閣議後記者会見概要

H18.06.20(火)10:54~11:10 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今日は、精神病院の用語の整理等のための関係法律の一部を改正する法律、戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律の公布の決定がございました。それから、国民生活白書について担当大臣からご報告がございました。それから、内閣提出法律案等の成立状況について、提出法案91件、条約14件のうち、法律82件、条約14件が成立しました。継続審査案件のうち、2件が成立いたしました。議員立法は、がん対策基本法等14件が成立いたしております。それから、G8司法内務閣僚会合について、法務大臣、国家公安委員長からそれぞれご発言がございました。閣議の報告は以上でございます。

B型肝炎訴訟について

大臣:
6月16日、最高裁判所において、注射針・注射筒を連続して使用したことによる集団予防接種とB型肝炎ウイルス感染との因果関係及び除斥期間の起算点等が争われていた裁判における国側敗訴の判決が言い渡されました。原告の方に対して国の賠償責任が認められたことについては、重く受け止めております。この原告の方に対しては、誠に申し訳ないという気持ちであるとともに、判決の趣旨に従って迅速に賠償問題について対応したいと考えております。なお、判決文を今精査しておりますけれども、今後の対応については、まさに今、様々な機関と議論しているところでございますので、少しお時間をいただくことになると思っております。以上です。

