閣議後記者会見概要

H19.07.10(火)09:35~09:56 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
本日の閣議でございますけれども、最初、イラク人道復興支援の問題で基本計画の改定を行い、空自の支援を引き続き行うということになりました。通商白書が発表されました。赤城農相の海外出張中、若林大臣が臨時代理に指名されました。閣僚懇にいきまして、一人一日一キログラムの二酸化炭素削減の運動を各省職員にまで広げてくださいという要望がございました。また、民間企業においてもチャレンジ宣言をした方に対して、何らかのメリットを与えるようにとのことで、既に2社ほど協力企業が出ているという報告がありました。以上です。

質疑

記者:
今お名前が出た赤城大臣の政治資金問題なんですけれども、大臣の説明あるいは総理の対応というのは十分適切とお考えでしょうか。
大臣:
私は、詳しくこのトレースをしていないので、コメントは控えたいと思いますが、お二人のことですから、その辺りは、きちっと対応なさるだろうとこういうふうに思います。
記者:
先の国会でですね、政治資金規制法が改正されたわけですけど、再改正という、政治資金管理団体に限るのは、ざるであるということで再改正の意見がありますけど、それについてどうお考えかということとあと参院選への影響を教えてください。
大臣:
これは、資金管理団体以外の他の政治団体ということになりますと、必ずしも政治家の団体だけではないということがありまして、そういったことを広く考える中で、いろいろ検討の結果、あのような資金管理団体に限るという結論が出たと思っております。
記者:
参院選への影響については。
大臣:
これは、よく説明をすれば、そんなに大きな影響がないように考えますので、よく説明することが大切だと思います。
記者:
昨日、与党プロジェクトチームが中国残留孤児支援策をまとめられましたけど、収入認定制度が残ることについて未だに不安を抱いているのですが、厚労省として今後収入認定が残る不安に対してどう対応していかれるかお考えでしょうか。
大臣:
今回、厚生年金等の収入があった場合に、これを控除するという制度を設けるわけでございますが、それの実行上、どのようにやるかということ、これは今後どういう運用をしていくかということで、今後の運用に係ることになろうかと思いますけれども、いずれにせよ我々は、孤児や婦人、残留邦人の皆さんが、日本に帰ってきて良かったというような思いを持っていただけるような支援措置を講じたわけでありまして、その趣旨を十分に踏まえた運用を心がけて、本当にそういうことが実現されなければいけない、こういうように思っています。従って、その辺りの運用については、十分配慮した上での運用をいたしたいとこういうふうに思っております。
記者:
昨日、総務省の年金記録の第三者委員会で一応基準として、明らかに不合理でないこと、一応確からしいこと、というような基準が決まったんですが、この受け止めをお聞かせ下さい。
大臣:
これは、元々私どもの法律を所管する官庁としての措置ということではなくて、より国民の立場に立って今回の問題を解決しようと、こういう政府全体の意思、特に安倍総理のリーダーシップによる政府全体の意思を実現するということでございますので、そういう意思を体した基準というのは、どういうものであるべきかということを、第三者委員会の方々がより各専門的な立場を踏まえて、そういうことも含めてご検討いただいた結果であるというふうに私ども受け止めておりまして、これは第三者機関というものを設置して、お委ねしているということからいって、そういったことは前向きに受け止めて、その実行を確保していくことが大事だと考えます。
記者:
赤城さんの問題ですけど、先ほど大臣は、参院選への影響で、よく説明すればそんなに大きな影響はないだろうとおっしゃいましたけど、要は、よく説明すれば誤解はなくなるだろうと、つまりよく説明すれば分かることだから問題ないだろうというふうにお考えということですね。
大臣:
冒頭言ったように、そんなに詳しくこの問題をトレースしていません。率直に言って。ただ、お二人の、私などは赤城さんの人柄というようなものもよく知っていますから、そういう意味からいって、間違いのある人ではないと、こういうように確信していますから、従って、これはよく説明すれば分かることだろうとこういうふうに申し上げたわけであります。今日、何かご説明されるんじゃないんですか。
記者:
残留孤児の話に戻るんですけど、昨日、支援策がまとまったことについての率直なご感想と、それと他の社会保障制度とのバランスということを役所の方でおっしゃっていましたけども、その観点からして今回の支援策どのように受け止めていらっしゃいますか。
大臣:
これは、第三者の有識者会議のご意見、それから与党のPTの意見というようなことをよく聞いて決めるようにとのお話がありまして、私どもは、有識者会議にご審議をお願いして、これについては、一定のおまとめを頂いたわけです。この趣旨は、皆さんご承知のとおり、二階建てでやるべきだということで、年金と給付金の二階建てで対処しなさいということですので、今回の与党PTの案は、基本的にそのラインに沿っていると、こういうように受け止めています。加えまして、先ほどちょっと話題になりました、厚生年金等の収入について、これをどう判定するか、どう判断するかということが問題になりまして、私どもとしては、3割について控除をすると、つまりそこの部分は収入として認定しないということで、あとの7割は、収入として認定させていただいて、これが、給付金の方にめり込んでいくというスキームを作っていただいたという認識をいたしております。これが他のバランスでどうかということですけれども、私どもとしては、全く他にない制度を持ち込んだということではなくて、やっぱりそういう収入の一部を認定しないということは他にもあるわけでございまして、ただ、それに加えて、やはり孤児あるいは婦人の方々のご苦労というものを配慮して、ややというか幅を、配慮したと、考慮して設定したということでございますので、一つの考え方、いい考え方をお示しいただいたというように考えて受け止めている次第です。
