閣議後記者会見概要

H18.08.15(火)10:43~10:50 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今日は、いろいろな案件がございましたけれども、人事院勧告について、給与関係閣僚会議が開かれ、そのことについて、総務大臣からご報告がございました。私の立場としては、人事院勧告を尊重して実施すべきということで意見を申し上げましたけれども、もう一度、閣僚会議は行われる、今日は、議論が始まったところということでございます。それから、私は明日から、タイ、マダガスカルに出張いたしますので、代わって竹中大臣に臨時代理を務めてもらうことになります。それから、今日の靖国参拝について、記者会見の内容について、総理が語られました。それに対して、谷垣財務大臣から、「総理は5年前の公約を果たされたと受け止めます。しかし一方で、A級戦犯の合祀問題については、国内にも様々な議論があるところで、どのように、戦争で亡くなられた方に対して慰霊をしていくかということについては、これから様々な議論の中で詰めていかなければならない。また、その中において、アジア諸国との関係というものを詰めていかなければならない。」という発言がございました。以上です。

質疑

記者:
8月15日の総理の靖国参拝について質問です。早速、中国や韓国から強い抗議声明が出ている一方で、9月の自民党総裁選や次期総理の政権運営に影響を与えるという指摘もありますけれども、大臣ご自身は、今日の総理の参拝をどのように受け止めていらっしゃいますか。
大臣:
公約は重いものだなと。去年の今頃、解散、総選挙で走り回っていましたよね。党内が分裂という中で、国民の審判を求められた。それは総理が、民営化というものが自分の総裁選挙の公約であるから、党内に異論があっても押し切るという形で結論を出された。今回の靖国神社の参拝も、そういった意味では、5年前の公約ということでありますので、谷垣財務大臣も発言されていますとおり、その約束を国民に向かって守られたということになるのだろうと私も受け止めております。私どもも、できるだけ避けた方がいいという思いを記者会見でも述べてまいりましたけれども、改めて公約の重さというのを感じております。そういった意味では、この総裁選挙においても、やはりお互いが、3人でしょうか、今のところ、きちんと国民に対して公約、すなわち自民党の総裁選挙であっても、国民の公約となったわけですから、結論から言えば。したがって、この自民党の総裁選挙で訴えるということは、野党の党首選びと違って国民への公約というものを明確にしながらやっていかなければならないというものを総理自身が示された問題になったのかなという感じを受けております。したがって、これから3人が述べられることを私どももしっかり聞きながら、その人を選んだ以上、やはりその公約を守っていくということになるかなと思っております。
記者:
総理が、かつてA級戦犯について、戦争犯罪人ということをおっしゃっていたかと思うんですけれども、大臣ご自身もA級戦犯に関しては、そのような認識を持っていらっしゃいますでしょうか。
大臣:
少なくとも我が国は受け入れたわけですし、また、戦争の責任を誰が負うのかということになれば、上の地位にある者が責任を負っていく。これは、どんな組織でもそうでしょうから。そういう意味では、東条さん以下が責任を負ったというふうに私も解釈いたしております。
記者:
大臣、確認ですけれども、先日の会見で、大臣は終戦の日の参拝については控えるとおっしゃいました。改めて、今日参拝されるお考えはございますか。
大臣:
今日、これから武道館にいかなければなりませんから、私は、そういう意味では、天皇陛下をお迎えしての戦没者追悼式の全体の責任を持っている立場でありますので、それに専念いたします。
記者:
先ほどの質問にもありましたけれども、早速、中国・韓国から反発が出ているんですけれども、そのことについての受け止め、あるいは、今後の政権運営についてどういうお考えですか。
大臣:
先ほど申し上げたように、次の総理の話じゃないでしょうか、もう。9月の末に新しい総理が選ばれる。その総理が、国民にどのような公約をして、政治をおやりになるか。そのことに対して、近隣諸国がどのような感情を持つか。またアメリカはどのような感情を持つか。諸外国がどう言うか。それは外交上の総理の方針でしょう。逆に言えば、5年前、小泉さんは自分の公約を掲げて、公約違反をしたわけではないのだから。
記者:
総理が、参拝について、心ならずとも戦争で命を落とした方々への哀悼の意を捧げるためというような形で説明をしているかと思うんですけれども。
大臣:
その気持ちは、私も、30歳の時から28年間ずっと靖国参拝を続けてきた。同じ思いです。しかし一方で、今回、大臣という立場でもあり、また、このA級戦犯の合祀問題というのがこれだけ大きな議論をされている中で、私自身は控えるべきであろうという判断をいたしました。気持ちは変わりませんよ。
記者:
ちょっとお話が大きくなるんですけれども、先の大戦に関する、日本の戦争責任について、大臣のご認識等についてちょっとお伺いできればと思うんですけれども。
大臣:
そんな大それたことを言うつもりはないけれども、日本があのような戦争を起こしてしまったということについては、私の家も実は3代政治家をやっているものですから、戦争自体に反対をしてきた立場ですから、それを貫いてきたことも事実なのです。あの戦争は間違いだったと思います。

(了)