大臣記者会見概要

H19.11.21(水)16:40~17:09 省内会見場

広報室

会見の詳細

大臣:
今からの会見の趣旨は、年金記録の統合に関わる作業の進捗状況を定期的に、できれば一月一回くらいご報告を申し上げたいということでしたが、前回も非常に国会やらなんかの日程で忙しくまとめて話をすることができませんでした。皆さん方のお手元に2種類資料があると思いますけれども、これももう実は、総務省の監視等委員会とかいろんな所で既に出ているので、皆さん方は十分ご承知と思いますけど、一番新しいところで、まとめて簡単にお話を申し上げたいと思います。
まず、この「5千万件の未統合の年金記録の対応について」という横の紙をご覧頂いて、次の、これが一番分かりやすいカラー刷りになっています。これはもう専門の皆さん方はご承知のとおりでありますけれども、まず、3月までに、この一番ブルーの濃いところですけど、いわゆる名寄せということをここでやります。そして、コンピュータ上で5000万件名寄せとその結果記録が結びつくと思われる方々へ来年3月を目途にしてこれをお送りする。それで、12月の半ばからねんきん特別便を発送することができると思います。それから、名寄せの結果、名寄せだけでは結びつかない記録が明らかとなってきますが、これらにつきましては、具体的内容を元に仕分けをしてその内容に応じて照会、調査等を対策を講じて記録の統合を図っていきます。これは、来年4月以降も続けていきます。そして、来年4月から10月は、全ての年金受給者と現役加入者の方々にお知らせをしたいということで、これで記録の確認という作業をやりたい。名寄せだけで結びつかなかった記録の統合も行われていくということで、これはもうおさらいですけども、この4月、5月は今年金をもらっている方々、それから、6月から10月は、私含めて今働いている現役の人達ということです。それで、今精力的に名寄せを行っていますけども、名寄せだけでは結びつかない記録として、例えば、結婚で名前が変わっているとか、死亡しているとか、漢字仮名変換に起因するもの、その他があり、それについてここに書いてある、こういう作業をやりますということをもう一度ご説明申し上げておきたいと思います。
それから、名寄せの前提として9月7日から作業に着手し、これも私は現場を視察いたしましたけども、氏名等が収録されていない記録の524万件につきまして、今もう一つの資料の一番最後の紙をちょっとご覧下さい。氏名等が収録されていない記録の補正作業の進捗状況で、11月4日時点で、補正による入力可能であるというのが、85%、524万件の内の444万件が、この内容でありますが、実は、残された15%の中に、これが今までのようにそう簡単ではありませんよということで台帳がなかなか見つからなかったり、原簿に遡ることが難しかったりというものがありますので、この具体的内容は後でご質問あれば事務局の方からご説明を申し上げたいと思います。ですから、12月までにこの524万件の補正を完了する予定でありますので、最後どうしても元の台帳がなくなって、その本人を他の手段で探し出さないといけないということで若干時間がかかるかもしれません。そして、場合によっては、数%、なんとしても見つからないというのが出てくる可能性もあります。それから、実はこの年金の特別便を送り始めるとすれば、いろんなお問い合わせが来ます。今日の委員会でも質疑がありましたように、ねんきん特別便の原稿を今日中に書き上げて印刷に回したいと思いますが、それを受け取った段階でそれぞれ国民の皆さん方にチェックをしてもらう。チェックをしてもらって相談体制ということをやらないといけないので、ねんきん特別便の専用ダイヤルをやるとか、いろんな相談の機会を増やしたいと思います。何よりも広報体制が必要なので、いろんな意味で広報をやっていきたいと思います。あと細かい状況につきましては、このグラフをご参照願いたいと思います。既にこれは公表したところでございますので、大枠私の方から以上のようなご説明を申し上げましたが、後細かい事務的な技術的なことにつきましては社会保険庁の担当が来ておりますので、ご質問にお答えをさせていただきたいと思います。

質疑

記者:
今日の委員会質疑の中で、社民党の先生の方から旧台帳、紙台帳の保存状態に関して、検出依頼の半分しか実際に検出できていないというような趣旨の指摘があったかと思うのですけど、今後紙台帳との名寄せもすぐにではありませんが今後あるわけですけども、その辺のことについて。
大臣:
これは今とにかくこの5000万件の名寄せを全力を挙げてやっていますので、人手、それからコンピュータをそちらに稼働させているので、同時に動かせないということがあります。ただ、一つ一つ優先順位を決めた上で、無視するのではなくて、時間はかかりますけれども、きちんとチェックをしていきたい、精査していきたいという方針は変わりありません。事務的なことで、524万件の85%がなって、残りの15%の内容について事務局からなぜ難しいかという点を説明できますか。
