閣議後記者会見概要

H18.07.28(金)10:37~10:53 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今日は、総務省から、労働力調査結果、消費者物価指数及び家計調査結果についてご報告がありました。6月の完全失業率は、季節調整値で4.2%となり、前月に比べ0.2ポイントの上昇となりました。季節調整値で前月からの変化を見ると、就業者数は16万人減少し、完全失業者数は13万人増加しています。消費者物価指数の7月の東京都区部速報値は、1年前に比べ0.4%の上昇、6月の全国確定値は、1年前に比べ1.0%の上昇となり、生鮮食品を除く指数は0.6%の上昇、食料とエネルギーを除いた指数は0.2%の上昇となりました。全国2人以上世帯の6月の消費支出は28万1千円で、1年前に比べ実質2.2%減少し、6か月連続の減少となりました。これらの数字で見ますと、失業率は、イギリスが3.0%、韓国が3.5%、日本が4.2%、高いのがドイツ、フランスがそれぞれ10.9%、9.1%というところです。ただ、正確性からいうと、イギリスの3.0%というのは、必ずしも日本の指数とは違う。我々の感じでは、日本の4.2%とイギリスの3.0%というのは、大体一緒くらいかなという感覚を持っております。それから、消費者物価指数は、日本が1.0%、中国が1.5%、フランス、ドイツが約2%、対して、イギリスが3.3%、アメリカが4.3%ということで、日本が飛び抜けて安定した数値と言うことができると思っております。平成18年6月の有効求人倍率でありますけれども、季節調整値で1.08倍と前月の1.07倍を0.01ポイント上回りました。すなわち、先ほど詳細を申し上げた労働力調査では、0.2ポイントの上昇となりましたけれども、有効求人倍率で見ますと、改善の方向に進んでいる。この両方の指数をどう見るかということで、多少ご質問もありました。全体的な流れとしては、大きな変化はないのではないか、すなわち、雇用失業情勢は厳しさは残るものの、改善が進んでいるという総務省も私どもも同じ見解を持っているところでございます。そういう意味では、それでは6月はなんで0.2という数字が出たのかという点の分析については、もう少し時間をもらいたいと思っております。もっと言えば、6月だけの数字の出方かもしれませんので、7月、8月と数字的にしっかり掴んでいく必要があるということになると思います。それから、内閣官房長官から皇太子同妃両殿下及び愛子内親王殿下のオランダ国御旅行御滞在について、国家公安委員長からインドネシア共和国に対する防災及び警察分野における国際協力の状況について、規制改革担当大臣のベルギー、リトアニア、ラトビア及びエストニア訪問について、北側国土交通大臣のインド訪問について、ご発言がございました。それから、構造改革特区の提案募集への対応についてということで、少子化、地域の雇用・再チャレンジ、対日投資、地方制度改革など、今いただいておりますと。総理からも、「しっかり構造改革特区、特に首長が手を挙げて、こういう制度でやってみたいという場合には、できるだけ省庁は協力をするように。」という強いご発言がございました。以上です。

