閣議後記者会見概要

H18.07.21(金)10:55~11:16 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今日は、予算の概算要求の方針が決定されました。最初に、地方自治法第263条の3第2項の規定に基づき申し出のあった意見に対する回答について、総務大臣からご発言がございました。これは、全国知事会を始めとする地方6団体からの、地方分権の推進に関する意見に対する回答でございます。それから、平成19年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について、財務大臣からご発言がございました。特筆すべきことは、今回導入した「経済成長戦略推進要望」です。我が省としても、このところをどう考えるかというのは課題だと思っております。それから、与謝野大臣からも、「平成19年において、内外のリスク要因に留意する必要があるものの、民間需要中心の自律的・持続的な経済成長が実現するものと期待されます。このような見通しの下、「基本方針2006」に盛り込まれた今後5年間の歳出改革方針を踏まえ、最大限の歳出の抑制を行う必要があります。」というご発言がございました。総務大臣から、平成19年度における機構及び定員の要求等についてご発言がございました。それから、同様に総務大臣から、政策評価の結果の平成19年度予算の概算要求への反映について、ご尽力をということでございます。同じように、地方の声というものを十分配慮していただきたいというご発言がございました。その中で、外務大臣から、平成19年度における機構及び定員の要求等について、総務大臣がそう言われるものの、外務省が置かれている立場は違いますというご発言がございました。それから、総理大臣から、「平成19年度予算は、政府与党で合意した「歳出・歳入一体改革」を具体化し、財政健全化の成果を示していく初年度となる重要な予算である。このため平成19年度の概算要求基準は、全体の歳出水準を引き続き厳しく抑制する一方、従来にも増して予算配分の重点化・効率化ができるようにしたところである。各大臣におかれては、今後の予算編成過程において、この方針に基づき、積極的に歳出改革に取り組まれたい。」とのご指示がございました。このことにつきましては、火曜日に財務大臣と厚生労働省予算の問題について、話し合いを行いました。これは、歳出・歳入一体改革をやる前にも一度持ったわけですから、2度目ということになります。2回とも同じことを申し上げました。「2年前から、年金、介護保険、医療制度改革をやってきている。その結果に基づいて、介護保険制度も今年新たな枠組みで動き出している。また、医療制度改革についても、片や療養病床の改革については約6年間、それから、後期高齢者医療はあと2年後のスタート、そういった意味では、そういう数字をしっかり見ながら、改革の道筋を確かめながらやっていかなければならないので、やったばかりに次の改革をと言われても、とてもできるものではございません。」と申し上げました。「1兆1千億という努力目標が5年間で掲げられているけれども、それを5年間で割って2,200億という数字が提案されたということではお受けするわけにはいかない。また、先ほど申し上げた年金、介護、医療の改革の努力ということからしましても、なかなか難しい話です。」とお話し申し上げました。一方で、財務大臣の方から、「骨太の方針の中にも、雇用保険、生活保護の問題等、努力をしてもらいたい項目が挙げられているので、今年はなんとか2,200億を受けてほしい。」という話がございましたので、それでは、1つは、これから、1兆1千億という努力目標があるとしても、今年の2,200億という問題についてはお受けいたしますけれども、来年はまた新たなスタートということで議論をさせてもらうということが第一。第二に、この2,200億、すなわち、7,700億自然体で考えて増加する、その中で、2,200億の削減努力をしてほしいということは受け止めるといたしましても、新たな課題、すなわち、歳出・歳入一体改革にも書かれております少子化対策の問題、児童手当等の問題については、年末の予算折衝で、枠外で議論をさせてもらいますというのが1つ。それから、年金については、3分の1の国庫負担を、3年後に2分の1に上げると書いてある。毎年毎年努力を積み重ねていこうという議論ですので、去年も予算折衝でやらせていただいたけれども、今年も予算折衝で暮れにやらせてもらいたい。この2点については、枠外になります。また、その他の問題も生じるかもしれないということをお話し申し上げて、そこは枠外で予算折衝の段階でお話しさせていただきたいということで、決着をさせていただきました。それに基づいて、今日の概算要求ができあがったわけですが、財務大臣と会見をいたしました後、記者会見も、ぶら下がりでしたつもりですけれども、各社の報道によっては、今申し上げたことを書いてくれたところもあるけれども、2つが枠外になっているという問題について、触れていただけなかったところもございましたので、重ねて発言を今させていただきました。詳細については、また会計課長からお話をさせていただきます。いずれにせよ、今日閣議了解されましたので、これに基づいて、予算編成作業に入ってまいることになります。8月中に全てを詰めなければならない、それから、先ほど言いました経済成長という問題、新たな課題が出てきておりますので、我々がどういった問題をそこにあてはめながら、新たな要求をしていくかという問題もこれから検討していくことになります。
