柳澤大臣厚生労働記者会挨拶

H18.09.26(火)22:48~23:00 省内会見場

広報室

会見の詳細

挨拶

大臣:
本日、スタートしました安倍新内閣におきまして厚生労働大臣を拝命致しました私、柳澤伯夫と申します。これからも、大変皆さん方にお世話になることと思いますけれども、よろしくいろいろとお願いしたいと、このようにお願いを申し上げておきます。
今度の私の仕事につきましては、外側から私も当然のことながらいろいろと見てきたわけですけれども、一つは、何と言っても国民にとって最も関心の高い仕事である。いろいろ新内閣の発足等で何を期待するかと、そういう国民の世論調査などでは、やはり年金問題を始めとする社会保障の問題が最大の関心であって、それの改革に期待するという声が多いわけであります。そういうことで、国民が最も関心を持っている領域である。同時に、これを安定的な制度にするには、問題が生じている。これをどのように適切に克服・解決して、国民の期待に応えていくか、おそらく現在日本が直面している問題の中で最も大きな問題だと、このように思っております。そういう分野を自分が担当することになったということで、いやがうえにも責任を感じている次第です。社会保障あるいは各種の福祉政策、さらには、いろんな労働市場の問題、少子化対策、そういうマクロ的なことがあるわけですけれども、私は、政治家としてスタートする時に、福祉の問題について日本の中で非常に先進的な施設の経営に当たっている方に、随分お世話になったことがあるわけです。天竜の天竜厚生会というところの理事長をしておりました内山先生なんですが、この内山先生は、先代からそういった天竜厚生会を運営されてきた人なんですが、その天竜厚生会に入っていきます玄関先に、たぶん聖書の言葉だったと思うんですけれども、それが石に彫られて掲げられてあります。何と書いてあるかと言うと、正確な文言かどうかはちょっとおぼつかないのですが、100匹の羊のうち、99匹は帰り来たけれども、今行方の分からない1匹をどうしても探して救うんだと、こういう趣旨の言葉であります。内山先生からは、これこそが、福祉の原点なんだと、この精神なんだと私は教わりました。今日まで、実はわずかの期間、誰だったかな、ちょっと離任をするというので厚生委員長を仰せつかったことがありますけれども、それ以外はほとんど外側からだけ、まあ厚生委員長もどれだけ内側かという問題ありますが、外側からだけ、この分野を見ておりましたが、私の政治生活スタートでの、その言葉というものは、常に私の気持ちにありまして、今回、そういう分野の最高責任を負う立場に立ったので、いやがうえにも思い出さないわけにはいかないということで、私の気持ちを示すためにこのエピソードを申し上げさせていただきました。いずれにせよ、非常に大事な分野である。しかし大きな問題を抱えている分野であるということであります。私もいささか政治の道でいろいろな経験をさせていただいてまいりましたので、それらを踏まえて、持っている全ての力をこの問題の解決、それから国民の期待に応えるための仕事のために捧げようと、このように思っています。以上です。
記者:
今日、厚生労働大臣ということで、拝命されたときに何か総理の方から、特にご確認のようなものはございましたか。
大臣:
総理からは、今直面している問題を10項目くらいでしょうか、あらかじめ準備されたプリントされた紙がありまして、それを渡されながら、先生と言ったか柳澤さんと言ったか正確に覚えていないんですけれども、「もうベテランですから、どうぞ頑張ってやってください」というような趣旨の話がありましたが、格別具体的な問題に触れたお言葉はありませんでした。
記者:
厚生労働大臣というのを、どのように総理の方からは伝えられたんでしょうか。途中で電話か何かがあったんでしょうか。
大臣:
いいえ。官邸に行きまして、いえその前に、テレビを見ておりましたら、そこでテロップが流れまして、厚生労働大臣になるということを、なる可能性があるということをそこで知りました。本当に、正式にお聞きしたのは、総理の前に行って、今言った厚生労働省の所管のことについての当面の留意事項というようなものを渡されて、厚生労働大臣をお願いしますと、こういう感じで伝えられまして、それが正式には初めてです。
記者:
靖国神社の問題でお尋ねしたいんですけれども、大臣は任期中に靖国神社の方に参拝されるお考えというのはございますでしょうか。
大臣:
いろいろな参拝の仕方があるんですよね。私は特に、九段の宿舎に住まわせていただいているものですから、しょっちゅうあそこの前を通るし、たまに孫が訪ねてくれる時は、靖国の裏手にある池まで必ず散歩するんですね。その時に、方向によっては、もちろんお社の前を通ったりしますので、その時にお賽銭でお辞儀すると、こういう非常に非公式というか日常的なことも、率直に言ってあります。顔を知られているものですから、神社の担当者なんかはですね、それだけでも柳澤さんだという調子で、たぶん私をアイデンティファイしていると思います。そういうこともありますが、参拝というのはおそらく、そういうことを言っているわけではなくて、昇殿をした上の参拝というようなことかと思いますが、これはちょっと、今日の今、する・しないと言う準備もないし、考えも固まっていないのですが、いろいろなことを考えて適切に判断したいと、こういうように思っています。
記者:
もう一つ、この問題で安倍新総理大臣が官房長官の時から、参拝したかしないかという点に関して、明言されないと、いわばあいまいとも取れるような対応をとっておられますけれども、その点について何かお考えがございますでしょうか。
大臣:
これは、安倍総理が、総理としてですね、これからの問題もありますが、最も適切に判断されることだというように思いまして、我々閣僚の立場で総理のお考え、あるいはそれに基づく行動について何かコメントをするということは、どういうことなのかなという感じが致します。むしろ、それは差し控えた方がいいのではないかというふうに思います。

(了)