記者:
年金記録問題で、歴代の厚生労働事務次官と社会保険庁長官に賞与相当額の寄付を要請されている件で、現状で、何人がその寄付に応じる意思を示したのかと、それについての大臣の所感をお願いします。
大臣:
私どもとしては、これは卒業してしまった方々ですけれども、法律的な意味ではなくて、やはりこの問題というのは非常に長い間にわたって、その解決が先延ばしされてきて、ここへきて一挙に問題が表面化して、これに本当に取り組まなければいけないと、我々としては、絶対ここのところで全ての膿を出し切るということで取り組んでいるわけですけれども、そういういきさつからして、現役の方は本当に一職員と言うか、入ったばかりの人もいるわけですが、そういうような人たちにもやはりそういう気持ちを表してもらっているということからすると、今までのOB、経験者という方々については、是非ともこれはご協力をいただきたいと、こういうふうに考えておりまして、なお私どもとしてはそういうことについて、ご理解をいただけるように働きかけていきたいと、このように考えています。
記者:
協力に応じた人数については、把握の方はされていないのでしょうか。
大臣:
今、私自身は把握していません。
記者:
それに関連して、明確に支払うのは嫌だと言っているようなOBの方もいらっしゃるのですか。
大臣:
具体的な表現とか、意思表示のしかたについては、私自身つまびらかにはしておりませんけれども、消極的という人がまだいるのですね。そういうような方々には、やはり今、社会保険庁、あるいは厚生労働省が立っている状況というものについて、よりご理解をいただいて、ご協力をいただきたいと、このように考えています。
記者:
現役の職員の方の返納の状況というのはどうなのでしょうか。
大臣:
これはみんな協力をしていただいていると思っています。
記者:
詳しい数字は。
大臣:
詳しいことはわかっていません。私自身は把握していません。
記者:
昨日、円卓会議で、今年度の最低賃金を、従来どおりではない方法で大幅に上げるようにという合意がなされたのですが、最低賃金法が改正されていない中で、どのように、特に使側ですね、説得されるおつもりかお考えをお聞かせください。
大臣:
私どもは、先国会、ついこの間済んだ先国会に、最低賃金法の改正案を提出をしていたわけですけれども、その前提の考え方というのは、要するに、雇用形態が非常に多様化していると、パート、派遣、こういうような人たちの、全体の雇用者に占めるウエイト等も従来とは様変わりになっているわけです、3分の1というものに接近をするというような状況で。そういう人たちの給与、賃金というものを、従来そういうことが今のようなウエイトをもっていない時の、例外的、あるいは、家計で言うと補助的な労働者が働いている時と同じように見るわけにはいきませんよということです。それから、そういうことをやったら格差が固定化するでしょうと、そういう実態認識に立って、最低賃金を上げなければいけないということで提案をしました。私は、この法律案はたしかに成立しませんでしたけれども、しかし、この事実認識とか、あるいは、それに対して、最低賃金を引き上げることによって、そういった状況に対処したいという、その方向性について、国会で反対というようなことでは全くなかったという認識を持っています。ですから、私が申し上げたいのは、こういう我々の事実認識と、それに対して、最低賃金法の改正をして、最低賃金を引き上げるということは、法律案が成立しなかったからといって、なにも我々変える必要もないというふうに思うわけです。もちろん、我々継続審議をお願いしていますから、あくまでもこの原案でもって、国会を通していただきたいということを申し上げているわけですから、そういう状況ではあるのだけれども、やはり我々の客観的な事実認識と、それに対する対策ということは、気持ちとして生かしてもらって、最低賃金の問題にみんなで対処してもらいたいと、こういうことで、昨日の底上げの方々にもお願いをしたと、こういうことでございます。したがって、今質問の方がおっしゃったように、大体そういうことで合意が図られたということであれば、それは我々としてはありがたいと、こういうように思っています。
記者:
ちょっと話題は変わるのですが、食品に対する放射線照射に関してなのですが、じゃがいもにしか認められていない放射線照射が、キッコーマンが輸入した大豆イソフラボンに対して行われていたということで、自主回収を先月行いました、キッコーマンが。現状では、どうやって放射線が当てられたか調べる法的な基準がない中で、輸入されることで入ってきてしまう可能性があるというところで、厚生労働省としては、どのような対応を今後されていくおつもりなのでしょうか。
大臣:
これは法的な枠組みがないというのは、ちょっと我々の認識とは違います。法的にな枠組みはちゃんと我々持っているという認識です。まず、輸入をされる方々には、食品安全の見地から、その加工、製造、こういったプロセスについての届出をお願いしていますから、当然放射線を当てて殺菌をしたりというようなことをしている方々は、そこにきちんと届出をしなければならないと、こういうことになります。それからまた、我々情報を受けたりして、そういうことをやっている先である、輸出元であるという場合には、その輸出をされる人にも届出の義務を課しているわけでありますから、したがって、法的な枠組みとしては、私どもとしては持っているというふうに考えています。問題は、技術的な、それを検疫する技術的な手法があるかと言われれば、これは世界共通ですけれども、まだ開発されていないと、一部開発の兆しはありますけれども、基本的にはまだできていないと、こういう状況でありますが、これは技術のことですから、日進月歩でいずれそういったことも可能になることを期待していますけれども、法的な枠組みとしては、そういったものを水際でチェックできる体制にあるということで、ご理解をいただきたいと思います。

(了)