閣議後記者会見概要

H20.07.01(火)10:36~10:49 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
まず第一点は、厚生労働省改革の一環として、特にコーポレートアイデンティティを高め、組織としてのガバナンスを高める趣旨からシンボルマークの作成を行っておりまして、3月から公募を行っておりましたが、この度厚生労働省のシンボルマークが決定いたしました。お手元に資料があると思いますが、大阪府豊中市の日高美明さんの作品が選ばれました。そして優秀作品に米田範行さんの作品、佳作の3作品として田代精一さん、深川重一さん、濱常治さんの作品が決まりました。公募につきまして実に706件のご応募をいただきまして、選考にあたりましては「人生85年ビジョン懇談会」のメンバーに審査をお願いいたしました。数多くのご応募をいただきまして御礼を申し上げたいと思います。そしてこのシンボルマークの活用につきましては、様々な形での利用を考えております。 それから二点目ですが、昨日の午後、日本経団連に対して年長フリーターをはじめとする若年者の採用の拡大に関する要請を行いました。この要請は4月に政府として取りまとめました「成長力強化の早期実施策」を踏まえて、就職氷河期に正社員になれなかった年長フリーターの数が高止まりしている中で、これらの若者の雇用・生活の安定を図ることは、社会全体としての人的資本の蓄積や少子化対策の観点からも重要な課題であるという認識の下に、改正雇用対策法に基づいて応募資格を新卒者だけではなくて、既卒者へ解放することなどによって、年長フリーターをはじめとする若年者の採用の拡大について取り組みを、強化していただくようにお願いをいたしました。日本経団連からは、全員参加型社会を目指すという問題意識の下で、新卒者以外の若年者の応募の機会が限られる中で、潜在能力や適性なども適切に評価し、企業の実状に即して、意欲のある若者に就業の機会を提供していくことが必要であること、今回の要請内容について、傘下企業に周知していくことなどについて発言がなされました。厚生労働省としても、経済界における積極的な取組を期待するとともに、新雇用戦略に基づき就職氷河期に正社員になれなかった若者の安定雇用を実現するために支援を充実したいと思っております。

