閣議後記者会見概要

H19.12.14(金)09:25~09:42 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議案件は、ご報告するようなことはありませんからちょっと省略させていただきます。それで、最初にこちらからお伝えすることは、人生85年ビジョン懇談会ということを前からやろうということを準備していましたけれども、これがやっとメンバーも決まり、動かせるようになりまして、一応今のところは、12月19日の水曜日に初回を開こうと思いますが、細かいのは、今配ってありますその内容ですから後でご覧下さい。メンバーもここで書いてあるので、少し明るい未来の希望の方の話をしたいと思ってます。

質疑

記者:
閣議終わってからずいぶん長くお話しされていたようなのですが、どなたとどういうお話をされていたのでしょう。
大臣:
総理と官房長官も交えまして、私の方から昨日大阪高裁から提示されました和解骨子案についてご説明を申し上げてました。ちょっと内容が複雑でしたので、逐一ご説明するのに時間がかかったということでありまして、それに対する今後の協議、対応はまた別途時間を取ってやるということで、取り敢えず昨日のご説明をいたしました。
記者:
総理からは何かお話ありましたでしょうか。
大臣:
厚生労働大臣が中心になって関係省庁と連携取りながらしっかりと指導力を発揮してまとめてくださいということであります。
記者:
昨日の大阪高裁の所見は、国の政治決断を強く求めるような内容になっているのですが、これについてどのように受け止められますでしょうか。
大臣:
ここから先はもう総理ではなくて私の。まずですね、大阪高裁があれだけご努力なさっておまとめ頂いたので、これは非常に重く受け止めないといけないと思います。それで、この大阪高裁の和解案をまず踏まえた上で、大事なご判断いただきましたので、これと矛盾しない形であらゆる可能性を探っていきたいと思ってます。そのために今後全力を尽くして、患者の皆さん方、大変ご苦労なさっておられるので、総理も優しい心ということをいつもおっしゃっている、そういうことで問題の対応にあたりたいと思います。
記者:
和解案を踏まえた形でということですと、和解案を乗り越えてということは無いということなのでしょうか。
大臣:
少し説明をしますと、5つの裁判所の判決がございます。これは司法の判断ですから、きちんと尊重しないといけません。それから、所見にも書いてありますように、多くの点で事実上の合意がなされている。ですから、この提示した和解、骨子案を拒否することなく、いろんな案を出してくれるように努力してくださいと裁判長がおっしゃっている。これは、私ども被告、それから原告、それから製薬メーカー被告ですね、こういう全ての方々に対しておっしゃっているということですから、乗り越えるというようにおっしゃったのですが、乗り越えるという表現はちょっと余り正確ではなくて、その骨子案と矛盾してはいけないということです、正確に言えば。これは大阪高裁の裁判長が出された後、矛盾するということになると、大阪高裁の場での和解ができなくなってしまうのです。そういう意味です。ですから、そこはお互いに知恵を出し合って下さいよと、ここまで合意したのですからあと一歩ですよ、知恵を出し合って拒否することなくということをおっしゃってくださっているわけですから、大変なこの裁判長のご努力、これは本当に重く受け止めて全力を挙げたいという意味です。
記者:
原告の方はもう拒否を表明しているのですけど、この点についてはいかがでしょうか。
大臣:
ただ、私はまだ粘り強く交渉をし、総理の指示を逐一頂きながら全力挙げて、まだまだ回答期限まで時間ございますので、とにかく全力を挙げてやりたいと思います。
記者:
国は、東京地裁、最も狭く取られた東京地裁の判決をベースに主張を和解の協議の場でしていると思います。広く救うという観点からいくと、最も限定的なところにこだわって、これ素朴に何でなのでしょう。
大臣:
ですから、途中の交渉過程は一切申し上げないということで、今やらないといけないことは、大阪高裁の和解骨子案が出ました。これを基礎にしてどういう形で私がいつも申し上げているように、できるだけ多くの人を救い、そして、国民の支持が得られるような解決案を模索するかということに尽きると思いますので、私はそれに全力を挙げたいと持っています。
記者:
今まで主張されていたそのベースになる考え方というのは、根本的にはあまり変えるおつもりはあまりないと。
大臣:
大阪高裁の案がベースですから。この案というのは、いろんな報道がされていますけども、公表してはならないということでありますし、私はこの案を、先ほど言った、この案をきちんと踏まえて、そしてこれと矛盾することなく知恵を出すところは私の努力のしがいだと思っております。ですから、そこのところ、法律学の授業ではありませんので、細かい和解とは何か、裁判所での和解というのは何か、どういう限界があって、どういうことができるかというのはここで講義する場ではありませんが、そういうきちんとした枠組みに戻った上での発言だというのをご理解いただきたいと思います。つまり、それをやっておかないとまとまるものもまとまらないので、いつか時間があればゆっくりそこの法的な仕組みを。ですから、先程乗り越えてとおっしゃったのですが、先程ちょっと言葉、私が正確に申し上げたのは、最後のゴールを実現するために乗り越えてという言葉がちょっと申し上げないと不適切だったので、一つ一つやはり積み上げていって、どのサイドからも大阪高裁が見てそういう手順では駄目ですよと言われると駄目なものですから、それをもう本当に、私も一応若干法律は分かるものですから、見ながらということですから、どうか皆さん、先のことを考えましょう。これからどう先に進めるかということを考えて、おそらく原告の皆さん方も私の心を一つにしてやって下さると信じています。そして、そのための粘り強い協議を関係省庁、そして各方面ときっちりやって少なからず努力を続けたいと思っています。