質疑

記者:
先ほど、少子化の方の取りまとめが官邸で行われたかと思うのですが、国民に対してメッセージ性の強いものという趣旨で取りまとめが行われたかと思うのですが、その点についてはどう評価されますでしょうか。
大臣:
経済的支援というものが昨年の暮れ以来、様々な議論になってきましたけれども、実は一つの切り口に過ぎない話であって、少子化対策というのは、短期的に成果が出ますかということになると、諸外国の例を見ましてもそう簡単にいく話ではないだろうと思います。したがって、フランスの例がよく使われるわけですけれども、フランスの国民を増やすことがフランス国家の利益につながるという概念がある、これはドイツとかなり違いがあるわけですけれども、そういった意味では、我が国としても、今日の少子化状態を受ける中で、国民全体の中にこの少子化問題を考えてもらう、そして、国としてどうあったらいいか、国民としてどうあったらいいか、そういった面で、社会全体の問題として、ある意味では総括をさせていただいた切り口になっているのではなかろうかと思っております。特に、子育て等の経済的支援、それから、小泉内閣で一番力を入れてきました保育所の整備、こういう問題についてはある程度進んできたけれども、一番大きな切り口である働き方、雇用の問題、今回男女雇用機会均等法も通させていただきましたけれども、こうした男性と女性が共に家庭を持ち、育児をシェアし合いながら、また共に働く、こういう社会に向かって、社会全体の環境整備というのが、切り口としては一番大きな課題として今回取り上げられた。そういった意味では、児童手当をいくらにするのですか、保育所を何件増やしますかといった具体的な数値目標的なものに対して、今回は概念としてかなりメッセージは出させていただいたのではなかろうかと思っております。ただ、今申し上げた数字がはっきりするもの、児童手当がいくら、来年になったらいくら増えるのですかといった数字的なものは、総裁選挙もありますし、また、最終的な数字を詰めるためには、19年度予算の中に表していかなければならない。6月の時点で19年度予算の中にはっきりと数値目標を入れられるかということになると、これはもう少しお互い議論して詰めた方がいいという結論になった、そこがマスコミの皆さん方から言いますと、ある意味では物足りないというご批判をいただくかもしれませんけれども、今回の流れ全体としては、社会全体に訴えさせていただいてお互い考えようということを、一番大きな項目にさせていただいたというふうにご理解いただければありがたいと思っております。今後の手順として、もちろん、企業関係の皆さん方としっかり話し合いをしていかなければならないだろうと思いますし、また、来年はパート労働法等の問題を含めて労働法制関係も、必ずしも少子化とは言いませんけれども、働き方という意味では、法律を出させていただくことになるだろうと思っております。それから、手当の問題についても、これは従来は企業でご負担いただいた部分が多うございました、今回どうするのかという問題も含めて、我が省としても、議論を続けていかなければならないだろうと思います。それから、3月頃に、文部科学大臣と詰めさせていただいた放課後児童クラブの問題については、まさに来年の予算要求に向かって制度設計全体をきちんと仕上げていかなければならないだろうと思っております。それから、出産の時の切り口として、35万円までにいたしましたけれども、それに加えてもう少しできないのかということで、これは総務省との関連が出てまいると思います。すなわち、検診等の費用について、もう少し議論を加えたい。それから、不妊治療につきましても、これは基本的には、我が省と、地方の問題もございますので、総務省との話し合いだろうと思いますけれども、これも書かせていただきましたので、年末に向けて数値を詰めていくという作業がこれから進むということになります。
記者:
もう1点なのですが、BSEの関係で、今後米国との調整等、本格的に進めていくかと思うのですが、今後のスケジュール観を。
大臣:
これは、最終がまだ上がってきていないんです、私の所へ。要は、今日の夕方になるのでしょうか、局長級会合、うちの場合は部長ですけれども、会合を持って最終的な段取りと言いますか、ルールの再確認と言いますか、そうしたものを最終的に決めさせてもらって、それを受けて日本から視察を全ての施設にさせてもらうというところで、今のところ3チームくらいが行くことになるかなと。大変暑い中の調査になりますけれども、米国側にもいろいろな形で便宜を図ってもらって、全ての施設を見る。その報告が最終的にいつ上がってくるか、これがスケジュールの一番詰めのところですから、そこはまだ今の時点では最終時間、何月何日までにそれを終えるということは上がってきていませんので、上がってきた段階で、たぶん今日中に決まるでしょうから、それをご報告させます。
くれぐれも、ご理解を賜りたいのは、施設を見て、そして問題がなかったら、初めてそこで日米の合意というものが行われて牛肉の輸入が再開されるという話ですから、マスコミ報道が随分先へ先へ走っていますけれども、最終段階の視察を迎えるというふうにどうぞご理解を賜りたいと思います。
記者:
今のBSEの関連で、先週までにリスクコミュニケーションが終わりましたけれども、まだかなり消費者の方に反対意見なども多いのかなという印象を受けましたけれども、そういったご意見については、どのように受け止めて、今後どういうふうに生かしていかれるといういふうにお考えでしょうか。
大臣:
もちろん、いろいろなご意見を聞かせてもらいながら、一方で、私どもは基本的には科学的知見に基づいてやると言ってきたわけですから、少なくとも、日米間で昨年合意したルールを米国がきちんと守るならば、輸入再開というものがなされてもいいことであろうという判断をいたしております。ただ、そのルールが本当に守れるかというところで、最後の施設の調査の段階に入る。たぶん報道もあったためだろうと思いますけれども、もう決まってしまって、再開が決まってしまっているのではないか、だから「しっかり見て来い」、「やっぱり日本がチェックするべきだ」と、こういう議論が随分マスコミでもあったように思うのですが、そういう意味では、調査団が現実に米国に行く、たぶんその模様もマスコミを通じて、報道されるでしょう。そういう中で、日本から全ての施設を見に行って、チェックしているのだなというのが国民にメッセージとして正確に伝わることがまず大事だろうと思います。その上で、再開になりましても、当面は、私どもは全量調査をさせてもらう、今まではサンプル調査でありましたけれども、国民のそうした声、要するに、昨年の合意というのがどうだったのだというものも含めて、日本側として強化すべきことがあるのではないかという声に応える意味で、当面全量調査を、全箱開けるという方針を決めさせていただいておりますので、そういう意味では、ご意見を聞きながらやらせていただいているという面もあると思っております。
記者:
これも先の話になりますが、事前調査の結果によっては、その施設について何か問題が見つかった場合は、そこから輸入をしないという判断も、もちろんあり得るということですか。
大臣:
まさに、その結果を議論するということになります。ですから、再開を決定してから見に行くという話ではなくて、再開に向けて様々な段取りがありますねという中で、最終調査は終わっていない、これからやるのですというところだけは、是非ご理解をいただきたい。
記者:
先ほど、冒頭にお話がありましたB型肝炎の件なのですが、原告の方が5人なのですが、それ以外の方にもやはりキャリアですとか、患者の方は、数百万単位というお話もありますし、予防接種を回し打ちということであればB型もそうなのですが、C型ということについても同じようなことがあったのではないかというような指摘がありますし、こういった原告以外の方々についても、今後の対応というのは含めて検討されるというお考えでよろしいのでしょうか。
大臣:
5人の方々については、裁判の結果に基づいて1日も早く賠償しますと申し上げた。他の問題については、今判決文を精査しながら検討しておりますと申し上げた。
記者:
少子化の関係ですけれども、乳幼児加算のお話が今もありましたけれども、財源をどこから見つけてくるかというのは、これは厚生労働省の内部で、今までの社会保障関係給付の中でやり繰りするのか、あるいは、あくまで新たに別途別枠で見つけてくるのか、その辺については。
大臣:
最終的には、この問題については、もちろん猪口大臣と財務省と議論されたのだろうと思いますけれども、官邸が引き取って最終的にお決めいただきましたので、もちろん厚生労働省が知らないとは言いませんけれども、官邸を含む内閣全体としてやったと。
記者:
労働関係の法律ですが、今、審議会でやっている労働契約法制や新しいやり方を事実的な時間制をやっていますけれども、あれを念頭に置いていらっしゃいますか。
大臣:
いや、今年国会に出そうとした、来年出すかはまだ決まっていませんけれども、最低賃金の問題もあります。それから、先ほど申し上げたパート労働の問題もあります。かなりの法律になるのではなかろうかと思っています。それは、大体お分かりいただいているのだと思いますけれども、一昨年来から、年金問題、介護、それから障害者自立支援法、それから医療制度改革という形で、厚生関係の法案の大型のものが続きました。現実問題、この審議に衆議院、参議院を通じるとやはり2ヶ月くらいの日程を要するものですから、予算が3月で上がって、それから2ヶ月要すると、今回もそうでしたけれども、事実上、4月、5月はそれにとられる。もう一つ大型法案ということをぶつけると、今回、社会保険庁問題が入らなくなったくらいですから、そういう意味では、厚生関係の法律がここ2、3年多くて、なかなか労働関係が国会で十分時間をお取りいただいてご審議いただくことが出来なかったという中で、3つの改革、年金、医療、介護が進んできましたので、来年は、労働関係の整理に厚生労働省としても力を入れたい。いろいろな課題があることは事実でございますので。

(了)