閣議後記者会見概要

H19.10.23(火)09:14~09:40 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議の案件は、質問主意書その他、ルーティーンに関わることで特別に特記すべきことはございません。その他何か質問があれば。

質疑

記者:
前九州厚生局長の調査の件と、あと2点目に年金記録問題に関しまして、先日参院予算委員会であと3年くらいで紙台帳含めて照合ができるというような答弁をされていましたけど、民主党の方から、最初その真意について問う声が上がっているのですが、その発言の趣旨について改めて伺えればと。
大臣:
後者の方から申し上げますと、平成22年、3年後というか、新しい年金機構が生まれます。それまでの間にとにかく残務処理というか、それを全部終わりたいということの表明であります。基本的には。だから完璧にそこまで終わらせるという決意を述べたので。しかしこれは、やってみてもう少しマンパワーがいる、それではそのマンパワーがいるならそれについての予算が取れるかどうかということとの関連でもありますから、そこは新しい組織が生まれるまでの間になんとかしてこれを片付けたい、そのために全力を挙げて努力するという意味だとおとりいただきたいと思います。そしてこれは、予算と人手があれば、無尽蔵にお金があればできることです。極端に言えば。だがそこまでのお金をつぎ込んででも残ったことをやるのか、それとも他の優先的なことをやるのかということは、その時々の政治判断になろうかと。ただそれくらいの決意でやるというふうにご理解いただければと思います。それから、前九州厚生局長の件ですけれども、本人からの聴取は一応行いました。細かい経緯につきましては、今日中に投げ込みの形で、文書の形で皆さん方にご説明を申し上げます。それから、食事をさせたり、ホテルのお金を払った方の側についても一応の聴き取りを行いました。それで結果的に職務権限が関わっていて、贈収賄になるとかいう面でのことは一切精査しましたけど、時期的にもありません。それで、国家公務員倫理法の規定に反するということでありまして、それは、その時の在職中であれば一番厳しいという形の措置になっていますので、それ以上のことは致しません。ただ、ホテルに何回泊まったかというのは本人も正確に覚えていない。かなりの回数泊まっただろうということなのですけれども、ホテル代、宿泊費については、返却しなさいと。払ってくれた人に返却しなさいと。ちょうど前回、車とか出してもらったお金を返却しなさいと言ったのと同じ方法を取りますということで、大体想定して、60回で1回4万円とすると240万円くらいになると思いますけども、そういう形の対応を取りたいと思っています。今後また新たな事実が発覚すれば、その都度、そういうことはあってはいけないわけですけども、きちんと調査をして対応をしたい。以上です。
記者:
年金の記録の問題ですけども、先ほど民主党の部会で、社会保険庁の担当の方は、先ほどの紙台帳の突き合わせの件で、大臣と相談した事実は無いと。大臣は姿勢を述べられただけということですが、相談の事実は無いということでよろしいですか。
大臣:
基本的にそういうふうに理解して結構です。そこまでやりたいということです。
記者:
前九州厚生局長の話ですけれども、240万円を返却を相手に対して。
大臣:
相手に対して。宿泊費を払ってくれた人に戻しなさい。車をくれた人に車代を戻しなさい。それと同じです。
記者:
金額は約240万円ということでよろしいですか。
大臣:
約です。正確に60回分の領収書が無いのです。ですから、想定して、本人はそんなに泊まっていないと言うのですけど、年8回泊まったとして、大体、これは国家公務員倫理法が施行されたのが平成12年ですから、今防衛省で問題になっているように、その前は網に掛ける規定がないのです。贈収賄でなければ。だけど国家公務員倫理法が平成12年に施行されていますから、それ以降、何回だろうかって大体想定を、推定しながら数えると約60回かなという感じであります。それで回数は記憶ないし、半年会わないこともあれば、毎月のこともあったということで、ある一部の報道機関から出てた領収書以外の部分が何回かというのは推定の域を出ないという。だから大体60回という感じで、平均して4万で240万円と。
記者:
ご本人は、返却には応じる意向を示されているのでしょうか。
大臣:
これはまず、事実を隠す意図はなくて、聴かれたときに車の件や借金が大きく報道されていたので、それに答えるのが精一杯だったのでこのことを意図的に隠そうとして言わなかったのではないということであります。それで今一応申し上げたような形で求めるのですけど、それに応じるかどうかはまだ答えはありません。今日そういう方針で臨んでみて、答え待ちです。
記者:
他にも便宜というか利益のようなものがあったというような話は。
大臣:
