閣議後記者会見概要

H18.04.11(火)08:54~09:06 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今朝は、厚生労働省に関する案件はございませんでした。国土交通大臣から、国土交通白書について、財務大臣から、ASEM財務大臣会議について、それから、与謝野経済財政政策担当大臣から、歳出・歳入一体改革の取りまとめについて、閣僚にもご協力をいただきたいということで発言があり、総理からも歳出歳入両面の改革方策等について、集中的に検討を進め、改革路線を揺るぎないものとしたいと思うので、閣僚各位も積極的に協力せよというご発言がございました。それから、官房長官から、随意契約の点検、見直し等についてということで発言があり、総理から、また財務大臣からもございました。このことについては、各委員会で、私も何回か問われているところで、厚生労働省はもちろんでございますけれども、関係の独立行政法人等についても、厚生労働省の基準でやるようにということで、強く要請をいたしております。同じように、国土交通省からもございました。これは、実際に自分のところが、各種の調査・検討業務、広報などの行政事務補助業務、清掃・賄いなどの厚生福祉業務等を、原則として民間に直接委託しますということであり、いままで間に公益法人が入っていたというもので、このへんも私のところの課題であると思っております。それから、法務大臣から日本司法支援センターの設立について、お話がございました。それから、二階経済産業大臣から、明日の日本を支える元気なモノ作り中小企業300社ということで、ご発言がございました。以上です。

質疑

記者:
フランスで若者の新雇用制度を政府が事実上撤回したということになりましたが、労働行政をあずかる大臣のご所見をお伺いできますでしょうか。
大臣:
ヨーロッパの状況、特に、今日のフランスの状況、その前にはドイツの問題等ありましたので、しっかりまとめるようにという指示を出したところでございます。これは、我が国も、若者に限って申し上げれば8%近い失業率にあり、国全体が4.1%という中で、極めて高い。しかし、ヨーロッパを見ると、20~25%ぐらいという非常に高い失業率にあり、その中で、必ずしも、法律を厳しくすると雇用が上がるという話ではなくて、逆に体系が厳しいと企業の柔軟性というものが損なわれると、かえって雇用が悪くなる。そこに、フランスが注目をして、既に報道によるとドイツとかイギリスでは、そういう制度を入れているということで、フランス独自にお考えになったというよりヨーロッパの流れにフランスは沿おうとして、国民の反発を受けた。国民なのか、労働組合なのか、若者なのかはよく分かりません。その辺の分析もしなければならない。いずれにせよ、反発を受けたということで、そういった状況を我々も的確に判断しながら、どうやったら若者の雇用というものが改善していくかをしっかり考えなければならないだろうと思います。これは、ヨーロッパのみならず、日本も若者の雇用が、全体的に言って先ほど申し上げましたように良くないわけですから、そういった理解をどう進めていくかということだろうと思います。一方で、やはりアジアの国々の大きな力、中国を中心とした「ものづくり」の力というのが安い賃金の中で出来上がっている、それに対抗するために企業が苦労しているということも事実でしょう。我が国もこの10年そんな中で悩んできた。しかし、やっと明るみとして出てきているところなので、間違えない方向で、雇用環境の整備をしていかなければならないと思っています。今回、男女雇用機会均等法や労働関係の法律も出させていただいていますし、また、最低賃金制度の問題やある程度所得のある人の働き方についても議論をしているところです。そういった意味では、この2~3年の中で労働関係の法律も変化していくことは間違いがない。それが間違えた方向にならないように、我々もしっかりしていかなければならないと。フランスのことを見ながら、そんな感想を持っていますけれども、冒頭申し上げましたように、現実はどうだったんだ、というのをもう少し分析をさせていただきたいと思っております。
記者:
最初の話の中にありました、しっかりまとめていこうという指示というのは、その分析をしっかりするようにという指示ですか。
大臣:
そうです。ヨーロッパは、切り口として、1つは移民の問題、もう1つは、日本に比べて厳しい労働法制があるのだろうと思いますけれども、結果として若者の雇用が大きく失われているということも事実でしょう。そういった意味では、今日ヨーロッパで起きていることを正確に我々が把握した上で、もっともアジアの中にありますし、中国とも近いところにあるわけですから、どうあらねばならないかというのが先ほど申し上げた課題と同時に詰めていくことになります。
記者:
4月から障害者自立支援法が始まって、利用した福祉サービスの料金の1割を原則負担することになりましたが、現場の福祉施設では混乱が続いているようなのですがどうお感じになられていますか。
大臣:
4月1日から始まって、各自治体が懸命な取組みをしているところですから、しっかりとした理解が進むように期待をしたいと思いますし、また、理解をしてもらうように各自治体に我々の方からしっかり連携を取っていかなければならないと思っています。
記者:
名古屋では、障害者が施設への利用料金支払いを拒否するケースも出ているようですが、それはどのように受け止めていますでしょうか。
大臣:
個別の具体的事例は聞いておりません。今、名古屋と言われたが、名古屋もまだ我々の方に直接お見えになっていない。そのうちお見えになるだろうと思いますし、あくまで、地方自治体がしっかりとした説明をしていく。これは今1割と言われたけれども、所得の低い人たちには出来るだけの配慮をしている法律でございますから、そこは伝わっていないのではないでしょうか。
記者:
負担金の補助をする自治体も出ているようなのですけれども、地域で障害者福祉に格差が生まれているということについては、どのようにお考えでしょうか。
大臣:
国というのものは、1つのガイドラインを作って1つの最低条件を作り上げる。少子化にしても、障害者対策にしたって、医療にしても。そこに地方自治体がそれぞれの努力で積み上げられるということを格差と呼ぶということについては、少し言葉が違うのではないでしょうか。それは、地方自治体の努力ではないですか。限られた財源の中で、どこへ、教育の方向に振り向けるのか、少子化に振り向けるのか、雇用に振り向けるのか、それはそれぞれの自治体がされることで、我々は、セーフティーネットという最低基準というガイドラインを国は作るわけですから、自治体の努力というものを格差だという表現は私は間違っていると思います。
記者:
金曜日に民主党の小沢新執行部、新代表が選ばれて、今日、新執行部が発足するわけですが、新しい民主党執行部に対してどのような国会論戦を期待されますか。
大臣:
小沢さんも政治家として長い歴史を持たれている方ですから、野党として、国会運営を的確なご判断をいただけるのだと思っています。いずれにせよ、与野党というのは、国会を通じて議論をしながら、そして、政策を進めながら、一方で最終的には選挙で国民の判断をもらうということになっておりますから、そこは小沢さん一番よくお分かりになっている方ではないかなと思います。
記者:
今日から、米国産牛肉の沖縄で国民との対話、説明会が始まるのですけれども、改めて、この件についてのご所見をお聞かせください。
大臣:
改めてご所見というよりは、国民に丁寧に説明して、今国民がどう思っているということを出来るだけ吸い上げたいという、こういう活動に入ったということです。ずっと昨年の12月以来の経過があり、これは報道しつくされた話です。したがって、国民の皆さん方から忌憚のないご意見をいただきたいなと思っております。そのための丁寧な説明をしているというふうにご理解下さい。

(了)