(社会保険庁運営部企画課長)
先ほど大臣からご紹介がありました大きな紙でございますけれども、これは皆様方既に見慣れていると思います。85%埋まるという、逆に15%残っているところでございますが、下の流れ図の中の(3)、(4)の流れ、そこのところで若干難しい事例が出てきていると承知しております。中身につきましては、事務局の方からとにかくトラブルが出たらすぐに報告するようにということで私ども指示をいたしておりまして、そこで例えば、非常に紙が古くなっていて、名簿自体が、払い出し簿自体がちょっと半分不能なものがありますというような報告がありましたので、まずどういった混乱ケースがあるのか、混乱ケースごとにどのくらいのボリューム、そういうものがあるのか早急に把握して欲しいということでまた指示をし直したというところでございます。そういうものを総括して、先ほど大臣のお話にもありましたように、どの程度が片付き、代替手段でもってカバーでき、どの程度が残っているのかという見極めをまた来月初めの頃にかけてやっていきたいということでございます。
記者:
紙が古くなっている以外にはどういうケースがあるのでしょうか。
(社会保険庁運営部企画課長)
名簿、原簿を探すに当たりまして、そこになかなか行き着けない、例えば、番号でもってすぐに行き着く場合と、番号で行き着くのに多少時間を要する場合があって、そういうケースが報告されております。どういう場合に番号で行き着けなくて、代わりにどういう代替手段があるのか、そこをまさに今把握をしなければなりませんので、それを早急に把握して報告して欲しいということを指示をいたしております。
記者:
名簿は、要するに原簿が見つからないというケースもあるということですか。
(社会保険庁運営部企画課長)
見つからないというよりは、行き当たるのに時間がかかるという、見つからないというのに確定したということでありません。時が進めば確定するケースが出てくる場合もあります。そしたらそれはまた報告を頂くということになります。
記者:
つまり今探しているけど今の段階ではまだ見つかっていないと。これから見つかるかもしれないものがある。
(社会保険庁運営部企画課長)
というものもあります。
記者:
代替手段がないものというのもあるんじゃないですか。そのままになっちゃうというのは。名前が特定できなくてそのままになってしまうというのも可能性としてはあるということでしょうか。
(社会保険庁運営部企画課長)
そういうものについて代替手段があるかないかというのは、まずどういう混乱ケースが上がってくるのかというのが分かりませんと考えようがありませんので、まずはそこを早急に報告して欲しい、その上で代替手段の部分を精査していきたいという段階であります。
記者:
大臣、先ほど数%は残ってしまうかもしれないというふうな趣旨のことをおっしゃられたと思うのですけれども、そうなると、最後の一件までという約束の履行というのはなかなか難しくなってくるかもしれないと思うのですけど、その点どうお考えでしょう。
大臣:
それは、最後の一人最後の一円までということを選挙の時に安倍前総理含めて皆我々はそういう意欲で取り組みますよということをやってきています。ですから、そういう意味では、これはある意味で選挙の時のスローガンですからいい加減に言った話ではなく、そういう意気込みでやりますし、現実にこれ一所懸命やっています。ただ、そういうケースが出てくることが今この作業で予想されます。従って、そういうケースは、全力を挙げてやってもできない、これ例えば、私でない他の人がやったらできるかというと、おそらくできない、乃至はもっと時間がかかるということになると思います。引き続きいろいろな努力をやっていきます。だから、例えば、厚生労働省の援護担当が持っているようなデータを使えば、戦時中のものが出てくるかもしれないとかいろんなデータがあると思います。ですけども、今まさに社会保険庁の方から説明があったように、85%はあっという間に企業の台帳やなにかですぐにできた。そうではないものが実際にどういうものがあるのか、そして、他の方法でどうしてトレースできるのかということを取り敢えずは一所懸命やりたいと思います。そして、ここまでやりましたけどどうしてもこれはあらゆる手を尽くしても、例えば、2%残りましたということは、それはもうきちんと国民の皆さん方にご報告をして理解をしていただく他はないと思っています。
記者:
524万件の補正作業について、今までの作業の進捗状況、これまでの説明だと基本的には順調にいっていたという説明だったと思うのですが、今回こういう15%が時間がかかる、あるいは、数%残るかもしれないという状況になってみて、現在の作業の状況というのは大臣としてどういう感想をお持ちですか。
大臣:
これは本当に全く未知の山に登っている感じで、何mの高さでどういうルートがあってというのなら分かりやすいのですけれども、下の方の氷河もなければ、雲もなくて普通の草しか生えていない、これは踏破していけば行けますよというのがおそらく今の段階だと思います。だから、3つの条件を入れて名寄せをやってぱっと出る、私は約600万人、500万人、100万人と数日前に申し上げましたけども、12月以降発送する中で、ほぼ500万人の方はほぼ完璧にそれは合うと思います。それはだから山で言うと、確実に草の普通の平坦な道を歩いている、だんだん急峻になってきて、2つの要素しか分からないというようなことになってくると思います。今11月4日段階で85%明らかになった。今また作業を進めていますから、それが90%になる、要するに、85%以外の15%は全部難しいということではなくて、今85%まで到達しました。しかし、やってみたらそれは99%になるか、100%になるか、89%で終わるか、作業を進めていかないといけない。しかし、その中にちょっとすぐには、この前私が現場を見ました時、一つ2分で私がやってもここにあるじゃないかとぱっとできましたが、そういうのではなくて、ちょっと時間がかかって15分かかるとか、15分ところではない、ちょっと隣町まで行ってみないと分からない、1時間、2時間かかりますよというのがあります。ですから、それを精査した上で、何%というのは、今日は、誤解無いように申し上げておきますと、85%がOKで残りの15%は全部難しいということではなくて、今到達したのが85%でそこから先はまだわかりません。ただ、100%楽観的にではなくて、今から困難な状況が起こるだろうと。従って、二次名寄せという時になると、もっと急峻な山道を上がらないといけないということになるのでもっと困難になる。更に最後、つまり3月が近づいてくると次第に困難になっていくことは予想されます。作業としてはより困難になると現場を見てますから分かりますし、やる時間もかかるようになる。だけどそれで諦めてやらなないというのではなくて、それは着実にやっていく。そして、まさにやってみないと、登ってみたらそれほど急峻ではないかもしれない、ゴールが近いかもしれない、そういう形できちんと国民の皆さん方にプロセスを説明し、もし困難であればこういう理由で困難なのですよということをきちんと説明して参る。それで皆の力を合わせて年金の記録を一人一人が記録を正すことによって確実に自分の年金を取り戻せる、そういう意味では、最後の一人最後の一円まで頑張って努力してやろうという姿勢は変わっていません。
記者:
では、12月末までに補正作業を終えようというスケジュールだったと思うのですが、これが数パーセントでもできないものが出てくる可能性がある。となると、3月末までの名寄せ自体のスケジュールが、3月末よりもちょっと遅くなりそうとか、そういったスケジュール変更はあり得ますか。
大臣:
いや、例えば、データはまだ11月4日ですね。12月の末日まで二月ぐらいあるわけです。それで85%できたというのは、私は現場を見た感覚からいくと、よくできたなという気がします。だから一つ2分でできるのだなというのがわかったわけですけれども、ただ、仮に12月で524万件が全て終わっていなくても、それは継続してやっていく、ですから、そのデータはデータでずっと仕事を続けていくわけですし、他のものも並行していきますから、最後の3月になって、どういう形で山の頂に到達できるかというのは、これは全く未知のルートを今やっているので、わかりません。わかりませんけれども、全力を挙げて、そして、そのプロセス、どのルートで自分は登っていて、我々は登っていて、どこでどういう障害に遭っているというのを明確にしていきたい、そういう姿勢は変わっていません。
記者:
確認したいのですが、最後の一人最後の一円までお支払いするというのは、公約というよりは、そういう気持ちでやりたいというスローガン的なものというふうに捉えるということでしょうか。
大臣:
それは、我々が選挙の時もそういう言い方をしたはずなのですね。ただ、例えば、3月までに最後の一人最後の一円までとは言っていません。非常に時間がかかる、だけど、いろいろなあらゆるデータで確認して、その方が確認できれば、それはまさに最後の一人一円まで払うと、これは姿勢であり、ある意味で公約であると言って間違いないと思います。ただ、誰が見ても、不可抗力で、これはどなたがやっても、神様がやっても、これはできませんよというのは、それは出てくる可能性がありますから、それは国民の皆さんにもご理解をいただきたいと、そういう意味でありまして、最初から公約違反をやるとか、そういう話ではないと思います。
記者:
来年3月までに名寄せが全て終わるというふうに国民は思っていると思うのですが、これは終わらないということなのでしょうか。
大臣:
いや、終わるように、今、全力を挙げるということです。結果を見てみないとわかりません。
記者:
名寄せでは結びつかないというか、名寄せの結果、記録があることをもう前提としたお話ということなのですか。
大臣:
名寄せというのは、名寄せの作業が終わるということで、ここに書いていることは、今、私が新しく申し上げたことではなく、7月5日の政府・与党で決定した工程表にもともと書いてある話ですから、どこかに元があればご覧いただければ、全くそれは変わっておりません。それは国民の皆さんも、それから、自民党の国会議員も、正確にそれを理解していない方々がいるので、例えば、これわかりやすく絵解きにしたのですが、7月5日の工程表をそのまま書いたものですから、名寄せとか、突合とか、統合とか、いろいろな聞き慣れない言葉が行き交ったものですから、言葉遣いも一つ問題であったでしょうけれども、これは途中で変えたわけではありません。7月5日の予定どおりです。
記者:
この新しく出た資料だと、名寄せでは結びつかない記録の中に、婚姻などで氏名を変更したものとか書いてあるのですが、そういうものも含めて名寄せができるようなシステムを組んで、来年の3月までにやるということだったのでないのでしょうか。
大臣:
いや、ですから、名寄せというのは、そういう作業を終わるということであって、それで結びつかない人については引き続きやっていく。例えば、生年月日を意図的に正確に言っていない方々、こういう方は今のコンピュータプログラムでやっても出るはずないので、それはその名寄せ作業の、我々が今持っている道具で出ないことが前提なのです。しかし、そういう方はなんで出ないのだろう、ひょっとしたら、この方は10年さばをよんで、10年若く書いているのなら、ちょっと10という数字で試してみようと、ないし、その方を呼んできて、あなたではありませんかと、こういう作業は引き続きやっていくということです。それが実は名寄せ作業ということの意味なのですが、選挙がありましたから、最後の一人最後の一円まで、みんな我々与党の議員たちが叫んだこともありますので、3月の末日になると、もう全部バラ色の世界になるような誤解を与えたきらいがあると思いますけれども、それは正確に言うとこういうことだということです。
記者:
500万件、一次名寄せでというふうに大臣おっしゃったと思うのですが、おおよそ。前のサンプル調査の、検証委員会のサンプル調査だと、だいたい3割ぐらいは、住所、氏名、生年月日は住基ネットで検索できたと、生存している可能性が高いということだった。3割というと1,500万件ぐらいということですよね。それに対して、500万件という一次名寄せの数字は相当少ないような気がするのですが、これはどうしてなのでしょう。
(社会保険庁運営部長)検証委員会がやったサンプル調査の方は、母数が7,840件、これを取り出して、そして、亡くなった可能性のある方、それから、生きておられる可能性のある方と、そういう分け方をしております。それで、件数ベースで、生きている可能性が高い方、件数ですね、これを割り出していると。それで、そこのところが、確か記憶で申し上げると33%程度です。これ件数ベースなのですね。したがって、これを人員ベースにすると、一人で複数のものを持っている方というのが結構いらっしゃると。7,840の中でも結構あるという話を仄聞してございますので、したがって、大きな乖離が人数ベースということで考えた場合にあるかというと、そこのところはさほどではないのではないかなと、これは直感的な話でございますけれども、そういうふうな受け止め方を私どもはしております。それで一点、今の関係で申し上げると、ちなみに、件数ベースで、検証委員会のサンプル、33%になっていますけれども、期間重複チェックというのはあれはやっていないのですね。私どもの方は期間重複チェックを加えて、ある程度の絞り込みがかかった状態での話ですから、そこは意味が違います。結果としての数字の違和感はないです。
記者:
念のための確認なのですが、最後の一人までというのは選挙の公約ではなくスローガンということなのですが、就任会見でおっしゃった命がけでやるというのもスローガンだったということでよろしいですか。
大臣:
いえいえ、そういうことではない。だから、公約と申し上げてもいいのです。誤解をともなうといけないから、そういうことを言ったので、最後の一人まで最後の一円までがんばってやるということは、これは公約と言って結構です。全力を挙げてやっているわけですから。しかし、どうしても不可抗力でこれは出ませんという方が出てきた時に、それは国民の皆さんにご理解くださいということであるわけで、それは未知の山に挑戦しているので、例えば、あなたが同じ作業をやった時に、全力を挙げてやられると思います。皆さんやられると思います。だけど、それは例えば、消費税を来年の何月何日に1パーセント上げますというようなのとは作業の中身が違います。ですから、公約と言っていいと思いますよ。私は公約のつもりでがんばっています。