それから、平成18年警察白書について国家公安委員長から、それから、外務大臣から、ミャンマーにおけるポリオ予防接種実施に対する緊急無償資金協力について、小泉内閣総理大臣のイスラエル、パレスチナ自治区、ヨルダン訪問及びG8サンクト・ペテルブルク・サミット出席について、防衛庁長官からクウェートへの訪問について、それから、猪口大臣から米国及び韓国訪問について、文部科学大臣からウガンダ共和国及びエジプト・アラブ共和国政府要人との会談等について、農林水産大臣からスイス訪問の結果について、経済産業大臣からスイス訪問の結果について、2つともWTOでございますが、ご発言がございました。これは、サミットで議論された中で、WTO問題で、6か国の閣僚が急遽招集されて、この1か月以内でしっかり話し合えということを受けた会合でございます。そのようなことで、今週も一時期そうでございましたけれども、また、10日間ぐらいだったかな、農林水産大臣の代理も私が務めることになります。それから少し閣議が長くなりましたのは、梅雨前線に伴う大雨による被害と国土交通省の対応についてということで、国土交通大臣からご発言があり、それを受けて、防災担当大臣、それから、総務大臣からご発言があり、併せて農林水産大臣から、実はこの水害の影響プラス東北・北海道地域では冷害の影響が出始めている。農林水産省を中心として、なかなか、天候の状況が読みにくい。そして、冷夏、もう夏なのでしょうから、冷夏が続いているということで、そういった影響が懸念されるというご発言がございました。確かに、15日~17日の海の日を含めた3連休の天候状況も全国的に思わしくありませんでしたし、そういう意味では、今年はかなりボーナスが増えた分、観光が期待できるのではないかという読みを致していたところでありますけれども、出足が多少つまずいているなというのも事実であろうと思います。したがって、経済の動向をしっかり見ていかなければならないなと、私どももそういう意味では、観光地における労働状況というものをしっかりウォッチしていかなければならないという思いを致しております。以上です。

質疑

記者:
2,200億円の削減に関してなんですけれども、生活保護とそれから雇用保険をメインにしてカットしていくと。ただ、それだけですと、ちょっと足りないんじゃないかという話もありまして。
大臣:
足りないから自信ないよと言ってある。そこは、いろいろ努力して下さいということですから、そこは努力しましょうということでお受けいたしました。
記者:
2,200億円に関しては、ちゃんと確保するということを財務大臣の方に言われたと。
大臣:
厚生労働省全体の予算の中で、いろいろ努力をしていくということになります。
記者:
昨日来、昭和天皇が生前に親近者に、A級戦犯を合祀したことについて、強い不快感を示したという話が政界の中でかなり議論になっているかと思うんですけれども、そのメモが見つかったことについて、大臣のご見解を。
大臣:
報道を見ているだけですから。詳細は新聞報道しか分かりません。ただ、私自身、分祀を強く期待をしていた国会議員の一人でございますので、一方で、私どもの大先輩、たぶん橋本龍太郎先生、斉藤十朗先生でなかったのかなと思います、正確なお名前は分かりませんけれども、その方々が、分祀という問題について随分ご努力をいただいて、交渉されたことも事実。それが、大先輩が努力したけれどもうまくいかなかったということで、私ども分祀という問題がなかなか取り組めないのだろうな。もちろん、宗教法人のことでございますから、当然そこの判断ということになるので、話し合いの結果、先輩が努力したけれども結果としてうまくいかなかった。こんな思いでいたことは事実であります。また、一方で、中国や韓国を含めて、いろんな議論が出てきて、分祀というものについて改めて言及される方々が増えてきた。私も一代議士として、分祀が願わくば行われて欲しいという思いを持っているものですから、そういう政治家として、昨日の朝刊からの報道を見ながら、新たな思いがあることは事実であります。ただ、政治家と宗教法人との接点というのは、なかなか難しいなという感じも致しております。一政治家として考えましたものです。
記者:
靖国を参拝するかどうかということが、総裁選への議論のテーマの1つとなっていると思うんですけれども、今後このメモが見つかったことについて、どのような形で総裁選に影響を与えるか。