質疑

記者:
昨日、西川政務官の方から、社会保険庁の件でお話がありましたけれども、本庁が組織ぐるみで不正をはたらいたということはなかったと、ただ、他局の地方事務所の例を他県に教えた例というのがあったという話なのですが、そこら辺については、本庁職員の責任というところまでは、考えていらっしゃいますか。
大臣:
検証委員会でこれからやるので。一部の新聞では誤解がありますので申し上げると、昨日、まさに内部調査の総括が上がった。それを検証委員会に報告した。検証委員会は、私の方から、そうしたものを受けながら、検証委員会としての結論を出すようにという要請をしているわけですから、検証委員会がそれを受け取って突き返したみたいな表現があったけれども、検証委員会はそれを受け取って、自分達が検証してきたこと、すなわち、現場に出向いたり、いろいろな意見を聞いてきたことを、最終的に検証委員会の報告ということでまとめて、両報告書を、来週私のところへ上げてくるという手順論ですから、そこは間違えないようにお願いしたい。したがって、その手順論の中で、今ご質問があったことに対して私が何か言うというのは少し手順を逸脱している。検証委員会にしっかり検証してもらったものを、私が今度はそれを受けて、どう判断をしていくかというところが手順でございますので、そういう形でお願い申し上げたいと思います。ただ、私が見ている限りは、やはり本庁は地方がやっていることについてもう少し早期に気づくべきであったという感じを持っております。
記者:
それから、昨日、同じ派閥である谷垣さんが総裁選に出馬表明されましたけれども、ないし、同じ派閥の大臣として、これから先、安倍さんなり、麻生さんなりと戦っていくわけですけれども、総裁戦に勝つための勝算みたいなものについてはどうお考えになりますでしょうか。
大臣:
これからだな。正直言って、候補者もしっかり揃ってから。総理が閣議が始まる時にこそっと谷垣さんに言ったのは、「出馬表明したな。」ということと、「官邸にいたひなも育って飛び立ったよ。」「何羽ですか。」と言ったら、「三羽です。」という、現実に官邸にいましたよね、ひながね。その話をとらえて言われていました。まさに、小泉内閣の中で改革に努力をしてきた立場の閣僚が、たぶん3人以上の方々が新しい自分の抱負というものを示しながら、自民党総裁選挙ということで戦いをされるのだろうと。それは、国のためにもいいことであり、また我が党、自民党という政党から見ても、いろいろな意見が交わされる中でやっていく。まさに、政策論議がある、政策論争がある政党としてやっていくということは一番大事なことであろうと思います。そういう意味では、今ご質問いただいた勝つことを前提に立候補いたしましたかということになると、そこはたぶん谷垣さんの立場から言えば、やはり自分のこれまでの経験を生かしながら、「国民に」という表現から使ったと思いますけれども、「国民に対して何ができるか訴えていきたいです。」ということですから、まさに彼の政治の1つの集大成として自分の意見をしっかり国民に伝えてご判断いただきたいという方向に入るのだろうと思いますから、我々はそれを尊重してやっていこう。もう1つは、派閥のことをいろいろ言われているけれども、政策集団である限りは、その政策の中の意見とも一致していかなければならない。そういう意味では、昨日谷垣さんが発言されたことは、谷垣さんの個人ですかと言われれば、たぶんそうではないだろう。宏池会という政策集団の意見が集約された中での昨日の意見と思っています。それがいい、悪いと言う人がいるけれども、私はやはり政策を持った集団というのは当然あると思っています。
記者:
谷垣さんの政権公約についてなんですけれども、消費税率5%引き上げで、それで社会保障目的税化ということをおっしゃっていますけれども、谷垣派の一員というより厚生労働大臣として、5%の引き上げ幅とその社会保障費目的税ということについてどう思われますか。
大臣:
これは、野党と多少意見が違ったと思うんですけれども、医療費制度改革について、そんなに伸びないという意見を野党の方が言われたり、医師会の方も言われた。我々は、団塊の世代がそろそろ定年を迎える、そういう意味ではあと5~6年で年金をもらう時代を迎える。70歳になると医療費はかなり増えてきますね。その世代の数が一番多いのですから、徐々に徐々に社会保障費は増えていきます。年金、医療、介護。来年はいくらですかという議論があまり伝わっていない。マイナス2,200億円の話ばかりが伝わって、自然体で来年は7,700億円社会保障費は増えるのですよというところがうまく国民にまだ伝わっていないと思うので、マスコミの方々にお願い申し上げたい。したがって、年々年々7千億、8千億円というものが増えていく。いや、我々の世代がそういう65歳や70歳、75歳という節目を迎えていくときは、もっと増えていきますということに当然なる。したがって、5年というスパンならばこういう数字は成り立つかもしれないけれども、10年、15年というスパンを考えていくと、とても小さい消費税の負担、消費税と言わなくてもいいですね、ある程度の歳入というものを考えないと、とても成り立たない話になってくるだろう。という中で、谷垣さんが10年というスパンをお考えになって社会保障との整合性を考えていくと、10%ないと足りませんねというのを、財務省の立場から発表されたのだろうと。うちから言ったら、もっと高い数字が出るかもしれませんけれども、適当なところの数字ではなかろうかなというふうに、私個人の見解としては思っております。
記者:
谷垣さんのことで恐縮なんですけれども、靖国問題とかで、参拝を自粛するということで、一部で閣内不一致だとか、財務大臣を辞めてからすべきでないかという意見もあるようですが、閣内不一致かどうかについてどう思われますか。
大臣:
まあどうかな、総理は自分の個人的な見解と、ご自分の心情に基づいてやっていると言われている。「閣議決定したことですか?」と思いますね。
記者:
今の流れですけれども、昨日谷垣さんが一連のテレビに出られて、インタビューアーの方から、対立軸は何ですかということを盛んに言われて、谷垣さんがとまどっていらっしゃったところがあったと思うんですが、グループとして、一番訴えていきたいというのは、どの辺になるのでしょうか。
大臣:
総論として昨日の意見があったのでしょう。それでは、社会福祉で、例えば、今65歳まで、特に男性は労働意欲が高い、すなわち労働力人口として70%はカウントされていますね。しかし、団塊の世代が、そういう時代を迎えるときに、もう少しそれは上げていった方がいいのではないか、80~85%、役所でも80~85%という数字で書いてある。その一方で、65歳という切れ方をするのですか、それとも70歳近くまで働いていく世代にしていくのですかというのも、我が国の活力を維持するという意味では一番大きな課題。特にヨーロッパとの最大の違いですね。ヨーロッパは、60歳になったら、ほとんどリタイアして働かないと言ってもいいでしょう。我が国は、今言ったように、65歳まで働くという1つの個性になっている。それをもう少し特性を生かしながら、ボランティア活動も含めまして、そういう社会を日本がやはり作っていって、世界最長の長寿国としての1つのモデルケースを作り上げていくということも大事な話だろうと思う。こういう政策をいつからしますかと言ったら、それは時を見ながら、しゃべってもらったらいいのではなかろうかなと思います。これが、谷垣さんの政策になるとは言いませんよ。一例で申し上げたら、私がアドバイスをするとしたら、そういうものも1つ考えられます。まあ、1週間に1つずつくらい出していきますから。
記者:
1週間に1つずつというのは。政策の目玉。
大臣:
まあ今日は、厚生労働大臣の記者会見なんだから。宏池会の会長代行の記者会見じゃないから、あまりちょっと今日は深入りしすぎだな、マスコミの方が。

(了)