができますけれども、これは、優先順位です。そういうことをやっていると、ねんきん特別便は、遙かに遅れていて、今頃送り始めることができたのかもしれません。4,500万件を7月末までに送りました。その内の3,000万件について、要するに解明できた、訂正なしであるとかということです。ですから、これをまずやる。皆さんご承知のように、名寄せから始まって、私が一年間やってきたこと、優先順位を付けてやってきました。それで、7月末で3,000万件までいきました。このペースでずっといけば10月の終わりまでに1億人に送りますけれども、このペースでいけば7,000万件くらいの解明はできるはずなのです。だから、それを優先にしていくという中で、次は、標準報酬月額の問題をどうしますか。闇雲に全部一から全部調べますか、それは、物事には順序がありますから、一番効率よく、一番早くこの問題を解明する手順を言ったわけで。批判は簡単です。標準報酬月額問題あるでしょと。あるのは、今指摘されなくても私が着任した時から分かって調査をしているわけですよ。だから、パッとここまでの調査の結果が昨日のような数字で出てきたのであって、それはきちんとそういう調査をする。しかし、優先順位があります。そういう中で標準報酬月額は、例えば、私が昨日出したのは、はっきり申し上げましたように、オンライン上のデータです。オンラインというのは、1986年の3月からです。その前のデータはどうするのだ。その前のデータだってやっている可能性がある。それは、全く何の手がかりもありません。そこからやるよりも、まず手がかりがあって、少なくとも65歳以上の人、20,000件について、これは、実質は、細かい説明は事務の方に聞けばいつでも細かいデータや何かのご説明はしますけれども、20,000件であたって、引っかからない人も逆に出てくるわけです。先程言ったように、仮に20,000人いたとしても、1つの社会保険事務所あたり70人ですから、手当てしてやればもうこれは来年の初めくらいにはその人達にまずやっていく。皆さんどの政党も誰もこれは国民皆が早く解決してくれと思っているのは分かるので、では、一番早く解決して一番効率的な道は何なのかということをずっと探っていって、私はやっている。そういう意味で、昨日の数字を申し上げ、そこからまずアプローチする。しかし、そこから先はどういうことがあるのか、それで、まずその20,000件についていろんなデータが出てくる。そして、国民の皆さんには4月1日から行きますから、皆さんが標準報酬月額を調べて、うちはこうだった、こうだったと、出てくる中で、冒頭のご質問のようなこういう組織的関与があるではないか、こういう不正が社会保険庁職員がやっているのではないかとあぶりだすことができる。そして、徹底的にこれを膿を出すということも考えているので、是非国民の皆さんにもご協力をいただいて、新しい日本年金機構ができるまでには膿を出し切って、そして、本当に国民に信頼できる年金制度を構築したい。そのために努力をしていきたいと思いますので、どうか皆さんのご協力もお願いしたいと思います。

(了)