大臣:
これは分からないでしょう。正直言って、まだね。まだ分からないけれども、分祀なり様々な議論が出てくることは間違いないだろう。先ほど申し上げたように、かつてあった議論なのです。有力な議論として、先ほど申し上げたように有力な先輩がご努力をいただいたことは事実なのだけれども、話し合いはうまくいかなかったというふうに私も後輩の者として聞いていた。それもまた今後新たな議論が出てくるだろうということは間違いない。しかし一方で、宗教法人自身が判断すべきことであることは間違いない。そこは、政治家としてのりを超えてはいけないところは、心得ていかなければならないなと思っております。
記者:
のりを超えない範囲というところですが、一政治家としての思いを実現するために何らかの。
大臣:
個人の立場として、思いは遺族会長をはじめとして述べられていることは事実です。そういう意味では、私の今日の発言も似たような話になるのかな。分祀を期待したいと、一政治家として思いは持っています。
記者:
トンネルじん肺訴訟で、国が熊本と東京地裁に控訴したということなんですけれども、トンネルの被害者あるいは家族が連日厚生労働省前で話し合いを求めるというような形の活動をやっているんですけれども、今回の控訴をしたことについて一言いただきたいんですけれども。
大臣:
何回もお話し申し上げているのですが、全部で11カ所で裁判が行われているのでしょうか。そして、2つの判決が出てきた。共に国にとって厳しい判決であったことは事実ですけれども、内容的には随分違う判決が下ったことも実態として事実であろうと思います。一方で、私どもの主張とかなり乖離した判決が出てしまってことも事実であり、また9つの裁判が続いていることもまた1つの事実でございます。そういった中で、私ども裁判でもう一度ご議論を賜りたい。また9つの裁判、地方ごとに裁判が続いているわけですから、そこでもしっかり議論をしていきたいと思っております。
記者:
先ほど、シーリングの枠外の話で、年金と少子化以外の何かその他のものが生じるかもしれないというお話がありましたが。
大臣:
分からない、これは。
記者:
何か念頭に置いて。
大臣:
置いておりません。まだ。
記者:
大臣、その要求なのですが、先ほどの8月中に詰めるというお話でしたが、大臣としては、厚生労働省として、どのような方向性で要求されるお考え何かございますか。
大臣:
この成長枠の件。
記者:
成長枠も含めて。例えば、いろいろ対策、がん対策等ありますけれども。
大臣:
少子化問題等については、先ほど申し上げたように、暮れの予算折衝になりますので、その他の全体のフレームは、ある程度義務的経費で固まってしまったのが多い。逆に言えば、国会でずっと議論をしてきて、改革をして、そしてその結果が数字としてほとんど大枠として決まってしまっているというのが厚生労働省という役所の1つの特徴ではなかろうかなと思います。しかし一方で、成長戦略に多少関係してまいると思いますけれども、また、国会で議論されたがん対策という問題は、1つの切り口としてやらなければならないだろう。また、これから各省で3省で議論をすることになります、ご承知のように医師不足問題という議論の中で、どう対応をしていくか、偏在という問題への対応なのか、医師の入学定員の問題など、総務省や文部科学省と話し合わなければならない問題がある。こういう問題が具体的に詰まってきますと、予算要求という形で出していかなければならない話になります。そういう意味では、かなり多岐にわたるので、先ほど申し上げたように会計課長から少し説明させてもらおうかなと思っております。
記者:
医師の定員というのは、増やすべきだということで。
大臣:
私の持論は、少しこの間の中間報告でも出ましたように、人口が例えば100万人内外の県において100名もしくは80名の定員を持つ大学があるところにつきましては、基本的にはやはり地域枠というものをしっかりして、そこで、育った人たちが地域医療に貢献してもらうという体制を作ればある程度満たされていくのだろう。ところが、大きな県。200万人を超える県で、1大学しかない。すなわち、定員が100人しかないというところは、なかなか地域枠というものだけでは解決し得ない問題があるんではなかろうかなという中から、もう少しここを本当にどういう形で議論できるのかやってみろということで、議論をしてもらっています。これは、本当に総務省、それから、文部科学省が直接かんでいく問題なので3省でしっかり話し合いながらやりたいと思っています。長期的には、国会でも何回も答弁したように、また今回の中間的な話でも出てきているように、医師数が30万人を超えるような状況になるので、長期的には足りないという話にはならないだろうと思います。しかし今どうだと言われると、何かをしなければならないという意識の中で、今いろいろなことを考えています。

(了)