質疑

記者:
シンボルマークを作ることによって、大臣としてはどのような効果が期待できると考えていらっしゃいますか。
大臣:
これはメディア各局、各社もそうですが、あらゆる組織は、組織に対するアイデンティティを組織のメンバーが持ってもらう、そして自分たちの仕事に誇りを持ってもらう、何よりも責任の所在を明らかにする。そういう意味がありますので、例えば、バッジの形にするとか、いろいろ今後活用の仕方を考えますが、そういう意味で、改革に向かって国民のために仕事をしているという意識を向上させることを第一の目的にしています。
記者:
年金の関係なのですけれども、昨日、年金業務・組織再生会議が最終報告をまとめまして、9割が社会保険庁の職員の移行ということで、今までのずさんな体質が変わらないのではないかという批判も一部であります。今後、大臣の下に設立委員会が設置されて採用基準等を決めることになるかと思いますけれども、それへの対応とかどのような考えで臨まれるのかということを。
大臣:
あれは年金業務・組織再生会議、渡辺喜美大臣の下に本田座長さんが取りまとめになりました。その過程において、私の意見もいろいろ申し上げました。最終的には、組織のご判断ということであります。そして、なによりも厳しく重視をしたのは、懲戒免職者は基本的に採用しない。ですから、いろんな紆余曲折がありましたけれども、発足時に正規の職員として採用することはしない。そして、有期で採用してもとりあえず一年やって、基本的に3年という労働基準法の枠内で更新しても人員削減計画の完了時で打ち止めにすると。しかし、民間の第三者が客観的に見てこういう人材が得難いし、これだけの改革意欲に燃えているということが必要なので、たとえ有期の採用の場合でもそういう厳格な基準をおいているということですから、これが第一のポイントです。9割という数字につきましては、当初の段階では、1万2千人以上の数字が出ておりました。これを1万人以下に抑えております。そして、民間の方、しかも重要な役職に民間の人達を就けるという方針であります。しかし、一方で、これは、専門的な知識を要する分野でございますので、そういう知識のある方ばかりが民間におられるわけではないので、今の長年にわたって蓄積した専門的な知識を上手に活用する。逆にそういう専門知識がない人達が窓口で対応することによってかえって国民に迷惑がかかるということも避けないといけない。そういう全体のバランスの上で、何が国民のために一番良い形で、どういう形にすればいいだろうかということを私の方からも提案し、そして最終的には、年金業務・組織再生会議の皆さんが議論なさってそれに決めたということですから、その上でこれからは設立委員も任命し、そして新しい組織に生まれ変わらせる為の体制づくりをやらないといけないので、更に、国民のための組織に再生させるのだという観点で今後とも努力していきたいと思っております。
記者:
シンボルマークというものを決めるという形から入る前に中身の見直しの方が大事だという悪口を言う人もきっと出てくると思うのですが、そういう批判にはどういうふうに応えますか。
大臣:
それは、シンボルというのは、何かということであって、両方だと思います。中身の改革も今やっております。広報体制、広報委員を設けて国民と情報を共有する。いろんな所で、昨日開かれました肝炎の問題の検討委員会も患者の方々が、5人入っておりますから、他所の省でそういう検討会なんて、こういうのはありません。ですから、そういう形で中身から変えておりますけれども、しかし、シンボルというのは、非常に大事なので。国についている国旗であるとか国歌であるとか、例えば、昨日たまたまあるテレビ局の方が取材に来られたのをみると、何とかテレビ局50周年というのでロゴを変えてしまっているのです。50周年という事で皆一所懸命やろうということでロゴを変える。例えば、テレビ局でも何かの節目にロゴを変えて意識を高めるということがありますから、番組内容を良くするということもやりながら、しかし、そういうシンボルによって職員の士気を鼓舞するという面もありますので、両方やっております。私自身は、この組織に入ってそういうものがないという事をむしろ驚愕したので、それは組織の体をなしていないのではないかという思いがしたものですから、あくまで改革の一環としてこれを位置付けたということで、今おっしゃったように、こういうことばかりが先行して中身が全く伴っていなくて、中身の改革がないのならばそれは良くないと思いますけれども、中身の改革も同時に一所懸命やっているつもりですから、それは是非ご理解いただきたいと思います。
記者:
年金記録問題なのですけれども、金曜日に出された結果を受けて、野党、民主党の中から全件照合を改めて求めたりとか、事実上のこれ、最後の一件までできないというギブアップ宣言ではないかと指摘しておりますけれども、その事についてどのように。
大臣:
それはまったく当たらないです、政府、与党の中にギブアップしようというような方々もおられるけれども、それは絶対駄目だという形できちんと金曜日に私が申し上げたとおりでございまして、要するに、最後の一人最後の一円まできちんとやるという、私のその方向は全く変わっておりません。ですから、エンドレスということを申し上げたのはどういう意味かというと、例えば、あなたが今日訂正なしだと思って出される、この前も言いましたけれども。5年後10年後に「いや、ちょっと待てよあれ間違っていた」という時に、もうこれは幕引きしたので一切そういうのは受け付けられませんということではないということなのです。今訂正なしで出しても5年後に訂正があると気づいたときに、では誰も受け付けないのですか。そうならないように、新しい日本年金機構の中できちんとそういうことをいつでも、まさにエンドレスでいつでも国民のそういう問い合わせに応えますよという体制を作るということを申し上げているわけです。しかし、そのためには、8億5千万枚という紙の中身が分からないで計画はできませんんから、きちんと計画的にまずサンプル調査をやり、それから、特別チームの力も借りて、あらゆる角度から資料を精査し、その上で、どういう形でやっていけばいいかというのをやっております。一気にはできません。それは止めようということなら、そういう基盤整備などやらないので、きちんとやるためにやりたい。ですから、紙が、先程いった、5年、10年後劣化して見られなくなる危険性がありますから、その前にきちんとデータベース化をやっていく。そういうことを着実にやって、そして、私が就任以来、定期的に今こういう状況です。今こういうところまでいきました。窓口の業務についても、何件解明しました。必ず報告をしていっているので今後とも続けていきます。いろんなご批判もあり、いろんな貴重なご意見もありますから、それでまた改善する所は改善していくという形でいきますので、私は、そういう立場で臨んでいっているということを明言しておきたいと思います。
記者:
今、新機構になってもというお話しがありましたけれども、昨日決まった計画で記録問題をきちんと対応できるのでしょうか。
大臣:
きちんとできます。そういうことのために設立委員会があり、きちんと対応するわけですから、何か新機構を作ったことで幕を引いてもう記録問題は何も対応しないという誤解があれば、これはそうではなくて、私がエンドレスといったのは、国民の要望がある限り、それは必ず対応するのは当たり前なので、社会保険庁が犯した不祥事ですから、国民には何の責任もないわけです。それはきちんと対応しないといけない、そのためにそういう窓口なり体制なりを整えるということを申し上げているわけです。

(了)