記者:
原告の方にも譲歩してほしいというようなお気持ちがあるということですか。
大臣:
それはあそこに書いてあるとおりです。大阪高裁の裁判長が、この案を拒否することなく、今、手元にないので正確に覚えていませんけれども、いろいろな修正案を出したり努力をしてくださいよと、確かその前のところに、ここまでいっぱい合意したのですからというのもあったと思うのですね。だから、私はそのご判断を非常に尊重して、これは私も患者、原告の皆さん方と心を一つにずっとやってきているつもりでありますし、患者、そして、原告の皆さん方も私と心を一つにしてくださるというふうに信じています。私は大阪高裁の案をベースにして、必ず解決したいというように思っています。これは、今日、総理にはご説明申し上げただけですけれども、ご説明申し上げている過程で、私は総理の指示で、総理のお気持ちを介してやっているので、必ず総理がすばらしい指示を、今までもそうですけれども、逐一与えてくださると、その思いで全力を挙げていきたいというように思っています。
記者:
年金問題なのですが、一部報道で、紙台帳との照合について2年以内というのは、来年予定している予算計上の額ではとても実現不可能なのではないかという報道がありましたけれども、この2年以内という決意については。
大臣:
それは何度も申し上げていますように、やはり新しい組織を作るとかいう時は、やはり過去のしがらみとかいろいろなものをすっきり断ち切って、そして、新しく年金のための日本年金機構ができましたよという形にもっていきたい。それは皆さんそう思われるので、私はもうその決意でやりたいと思っていますが、サンプル調査をしたり、いろいろ見積もりをやってみたいと思いますが、ただ、最終的には、これは税金を使うなり、国民の皆さんの掛け金を使うなり、いずれにしても、国民の皆さん方にご負担を申し上げないといけないので、それがきちんと説明できて、そして、何百億かかっても、それは大臣これはすぐやりなさいということであれば、それは予算も通りますし。いつも申し上げているのは、私はやはり脈のあるというか、確率の高いところから順番にやった方がいいということなので、限られた人員、限られた予算で。いずれ関係閣僚会議を開いていただいて、もっと予算の増額とかいうことをお願いしないといけないけれども、予算の増額というのは国民の負担の増額になるので、できるだけそれをしない形で優先順位が何かなということで、まず一番問題があって、すぐやってできるところを、実はコンピュータでやってできるところですから、850万人分、1,100万件やりました。2億5千万の旧台帳で、件数で、8億枚ぐらいあるわけですけれども、これは実は、今お申し出ベースでいって14件なのですね、出てきたのが。14件と850万件を比べて、やはり850万人の方を先にやるのが優先だと思って、それは今もそう信じていますからやっています。ただ、極端に言いますと、8億5千万枚ぐらいあっても、それは人数と予算つけていただければ、2年じゃなくても1年でも半年でもできないことではありません。人海戦術でやり、お金いくらでもかけていいというなら。だから、そこはきちんと調査をして、国民の皆さん方にご納得いただいて、いやそれは大臣早くやってくれと、何にもまして早くやれというのであれば、国民のご理解をいただければ予算もつきますから、それはやりたいと思います。ただ、私の気持ちはやはり新しい組織が生まれるまでにはもうやれるだけ、できるだけ、立つ鳥後を濁さずではないですけれども、そういうことをやりたいという決意なので、その決意は変わりませんから。具体的なコスト、人、こういうことを今から見積もりながら、総理ともご相談申し上げながらやっていくということです。
記者:
肝炎で、今後のスケジュールなのですが、一応来週の20日ぐらいまでに何らの修正案を出すべく努力していくということでよろしいのでしょうか。
大臣:
20日が一応、大阪高裁がおっしゃった回答期限なので、原告、被告、全力を挙げて、その回答期限に答えを出せるように交渉して、お互いにみんな努力していくということです。基本的にはそういうことです。
記者:
修正案は示されますか。
大臣:
そこはまだまだ全く決まっていません。全く決まっていませんので、今日は総理にご説明申し上げただけなので、今から精力的に作業いたしますので。
記者:
総理との協議はいつ。
大臣:
それもまだ決まっていません。
記者:
週明けですか。
大臣:
非常に微妙な問題や、いろいろなところと議論しながらやらないといけませんので、総理からは厚生労働大臣がきちんと全省庁を把握して、そして、情報も全て集中して、全力を挙げて総理の意を呈して努力せよというご指示でございますので、今後また。今日はご説明申し上げただけなので、骨子案、時間がかかったのはものすごく複雑なのでかかりましたけれども、総理もお考えになるということなので、また、今日この時刻以後総理から断続的にご指示があるものというふうに思います。
記者:
先ほどの決意というのを第二の公約という指摘もあるのですが、あれは公約なのですか。
大臣:
いや、ですから、決意というのは決意ですから。ですから、今、説明申し上げたとおりなのですよ。私がそう言っても、予算措置とかそういうことをやらないといけない。だけど、やはり新しい機構が生まれる時にはそうしたい。そのために全力を挙げますよということです。ですから、それは是非ご理解いただいて、よろしく、皆さんにもまたご協力を賜りたいと。それは国民の皆さんのご協力がないといけない。ただ、その前提としてどういう優先順位かというのはいつも説明しているとおりです。

(了)