閣議後記者会見概要

H20.01.11(金)09:18~09:27 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。まず、閣議案件につきましては特記することはございません。

質疑

記者:
今日、肝炎の救済法案の方が成立する見通しですが、改めてお願いします。
大臣:
これは成立した後もまたきちんとお話をし、また総理も談話を出されますけれども、これまで長い道のり、患者の方々、ご家族の方々、大変これはもう心身共に大変なご苦労をおかけしましたので、成立の暁、今日になると思いますけれども、繰り返し心から本当にお詫びを申し上げたいと思います。そして、本当にこの二度とこういう薬害を起こさないためにどうするか、これは第三者委員会の検証も今後やっていきますし、組織の改編を含めてきちんとした体制をとっていきたいと思います。そして、国民の目線に立って本当に人の命を大切にする厚生労働行政、薬事行政、これをきちんと確立していきたいという思いでございます。また成立の後に話をしたいと思います。総理からも今日は談話が出る予定でありますし、私の方もきちんとした形で談話を出したいと思っております。
記者:
グッドウィルに対して週内にも厳しい処分が出るということでしたけれども、これは大臣としてはどのように。
大臣:
これはもう昨年末からこの問題が起こった段階で法に基づいてきちんとした処分をするようにということを命じておりましたので、それで現場で事情聴取した上で事業の停止、業務停止、それから改善命令その他の厳しい措置をきちんと今日実行に移そうと思っております。労働法制、先般も最低賃金法、労働契約法、成立を見ましたけれども、どうもこの労働法制についてきちんと遵守されていないのではないか、そういうような感想を私は持っております。国権の最高機関である国会できちんと決まった法律をやはり企業も遵守するのは当然なので、ちょっと遵法精神に欠けるのではないかと。やはり働く人達の権利をきちんと守っていく。そして、違法な派遣とかそういうことは法律に基づいてやめてもらわないといけないので、これは経営者の方にもしっかりと自覚を持っていただきたいし、私は法律に基づいてきちんと対応し、然るべき処分は厳格に下していくという方針を今から徹底させたいと思います。そうしないと、ここまで世界第2位の経済大国になっておりながら、生活の豊かさの実感がない、それはやはりこの労働者保護というか、働く人達に対する配慮が欠けてきている。まさにこの労働法制についての遵法精神に欠けていること自体が問題だと思いますし、私は、やはり企業には社会的責任が当然ある、社会的責任より前に法的責任をきちんと果たすべきだということを常日頃思っておりますので、今後ますますこういう点に対しては、極めて厳しく法に基づいて厳正に処置をして参りたいと思います。
記者:
関連ですけれども、今経営者にもそういう自覚を持ってというお話がありましたけれども、グッドウィルについては、コムスンでもかなり重い処分を受けて、また今度派遣問題で処分を受けるということで、経営トップの折口会長の経営責任を問う声もあるのですけれども、大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
基本的には、法治国家ですから、法律に基づいて、法律違反に対してはルールに従ってきちんと処分をする。そして、その経営者、これは私がとやかく言う問題ではなくて、やはり社会的責任があるわけですから、企業というのはもちろんベネフィットというか、利益を極大化する、最大化するということが企業の基本的な行動原則ですけれども、それだけでは駄目なので、やはり社会的責任ということを問われているし、今後ますます問われていくと思いますから、それは一人一人の個人の経営者がそういう自覚に立って自分の身の処し方を考えるべきであって、私は、厚生労働大臣としては法律に基づいて厳格にこの法律を実施させる、それに尽きると思います。
記者:
派遣問題については、派遣法の見直しの論議もあると思うのですが、大臣はこれについては、例えば、今回問題になった日雇い派遣については法改正でもうできないようにしてしまったらどうかという意見もありますけれども、法改正についてはどのようにお考えですか。
大臣:
様々な意見があります。そして、働く人の立場からも、一つの会社に縛られなくて自由にやりたい、フレキシブルにやりたい、自分の生活とのバランスを考えながら、毎日ではなくて、一日ごとにやりたいとか、そういういろいろな要求もあります。しかし、私はやはりいろいろな意味でマイナスが出てきていることは、これはもう指摘されているとおりなので、国会でも議論がありましたけれども、やはり見直しも含めてきちんと対応すべき時期に来ていると思います。今後、広く、労働政策審議会含めて、いろいろな広範な意見を聞きながら、働く人に不利にならない、これが労働行政の原点ですから、それをきちんと実行に移していきたい。そういう意味でも、この法律の見直しを含めての再検討というのは考えないといけないと思っています。
記者:
グッドウィルの場合、日雇い派遣ということで、許すべからず法を犯していることは間違いないのですが、長い期間のこういう業務停止をすることによって、実際に日雇い派遣で仕事を得ている人への影響が出てくると思うのですが、それについては何らかの対応をされるようなお考えはありますか。要するに、日々ですから、職をいきなり、グッドウィルから、登録してあってもらえなくなるわけですよね。
大臣:
それはハローワーク含めて、雇用の支援対策はきちんとやっていきますので、グッドウィル以外にも同じような事業をやっている会社は、これは自由競争の市場経済原則の良いところでありますから、そういうところでの再就職のあっせん、これはハローワークを中心に全力を挙げてやっていきます。今おっしゃったように、日々働いて、明日の生活に困るという方々に対してのご支援はきちんと厚生労働省としてやっていくと、それはお約束をいたしたいと思います。
記者:
原爆症の原告の方々とお会いされると思うのですが、原告の方は与党PT案をベースに新しい基準を作ってほしいと要望されていますけれども、大臣の現時点でのお考えは。
大臣:
これは私もずっと研究してまいりましたけれども、肝炎の問題に相当時間もとられていましたが、今日、肝炎の法案が成立するということを受けまして、午後から、原爆症の問題に早速取りかかりたいと思っています。政府も検討委員会をやってきまして、それも一つの科学的な知見に基づいた一つの案を出している。与党のPTもまた案を出している。私の感じからすると、これは水と油というような性格の二案ではなくて、十分にその目指すところは方向としてそんなにずれていないような気がいたします。ですから、今日は、午後、団体の方々とお会いをして、じっくりお話を聞きまして、それから、与党の皆さん方の話も聞き、そして、与党のPTの皆さん方と協議を重ねながら、なるべく早くこの問題についても対応したいと思っています。ですから、私は、与党案と政府案とは180度方向が違って、水と油という認識は持っていません。十分調整が可能という認識で、今まで作業を見守ってまいったところです。

(了)