閣議後記者会見概要

H20.06.17(火)10:23~10:34 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議につきましてこちらからご報告することはございません。

質疑

記者:
閣議の後は総理と何を話しておられたでしょうか。
大臣:
総理と30分近くだと思いますが、社会保障全般についての議論をいたしました。今骨太の方針のとりまとめをやっておりますので、厚生労働大臣としていろいろな点をご指摘し、総理のご理解を得るということで、医師の養成、医師の数を増やすべきであると私は言っておりますので、平成9年の閣議決定で、医師の数の削減という方向で来た、それから10年以上経っていわゆる医療崩壊と言われるような状況になってますから、これは閣議決定を見直すという方向で調整をすべきであるということで、これは総理のご了解もいただきました。具体的には、どれくらい医師の数を増やしていくかと、その他医療体制の再構築をどうするか。これは財源の問題もありますからそこまでの細かい詰めはいたしておりませんが、国民の命を守る医療の役割は非常に重いわけですから、そういう方向を重視してこれからの政策を実行していくという点においては、総理と私との意見が一致しました。今骨太の方針、来年度予算編成に向けて様々な動き、様々な努力をやっていますが、一応この点について総理のご理解をいただいということです。 それから、骨太の方針の最終的な政府のとりまとめをやっておりますが、ここのところずっと担当の大田大臣と私とで交渉し、どういう形で今の私の政策が実現できるかということで努力をしております。最終段階に来ておりますが、今申し上げました医療体制の再確立、医師数の増員、こういうところについても相当こちらの考え方を取り入れていただく形で調整できると思っております。まだまだ交渉中であります。最終的には私と大田大臣とで調整してその点は解決するという方向で総理のご了解をいただいたということです。
記者:
関連するのですが、今日の諮問会議で、骨太の方針では従来どおりの歳出削減方針を提示する方針となっていますが、社会保障費を2,200億円抑制する中で、後期高齢者医療制度の改善策に毎年330億円必要になりますし、大臣がおっしゃられる医師不足対策なども歳出増が見込まれるわけですが、どのように整合性、理解を求めていかれるのでしょうか。
大臣:
社会保障について、きちんと必要な財源は確保することが、この大きな方針として示されなければならないと思いますから、それはそういう方向での努力を今進めているところです。もちろん厚生労働省を含めて改革努力、効率化、こういうことはきっちりやっていかないといけませんし、あらゆる抵抗を押しのけてもやっていこうと思っております。しかしながら、それでも足りないものについては、やはり新たな財源を用意しないといけないと思います。だから、すべて歳出削減だけでできるのかということは、問題提起したいと思いますから、今日残り時間も少ないですが精力的に大田大臣と折衝して、命を守るための財源をきちんと確保するという方針が貫けるように、最後まで努力をしたいと思います。
記者:
大臣の方針というのは2,200億円を抑制する方針を転換するということでしょうか。
大臣:
ですから私は、2,200億円というのはシンボリックな話になっていますが、最終的にこれから予算編成をやり、その過程で税制改革をやり、そして年末くらいに来年度予算の全体像が見えるときに、それを国民の皆さんがご覧になって「これで医師不足が解消するな、これでたらい回しが解消するな、これで介護の問題で困っていることが解消するな」と納得できる予算編成に持っていくことが大切ですし、それが最終ゴールだと思います。2,200億円というのは、あまり政治的争点になりすぎて身動きがとれなくなるのも考えなければならない。しかし、2,200億円という枠をはめたことがマイナスになっている点に目をつぶってしまうということがあってもいけない。そういうバランスを取りながらどうしたら良い結果がでるか、これを今全力を挙げていろいろな政治的な配慮もしながら、各省庁と交渉し、与党とも緊密に連絡を取りながら日夜やっているという状況です。
記者:
先程の医師不足の関係なのですが、以前の閣議決定の見直しとなりますと、新たに閣議決定をし直す考えがあるのか、もしくは、違う形の何か方針というのを打ち出す形で打ち消す形にするのか。
大臣:
具体的なやり方はまだ考えておりませんが、結果が全てです。要するに、事実上閣議決定の、平成9年の閣議決定の方針が撤回されればいいわけですから、だから、閣議決定というのは、全部もう決まって後で決定しても良いし、決定が無くても動けばいいわけですから、それは形式ではないと思います。そこはどうにでもなる話で、閣議決定だから再閣議決定しないと駄目ならそうやれば良いでしょうし、それは、政府全体で決めればいい話ですから。事実上、不足しているという認識に立ってお医者さんを増やすかどうか。今まで十分だと言ってきているわけですから。十分であって問題が偏在しているということだけ言ってきた。そうではないでしょ。それはあなた、1週間で80時間、90時間お医者さんが働いているのだから、この人達は労働基準法違反ですよ、極端に言えば。その人達を普通の労働時間に戻すだけで倍いるじゃでないですか、勤務医について、そういうやはり現実を見てやらないと、霞ヶ関の机の前に座っていて、紙と鉛筆だけで数字合わせだけやるということで政策をやってもらってはかないません。現場を見てください。どんなに地方で困っているか。どんなに産科医不足、小児科不足で皆さん困っているか。一回でも彼ら現場を見たことあるのですか。私は現場を見て国民のための政策を堂々と主張する。しかし、財政制約があるのは分かっているから、その中でやはりできるだけの調整はします。しますけれども、やはり国民の命を救うということは最大の優先課題でないといけないと思っております。
記者:
EPAに基づくインドネシア人の看護師とか介護士の受入なのですが、7月の後半から順次日本に入っているということで、ちょうど今看護師の方がインドネシアの方で面接を始めている段階です。日本で看護師、介護士不足が叫ばれる中で、なかなか定着は難しいという声もありますけれども、その受け入れ体制の整備を厚生労働省としてどうやっていくのかということと、この問題が不足の解決というところに直結すると大臣お考えでしょうか。
大臣:
先般、新潟のG8の労働大臣会合の時にインドネシアの担当大臣とお話しをしました。その時はまだ国会で正式に決まっていませんでしたけれども。一番問題にしないといけないというか、注意しないといけないのは、安かろう悪かろうということで外国から安易に介護士の皆さん方をお入れしても、インドネシアの介護士の皆さん方も不幸ですし、それから例えば介護を受ける日本のお年寄りの方々も不幸になりますから。そうではなくて、これは人の交流、モノの交流、お金の交流、国際協力をやっていくということは決して悪いことではありません。従って、条件をきっちり付けて、やはり人がいてですから、言葉がちゃんと話せないといけないですから、日本語の教育をきちんとやるということが必須条件となっていますので、そのための体制づくりはやっていく。だから、門戸を閉ざして、外からの人を受け入れないということではありません。いろんな分野で外国の方が入ってきて活躍なさるということは日本にとっても大変良いことだと思っております。しかし、それぞれの職種について必要な技能と日本語の能力、対話能力、こういうのが必要ですから、それを整備する旨のお手伝いもきちんとやっていきます。だけど、今でさえ非常に介護の現場が問題になっております。人手不足になる、定着率が悪い、賃金が低い、こういうものを改善しようとして努力している時に、外国からの介護士さんが入ってきて、賃金水準を下げる方向にそれが使われるということは避けないといけないと思いますので、私はそういう方針できちんとこれは対応したいと思っております。
記者:
今日午後に児童相談所の所長会議がありますけれども、年々児童虐待の相談件数が増えていることについて何か大臣として問題意識というのは持っていらっしゃいますでしょうか。
大臣:
これは、一つは、増えたのは一所懸命対応して少しでも芽が出てきたら知らせなさいということで取り組んでいることの、ある意味で裏付けが数字で増えたことでもあると思いますが、ただそれだけではなくて、やはり非常に深刻な問題だと思います。私自身も今日、全国から集まった担当者に自ら訓示をしようと思っておりますけど、やはりこれは地域社会の崩壊ということにもつながってきて、なかなか難しいのです。親がしっかりやっていますよということに踏み込んでいけるか非常に難しい問題がありますけれども、本当に鰻登りに数が増えていますから、大変深刻な問題だと思っておりますので、今日きちんと訓示をし、更なる対応をやりたいと思っております。

(了)