それももう毎回それ以上ありませんかと聞いているのですけども、本人は無いというので。その後また出てくれば調査せざるを得ないという状況で、警察ではないので、捜査権限がないですから、家宅捜査してどうってことはできないので、あくまで国家公務員倫理法の範囲内ですから。
記者:
それ以上無いと言っていればもう無いということ。
大臣:
そうです。
記者:
自主的な処分はもう退職された方なのでこの240万円の返金という処分ということになるのですか。
大臣:
ことを求めるくらいしかできないのです。それで、例えば、要するにこの前の停職10ヶ月に相当するのをやったと。今度240万円が増えたからもう一ヶ月増やすかという、それはならないだろうと。マキシマムでやりましたから、というのが今の状況です。判断として、だから払ったお金は先方に戻しなさい、それを要求する。ただこれもあくまで任意なのです。強制権がないのです。ただ要求しますという。是非そうしていただきたいということ。
記者:
花巻の社会保険庁の保養施設のセンター長が自分で会社を作ってそこと不透明な取引をしていたということが発覚したのですけれども、これに関して。
大臣:
これは極めて困ったことで、今こういう施設を整理しようということで、5年間で整理しようという整理機構を作ってやっているので、いずれこれも無くなるのですけども。自分の作った会社に受託させるというのはとんでもないことなので、これまでずっと口頭で注意はしてきたということなのですけども、その注意が行き届いてなかったということなので、まずこれを再調査する。それから、同じような施設がまだいっぱいあるのです。国民年金センター的なものは。整理の対象になっていますけども。これは全国もういっぺんチェックし直せと、こういうことが無いかどうかと、今日指示を出します。それで残務整理に入っているのですけども、こういうような類の施設をまだ持っているわけです、年金関係の今いったような保養センターのような。これを大体一ヶ月くらいかかると思いますけども、調査をしてそのまた結果が出ればご報告申し上げますけれども、いずれにしてもこういうことがあってはいけないことなので、厳正に対応したいと思います。
記者:
ちなみにこのセンター長並びに社会保険事務局長とかそうした人の監督責任及び本人の責任というのはどうお考えなのですか。
大臣:
要するに、これもちょっと細かい調査をしてみて、どういう法的な責任がとれるかどうなのか。ただ基本的には、道義的な責任になるわけです。こんなやってはいけないことをやっているので。ただ契約を結んである会社とセンターとが受託契約を結ぶという、それ自体は法的におかしくないので。まさかだけど自分が作った会社にあるというのはどう考えてもおかしいわけですから。だから、岩手県の国民年金福祉協会の就業規則を見てみますと、職員は許可を得ないで他の職業に就くことを禁止していて、副支配人もこの規則の対象なんだけども、理事長の許可を得ていたというのです。なかなか理事長がなんでこんなことを許可しているのか。しかし、これは厳正にやはり処分すべき点が出ればしたいと思っています。一月くらいはかかると思います。他も一切合切やりたいと思います。だから、あと5年で整理されるので、最後の甘い汁を吸ってやろうというけしからん連中がいたらこれは困ります。ただ一つ、若干の救いというのは、年金保険料がこの分野に使われていなかったという、そこだけはほっとしてるということです。
記者:
年金のコンピュータプログラムの試運転は今日でよろしいですか。
大臣:
実は、早くやりたいものですから、実際、昨日から動かし始めました。ただ、私が実は昨日肝炎の問題で全く動きがとれなくなったものだから、今日の午後、細かい時間や場所は高井戸の業務センターになると思いますけども、そこにどういう状況になっているか、チェックを私は、指揮監督に行きます。それで実際に動いているのかどうなのか。今日の午後にやります。
記者:
今のところ順調なのですか。
大臣:
今のところ順調ですし、若干新しいイノベーションを入れてチェックがより動くようなシステムをやらせていますので、それを説明したいと思います。
記者:
医療費の滞納が全国的に問題になっているのですが、これについて厚生労働省としてどういうご認識をお持ちかと今後の対応についてどのようなお考えをお持ちかお聞かせ下さい。
大臣:
物を買ったときに、そこにお茶があるけど、150円払わないというのは、これはやってはいけないことなのです。ところが、グッズアンドサービスなので英語で言うと、モノやサービスを購入したらその対価を払うというのは当たり前なので、まず私はだから医療費を払わないで踏み倒して逃げるという、言葉は悪いけど、それは日本人のモラルもここまで落ちたかなと。非常に残念に思います。だからやはり受けたサービスの対価はきちんと払わないといけないというのがまず第一の認識です。ただこれは、かなりの金額に上っているので、実際医療機関の経営を圧迫するとか、いろんな問題になっていますから、この対策をなんとかして立てたいと思っていますし、特に地域格差が広がる、地方でやはり貧困層、困窮層、お年寄りでお金があまりない方々、非常に増えてて、こういう方々に未納が多いのです。そうすると、地域の医療を担っている中核的な病院、地域の大事な病院がそれでたちいかなくなると、そこでまた医師不足とか大きな問題があるので、なんとかこれができないか。そうすると、一つ、いろいろ手を考えているのですけども、例えば、お産の時に30万とか50万とかお金が出ます。後でですけど。そういうのを例えば、クリニックが代わりに受け取ればいいわけです。本人が受け取って病院に払わないということがあると。だから、医療機関が代理で受け取るようなシステムをやるかとか、そういうことを考えているし、払わないで逃げていった場合は、なかなかこれを捕まえて払わせるというのは難しいので、なんとか未然に防止するというのが一番大事なので、そのための手段はないかなと。そんなに困っている人がクレジットカードを持っているかどうかは別として、例えば、要するに、我々がホテルに泊まる時のサービスの対価と同じで、ほとんど海外のホテルに行くと、最初にクレジットカード見せて下さい、それでサインして置いておいて、後は金額入れるだけ。そうすると取り損ねがないわけです。本当は、ホテルにとっては3%か5%手数料払うから現金でもらった方が良いのだけれども、取り損ねるリスクを考えれば、特に海外からどんな人が来るか分からない、どこ行っても我々はホテルそういうふうにやりますから。あれと同じようなやり方を、例えば、一考するかとか。一番の問題は、やはり未然の防止策ということですけれども、やはりこれも一つは日本人のモラルというか、それが非常に低下したことが非常に残念だということと、やれ地域格差、貧富の格差の拡大、こういうことも背景にあるのかなと思っています。やはりデータ的に見ると、生活に困窮した方々がほとんどを占めると思います。
記者:
医師は理由なく患者を断ってはいけないという義務が課せられておりますよね。そのことも未納の一つの要因になっているかと思うのですが、こちらの方を見直すというような考えはおありでしょうか。
大臣:
例えば、昔、バブルの時に、イラン人とか、いろいろな国の方々が、例えば、土木作業員のような形で来ていましたね。そして、3Kのような、きつい、汚いとか、そういう所で仕事をする、危険にさらされる、大けがをする。それで、担ぎ込まれる、目の前で死にそうな人ですから、一所懸命これはお医者さんとして助けますし、そうしないといけない。さあ、この人は正規の形で入国していなかった、当然保険も持っていない、それから、雇い主も知らない。こういうことがあの当時、非常にこの未納問題の大きなところを占めていたのですね。だけど、やはり人の命ですから、駆け込まれた人、これを救わないというわけにはやはりいかないと思うのですね。ですから、そこを何とかちょっと知恵をはたらかせて。それはもう動かせない、それはもう、困った人が来れば、これは助けないといけない。そうして善意で助けた方々の、お医者さんたちの経営を圧迫するというのは、一つの医療機関で平均して700万とか800万とか、それだけ踏み倒されているのですね。それはやはり相当経営を圧迫するし、そうすると、ますますお医者さんのなり手がいなくなるので、これはもう、今ご質問あったのですが、一つの社会的な問題として、国民全体で考えて、こういうことは未然に防止しましょうというキャンペーンをはるなり、みんなでそういう手を考えたいというように思っています。
記者:
全然別件で恐縮なのですが、足立区内の温泉付きマンションで、APAグループが作っているやつなのですが、全戸に温泉が入るというやつなのですが、基準の最大8,900倍のレジオネラ菌が見つかったということで、ただ、これが各家庭の浴場ということなので、公衆浴場法の適用外なのですね。ですから、水質検査の義務もないので、保健所が管理組合の承諾を得て、任意で検査するまで、菌の増殖がわからなかったという事例が出まして、だから、それは法の適用外なものですから、新しい話なので、それについてどんなふうに感じるのかというのを、今、初めて聞いたのかもしれないですけれども。
大臣:
今、初めて聞きましたので。その、法の不備があれば法的に整備をしていけばできる話ですけれども、ちょっとこれは調べて、どういうことができるか。やはり国民の健康が第一ですから、どういう形でお湯を供給していたのか。普通、マンションだったら、古い所はタンクを屋上に溜めてそこから、それと同じようにお湯を供給していたのか、そうすると全戸にいくわけですから。ちょっと調べて、また次の回にでも回答したいと思います。
記者:
肝炎のリストの件なのですが、調査チームは昨日はどういった活動をまず。
大臣:
とりあえず発足して、どういう形で今から動くかということをやっていかないといけない。私なんかは、一番疑問に思うのは、製薬会社が知っていた件数とこっちが一所懸命調べた件数が、2件と200件近いわけでしょ、197件でしたかね。だから、その差がどこでうまれてきたのかということで、だから、それも含めてもう少し精査をしてみたいというように思います。だから、とりあえず一月ぐらいという感じですけれども、ちょっとでも早められればと思いますので。
記者:
原告団も、ちょっと一月は長いんじゃないかと。
大臣:
ですから、ただ、私の直感で、あまりにもこれはメスを入れないといけないところが多いなという感じがするので、一週間以内と言っていてずるずる時間がかかるよりも、一月とりあえずくださいと、それで前倒しできればやりたいし、それから、一月というのはちょっと、確かにおっしゃるように長いんです。だから、中間報告的に真ん中でできれば、しかし、もう中間報告をやるぐらいのつもりで、二、三週間で終われればというつもりでやっています。ただ、今申し上げたように、やはり国民の皆さん方の最大の問題は、なぜ200件近い差が、実名入り、そこで生まれているのかということなのですね。だから、製薬会社が200名近いのを持っていて、それを厚生労働省に渡していないのか、厚生労働省に渡したのか、今の調査だと渡していないはずなのですよ、来ていないのだから、今見たところ。それでは、その残りの195名ぐらいはどういうルートで、製薬メーカーは手に入れたのですかと。副作用報告書には、基本的にイニシャルしかないはずですね。それで、ただ、たまたまイニシャルで書かないといけないところを、実名でドクターが書いたものだから、わかったというのは、そういう感じが2件でしょ。だから、副作用報告書だけ見ている分には、出ないはずなので。例えば、これについては絶対知るべきであるということになると、製薬メーカーはメーカーで作業チームを作って動いていますから、やはりそこに情報開示を求めるとか、説明を求めるということも連携してやらないと、製薬メーカーから来た資料ですから、それを精査して、何年前であれ、そうすると、お医者さん、製薬メーカー、国、この3つをきっちりやっていかないといけないので、それで時間がかかるなという感じがするのです。それで、もうあと一つは、今の197件と2件の差とのあまりの大きさというとともに、お医者さん、医療機関はもっと協力してくれないのかなというのが、率直な私の感想であって、第一義的には、ドクターが患者を診ている、医療機関が診ている、それで、そのフィブリノゲンを納めた医療機関7,000近くは既に5年前に公表がしてあるわけですね。一番わかっているのはお医者さんのはずですよ。そうすると、イニシャルで書いたって、元の名前をカルテを持って知っているのはお医者さんなのだから、この人たちがもうちょっとしっかりしてくださいよというのを、私は実は訴えたいので、私も一所懸命やります、一日も早く命を救うために。製薬会社も、昨日、誠意をもってやると答えてくれた。じゃあ、現場のお医者さんも、これで病院の名前がわかると患者さんが来なくなって、儲けに響くとか、そういうことを優先して、止めているのだったら、それはもう守秘義務があるから、それから、そういう気持ちもわかりますけれども、だけど、ちょっとお医者さん、医療機関も協力してもらいたいなというのは、私の実は訴えであって、そうじゃなければ、本当にポイントのところに肉薄できないのですよ。ですから、その時は、そういうフィブリノゲンがそういうものだというのは知らなくて、あれどの説明書、医学書を見たり、マニュアルを見ても、DICなんかで止まらない時はこれが一番効くと書いてあるから、それは目の前で出血多量で死にそうな患者さんがいたら、救うためにそれを使うというのは、医師の倫理からいっても、じゃああなた使ったから悪いと問えない面があると思うのですよね。ですから、そういうことも十分考えていますから、どうか、今、全力を挙げてこの解決に力を注いでいますので、お医者さん、医療機関もどうかご協力ください、そんなこともあります。ですから、そことの連携もしないといけない。それで若干時間を賜りたいですが、できるだけ早くやりたいと思います。
記者:
3者の中で、その医師、厚生労働省、製薬会社の中で、今現在、大臣はどこが一番責任が、今回の件で問題があると、今現在で。
大臣:
いや、それは製薬メーカーが一番ありますよ。それで、国については、これはきちんと検証して、私は不十分であったと、今の認識からすれば思っていますから、それなりの対応をとりたいと。しかし、危険がわかっていて薬を作った人が一番悪いんでしょ、基本的には。そんなところでありますので、引き続きこの件については、全力を挙げて、一日も早く問題を解決して、一日も早く支援策がとれるように努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

(了)