だけど、5,000万件のうちの1件でも抜けたら、お前は公約違反で、それはもう責任取って辞めなさいという方もおられるかもしれません。しかし、私はそういう意味での作業内容とは違うということを申し上げているので、それはもういろいろな取り方があると思いますけれども、私は基本的に公約だと思ってがんばってやっています。ただ、ここまで作業して、こういう状況ですよということをご説明申し上げているということであり、その説明のプロセスをきちんとやっていく。ですから、先ほど言ったように、では最低賃金を来年は何十何円にしますとか、数字でピシッと言えるような感じではない。最後の一人まで最後の一円までお支払いするように一所懸命やります、これは公約ですよ。私の心の中ではそれは公約で、おそらく安倍さんもそうであったと思います。ですから、ただ、先ほど言ったように、最低賃金を何円にするとか、消費税を何月何日までに何パーセントにするとかいうのと、政策の中身が違いますよということを申し上げているのであり、やらないということを言っているのではありません。一所懸命やります。そのことは是非ご理解下さい。
記者:
未知の山があるというのは、参院選の時点や就任会見の時点でわかっていたのではないですか。
大臣:
わかっていても、命がけでやりますと言ったらなんで悪いのでしょうか。悪くないでしょうと私は思います。
記者:
ただ、僕たちの受け止め方なのですが、国民も含めての受け止め方なのですが、これまで、大臣のおっしゃり方では、できないものがある可能性があるということは、今までおっしゃっていなかったと思うのですよ。そういう意味で、これまでと、今日のお話というのは少し内容が違っているのではないかなというふうに思うのですよね。
大臣:
それは作業をやってみましたから。実際に作業をやってみましたから明らかになったのであり、だから、私はむしろ責任ある態度できちんとそれを申し上げているというふうに思います。
記者:
ただ、ちょっと失礼な言い方になるかもしれませんけれども、責任あるというのにもいろいろございまして、できるかどうかわからないことは、できるかどうかわからないけれどもやってみますというふうに最初から言うというやり方もあると思うのですが、その点はどうお考えでしょう。
大臣:
私は年金問題を解決すると、そのためにこの仕事をやっているわけですから、それは全力を挙げてやります。できないかもしれないけれどもやってみますと言うのと、命がけで最後の一人最後の一円まで到達するためにがんばりますと言うのは、それは意気込みが全然違うと思いますよ。その意気込みは国民が理解してくださるというふうに確信しています。私は現に一所懸命やっていますから。手抜きはしておりません。全力を挙げてやっています。それは問題ないというか、その努力は私は認めていただけると思います。ただ、これは人間がやることですから足りないところもあり、コンピュータだって100パーセント完璧ではないかもしれません。しかし、あらゆる試行錯誤を繰り返して、さらにいいものを目指していきます。ですから、山に例えれば、一つのルートで到達できなければ、もう一つ他のルートを探る。だから、何か途中で調子が悪くなったから、軌道修正をして今から逃げを打っているのではないかと、そういうことではありません。困難なことは困難だときちんと説明をする、そういう立場ですから。今度、もっといい数字が出たら、これは実はここまでいきましたと言うだろうし、いや、一所懸命やって、これはこういう困難な問題があると言うこともあるでしょう。要は、説明責任だと思いますから、それは間違いなく果たしていきたい。ただ、厳しい目でいろいろご指摘してくださることは、それは大変ありがたいことであって、困難であっても、それは一つ一つ打ち勝っていく、そうではなくて、難しいのだから、もうその程度でいいよというような声ばかりだと、それはだめだと思います。だから、厳しく、皆さん方含めて、ここもうちょっとやれるのではないかというような批判は、それは歓迎いたしますし、是非、こういうふうにやればもっとできるのではないですかというような、そういう建設的なご提言も賜りたいというふうに思います。
記者:
確認ですけれども、先ほど、場合によっては、数パーセント見つからないかもしれないというようにおっしゃいましたけれども、この数パーセントというのは特に計算の根拠があるわけではなくて。
大臣:
要するに、少しは残りますよということを数パーセントと言っただけで、これも正確に言えば、やってみないとわかりませんということです。
記者:
理論上は十数パーセントにもなり得るかもしれない。
大臣:
ただ、まだ作業をずっとやっていて、11月4日現在で85%いけば、そのまままだ二月近くありますから、もうちょっとそれは伸びるだろうと思いますけれども、これもとにかくやってみないとわからないです。
記者:
現状だと、大臣の見た感覚で。
大臣:
私の印象というぐらいに思っておいてください。

(了)